らくれっと
この間行きそびれてしまった『らくれっと』。
どうしても行きたくて、かなり遠回りだけどまた帯広に寄ってしまった。
ここは前出の通り、ワイン・ケラーをやめたご主人が帯広の屋台村内に出したお店。
店の名の由来は、新得町で作られたチーズから。このチーズ、1998年に優秀賞を取ったものである。セミハードタイプのコクのあるチーズで、そのまま食べるよりは熱を加えてとかして食べた方が美味しい。
10人でいっぱいになってしまうお店に、肩を寄せ合って座る。
まだ18:00前だというのに、すでに先客がいて盛り上がっていた。…話しの様子からすると、ワイン・ケラーの頃からの常連さんのようである。
私たちは北海道ワインの『ミュラー・トゥルガウ
一番絞り』という白ワインとラクレット、ボイルしたソーセージ、チーズの盛り合わせ(共働舎というところが作っている、国産のもの。カマンベールが絶品に美味しかった)を頼んで、隅っこの方で静かにしていた。
頼んだワインは早飲みタイプでさっぱりとした中辛口。きりりと冷えていて、またそれがこのワインには合っていたような気がする。
ラクレットは電熱線であぶって、ゆでたジャガイモの上にとろーりとかけて、塩こしょうをぱらりとふって出される。…熱を通したことによってチーズはコクを増し、ジャガイモの甘みと相まって大変美味しい(難を言うなら、もう少しあつあつを食べたかった。電熱線の火力が足りないらしい)。
ソーセージも美味しいが、添え付けの自家製ザワークラウトが、またイケる。
品数が少なくなってしまったのを残念に思う以上に、ご主人が以前ほど一見(いちげん)のお客さんに心を開いて話しをしてくれなくなってしまった事がひっかかった。
…言葉の端々に、何かを感じる。どうしたのだろう?
ご主人のトークにも惚れていただけに、変わり様に驚きながら2人で黙ってお酒を飲んだ。
折しも、外はお祭りで町中に軽快な音楽が流れ、人々は思い思いに縁日で買ったものを食べ、そこら中に暖かな笑いが満ちあふれていた。…それだけに、淋しさは一層するどく胸を突いた。
(行かなきゃよかったかな。)…帯広の町を歩きながら思う私たちであった。
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