ちゃんちゃん焼き

　…島内観光はさておき、お楽しみのごはん、ごはん！
 出来ればお風呂に入る前に行っておきたかったお店なんだけど、すっかり忘れてお風呂上がりのぴかぴか姿で行ってしまった。

　ちゃんちゃん焼きのお店『ちどり』。
　ほっけのちゃんちゃん焼きは、この店のご主人が考案した食べ方(らしい)。
　塩をしていない生のほっけを開き、その上に秘伝のみそ、たっぷりの刻みネギをのせ、目の前の炭火で焼く。
　はじめはオレンジがかった身の色が、焼かれて次第に白くなっていく。身の上にのせられたみそが、くつくつと煮えて香ばしい香りを漂わせる。

　もう我慢できない！…箸でつつくと皮から簡単に身がはがれる。ほぐした身に、煮えたみそとネギを行儀悪く混ぜ合わせ、ごはんと一緒にぱくり。ん〜まぁ〜いっ！

　みそは何で出来てるか分からない。白味噌に、酒、一味、昆布だし…ここまでは分かるけど、それ以上入っているものは分からない。「何で出来てるんですか？」と聞くと、おじさんは「分かったら全部タダにしてやる」と、強気の構え。ちぇ。

　店には、もちろん気の利いた換気設備など無い。煙が出れば、窓を開ける。逃げ切らない煙は店内をもうもうと漂って私を焙り、服と言わず髪と言わず、宿命的なほっけの匂いを染み込ませた。

　…しかし、ウマイ。悔しいけど、また行ってしまうくらいウマイ。
　ほっけなんて、普段生活してると居酒屋で出てくるそれ、くらいのイメージしかないので、生のほっけの軟らかさ、塩焼けしていない時のジューシーな旨みというのには圧倒される。
　日持ちがしないので、東京で食べられないのが何とも残念だ。

　それから、ここで出される「礼文豆腐」もかなり美味しいよ。

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