浜松婦人懇話会

山口ゆうこの活動の原点

男女で築く未来のために
静岡県の高校入試における女子差別の撤廃を

「公立高校の入学者選抜における男女差別を考える会の発足と、勝利!」

1989年、「韮山高校入試女子差別事件」が明るみになって以降、浜松婦人懇談会代表・山口裕子が中心となり、浜松周辺の婦人団体の有志らと、「公立高校入試における男女差別を考える会」を発足しました。

 当時、静岡県内の公立高校における女子差別はひどいものでした。1985年女子差別撤廃条約が批准されたものの、依然として高校入試選抜での男女差別は無くならず、「女子率が30%未満」の公立高校は16校存在し、ナンバースクールにおいては女子定員20%台という数字を記録していました。

 この時代の高校入試に行われていた男女合同定員制は、各学校内での男女比率のアンバランスを容認させ、学区ごとのバランスを生んでいました。一方では女子の少ないナンバースクールを学区ごとにつくり、その補填として別学校を置くのです。つまり、ナンバースクールと女子校のペアで地域の男女比に「一応の均衡」を保たせるのです。
 この当時、男子には広い識見が求められ、指導者となるべく期待が集まり、片や女子には、「指導者としての男に仕える女性」になることが求められました。「男は外、女は内」という古い精神を引きずり、公立女子校はこの男女観を再生産し続けていました。

私たちは、この差別と立ち向かうために、過去数年にわたる入試結果の実施調査や、校長先生や教育委員会に対し意識調査をしました。又、ヒアリングやアンケートによるデータ、街頭の署名活動で得られる市民の意見などの貴重なデータも得て、公的機関からのデータも視点を変え編修し、確実に高校入試における女子差別の実態をつかんでいきました。

 これらの成果を「静岡県高等学校入学者選抜制度等に関する研究協議会」に報告することで、委員の意識を変革させていきました。

この運動を10年続けたこともあってか、当時12校あった「女子だけが在学する公立普通科高校」は1997年現在7校になりました。また、女子比率が30%未満の公立普通科高校は16校から0校になりました。
目標達成とはいかないにしても、かなり差別は是正されたと思います。

またもちろん「会」がすべてを担ったとは思いません。ですが、性差別解決への問題提起と改善策の提案という点で「会」が果たした役割はあったと自負しています。

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