豚丼

 お腹が空きすぎてふらふらになっているノブに、試練が…。
 なんと『ワイン・ケラー』つぶれてた。…どおりで、誰も電話に出ないわけだ。お店の扉には張り紙がしてあって、6/30をもって閉店したと書いてある。

 がっかりしたのだが、駅の近くの屋台村にて『らくれっと』という店を新しく立ち上げたと書いてあった。
 さっそくそちらに足を運んでは見たものの、10人も入れば満席となってしまう店に、夕ごはん時に行けば…当然満席な訳で。
 ノブ、断られて笑いながら怒っている。…こうなると、もう誰の言うことも聞かない。…人格が崩壊している。

 …ヤバイ、とにかくなんか食べさせなきゃ思って辺りを見回したら、目の前にあったのは帯広名物『豚丼』のお店。
 これなら、スグに食べさせてくれそうだと思って、ノブを引きずって扉をくぐる。

 『ぶた八』というこのお店、メニューは豚丼と飲み物だけというシンプルさ。量によって値段は違ってくるが780円のスタンダードなサイズを2つ頼む。
 頼んでから、目の前でタレにつけ込んだロース肉を網で焼いてくれる。傍らでごはんをどんぶりにガバっと盛り、甘じょっぱいタレをたっぷりかける。→焼き上がった肉をのせ、タレをかけ→串刺しになったグリンピースをひょいと乗っけて完成。

 タレは、甘みの少ないウナギダレみたいな感じ。好みで山椒をふっていただく。肉汁とタレの絡んだごはんがジャンクなウマさ。口直しに白菜の浅漬けを食べると、口の中がすっきりする。

 帯広は「鹿児島なら黒豚!」といったような豚の名産地ではない。…にもかかわらず、帯広の名物はこの『豚丼』である。帯広で始めに『ぱんちょう』が豚丼をヒットさせたのに便乗して、あちこちで豚丼が作られるようになり、いつしか名物として定着したらしい。

 ともあれ、上陸後、まともに食べたごはんはこの『豚丼』だった。…もっといいもの食べたかったなぁ(しみじみ)。

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