GRUPO ARACE(グループ・アラッセ)へようこそ

2010年2月作成

☆ARACEとは…

ブラジル先住民族のことばで、あさやけ、一日の始まり、朝の小鳥のさえずりをあらわす。

☆教室の概要

アラッセが教室活動を始めたのは、2008年2月でした。当時、もとカナリーニョ教室指導員(説明はあとのほうにあります)が、ブラジル人学校が閉校したために不就学状態にあった男の子一人を受け止めることから始まりました。その後、もうすぐ小学校に入学するけれどまったく日本語がわからない子どもたちの保護者の方からの求めに応じ、二人の子どもを受け入れました。2008年9月からは、浜松市中区の「がんばる地域応援事業」からの助成金を受けて、本格的に教室を始めました。小学生を対象とした「算数教室」として始めたものの、始めるとやはりニーズは多様で、結果的に中学生の受け入れや、日本語指導に近いことも少しずつ行っています。また、秋以降は翌年小学校に入学する未就学児も受け入れ、簡単な日本語をおぼえたり、あいさつや学校の習慣(授業中はすわっていることや、トイレに行きたいときは申し出ることなど)が少しずつ身につくような練習をしたりしています。

☆アラッセの理念

アラッセの教室運営の中心にいるのは、ブラジル人の代表と指導スタッフ・日本人のボランティアです。アラッセは未就学・不就学の子どもの状況を把握して支援を行うためから始まりました。
 未就学や不就学と聞くと、学校に通っていない子どもを発見して学校に入れることのように思われるでしょうが、そんなに簡単なことではありません。子どもがどうして学校に行けないのか、学校をやめてしまった場合、学校で何があったのか、保護者の方はどう考えたのか。ひとりひとりの子どもや家族のたどってきた歴史と向き合い、そしてこれからをともに考え、子どもと家族の未来のために今ここで何が必要なのか、何ができるのかを、一件一件ていねいに、指導員間や保護者の方と話し合ってきました。不就学状態にあるかないかにかかわらずたくさんの子どもたち・家庭と出会う中で、指導スタッフは、「ひとりひとりの子どもと向き合うこと」の大切さ。そしてまた、外国籍の子どもたちにとって、「学校に通い続けること」が時としてどれだけ難しいか、さらに、通ったとしても、日本の学校で自信をもって授業に参加し、勉強を続けて、自分の人生を切り開いていくことがどれほど難しいか、日本社会や学校の在り方への問い直しを含めて、考えさせられることもたくさんありました。

☆スタッフについて

代表・秋元マリアルシナ。もとカナリーニョ教室指導員。
副代表・金城アイコ。現在外国人児童生徒就学支援員。
スタッフ:金城ジゼレさんが、カナリーニョ教室での支援を通じて高校に進学し、現在は大学生になっています。
そのほか、(元)教員の方々、(元)外国人児童生徒サポーター、地域の方など、いろいろな立場のみなさんが支援にかかわってくれています。

☆現在の教室体制について

現在は、二つに区切られたスペースで活動をしています。入口をはいってすぐのテーブルが並ぶスペースでは、小学校2年生以上の子どもたちが算数・日本語を中心に、学習を行っています。左手の板の間のスペースでは、中学生の子どもたちが数学・国語・英語を中心に、教科学習を行っています。さらにその奥では、現在小学校1年生の子どもたちと、もうすぐ一年生の子どもたちがテーブルを囲んでいます。全員が一斉に授業をするスタイルではなく、それぞれの子どもたちのニーズに応じて教材を配って各自でやるスタイルをとっています。地域のボランティアの方には、ローテーションを組んで、指導にあたっていただいています。

☆教材について

 算数教室では、退職された教員の方の手作り教材や、市販のドリルなどを使っています。学校の宿題を持ってくる子もいます。中学生は、高校受験を目指している子、来日してから日が浅くて学力はあっても日本語は不十分な子、ブラジル人学校を転々としてきた子など、ニーズが非常に多様です。気持ちとしては、日本語ができないとしても日本語と共に、なるべく教科の力も伸ばしていけるような支援をしたいと考えています。スッタフ数がまだ十分でないのですが、1対1にちかい指導が出来る様にしていきたいです。ちびっこクラスでは、日本語があまりできない子が多いです。さまざまな幼児向け・低学年向けの教材教具を用いながら、スタッフが創意工夫をして数の感覚や運筆力、最低限の文字の読み書きを身につけることを念頭に授業を行っています。

☆相談体制

 まだまだ体制と呼べるほどのものではありませんが、教室で教えるだけではなく、さまざまな相談に対応する体制もつくっているところです。現在、急激な景気の減退に伴い失業するブラジル人・ペルー人が急増し、子どもの教育にかかるお金のことなどで、保護者の方や、子ども自身から相談が寄せられています。たとえば県立高校の授業料減免制度を知らずに高校受験をあきらめるようなことがないように情報提供をしたり、制服が買えないというならば、制服をくれる人を探し出したり、小さなことでもできることからやっていきたいと思っています。

☆アラッセのこれから

 いずれは学童保育的なスペースを作ってみたい、ポルトガル語の教室も開けるようになりたい、グループとして社会に声を届けていける力をつけたい。メンバーそれぞれに夢や思いがあります。現在はボランティアベースでやっているため限界がありますが、子どもたちや保護者たち、そして地域のみなさんと一緒に、これからどのように社会をつくっていくか、いつもそこを出発点に考えていきたいです。

☆お問い合わせ

ポルトガル語か英語: 090-6593-8446(秋元)
ポルトガル語か日本語: 090-2312-6294(金城)
E-mail: arace.hamamatsu@gmail.com (日本語・ポルトガル語可)

www.yuko-yamagcti.net