前々から出来が良いと言われつつ、
とにかくマイナーなので
いくら探しても見つからなかった
「ユンカース・カム・ヒア」を
難波のツタヤで発見したので
借りてみました。
原作は木根尚登。
TMネットワークの木根尚登。
ここらへんで若干色物臭さを感じますが、
内容はしごくまっとうなものでして。
はっきり言ってしまうと
ものすごく地味な映画なんですが。
でもよく見ると
それぞれのキャラクターの
動きの特徴付けのうまさが
尋常でなく。
またそれぞれのキャラクターの言動も
(声をやっている人の演技そのものに
うまいへたはありますが)
いわゆるアニメ的な記号化されたようなそれではなく、
ちゃんと実際に生活している人の言動を
感じさせるような作り方をしており。
その上で
それぞれのキャラクターの気持ちの動きを
きちんとトレースしていまして。
製作者の倫理観の押し付けではなく、
そのキャラクター自身が望む結末を
ちゃんとその視点にまで降りて
探っていくような作り方に好感が持てます。
少し話はそれますが。
ディズニーが基本的に嫌いです。
子供のころからずっと。
それははっきりしていたのですが、
なぜそうなのかは今までずっと明確な結論を
出せずにいました。
でも今回「ユンカース…」を見て
はっきりわかりました。
ディズニーは、物語の視点が絶えず上なんだ。
子供(主人公)の視点にまで降りて、
さらにその視点で考える、ということが、
絶対にない。
一見考えているように見えても、
それは製作者がこれが正しいという行動を
与えているだけで、
その時、実際にはなにを考えるかなんて
いつも二の次。
いつも、与える側(親)の視点なんだ。
そしてその方向で、最高のものを作ろうとする。
だから必要以上にクオリティが高い。
だから親の受けはいい。
でも子供が共感できるものじゃない。
でも結局「ユンカース…」は
ほとんど売上が上がらなかったそうでして。
結局営業的な観点からすれば、
そういう地に足が付いてるけれども
売上に直接つながらない部分よりは、
浮き足立ってても派手な部分に
力を入れようか、ということになるかと思うと、
大手メディア主導のものには
あんまり期待できねえかな、
と思ってしまったりもします。
今の日本の大手映画会社が
本腰入れて作る映画なんて、
まさにそういうのばっかりだし……