天売島

 焼尻島から船に乗って15分。距離にして5kmほどの所に浮かぶ『天売島(てうりとう)』。
 上陸してすぐ、港の食堂で遅めの昼ごはんを食べる。ノブはイカ丼(イカは何よりの大好物なのだ。1,300円)、私はウニ丼(1,700円)。…ウニ丼を食べる時いつも腹立たしく思うのは、値段の割にウニの量が少ないということ!小鉢とかでごまかさないで、私を納得させるような特盛りのウニ丼持ってこい!!と、怒り爆裂なのでございます。…ここのも、然り。やれやれ。

 さておき。こちらは焼尻とはうって変わって山がちな島である。体力に自信のない私は、ここでもスクーターを借りた(1時間1,500円)。

 ここで有名なのは、地元で『オロロン鳥』と呼ばれている海ガラス。昭和38年には約8000羽いたと言われているが、平成元年には約100羽、ここ何年かは十数羽程度しか確認されていないという、絶滅寸前(…というか、近い内に絶滅するだろう)の鳥が住んでいる。
 見た目はペンギンに似ている。運が良ければ島の東側の岩場で見ることが出来る。
 見に行ってみたら、なんかそれらしい鳥を見たような気がする。…もっとも、素人が双眼鏡で米粒くらいの鳥を見ているわけだから、ほんとにそうかと言われると「……(^_^;)」なんだけど。

 焼尻は秋田の山あい出身の人が多い。彼らは自然と調和して生きていくすべを身をもって知っていたので、開拓を進めながらも適度に原生林を残した。
 それに比べて天売は、山形の平野部出身の人が多く入った。彼らは森を切り開くことで生活してきたため、木を切ることにためらいがなかった。…そうして切り出した木材で、鰊(ニシン)を加工するための燃料を作った。当時、鰊は豊漁だったので、島の原生林をあらかた切り出してしまった。そこにとどめを刺すような山火事が起き、島は本当に禿げ山となってしまった。戦後、植林が始まり、島には緑が戻りつつある。

 双子のように並んでいる島だが、焼尻と天売は全く違った顔を見せてくれた。

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