山口ゆうこが取り組んできた社会活動(Social Inclusion/Communication Design)の記録。
くらしの質を支える公共性とは
世紀の変わり目に 市民活動は何を目指したらいいのか。戦後半世紀を経て、私達日本人は豊かになった。しかしそれは個人、家族の単位のはなしではなかったか。ほんとうに目前にあるこのような社会を目指して努力してきたのだろうかという疑問を多くの人が共有している。
個人と個人の暮しを繋いでいるはずの「関係」や、個人の力だけではいかんともし難い「共有の空間」について関心を払ってはこなかった。「私一人の力で幸せになれる範囲」に全力をつくし、その後は行政に任せておくだけでは、人としての本来の幸せを実現できないことを市民は実感し始めたのだ。暮しの質を大きく左右する「佃を越えた領域」の存在に気付いたのならば、そのまちで生きる人が幸せになるために、私達は「何」を「共通の幸せ」として選択するのか。“人の生きる空間”や“人と人の関係”に対する豊かな想像力と感受性を持って、21世紀のわたしたちの「まち」の自画像を描く「幸せの物差し」を市民は共有しなければならない。それが私達の実現したい「公共性」であるからだ。
まちの自画像を描く・・・・・ 社会的ニーズの再発見
自画像はどうやったら描けるのだろうか。戦後のまちが「壮健なおとこ達」が効率的に働けるまちを目指してきたのであれば、計画の対象から疎外されてきた少数者に寄り添うことによって、私達のめざす本来の人間関係や共有空間を描けるのではないか。彼等の「こうなたらいいな・・・..」という思いを社会的な力にする。これが「浜松NPOネットワークセンター」(愛称=N−POCKET)が拠って立つ活動の基本姿勢である。
“こども達、障害のある人達、高齢者、在住外国人”などの、社会の主流にはいなかったマイノリティーの思いを一つ一つ掬って形にしていくには、彼等に寄り添うふつうの人々の力が必要なのだが、地域の課題を洗い出し、解決に
www.yuko-yamagcti.net