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映画の思い出について

 

<映画寸評>
日本の作品
欧米の作品
アジアの作品
ATG作品
文芸作品(原作もの)

 

<ドラマ寸評>
日本の作品


<注目する女優>
イングリッド
     ・バーグマン
コン・リー

ジャンヌ・モロー

ジーン・セバーグ
ニコール・キッドマン
フェイ・ダナウェイ

浅丘ルリ子

芦川いづみ
栗原小巻

黒木瞳

関根恵子

高峰秀子

中谷美紀

成海璃子

樋口可南子

真木よう子
宮沢りえ

吉永小百合

若尾文子

 

<注目する男優>

石原裕次郎

<注目する監督>
イム・グォンテク

チェン・カイコー

大島渚

小栗康平

小津安二郎

黒澤明

木下惠介

熊井啓

イングマール
    ・ベルイマン

<最近観た映画>

無伴奏

キャロル


 

<最近観たドラマ>

コントレール〜罪と恋〜
(NHK ドラマ10)

ガラスの家
(NHK ドラマ10)

 

<トピックス>

八重の桜の史実と創作

「三國連太郎」で逝く

NHKで久しぶりの経済(?)ドラマをやるというので見る事にした。かつては夏目雅子が出演した「ザ・商社」や栗山千明が出演した「ハゲタカ」などというドラマを楽しんで見た。
このドラマはテレビ60周年記念ドラマで、”会社再生”のドラマだという(公式サイト)。
出演者は唐沢寿明、高橋克実、吉岡秀隆、國村隼、大塚寧々、岸部一徳など多士済々である。
3回連続の土曜ドラマだが、第1回は既に終わった。
〈第一回〉
唐沢演じる矢作が営業部長を勤めるタクミ電機の経営が思わしくなく、彼は更迭される。しかし、実際は彼を含めて会長から選ばれた3名に”会社再建”が任される。「再建戦略チーム」が結成され、3ヵ月の期限で戦闘が始まる。まず”リチウムイオン電池”での会社再生に命をかけようとするのだが、そこに立ちふさがるのが中国企業、そしてその企業で技術を担当するのが以前にタクミをリストラされた男、迫田。
う〜ん、シナリオが何かステレオタイプだ。それと”リチウムイオン電池”に会社再生の掛けるまでのプロセスが殆ど描かれない。このドラマは経済ドラマなのか、男の生き方を描いたドラマなのか、はたまた夫婦の愛を描いたドラマなのか??
第2回目に期待したい。
〈第二回〉
与えられた期限が3ヵ月しかない事から、中国企業ライシェを技術盗用で訴えることができず、技術対価を要求したものの退けられ、タクミ電機との提携に興味を示している唯一の企業、ドイツのマンハイムとの交渉に方針を切り替える。マンハイムの提携条件が、会長、社長の退陣である事から矢作は会長にそれを進言する。会長は一見承諾したふりをし、役員会で決めようとするが、当たり前のように賛成する役員はいない。逆に会長は技術盗用でライシェを訴えるように指示する。矢作は、サラリーマンとして、そのようにせざるを得なくなるが、チームのみんなは離れていく。特に財務課長の柿沼は、最後の手は倒産し、再建するしかないとの思いからタクミを辞めようとする。
一方、東亜新聞経済部の根来が、矢作の娘と懇意になり、彼女からの情報で、「タクミは倒産」の記事を書く。実はこの男は迫田の息子であった。根来は矢作が父をリストラし、その結果、中国に行かざるを得なくなった事、また、母がノイローゼとなり妹と一緒に自動車で自殺した事で矢作を恨んでいる。そして、矢作は根来とのもみ合いの中で突き飛ばされ怪我をしてしまう。
第一回のところでも書いたが、このシナリオの狙いは何なのだろうか?根来の話は単なる挿話なのか?メインストーリーなのか?そして、どんな結末になるのか?
テレビ60周年ドラマというので骨太のストーリーを期待したのだが、どうも期待はずれな様である。キャストは錚々たるものであるが、3回もので合計4時間弱で描けるストーリーはしれているのか?でも未だ諦めてはいない。最終回に期待したい。
〈最終回〉
タクミがライシェを訴えた事で、ヤマト自動車はライシェのリチウム電池搭載の決定を取り消す。一方、迫田は電池の発火あった事が隠蔽されていた事に気がつき、市場に出た製品の回収を社長に進言するが受け入れられない。そんな色々な事を踏まえて、迫田は日本で事情説明をやる。しかし、根来の質問に対して技術者の本音を語ってしまう。会見はめちゃくちゃになり、彼は退社を決意する。
う〜ん、ちょっとできすぎのシナリオである。
それを見て矢作は「最後の手」ライシェとの事業提携を思いつく。この「手」が「最後の手」とは私には思えなかった。これは、ビジネスをやっている人間であれば、容易に思いつく手の一つではないか、と思う。
脚本を手がけた井上由美子の経歴を詳しくは知っていないが、企業活動の経験はなさそうだ。だから、この程度のシナリオになってしまうのだろう。非常に残念である。
一度はライシェに断られるが、結局、タクミの提案を受け入れた、というところでドラマは終わる。
脚本家が女性であるせいか、矢作の妻や娘、柿沼の妻が物わかり良く描かれていた。
演出のせいもあるだろうが、このストーリーは日本ビジネス再生の物語とは思えなかった。これは「昭和」か「20世紀」の日本の物語である。今、世界に伍して日本のビジネスが戦っていくためには、技術神話への回顧では難しい。もっと、違う何かを追究しなければならない。そして、その確実な何かは未だ見つかっていないと思う。