Bon Voyage! HOMEMOVIE REPORT > My Best Movie 1996-1998

My Best Movie

発作的に選定したMY BEST MOVIE 1996, 1997 and 1998

何の脈絡もなく、1998年に観た映画からよかったものを10本選んでみました。ついでに、1996年(後半だけ)、1997年も作ってみました。とくに理由はないのですが、リバイバルものははずしました。また、「私が観た」時点での区分なので、他のベストテンなどで公開日を基準としている場合とは、ずれていることがあります(例:「タイタニック」は1997年公開だが、私が観たのは1998年1月)。

それに、言わずもがなですが、私の個人的な趣味で選んでいますので、「そんなはずはない!」ってことはたくさんあろうかと思います。まあ、「ベストテン」を自信をもって断言できるほどたくさんの映画を観ているわけではないので、ただの遊びでございます。ですから、「なんかオマエのつけたの数と矛盾するんだけど」という疑問は却下。


(で、数えて見たら1998年12月31日時点で、映画評トータル126本になってた。これって2年半で割ると、ひと月に4.2本。ま、そんなもんか)


1998年

全39本から

ベスト

1. 「フル・モンティ」
これには異論も多いと思うが、最初に観た時のインパクトが1年たっても新鮮だっていうのが決め手。映画の原点みたいな勢いを感じる。何より、ラストのストリップシーンが笑えて泣けて拍手喝采で、久しぶりに劇場での一体感を味わった。
2. 「ゲット・オン・ザ・バス」
歴史に残る傑作とは言えないかもしれないが、映画からのメッセージを素直に受け止めることができた、という意味で私には素晴らしい経験だった。スパイク・リーは低予算の方がいいのか?
3. 「L.A.コンフィデンシャル」
観てからしばらくして反芻しても、思い出す画面の完成度が高い。ひとつひとつのシーンの密度が凝縮しているというか。

ちょっと変わりダネ

4. 「ビッグ・リボウスキ」
大家への道を歩むのか? コーエン兄弟がその才能をイタズラ心いっぱいに浪費してくれたのが嬉しい。
5. 「フェイス/オフ」
ジョン・ウーの美学がついにハリウッドで開花。変わりダネってことでもないが、香港映画人の世界進出の記念として。
6. 「がんばっていきまっしょい」
変わりダネっていうより、実にオーソドックスにレベルの高い作品に仕上がっている。なのに、興行的にはうまくいきそうにないところが、日本映画界への警鐘に思える。邦画では他に「愛を乞うひと」もよかった。

ハリウッド大作だけどやっぱりうまい

7. 「プライベート・ライアン」
うまい、ずるい、もうかるの三拍子そろってやっぱりすごい。演技、カメラワーク、編集、とにかく演出のお手本みたいなもんだ。
8. 「タイタニック」
どんな人でも、どこかで泣ける。ハラハラ、ドキドキも、自己犠牲も社会批判もラブシーンも全部取り揃えてみせた強力な作品でした。果たして、20年後にはどんな評価を受けるだろうか?

女優が魅力的だった2本

9. 「恋愛小説家」
ハハハ。ヘレン・ハントにぞっこんなので。
10. 「ムトゥ・踊るマハラジャ」
ミーナっていったっけ、この女優? 階段ですれ違うときに素足で男を撫でるシーンはゾクゾクきましたねえ。

次点

「HANA-BI」
「ジャッキー・ブラウン」
「ブギーナイツ」

ついでに。全然よくはないが異様なパロディとして記憶にとどめたい

「スターシップ・トゥルーパーズ」



1997年

全59本から

ベスト

1. 「秘密と嘘」
演技とかリアリズムとか語る前にこの映画を観るべし。
2. 「八日目」
2人の少女と花火。仕事中毒の男とダウン症の男。私だって自分に素直になれる時もあるってことを確認できた。

感動して泣ける

3. 「フェノミナン」
トラボルタだけど、しみじみとよい。
4. 「マイ・ルーム」
スター勢揃いのなかで、ダイアン・レインが出色の出来。

毒のある笑い

5. 「マーズ・アタック!」
ベスト1にしてもいいんだけど、性格を疑われそうで。贅沢にして下品、豪華にしてチープ。

壮大なメロドラマ

6. 「イングリッシュ・ペイシェント」
戦争、砂漠、不倫。舞台効果は抜群。しかし、私は教会のフレスコを照明弾で見せるシーンでK.O. された。

香港B級のめっけもん

7. 「夜半歌聲/逢いたくて、逢えなくて」
レスリー・チャン出演作品としては「花の影」もいいのだが、キッチュなつくりのなかにしっかり娯楽映画のエッセンスを詰め込んだこのテイストに、なんか妙に惹かれる。

ヨーロッパの実力派

8. 「モンド」
象徴的に考えればいろいろありそうな寓話。印象的なキャラクターとエピソードで綴られた佳篇。
9. 「浮き雲」
暗い北欧の空の下、夫も妻も失業してしまう。淡々とした独特のカウリスマキ節健在。
10. 「コーカサスの虜」
笑いと風刺と皮肉に満ち、戦闘シーンやラブシーンや声高な批判はほとんどない。映画は実に雄弁であることを実証する。 戦争って相手を殺すことなんだ。

次点

「ジャック」
「ザ・エージェント」
「フェイク」


1996年(後半のみ)

全28本中

ベストの8本

1. 「レ・ミゼラブル」
ジャン・ポール・ベルモンド主演。20世紀前半のフランス史を背景にした骨太の人間ドラマ。
2. 「ファーゴ」
コーエン兄弟が大絶賛された。救いのない狂言誘拐&大量殺人を乾いたユーモアで描く。
3. 「パリのレストラン」
映画としてはそれほどでもないが、とにかくおいしそうなのだよ。
4. 「戦火の勇気」
私はどうも「勇気」という単語に弱いらしい。戦争における勇気とはちいと違う勇気であるところに、ヒネリと感動がある。
5. 「エグゼクティブデシジョン」
カート・ラッセルはともかく、アクション系ではよくできた脚本に感心。
6. 「ザ・ロック」
かなり無理な筋立てながら、気の利いたディテールと役者とでうまくだましてくれる。
7. 「ツイスター」
なんといってもヘレン・ハント。テレビ女優と差別され、表情作りすぎと非難されたって、いいんだ、私がついている。
8. 「グース」
かわいい鳥とかわいい女の子の組み合わせで、家族でも安心のハートウォーミングなストーリー。一時の気の迷いで★★★★★をあげちゃったが、ま、そんなに悪くないかもしれない。


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Text by (C) Takashi Kaneyama 1999