2004年11月27日更新
カマデンデジタルアンプキットの周波特性比較一覧
カマデンデジタルアンプの周波数特性を一覧表示する別紙です。
1.カマデンデジタルアンプ 出力ハイカットコンデンサー容量比較 (A,E0, E1)
出力のハイカットフィルターの容量の違いにより20kHz以降の周波数特性が変化します。オリジナルは1.0μF スペシャルは0.47μF スペシャル改造版が0.22μFと容量が下がるにつれて50kHzのピークが下がり200kHz付近のレベルがあがります。但し、デジタル搬送信号の漏れが増えて来ますので、0.22μFではBTLに0.1μFのコンデンサーを入れないとデジタル信号の漏れの影響が出てきます。
2.BTL両端に入れるコンデンサーの種類による特性変化 (C1,C2,C3,C4)
出力のハイカットコンデンサーをポリエステルコンデンサーに統一して、デジタル搬送信号の漏れを防止するためにBTL両端に挿入したコンデンサーの種類による周波数特性の変化を比較しました。BTL両端コンデンサーなしの特性がグラフの青の実線です。0.22μFの容量で見ても黄色のポリエステルコンデンサー32kHzとピンクのマイラーコンデンサー50kHzでピーク周波数が異なますし、100Hzのレベル差も有ります。この差が音色と定位感に大きく影響が出ました。マイラーの音は、硬く鋭くポリエステルは柔らかな音です。定位感は、マイラーが良好でポリエステルが不明瞭です。
最終的に決めたセラミックの0.1μFは。マイラーより柔らかくポリエステルより定位感が良好です。
コンデンサーのデジタル搬送信号のもれを取り除く能力は以下の順番です。
良好 積層セラミックコンデンサー>マイラーコンデンサー≧MFLコンデンサー≧ポリエステルコンデンサー
3.ハイカットコイルの周波数特性比較 (B,E1,D0)
ハイカットコンデンサーの容量は0.22μFで統一しています。可聴域の20KHzまでの範囲は、同じですが以降の特性が異なります。もっとも特徴的なコイルがトロイダルです。20KHz以降3dB/OCTで素直に落ちています。東光と閉磁型のコイルは、似通った特性を示しますが、ピークの位置がわずかにずれ、80KHz以降の特性が変わります。よりフラットな特性として閉磁コイルの方が良好ですが、この差は音として感じられません。定位感は、トロイダルコイルがもっとも劣り、東光と閉磁型は、ほぼ同等です。20から50KHzの領域のレベル差が、定位感に影響すると推定さます。
トロイダルコイルの変曲点が50KHzまで伸びればすばらしい音になると思うのですが、今後の研究課題です。
3−1 空芯コイルの周波数特性
空芯コイルの特性は、ほぼ東光コイルと同等です。東光コイルのに比べ、ピークの持ち上がりがわずかに低いことと100kHz以降わずかにレベルが高い位です。
綜合判定結果
判定の基準 ◎優秀 ○良好 △やや劣るが許容内 ×改善が必要
判定 | ハイカット回路 コイル |
ハイカット回路 コンデンサー |
ダンピング用抵抗 及びコンデンサー |
BTL両端のコンデンサー | コメント | |
A | △ | 東光 10μH | 積層セラミック 50v 1.0μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω*1 |
無し | カマデンオリジナル、高音域に歪み残る。 |
B | ○ | 東光 10μH | 積層セラミック 50v 0.22μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω |
積層セラミック 50V 0.1μF |
高域の伸びがあり歪みも少ない 定位感は良好 |
C0 | ◎ | 東光 10μH | MFLコンデンサー 50V 0.22μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω |
ポリエステル 50V 0.1μF |
高域の伸びがあり歪みも少ないわずかにデジタル信号のもれ有り、定位感優秀 |
C1 | × | 東光 10μH | ポリエステル 50V 0.22μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω |
無し | デジタル信号のもれが大きい |
C2 | × | 東光 10μH | ポリエステル 50V 0.22μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω |
マイラー 50V 0.22μF |
音が堅くて鋭く歪みっぽい |
C3 | △〜○ | 東光 10μH | ポリエステル 50V 0.22μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω |
ポリエステル 50V 0.22μF |
高域の伸びが今一歩で定位感がやや劣る。 |
C4 | ○ | 東光 10μH | ポリエステル 50V 0.22μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω |
積層セラミック 50V 0.1μF |
高域の伸びがあり歪みも少ない。定位感は良好 |
D0 | ○ | トロイダル 10μH | MFL 50V 0.22μF |
MFL 0.22μF+10Ω |
無し | 高域の伸びが今一歩で定位感がやや劣るが、波形の再現性は良好 |
D1 | トロイダル 10μH | MFL 50V 0.1μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω |
|||
E0 | ○ | 閉磁型コイル 10μH | 積層セラミック 50V 0.47μF |
積層セラミック 0.1μF+10Ω 1/2W金皮 |
無し | 高音の伸びがやや少なく歪み感が少し有ります。定位感は良好 |
E1 | ◎ | 閉磁型コイル 10μH | 積層セラミック 50V 0.22μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω 1/2W金皮 |
積層セラミック 50V 0.1μF積層 |
高音が素直に伸びトライアングルなどの金属打楽器がクリアで濁りが有りません。弦も管も素直で優秀です。定位感も優秀です。 |
F | ○ | 空芯コイル 10μH | 積層セラミック 50V 0.22μF |
積層セラミック 0.22μF+10Ω |
積層セラミック 50V 0.1μF |
デジタル搬送信号の漏れがやや目立ち高音域にやや歪みが目立ちます。 定位感は良好です。 |
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