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映画の思い出について

 

<映画寸評>
日本の作品
欧米の作品
アジアの作品
ATG作品
文芸作品(原作もの)

 

<ドラマ寸評>
日本の作品


<注目する女優>
イングリッド
     ・バーグマン
コン・リー

ジャンヌ・モロー

ジーン・セバーグ
ニコール・キッドマン
フェイ・ダナウェイ

浅丘ルリ子

芦川いづみ
栗原小巻

黒木瞳

関根恵子

高峰秀子

中谷美紀

成海璃子

樋口可南子

真木よう子
宮沢りえ

吉永小百合

若尾文子

 

<注目する男優>

石原裕次郎

<注目する監督>
イム・グォンテク

チェン・カイコー

大島渚

小栗康平

小津安二郎

黒澤明

木下惠介

熊井啓

イングマール
    ・ベルイマン

<最近観た映画>

無伴奏

キャロル


 

<最近観たドラマ>

コントレール〜罪と恋〜
(NHK ドラマ10)

ガラスの家
(NHK ドラマ10)

 

<トピックス>

八重の桜の史実と創作

「三國連太郎」で逝く

セデック

 

奥深い山の森の緑、渓流の激しく清らかな流れ、蕩々と落ちる滝、紅梅かと思えるような赤い桜、男たちの激しい戦い、ゆったりとした女たちの暮らし。私はこの映画に感激しました。
この映画は1930年(昭和5年)に台湾の霧社で起きた抗日武装蜂起(?)、日本でいうところの霧社事件を描いています。霧社事件とは、台湾原住民(私たちは高砂族と教えられたと記憶していますが、正式にはセデック族)のマヘボ社頭目モーナ・ルダオ率いる同族6社約300人が、霧社で運動会を催していた女性、子供を含む日本人140人を襲撃、殺戮した事件の事である。彼らは地の利を活かし、かつ勇猛果敢に戦ったため、なかなか鎮圧できず、日本軍や警官合わせて2000名以上が出動したという。この映画の中にも出てきますが、日本軍は、当時、国際条約でも禁止されていた開発試作中の毒ガス弾を戦闘機から原生林に投下しています。また、弱いものを支配するための常套手段ですが、マヘボ社と敵対関係にある同族のトンパラ社を、報奨金を餌に鎮圧に参加させています。
事件の根本的な原因については諸説あるようですが、映画では日本に虐げられた彼らが自分たちの誇りを守るために死を覚悟して蜂起したように描かれています。地元の警察官の暴力、さげすみ、労働力の収奪などは目に余るものがあります。
セデック族の男は誇りが高く、自分たちの狩り場を守るために勇猛果敢に戦います。女は悠々と流れる時間のなかで、命の尊厳を大事にします。しかし、マヘボ社を初めとして蜂起したセデック族6社の女たちは、最後には集団自決という尊厳死を選びます。


この映画は、原住民を含む台湾、中国、日本、韓国のキャスト、スタッフが協力し、台湾映画史上最高額の制作費を掛けて作られた、第一部・太陽旗が2時間23分、第二部・虹の橋が2時間11分、トータル4時間34分の歴史大作です。山岳地帯での撮影は20人以上のスタッフが恙虫病にかかるなど、困難を極めたと言いいます。
日本人では安藤政信が重要な役(小島巡査)を演じています。そのほか木村祐一、田中千絵、河原さぶ、春田純一などが出ています。日本でもおなじみのビビアン・スーも主要な役を演じています。
監督は台湾史上歴代1位の大ヒット作「海角七号/君想う、国境の南」の監督、ウェイ・ダーション。主演は原住民で現職牧師、映画初出演のリン・チンタイです。リンの演技は見事で、彼が出なければこの映画は成功しなかったのでは、と思わせます。

 

ジャック1

今回、私は横浜のジャック&ベティで見ました。ジャック&ベティは黄金町駅から近い、風俗と思われる店もあるようなディープな所にある、ミニシアターです(数年前までは大通りに面した所にあったと記憶していますが)。金曜日という事もあり、観客は30人程度で、シニアと思われる人が殆どだったでしょうか?

 

じゃっく2

 

 

台湾を占領し、原住民の狩り場を奪い、彼らを虐げた日本人の子孫の私がこの映画に感激するというのもおかしい様な気もするのですが、とにかく必見です

 

ただ、上映時間のかなりの部分は戦いの場面です。女性にとっては刺激的な首狩りのシーンもかなり出てきます。
しかし、映像も美しく、躍動的で、4時間以上の長時間を飽きもさせず、心が躍る映画です。

(この映画は史実を基に脚色されています)