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映画の思い出について

 

<映画寸評>
日本の作品
欧米の作品
アジアの作品
ATG作品
文芸作品(原作もの)

 

<ドラマ寸評>
日本の作品


<注目する女優>
イングリッド
     ・バーグマン
コン・リー

ジャンヌ・モロー

ジーン・セバーグ
ニコール・キッドマン
フェイ・ダナウェイ

浅丘ルリ子

芦川いづみ
栗原小巻

黒木瞳

関根恵子

高峰秀子

中谷美紀

成海璃子

樋口可南子

真木よう子
宮沢りえ

吉永小百合

若尾文子

 

<注目する男優>

石原裕次郎

<注目する監督>
イム・グォンテク

チェン・カイコー

大島渚

小栗康平

小津安二郎

黒澤明

木下惠介

熊井啓

イングマール
    ・ベルイマン

<最近観た映画>

無伴奏

キャロル


 

<最近観たドラマ>

コントレール〜罪と恋〜
(NHK ドラマ10)

ガラスの家
(NHK ドラマ10)

 

<トピックス>

八重の桜の史実と創作

「三國連太郎」で逝く

 NHKの番宣では、あの「セカンドバージン」大石静が贈る「ガラスの家」というような事を言っていたような気がする。二匹目のドジョウはいるのか、いないのか?
 話は、軽飛行機の事故で妻を亡くした財務省の次期次官候補である主計局長・澁澤一成(藤本隆宏)が、同じ事故で両親を亡くした女性・玉木黎(井川遥)と結婚する。家には同じ財務省の官僚・仁志(斎藤工)と司法試験浪人の憲司(永山絢斗)の二人の息子がいる。どうも話は父と息子の公私にわたる対立の話らしい。一つ屋根の下の義理の母と息子の話なので、「セカンドバージン」よりはどろどろした話しだろう。

 

<第1話>
 当然の事ながら導入部である。黎が家に入ってくるが、息子二人は今までと違う雰囲気にとまどう。一方、父は仁志が黎と仲良くするのが気になり始める。そして、生身の自分に気づき、この日から父は壊れていく。
 最後は、「黎さんが来て、この家は今までと違う家、ガラスのようにはかない家になった」、というナレーションで終わる。

 主題歌は、西野カナの「さよなら」。

<第2話>
 財務省の言いなりにならずに、公務員制度改革を政治主導で進めようとする日本改革党代表・村木陽介を陥れようと父が策略を施し、週刊誌沙汰にする。村木の主張に同調する仁志はそんな父に反発する。そんな折り、財務省で秘書をしていた時、父・一成に世話になったという謎の女・尾中寛子(菊池桃子)が仁志と憲司の好きなプリンと鯛焼きの詰め合わせを持って、澁澤家に挨拶に来る。果たして女は一成の何なのか?そして女が挨拶に来た狙いは何なのか?彼女の出現に依って澁澤家に波紋が起きる。黎の一成に対する不信、そして仁志の黎に対する愛情の芽生え。
<第3話>
 尾中寛子に会いに行く黎に対して寛子は一成との過去の経緯を明らかにする。仁志は一成の勧める見合いをするが、断られてしまう。一成の居ない夜に黎と仁志は一緒にワインを飲むが、飲み過ぎた黎はトイレの帰りに仁志の部屋で寝込んでしまう。そこに一成が帰ってきて唖然とする。
 こんな疑われるような事は自宅では起きないと思うのだが、それがドラマだ。
<第4話>
 一成が黎を支配し始める。「愛情は与えるものではない。分かち合うもの」 、と仁志は言う。一方、仁志の大学時代の同級生で作家、そして恋人の後藤は言う、「あの人(黎のこと)は恐ろしい。関わると早死にする」。
 後藤を演ずるのは梅舟惟永。存在感があってなかなか良い。菊池桃子はマンガっぽい。井川遥は魔性の女にぴったり。キャスティングは良く考えられている。
 仁志と黎は何故いつも一緒に月を見るのか?そしてその月は何故キレイなのか?
<第5話>
 この話しの副題は「金の靴」。米国だったか英国だったか忘れたが、新任大使のパーティーに一成に伴って出席する黎だが、そんな席に馴染まない黎は一人で別室で休んでいる。と、別の会議を仕切っていた仁志がそんな黎を見つけ、エレベーターまで引っ張っていき、一緒に乗り、下ったり上ったりの間に唇を重ね続ける。別室に残された片方の金色の靴。まるでシンデレラか映画「卒業」の一場面だ。
<第6話>
 仁志の部屋で一夜を過ごした黎だが、その部屋に留まらず自宅に戻り、一成に別れを告げる。黎は一人で部屋を借り、独立して絵画の宅配便会社で働き始める。そこに興信所を使って調べてきた一成が現れ、戻ってくれるように頼み始める。そんな時、漸く住まいを探し出した仁志が、黎の部屋のチャイムを鳴らし、黎を呼び続ける。余りにも偶然すぎる。しかし、これはドラマだ。ドラマは偶然の積み重ねから作られるのが普通なのだから仕方ないだろう。

 それにしても、官僚のトップ目前の一成という男の描き方は典型過ぎないだろうか?権力にしがみつこうとする男は、何が本心か分からなくなるものなのだろうか?
 ドラマは、10話の内の6話目。盛り上がってきている様でもあるし、中休みの様でもある。主たるストーリーは、一人の女性を親子で取り合うという話し。ラブストーリーとしては、昨年放送された中園ミホ脚本の「はつ恋」の”美しさ”に比べて俄然落ちるのは勿論、公務員制度改革を掲げている野党党首のスキャンダルがこれからどう描かれるかにも依るが、このままではストーリーという点でも、「セカンドバージン」 には劣るということになるのではないだろうか。
<第7話>
 黎は一成も仁志も選ばないで一人暮らしを続ける。後藤は仁志を諦めたふりをして憲司を誘う。後藤の新聞連載小説の話しといい、ライターは次から次へと色んな出来事を投げ入れてくる。しかし、このドラマが面白くなるか否かは、野党党首の村木がどうなるかに掛かっている様な気がするが、それは単なる道具立て(刺身のツマ)の様にも思える。それにしても正直なのは仁志だけ。そのためか、いつ見ても仁志は怖い顔をしている。
 この回で、一つ疑問に思った内容があった。次期次官候補とはいえ、与党の総理(首相)に議会解散を進言する事なんてあるんだろうか??