焼尻島

 適当にお腹を満たしたところで、帯広から280km(…実に東京→愛知の距離だ!)移動して羽幌(はぼろ)町へ。
 翌朝一番の高速船で、焼尻島(やぎしりとう)へ渡るのだ。…離島行脚の旅の幕開けである(とほほ)。

 焼尻島へは高速船の他にフェリー(車も積める大型の船)も出ているのだが、今回は車を羽幌に置き去りにして、高速船で焼尻へ渡る。…移動時間は約45分。船券はデパートの食券みたいなチンケな代物だった。

 港で私たちを迎えてくれたのは、民宿の客引きでもなく、観光バスの運転手さんでもなく、高速で回転するイカだった。…イカを一夜干しにすべく、フラフープ大の鉄の輪っかに洗濯ばさみで止められたたくさんのイカが、電気モーターでぶんぶん回っている。
 「…いつもより多めに回しております」…アホなことを口走る私に、苦笑する店のおばちゃんとノブ。

 さて、気を取り直して、スクーターを借りて(1時間1,500円)島内を一周する。
 美しく晴れ渡った空。海の青と空の青が、痛いくらいに目の奥を焼く。日差しの強さに目を細めながら、ミラーを見れば、今来たまっすぐな道と青い空。周りを海に囲まれた焼尻ならではの冷たい潮風が肩先をかすめていく。
 強い潮風で、地をはうように伸びた「オンコ」の木。…これが、この島のシンボルとなっている。

 今回の旅日記の最初のページについていた画像は、実は焼尻で撮ったものである。
 絵に描いたような青い空、夏の雲。風にそよぐ洗濯物と、遠くにかすかに見える海が夏を演出してるのに、独特の気候からアジサイが満開で咲いている。…そのギャップが面白くてシャッターを切った。

 島の中心部の牧草地で、羊たちが気持ちよさそうに昼寝をしている。牧場を突っ切ったところで、前が開けた。島の最高点だ。
 隣りの天売島(てうりとう)が大きく見えた。

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