KLEを買ってから1年目。とにかくうれしくて走り回った。
KLEがきて、本格的な林道ツーリングをまだしてなかったので、休みを利用して熊野に向かった。 ガソリンを満タンにし、貴志川をでたのは12時半であった。普段使う高速は使わず国道424号を走った。この424号は、海南市から金屋町に抜ける道は、林道より狭い区間がある。国道と言うより「酷道」というのが当たっている。 軽四輪がすれ違えない、すごい山道がある、「国道」なのである。そんな424号を金屋町まで走ると、有田川とクロスする。直進すると海南湯浅道路に行くが、熊野に行くには龍神新宮方面へ左折する。金屋からの424号は、まだ整備中で所々工事中があるが、有田川を左に見ながらすばらしい道が続く。 ![]() 途中丸太を組み合わせた、不思議な集合店舗がある。時間が惜しかったので、少し休憩しただけで、中に入らずに走った。整備中の道は途中狭くなり、出会い頭の衝突に気をつけなければならない。 途中の道の駅「白馬の里」をこえると、長いトンネルがある。このトンネルの手前の橋を渡ると、バイクで走るにはもってこいの旧道があるのだが、今回はパスした。 途中の峠にお首地蔵尊がある。いわれは知らないが、道行きの人々の安全を守っているようにたたずんでいる。 道なりにしばらく走ると美山村に入り、椿山ダムの堰堤となる。ここに公園があり、釣り橋が架かっている。誰もわたっていなかった。利用する人は少なく、どうも企画倒れの公園のような気がする。 そこから少し行くと喫茶店「みやま」があり、走りだして1時間あまりなので小休止した。 きれいなママさんがいるし、下はバス釣りの隠れメッカなので釣っているところを眺める楽しさもある。 この日は大学生らしいグループがボートの練習をしていた。年に数回このダムにバスを釣りにくるが、時々ここに立ち寄る。 このあたりから、下手な高速道路よりいい道が続く。 KLEは初期慣らしが終わっているので、6000回転まであげて走った。この道ができたので、和歌山から熊野本宮や新宮への時間が、大幅に短縮された。まだ整備中の区間があるが、この道路が完全に整備されると、これまで42号線だけだった幹線道路が、一本増え、和歌山県内の道路事情はかなりよくなる。 さらに424号を走ると、龍神温泉向けとの分岐があるが、熊野へは右折する。道は425号線になる。 右折した後すぐにT字路があり、左折すると県道で中辺路への道となる。 その道は国道311号に突き当たり、左に行くと熊野本宮方面に行く。 今回は、田辺市方面に右折し、滝尻王子の前の橋を渡った。国道371号線である。 実は、合川ダム方面に行くつもりであったが、早く曲がりすぎ思った道ではなかった。結果的にはこの道をとったため、走ったことのない林道を越えることになった。地図を持っていなかったので、道が分からなくなり、2回ほど聞いた。 皆、親切に教えてくれた。 地図を持たないツーリングは予期せぬ人々や景色に出会うことができる。熊野の山中に入ればもう時間を気にせず、道がある方向に走っていこうと決めた。 ![]() 猛暑の中であるが、熊野の山中は涼しい。道は熊野下川林道に入る。和歌山の林道は、国道が整備されていない分、狭いが舗装が行き届き走りやすい。百間山のふもとで、その峠越しとなる。 途中わき水があり、「乙女のしずく」と看板があった。 水筒の水が乏しくなっていたので入れ替えた。丁寧に成分表を掲示していた。 飲んでみたがその名の通り、まったりとしたいい味であった。 山が健康であればこうした水はいつでも飲むことができるのである。少々雨が降らなくても山がためてくれている。都会のカルキ臭い水ばかり飲んでいる人に、水の本当の味を知ってほしいといつも思う。本来、日本はペットボトルで水を買うなんてことはしなくてもいい国だったのであるが、いつの頃からか水を買わなければならない国に成り下がってしまった。 道は、百間山と法師山を左に見ながら、ヘアピンカーブの連続で、峠を越える。
峠を越えた道は、大塔村木守に着く。そこでも滾々とわき出る泉があった。神社がその泉を守るように建っている。 何という神社か聞こうと思ったが、人とは出会わなかった。神社の前に老人ホームがあった。 木守の集落を抜けしばらく行くと国道371号線に行き当たる。 とにかく一車線しかない国道である。和歌山はこういう国道が多い。その分人があまり来ないので、山が荒れなくていい。 そこを左に折れ平井方面と表示のある方に走る。そこからは古座町まで一本道が「本山谷平井林道」で、私の大好きな道の一つである。林道は期待に違わず楽しい景色を見せてくれた。 猿の集団が大挙して道を渡っていた。写真を撮ろうと構えると一瞬のうちに隠れてしまった。スタンバイが遅いデジカメは、こんな時に不便である。出てこないかとしばらく待ったが、ちらっと姿を見せるだけで、カメラを見ると引っ込んでしまった。 仕方なく持っていたビスケットを出して食べていると姿を見せ、道を渡りだした。彼らは私を監視しており、カメラのような光り物を持っていると警戒し、ものを食い出すと出てくる。何となく、バカにされている感じである。 道の左は渓流で、すばらしい景色である。山奥なので人もあまり訪れないし、全く荒れていない。 あくまでも澄みきった水が、様々な形をした岩の間を、音を立てて流れている。いつまでも見飽きない、そんな水の流れである。この道は狭いので、車で走ると少ししんどいところがあるが、バイクだと楽しい。 右に左にリズミカルにハンドルを切っていると、ルンルンという感じになってくる。峠の頂上に、先々代の知事の手になる、記念碑がある。 そこからは古座川町になる。長いつづら折れの坂を下る。右手に平井川の流れを見ながら走る。 大塔村側の川もきれいであるが、この平井川も、負けず劣らず清澄な川である。 この川は近年、天然記念物のオオサンショウウオが繁殖して話題になった川で、かなり大きなサンショウウオが生息していると聞く。一度潜ってその姿を写真に撮ってみたいものである。 途中川縁でキャンプをしている家族があった。こんな川筋でのキャンプは非常に贅沢である。 山中の涼しさが切れて、風がぬるくなる頃にダムが見える。七川ダムである。 ここもバス釣りのメッカで、ランカーがよく釣れることで有名である。休みでもありたくさんのバスボートが浮かんでいた。 このあたりに限らず、紀州を走るときは小型のバスロッドを持っていると何かと楽しめる。 そこからは何度となく走った道筋となる。 古座の町筋を抜け、大橋が見えたとき時間は4時30分過ぎであった。 串本の家にとまったが古座の友人から電話があり、日刊スポーツの記者が古座川のカヌーを取材に来ているので一緒にくだらないかと誘いがあった。カヌーと聞けば断る理由がなく、現地に向かった。 古座町は、古座川を軸に海と山を活用した町おこしをやっているが、その一つとしてカヌーの貸し出しがある。 一艇1000円という破格の値段で一日貸与するというものだが、全国から予約が殺到しているという。私が行った時、艇庫の前にはBMWや国産のビッグバイクが2台おいてあり、すでに下りに行っていた。これはいい。 バイクで来て、簡単に安い費用で川下りができる。 回送にはタクシーを使うがタクシー代も4000円ほどで、よその貸しカヌーと同じくらいの費用で回送も含めたカヌー下りが楽しめるのである。さて、カヌーを一枚岩まで回送し、用意をした。メンバーは、日刊スポーツの記者さんをはじめとし、9名 ![]() 初めて乗るタイプの船なので旋回性能や傾きを調べていたら、あっという間に沈してしまった。あわてて船体後部から乗り込もうと思ったら、荷物の入ったドライバッグがじゃましてまたひっくり返ってしまった。あまりもたもたするのもよけいかっこ悪いので、泳いで岸まで行き体勢を立て直したが、ギャラリーの多い一番沈のしたくないところでの転覆は、「ハズカシー」の一言である。まわりの人も、こんな静水面でひっくり返るのか不思議そうに見ていた。 ま、こんなこともあるか。でも一番こけたくないところでこけてしまった。それから河口までは快調であった。鶴川で小休止した。ここで、女性たちも泳いだ。台風が近付いており、海からの風が強く、河口まで行くと時間がかかるので、少し手前の明神で船を下りたが、楽しい川下りであった。 台風が近づいているので雨が心配になり、早く帰ろうと、国道42号線から再び424号線を走った。 途中ちょうど枯木灘の、落日の時間帯であったので、写真を撮った。枯木灘公園には野良猫がたくさんいた。 台風の風が海岸を吹きぬけていたので、ヘルメットのスクリーンが潮のミストですぐ曇った。 日置川で開店したての焼き肉屋を見つけ、カヌーで使ったエネルギーを補給するため、ホルモンを食べてから走った。 カヌーとバイクが納得するまで楽しめた、2001年夏の二日間であった。満足満足。 貴志川に到着して、トリップメーターを見ると、ちょうど410kmであった。この日でKLEの総走行距離は、1500kmを少し越えた。
少し時間があったのと、いい天気であったので、ちょっと走った。 コースは、県道62号(いわゆる粉河街道)を大阪向けて走り、神通温泉の手前の紀泉高原林道を通り、紀泉高原スカイラインを走った。 紀泉高原林道へ入ってまもなく、舗装されていない林道があったので、そちらに右折した。道はゴロ石のあるダートで、KLEの走破性を試すのに最適のコースであった。 ![]() 途中、猿かと見まごうものを見つけた。が、それは、野の花を撮影に来たカメラマンであった。3脚を立て、レリーズで被写体に迫っていた。 3~4km走ると、再び紀泉高原林道にでた。紀泉高原スカイラインは、そこからまもなくである。スカイラインから粉河ハイランドパークに向かった。ここは、KLEでも夜一度来たところである。ここからは、大阪が見える。 前には、喫茶店や青空市があり、家族連れで賑わっていた。バイクも次から次に上がってきたが、KLEは見かけなかった。ハイランドパークを過ぎてすぐにいくつかの未舗装路があり、そのうちの一つに分け入ったが、行き止まりであった。誰も見ていないので、アクセルターンの練習などしてみた。KLEはハンドルのバランスがいいのか、車重を感じさせずに楽々と回れた。 再びスカイラインに戻り、葛城山キャンプ場にKLEを止め、和泉葛城山の山頂に登った。山頂には神社の小さな祠があった。何度もこの辺を走ったのに、山頂に登ったのは今回が初めてであった。神社から少しにしに行くと、真新しい展望台があるが、ここからの景色はすばらしい。遠く和歌浦湾から、関西国際空港が一望できる。 展望台で夕日を待ちたかったが、時間がなかったので、和泉葛城山山頂から、県道127号線を下りた。 途中、地図にもないまわりが鬱そうとした樹林に囲まれた道を少し走った。セローとXRに出会った。 捕虫網を持った夫婦らしい二人連れにも出会った。127号線は、ミカンや柿がたくさんなっていた。 桐畑という在所で、紀ノ川広域農道に出た。ハーレータイプのビッグバイクが6台ほどKLEを追い抜いていった。 すでに日暮れが近く、夕日がきれいであった。
KLEで、龍神村へ実業団駅伝大会を応援に行き、そのまま帰るのも芸がないので、林道を一つ走った。 ツーリングマップル69ページにちょうど手頃な林道があった。「橋川林道」である。橋川林道は、龍神村安井から美山村寒川までの20km足らずの道である。「峠まで舗装済み上部ガレ展望良し。ダート7km」とあった。 林道の入り口には、立派な碑があった。 車には、途中樹木の切り出しの車と、道路工事の車に出会っただけである。 ![]() 最初はきれいに舗装された道であった。舗装が切れるといきなり道幅も狭くなり、すてきなダートが続いた。 コースは、天気も良く、深い山の周囲の景色はすばらしかった。 紅葉には少し早かった。 峠の途中でコースを取り違い、足を出したところ枯れ草で滑り、KLEは横に寝てしまった。178kgを起こすのは少し骨が折れた。軟着陸だったので、傷も全くなかった。 これからもこういうことはあるだろう。今度はパンクの対策を考えなければならない 下りの道は、舗装をされているが山からの落石がたくさんある。石は角が尖っており、下手をするとタイヤを切るおそれがある。こんなところでパンクをしたらどうしようもないので、石を踏まないように気を付けながら走った。 地域の人々が大事にしているらしく、きれいに手入れされていた。小さな水車もまわっていた。水を飲んだが、癖のない美味しい水であった。これで私も、不老長寿になる。 時間があれば、そのまま龍神まで行き、高野龍神スカイラインを走ろうかとも思ったが、もう夕暮れ近くであり、元の道を引き返した。途中同じ道を引き返すのもしゃくなので、村道(ダート)や旧道などを走った。 その後再び県道田辺龍神線(県道29号線)に出、椿山ダムに向けて走った。 途中すばらしくきれいな小藪川に沿って走ると、今度は「幸福の泉 子安水」があった。 不老長寿になって幸福になって、これから家に帰るのである。ここの水も飲んでみたが美味しかった。 この日は、帰ってメーターを見るとちょうど205km走っていた。燃費は24Km/リットル。 初転け体験の、楽しい林道ちょい乗りであった。
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