Bon Voyage! HOMEMOVIE REPORT > 1997年6月

「スター・ウォーズ」

ジョージ・ルーカス監督、マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー、ピーター・カッシング、アレック・ギネス
★★★☆
帰って来た名作、映画館は大入り。スター・ウォーズのオフィシャル・ホームページ(http://www.starwars.com/なんと日本語のページがあります)では、ルーカスが「ぜひ映画館の大スクリーンで若い人たちに観てほしい」とメッセージを送っていました。もう解説はいらないでしょう。どうも宇宙港(モス・アイズリー)にルークとオビワン・ケノービが入っていくシーンが新しくCGになっているもよう。

「失楽園」

森田芳光監督、役所広司、黒木瞳
★★★
徹夜明けのついでに朝一番で観ました。かなりの物好きです。でも、結構しっとりしたいい出来です。テレビ版とは較べものになりません。でも、このタイトルはミルトンに失礼ではなかろうか。最初から最後まで、主人公の二人は愛し合って喧嘩もしません。これだけ信じあえるなんて奇跡的な愛です。よく考えると変ですが、映像に説得力があります。筒井ともみの脚本もいい。

「セイント」

フィリップ・ノイス監督、ヴァル・キルマー、エリザベス・シュー
★★
偽名に必ず聖人の名前を使う変装の名人にして、プロの盗人、セイント。ロシアの巨大組織に対抗して常温核融合の秘密を盗みにかかるのだが.........サスペンスにも意外性にも乏しい凡作。予告編に騙された。

「八日目」

ジャコ・ヴァン・ドルマル監督、ダニエル・オートゥイユ、パスカル・デュケンヌ、ミウ・ミウ、アンリ・ガルサン
★★★★☆

神さまが世界を創造した六日間の次の日、神は休息なさった。そして、八日目、神がつくったものは?

ダウン症の青年と、仕事ばかりで家族を省みない男が出会う。青年は母を求めて(もう死んでいることを忘れている)、男は離婚した妻の元にいる二人の娘に会いに。この二人の娘、アリスとジュリエットがものすごく可愛くて、演技とは思えないほど自然。エンドロールによれば監督と同じ苗字なので、実の子どもらしい(調べたらやっぱり娘でした)。海岸で花火を上げるシーンがぐっときます。私の回りではイチオシの映画。おすすめです。ビデオが出たら、ぜひ。同じ監督の前作(処女作)「トト・ザ・ヒーロー」もいいです。

「瀬戸内ムーンライトセレナーデ」

篠田正浩監督、長塚京三、岩下志麻
★★★
松竹が「うなぎ」と2本立てにしたので、観ました。結論からいえば、なかなかいい映画でした。「瀬戸内少年野球団」からのシリーズ3本目だそうです。淡路島から、戦死した兄の遺骨を郷里宮崎の墓へ家族全員で納めに行く旅。神戸で出会った美少女、船に乗り合わせた闇屋や活動写真屋、別府ではちんぴらと対決する羽目に。ちょっと変わったロードムービーでもあり、混乱の戦争直後の日本へのオマージュでもあります。

「うなぎ」

今村昌平監督、役所広司、清水美砂、柄本明
★★★☆
今年のカンヌ映画祭でパルムドールをとって話題に。密通していた妻を殺してしまった男が、刑務所を出所して理髪店を開きます。彼の友達はうなぎ。刑務所の池で飼っていたうなぎと一緒に新しい町に住み始めます。やがて、自殺未遂の女性を救ってから、物語が展開していきます。軽い語り口で、素直に映画の中に溶け込めます。ユーモアも効いていて、佳品です。でも、これがカンヌの最高賞ということは、他がほとんど救いのない映画だったんでしょうね。

「ザ・エージェント」

キャメロン・クロウ監督、トム・クルーズ、キューバ・グッディングJR.、レニー・ゼルウィガー、ケリー・プレストン、ジェリー・オコネル、ジェイ・モア、ボニー・ハント
★★★★
伊良部のヤンキース移籍でも話題になったスポーツ・エージェント。アメリカでは、大学生でもスター候補にはエージェントがついて、球団との交渉、コマーシャルの契約、マスコミ対策までやってくれます。しかし、エージェントにとって、選手は消耗品。活躍しなければ見向きもされない。そんな非人間的な管理に嫌気がさしたトム・クルーズは会社を批判するレポートをつくってしまいました。それで首になり、彼についてきたのはひとりの女性事務員とアメリカンフットボールの二流のワイドレシーバー。トム・クルーズだからといって馬鹿にしないでください。これは華やかなスポーツ界の裏側を描いて感動的なサクセス・ストーリーでとっても楽しめます。とくにアメリカンフットボール狂の私にはこたえられませんでした。


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Text by (C) Takashi Kaneyama 1997