2004年11月27日 更新
カマデンデジタルアンプキットの周波数特性の測定方法と特性の改造方法
カマデン製のデジタルアンプキットの音質を改善するため、物理特性の一つである周波数特性を測定する方法と改造方法をここで述べます。のべ6台のカマデン製デジタルアンプキットの組立と改造による音質の変化の総集編です。
1.測定の前に必要な基本的な知識
1-1 人間の耳の特性
人間の耳の周波数特性は、一般に20Hzから20kHzとされていますが、サイン波(正弦波)を再生して聞くと、20Hzから10KHzが平均的に聞こえる範囲で、小さいときから聴音などの音楽的な訓練した人でも15kHzです。テレビの裏の方に耳を近づけると「シーン」と音がしますが、12.5KHzの水平同期信号です。この音が聞こえれば、結構耳が良い部類に入ります。
人間の耳の周波数に対する特性は、音のレベルによって変化します。レベルが低いときは、低音の感度が上がりレベルが高くなるとさがります。一般的な60デシベルの音で、20Hz〜400Hzまでだらだらと下がってきて、400〜3KHzの領域で1kHzを山にして一度あがり10kHz付近にピークを持った特性です。(東洋堂企画出版 中野有朋著 騒音・振動制御より)
耳の特性は、年齢差、性差があり、15才程度がピークで以降加齢とともに高音の感度が下がっていきます。また男性よりも女性の方が高音の可聴限界が高いとされています。また大きな音を聞き続けると感度が低下してきます。電車の中で隣の人の迷惑も考えず大きな音で音楽を聞いている若者がいますが、大きな音で聞き続けると難聴になることがありますので、音楽を趣味にする人は、大きな音で聞くのをやめましょう。
1-2 原音を再現するための測定に使われる物理特性
いろんな楽器の音の中には、基本の音に倍音成分が含まれ20KHz以上の成分が含まれています。特にヴァイオリンや金管楽器の中には、かなりの倍音成分が含まれています。この人間に聞こえないはずの20kHzを越す音が、楽器の音色や弦楽器の艶や伸び、金管楽器の輝き等の再現する要素として再生出来る周波数の範囲や、左右の音の伝わる時間の差により楽器の位置や大きさを判断する特性、暗騒音と音楽のレベルの差、再生装置によって付け加えられたよけいな音などを原音を忠実に再生されているか確認するために利用されている物理特性として、周波数特性、歪み、ダイナミックレンジ(S/N比)、位相特性があります。
1-2-1周波数特性の表し方。
周波数特性とは、一定のレベルの信号を入れて再生装置から出力される信号レベルが、周波数の変化でどのように変わるかを表す特性で、縦軸は10を底とする対数を20倍した値のdB表示(20×Log) 横軸が周波数の10を底とする対数(Log)表示で表します。(電圧の変化を表す単位で、音圧エネルギーを表す騒音計の表示と異なりますので注意してください。)オーディオ装置のカタログに表示されている再生周波数範囲は、再生信号の各周波数での変化が基準の1KHzの信号に対して±1.0dBの範囲に有る領域を一般に表します。6dB変化すると2倍、20dB変化すると10倍の出力の変化になります。
もともとコンパクトディスク(以降CDを表現)方式の再生周波数範囲は、人間の可試聴範囲と同じ20〜20kHzの範囲ですので、20kHz以上の音は無いはずなのですが、20KHzですとんと切られた特性の再生装置で聞く音と100kHzまで再生出来る装置で聞き比べると明らかに音色が変わります。
最近になってCDの録音技術が上がり良好になって来ました。またCDの音をさらに良くしようとスーパーオーディオコンパクトディスク(以降SACD)方式が発表され装置とソフトが普及し出しましたが、SACDの再生可能範囲は、現行CDの範囲20〜20kHzを超えた範囲 2〜100kHzの再生が可能になってます。また最近の高級オーディオアンプもSACDと同様の周波数特性を持っています。
1-2-2 歪み
入力された信号に再生装置によって付け加えられ成分が歪みです。入力信号が大き過ぎて信号が変形してしてしまう歪みと再生装置の素子の特性で追加されてします歪み(高調波歪み)が有ります。前者の歪みは、入力信号を押さえたり、より増幅力の大きな大出力のアンプに変更すれば解決出来ますが、後者の歪みは、再生装置の素子や回路設計の特性そのものですので解決策はなかなか難しい面があり、各オーディオメーカーは、回路設計の検討や部品の選択で工夫しています。しかし、歪みの中には、それが含まれることでかえって音楽性があがる特性の歪みもあり、一概にない方が良いわけでは有りませんが、原音再現の意味では無い方が好ましいと思えます。
またスピーカーのコーン紙が変形して共振して発生する分割共振による高調波歪みも有ります。
1-2-3 ダイナミックレンジ
騒音のひどい道路の脇で話をしてもなかなか聞こえないとか広い野原では、遠い小鳥のさえずりや虫の鳴く音がはっきり聞こえる現象の原因は、ダイナミックレンジの差です。野原と車の通りの多い道路では、暗騒音と求める音のレベルの差が異なります。この差がダイナミックレンジです。オーディオ再生装置では、暗騒音+装置自体のノイズと信号の比率で表しS/N
比がこれに当たります。単位としてはdBです。
1-2-4 位相特性
ステレオ装置を使ってオーディオルームに録音した時の空間を再現するには、装置の周波数特性をそろえるだけでは再現できません。音源からでた音が、左右の耳に伝わる時間のずれで発生する波形のずれ(これを位相のずれ)を再現しないと、音源の位置が明確になりません。
原音の位相差を再現するためには、装置の位相特性を左右合わせる必要が有ります。またオーディオルームでも同様に壁の反射や吸収で位相が変わります。この位相を比較的簡単に目で見て対策案を見いだす方法として、左右の音をペアマイクでとらえて、リサージュ波形を見ながら追い込む方法が有ります。どうも定位が悪い、ボーカルや楽器が大きく広がるなどで悩んでいる方は挑戦して見てください。
1-3 測定装置の概要
1-3-1 周波数特性
アンプの周波数特性の測定
表示装置:2現象表示が可能なオシロスコープを利用します。(測定範囲は20MHz以上)
信号源として正弦波発生装置(発信可能周波数は1MHzまで)
ACマルチ電圧計(測定可能範囲は、1MHzまで)
スピーカーの替わりに、アンプの出力を消費するダミー抵抗 8Ω 20W程度のセメントまたほうろう抵抗。
スピーカーやリスニングルームを含めた総合的な周波数特性の測定
表示装置:2現象表示が可能なオシロスコープまたは、パソコンソフトのEFU WS:FFT ANALYZERを利用します。
信号源として矩形波も発生可能な正弦波発生装置または、EFU WG:Wave Generatorを利用します。
FFT ANALYZERを利用するときはサウンドボード付きのパソコン(CPU PENV500MHz以上)
1-3-2 歪み
アンプの歪みの測定
表示装置:2現象表示が可能なオシロスコープまたは、パソコンソフトのEFU WS:FFT ANALYZERを利用します。
信号源として矩形波も発生可能な正弦波発生装置またはEFU WG:Wave Generatorを利用します。
FFT ANALYZERを利用するときはサウンドボード付きのパソコン(CPU PENV500MHz以上)
1-3-3 ダイナミックレンジ
アンプのダイナミックレンジの測定
表示装置:パソコンソフトのEFU WS:FFT ANALYZERを利用します。
信号源として矩形波も発生可能な正弦波発生装置またはEFU WG:Wave Generatorを利用します。
ACマルチ電圧計(測定可能範囲は、1MHzまで)
スピーカーやリスニングルームを含めた総合的なダイナミックレンジの測定
音声の収録装置 マイク:特性の揃ったエレクトリックコンデンサーのペアマイクまたは左右一体型のワンポイントマイク
パソコンのMIC端子が無い場合もしくは、モノラル仕様の場合は、ステレオマイクアンプが必要になります。
1-3-4 位相特性
アンプの位相特性の測定
表示装置:2現象表示が可能なオシロスコープまたはパソコンソフトのEFU WS:FFT ANALYZERを利用します。
信号源として正弦波発生装置(発振可能周波数は1MHzまで)またはEFU WG:Wave Generatorを利用します。
パソコンのMIC端子が無い場合もしくは、モノラル仕様の場合は、ステレオマイクアンプが必要になります。
スピーカーやリスニングルームを含めた総合的な位相特性の測定
表示装置:2現象表示が可能なオシロスコープまたは、パソコンソフトのEFU WS:FFT ANALYZERを利用します。
信号源として正弦波発生装置またはEFU WG:Wave Generatorを利用します。
音声の収録装置 マイク:特性の揃ったエレクトリックコンデンサーのペアマイクまたは左右一体型のワンポイントマイク
パソコンのMIC端子が無い場合もしくは、モノラル仕様の場合は、ステレオマイクアンプが必要になります。
2 測定の実際
2-1 周波数特性の測定
アンプの周波数特性の測定
標準的なアンプの場合
発振器で発生させた正弦波を10Hzから200KHzまで変更して、ACメーターで測定します。出力端子には8Ωのダミー抵抗をつなぎます。出力レベルは1kHzが1Vになるように入力レベルを調整します。このレベルを50と仮に置いて変化をdB単位で表します。測定ポイントは下表を参照してください。エクセルの散布図でグラフ化すると複数の特性を併記出来ます。
BTLタイプのアンプの場合は、ACメーターに直接±出力を接続すると壊れますので、2CHのシンクロスコープでADD 極性を逆相にして確認してください。正確な特性は測れませんがBTLの正極とアースの間で測定することが出来ます。
詳細な設定は、2−2 歪みの測定の項目に乗せて有りますので参照ねがいます。
周波数 Hz | 周波数対数 | トロイダルコイル | 東光コイル |
10 | 1 | 50.0 | 50.0 |
16 | 1.204119983 | 50.0 | 50.0 |
20 | 1.301029996 | 50.0 | 50.0 |
32 | 1.505149978 | 50.0 | 50.0 |
40 | 1.602059991 | 50.0 | 50.0 |
64 | 1.806179974 | 50.0 | 50.0 |
80 | 1.903089987 | 50.0 | 50.0 |
100 | 2 | 50.0 | 50.0 |
125 | 2.096910013 | 50.0 | 50.0 |
160 | 2.204119983 | 50.0 | 50.0 |
200 | 2.301029996 | 50.0 | 50.0 |
320 | 2.505149978 | 50.0 | 50.0 |
400 | 2.602059991 | 50.0 | 50.0 |
640 | 2.806179974 | 50.0 | 50.0 |
800 | 2.903089987 | 50.0 | 50.0 |
1000 | 3 | 50.0 | 50.0 |
1600 | 3.204119983 | 50.0 | 50.0 |
2000 | 3.301029996 | 50.0 | 50.0 |
3200 | 3.505149978 | 50.0 | 50.0 |
4000 | 3.602059991 | 50.0 | 50.0 |
6400 | 3.806179974 | 50.0 | 50.0 |
8000 | 3.903089987 | 50.0 | 50.0 |
10000 | 4 | 50.0 | 50.2 |
12500 | 4.096910013 | 50.0 | 50.5 |
16000 | 4.204119983 | 50.0 | 50.6 |
20000 | 4.301029996 | 49.0 | 51.0 |
25000 | 4.397940009 | 48.0 | 51.5 |
32000 | 4.505149978 | 47.0 | 52.0 |
40000 | 4.602059991 | 46.0 | 52.5 |
50000 | 4.698970004 | 45.0 | 52.0 |
64000 | 4.806179974 | 44.0 | 50.5 |
80000 | 4.903089987 | 43.0 | 48.5 |
100000 | 5 | 42.0 | 45.0 |
125000 | 5.096910013 | 41.0 | 40.0 |
160000 | 5.204119983 | 40.0 | 35.0 |
200000 | 5.301029996 | 39.0 | 30.0 |
2-2 歪みの測定
歪み率の測定装置が有れば良いのですが、ここでは出力波形の変化で歪みを把握してみましょう。
通常のアンプ
シンクロスコープまたはオシロスコープスコープの設定を 感度レベルは、1V、周波数は1KHz 0.2msec 10kHz 20μsec.に合わせます。出力の±端子に8Ωのダミー抵抗を繋ぎその両端をプローブのホットとアースに繋ぎます。1kHz及び10KHzの矩形波を入力し出力がP−Pで2v程度になるように入力信号のレベルをあわせます。
波形がうまく収まる様にX−Yのポジションを設定して波形をデジタルカメラで撮影します。フラッシュをOFF、部屋を暗くして手ぶれしないように三脚台に乗せて撮影すると綺麗に撮影出来ます。シンクロスコープの場合はトリガー
端子に信号源からトリガー 信号を入れると波形が固定されます。
BTL方式のアンプの場合
2台のアンプの入力の極性を反転させて増幅して出力時に合わせて高出力をえるBTL方式のアンプでは、出力のマイナス端子を本体アースと接続すると壊れることが有ります。カマデンのデジタルアンプはこのタイプでありますので、以下の方法で測定してください
シンクロスコープまたはオシロスコープスコープの設定をADD(2現象の合成出力)、極性(CH 2のPOLARITY)を逆相(INVERSE)にあわせます。 感度レベルは、1V、周波数は1KHz 0.2msec 10kHz 20μsec.。
評価するアンプの出力に8Ωのダミー抵抗を接続して、BTLの±出力をそれぞれのプローブのホットに繋ぎます1kHz及び10KHzの矩形波を入力し出力がP−Pで2v程度になるように信号のレベルをあわせます。
波形がうまく収まる様にX−Yのポジションを設定して波形をデジタルカメラで撮影します。フラッシュをOFF、部屋を暗くして手ぶれしないように三脚や台に乗せて撮影すると綺麗に撮影出来ます。シンクロスコープの場合はトリガー
端子に信号源からトリガー信号を入れると波形が固定されます。
2-3 ダイナミックレンジ
アンプのダイナミックレンジ
ACメーターでノイズレベルを測定します。ノイズレベルが低いほど良好なアンプです。
オーディルームのダイナミックレンジ
マイクを設定してFFTで無音状態の騒音レベル(暗騒音)を計ることも出来ますが、聴感補正カーブで絶対値を出すには、騒音計で測る方法が有ります。
2-4 位相特性の測定
2-4-1 アンプの位相特性の測定
入力と出力の位相特性の測定
1KHzの正弦波信号を、2現象シンクロスコープのch1入力信号、CH2にアンプのダミー抵抗の出力を接続して、レンジを替えて2chそれぞれの波形のレベルが合うように調整します。測定をXYに切り替えシンクロの画面の中央になるように位置を調整します。斜め45度に直性がでていれば、設定完了です。
入力している正弦波の周波数を、10Hz、100Hz、200Hz,500Hz,1kHz,2KHz,4kHz,10kHz、20kHz、50kHz、100kHz、200kHz
と切り替えて、斜め45度の線が膨らんだり丸くならなければ、位相特性に異常が無いことを表します。位相が90度変化すると波形が丸くなります。
左右の出力の位相特性の測定
1KHzの正弦波信号を、アンプの左右の入力に入れ、2現象シンクロスコープのch1CH2にアンプのダミー抵抗の左右の出力を接続して、レンジそろえて、それぞれの波形のレベルが合うようにボリュームやバランスを調整します。測定をXYに切り替えシンクロの画面の中央になるように位置を調整します。斜め45度に直性がでていれば、設定完了です。
入力している正弦波の周波数を、10Hz、100Hz、200Hz,500Hz,1kHz,2KHz,4kHz,10kHz、20kHz、50kHz、100kHz、200kHz
と切り替えて、斜め45度の線が膨らんだり丸くならなければ、位相特性に異常が無いことを表します。位相が90度変化すると波形が丸くなります。
2-4-2 オーディオルームの音響空間を含めた特性の測定方法
マイクの設定
マイクの位置は、リスニングポジションで出来るだけ耳の位置に近づけてください。高さも影響有ります。ペアマイクの間隔は、20センチ程度が良いと思います。左右一体型のワンポイントマイクの場合は指向性を60度にあわせてください。
スピーカーをねらってマイクの方向をあわせます。特に指向性が鋭いスピーカーの場合は、音を出しながらマイクの位置とスピーカーの方向を調整してください。
ペアマイクの出力をオシロスコープまたはパソコンのサウンドボードのMIC端子に接続します。
XY2現象表示に設定して、入力感度を左右そろえて,正弦波の同位相のの信号ステレオアンプの入力端子に入れて再生します。 マイクの感度が低い場合は、マイクアンプを使う必要があります。1kHzの基準音をだしてオシロスコープの画面で45度の直線に成る様に、スピーカーの位置を設定します。この位置が基準になります。
正弦波の周波数を、100Hz、200Hz ,500Hz,1KHz,2KHz,4KHz,10KHz と変更してリサージュ波形を見ると45度の線に乗って線幅が広がらないのが左右の位相が同位相で問題ないことを示します。
位相特性が狂っていると、線が広がり、90度ずれると円形に成ります。左右の音のレベルが変わると45度の線からはずれてたったり、寝たりしますので、左右のレベルをバランスで調整してください。
高周波になるほど位相特性が狂い易いです。スピーカーが箱に固定されている場合は、どれ位ずれているか確認する程度ですが、ユニットの極性を逆にしたり、コンデンサー1本の6dB/octネットワークを12dB/octのネットワークに変更する事で調整可能な場合が有ります。ツイターやスーパーツイターが位置が可動式で有れば、位置を前後にずらすことで位相特性を調整可能です。
3 周波数特性と歪み測定結果
3-1 測定サンプルの水準表と評価結果
カマデンのデジタルアンプキットを元に、コイルとコンデンサーの組み合わせで作った水準の周波数特性と1KHz、10kHzの矩形波の再現性能を測定しました。水準表のアルファベットをクリックすると性能表へ飛びます。
判定の基準 ◎優秀 ○良好 △やや劣るが許容内 ×改善が必要
判定 | ハイカット回路 コイル |
ハイカット回路 コンデンサー |
ダンピング用抵抗 及びコンデンサー |
BTL両端のコンデンサー | コメント | |
A | △ | 東光 10μH | 積層セラミック 50v 1.0μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω*1 |
無し | カマデンオリジナル、高音域に歪み残る。 |
B | ○ | 東光 10μH | 積層セラミック 50v 0.22μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω |
積層セラミック 50V 0.1μF |
高域の伸びがあり歪みも少ない 定位感は良好 |
C0 | ◎ | 東光 10μH | MFLコンデンサー 50V 0.22μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω |
ポリエステル 50V 0.1μF |
高域の伸びがあり歪みも少ないわずかにデジタル信号のもれ有り、定位感優秀 |
C1 | × | 東光 10μH | ポリエステル 50V 0.22μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω |
無し | デジタル信号のもれが大きい |
C2 | × | 東光 10μH | ポリエステル 50V 0.22μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω |
マイラー 50V 0.22μF |
音が堅くて鋭く歪みっぽい |
C3 | ○〜△ | 東光 10μH | ポリエステル 50V 0.22μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω |
ポリエステル 50V 0.22μF |
高域の伸びが今一歩で定位感がやや劣る。 |
C4 | ○ | 東光 10μH | ポリエステル 50V 0.22μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω |
積層セラミック 50V 0.1μF |
高域の伸びがあり歪みも少ない。定位感は良好 |
D0 | ○ | トロイダル 10μH 3A白 16回巻き | MFL 50V 0.22μF |
MFL 0.22μF+10Ω |
無し | 高域の伸びが今一歩で定位感が劣るが、波形の再現性は良好 |
D1 | ○ | トロイダル 10μH 3A緑 16回巻き | 積層セラミック 50V 0.22μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω |
ポリエステル50V 0.1μF | わずかに高音域の伸びが足りません、定位感がやや劣ります。矩形波の再現でわずかにピークが残ります。 |
D2 | △〜× | トロイダル 10μH 1A白 16回巻き | 積層セラミック 50V 0.22μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω |
積層セラミック 50V 0.1μF |
高域の伸びが今一歩で定位感が劣るが、波形の再現性は良好 |
D3 | ◎ | トロイダル10μH 1A緑 15回巻き | 積層セラミック 50V 0.22μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω |
積層セラミック 50V 0.1μF |
高音域が伸びているが歪み感が少なく、やや渋めの艶や輝きが感じられる。定位感が良好、デジタル搬送波の漏れがわずかに大きい。矩形波の再現でわずかにピークが残ります。 |
D4 | △〜× | トロイダル 10μH 3A白 16回巻き | MFL 50V 0.1μF |
積層セラミック 0.1μF+10Ω |
ポリエステル 50V 0.22μF |
周波数特性の伸びもなく定位感が劣ります。デジタル搬送波の漏れが大きくBTLに0.22μFコンデンサーを追加してやっと性能がでました。 |
D5 | ◎ | トロイダル10μH 1A緑 14回巻き | 積層セラミック 50V 0.22μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω |
積層セラミック 50V 0.1μF |
高音域が伸びているが歪み感が少なく、やや明るめ艶や輝きが感じられる。定位感が良好、デジタル搬送波の漏れがわずかに大きい。矩形波の再現でややピークが残ります。 |
D6 | ◎ | トロイダル5μH 4A白 12回巻き | 積層セラミック 50V 0.47μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω |
積層セラミック 50V 0.1μF |
高音域が伸びているが歪み感が少なく、やや渋めの艶や輝きが感じられる。定位感が良好、デジタル搬送波の漏れがわずかに残る。矩形波の再現でわずかにピークが残ります。 低音がわずかに元気になりました。 |
D7 | ◎ | トロイダル 10μH 3A緑 14回巻き | 積層セラミック 50V 0.22μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω |
ポリエステル50V 0.1μF | 高音域が伸びているが歪み感が少なく、やや明るめの艶や輝きが感じられる。定位感が良好。矩形波の再現でわずかにピークが残ります。 低音がわずかに元気になりました。 |
E0 | ○ | 閉磁型コイル 10μH |
積層セラミック 50V 0.47μF |
積層セラミック 0.1μF+10Ω 1/2W金皮 |
無し | 高音の伸びがやや少なく歪み感が少し有ります。定位感は良好 |
E1 | ◎ | 閉磁型コイル 10μH |
積層セラミック 50V 0.22μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω 1/2W金皮 |
積層セラミック 50V 0.1μF |
高音が素直に伸びトライアングルなどの金属打楽器がクリアで濁りが有りません。弦も管も素直で優秀です。定位感も優秀です。 |
F0 | ○ | 空芯コイル 10μH |
積層セラミック 50V 0.22μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω |
積層セラミック 50V 0.1μF |
デジタル搬送信号の漏れがやや目立ち高音域にやや歪みが目立ちます。定位感は良好です。 |
F1 | ○ | 14μH 7A | 積層セラミック 50V 0.22μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω2W |
積層セラミック 50V 0.1μF |
高音域が伸びているが歪み感が少なく、やや渋めの艶や輝きが感じられる。定位感が良好、デジタル搬送波の漏れは良好。矩形波の再現でややピークが残ります。 |
入力コンデンサーは、25V 2.2μF タンタルコンデンサーを全機種採用した。
*1水準Aのダンピング用のコンデンサーは、オリジナルは0.1μFですが、ハイカットフィルターの効果を見るために0.22μFに変更しています。
MFL:ポリフェニレンススルファイドフィルムコンデンサーです。ずしり重くてちょっと高いコンデンサー
秋葉原 ラジオストア 1F 有限会社 ナリタにて 1ヶ140円 メーカー NCC 松尾電機 型番801型
C1:DAM-01 T−2A です。
トロイダルコイルの入手先及び改造方法
トロイダル 10μH 3A 白 KGさんが、秋葉原ラジオデパート2F海神無線から入手したコイルの巻き数を16回に改造した物です。
トロイダル 10μH 1A 白 秋葉原ラジオデパート2F海神無線から入手したコイルです。巻き数は16回です。
トロイダル 10μH 3A 緑 16回巻は、秋葉原ラジオデパート3F斉藤電気商会から入手した40μHのコイルの32回巻きの線をほどいて16回巻きに改造した物です。
トロイダル 10μH 1A緑 14回及び15回巻きは、秋葉原ラジオデパート3F斉藤電気商会から入手した20μHのコイルをほどいて14回及び15回巻きに改造した物です。オリジナルが20μHで21回でしたので14回が正解と思われます。
音の評価にはパイオニアのスピーカーSX−520Vを使用しました。音源はCD SONY XA−50ES
コイル、コンデンサーの種類や容量差による周波数特性比較一覧
コイル、コンデンサーの種類や容量差による矩形波の再現比較一覧