礼文島

 豊富温泉を出て、稚内で夜を明かし、翌朝一番の船で今度は北海道の北北西にある『礼文(れぶん)島』へ渡る。

 この島も『利尻(りしり)島』という島と、双子のように連なっている(写真は礼文岳山頂から利尻島を眺めたもの)。
 利尻が「利尻富士」と呼ばれる高い山(1718m)を抱えているのに対し、礼文は200〜300mの山がだらだらと続く(ちなみに、礼文岳の標高は490m)。人口は利尻の方が多く、栄えているのもそっち。
 ノブの目的は、釣りと美味しいごはんなので、利尻よりは礼文の方が好きみたいだ。利尻には釣れる川が1本しかないし、美味しいごはん屋さんはないみたいだから。

 この辺りで有名なのは、何と言っても『昆布』。利尻昆布といえば、日本最高級昆布の代名詞である。
 隣りの島である礼文でも、昆布漁は盛ん。目の前の海岸でひょいと型の良い昆布をとってきてその辺の道路に並べて干している光景が日常的に見られる。
 しかし、そんなに干し昆布を作ってどうするのだろう?あれをもし、家庭で消費しているとすれば、毎日毎日、昆布をそれこそ蕎麦のごとくずるずると食べ続けないと消費しきれないのでは??と、勝手に心配してみたりする。

 さておき。
 ここで楽しみにしているものの一つに『牛乳』がある。この島には牧場があり、直営で牛乳を売っている(その場で飲めば90円。瓶を持ち帰ると190円)。その名もズバリ『最北端の牛乳』。…あまりにもその名を前面に出しているので、そういう名前のお店なのかと思っていたら、どうやら屋号は別に『道場(どうじょう)』という、ごく普通の名前があるらしい。

 ここの店主は当年取って84歳のおじい…いや、おじさん。とても84歳には見えない。しかも、それが自慢らしく、聞いてもいないのに歳をアピール。話し上手で面白い。

 さて肝心の牛乳だが、これがすっごく美味しい!色は真っ白というより、オフホワイト。放っておくと、クリーム成分が上の方に溜まってしまうくらい濃い。甘みが強くて、味に深みがある。
 味の秘密を聞くと、きっぱり「無い!」。…しかし、秘密がない方が美味しいそうだ。市販されている牛乳は、一度みんな脱脂粉乳にして、それを還元させているから1年を通して同じ品質の牛乳を作ることが出来るそう。それをしないで、搾ったらすぐに瓶詰めしてるだけ、と言っておじさんは笑った。

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