タナ・ロット

 タナ・ロットは、寺院というよりは単なる観光名所。
 岩だらけの海岸っぺりに形ばかりのオダランと猫の額ほどの広場がもうけられている。信者の姿は全くなく、いるのは各国の観光客ばかりである。

 バカみたく広い駐車場があり、海岸沿いにはたくさんの人人人…。
 あまりにも人がいすぎて、身動きするのも結構大変。大きな神社の初詣みたいな感じである。

 さて、ここは何が有名か、といえば、『夕日』である。夕日をバックに荒波に洗われている寺院を眺める。そのシチュエーションが有名で、絵はがきでその姿を拝むことも出来る。絵はがきの夕日はものすごく綺麗で、その紅は命の色そのものである。
 …ロマンチックなんだけど、こうも人が多いとねぇぇぇ(-_-;)。

 今日もよく晴れていたのだけれど、ここのところ雨が全く降っていなかったので、水平線上に靄が掛かっており(右写真)、絵はがきのような素敵な夕日を眺めるには至らなかった。…残念。

 帰り、あまりに広い駐車場だったので、運転手さんが車を見失って迷子になる、というハプニングがあった(笑)。…スワルバが車を見つけて事なきを得たけど。たまには役に立つらしい。


 しけた夕日を眺めたあとは夕ご飯を食べにクタへ。
 「シーフードといえばここ!」というくらい有名な(らしい。ガイドブックには必ずと言っていいほど載っている)「クタ・シーフード」というお店(そのままだね…)へ行く。

 店は体育館のようながらんとした天井の高い殺風景な作り。
 食事を食べるホールを取り囲むように食材が置いてあり、それらを見て、好きな食材を選び、好きな調理法で料理してもらったものを食べることができる。

 …ところがっ!!日本語はもちろん、英語も通じない。
 美味しそうな魚介類を目の前にして意志疎通ができず、仕方なく店が用意しているセットメニューを頼んでお茶を濁すことに。あーぁ。

 伊勢エビらしきもの(身が小さく、口当たりはぼそぼそしている。あまり美味しくない)と、フエダイ、よく分からない青魚などを調味料をつけてグリルしたものと白米が出てきた。
 本に載るし、観光客らしき人がどんどん入ってきてそれなりに繁盛しているわりには、あまり美味しくなかった。

 その店はジュースの種類が多いのが面白かった。20種類くらいあったかな。
 私はSalak(スネーク・フルーツ)のジュース(酸味が結構あるのに、甘い。ヤクルトの甘みをさっぱりさせたような感じ)を頼んだ。…でも、このジュース、時間をおくと分離する。怪しい(笑)。


 ホテルへ帰る。今日は、バリで過ごす最後の夜。…これはもぉ、Barに行くしかないでしょぉぉっ。
 今日はあまりお客さんがいない。カウンターでまたヤマモトと話しながらArakをロックでちびちび飲んだ。

 しばらくしたら、白人の学生らしき女の子3人が入ってきてカウンターに座った。2人はノンアルコールの飲み物を頼み、1人だけバリ・ハイビールを頼んだ。
 相変わらず、たるそうに演奏しているバンドに対して、活を入れるように大声で一緒に歌い始めた。…かとおもったら、ボーカルにあれこれと指図して、曲をリクエスト。その曲に3人とも大声で一緒に歌ってる。

 …すごく楽しそう。ヤマモトも一緒になって歌ってるし。

 その曲を知っていたら、きっと私も一緒になって歌っていたことだろう。たっのしかったぁぁ。よく飲んだし(笑)。

 日本で気軽にお酒を楽しもうと思ったら、居酒屋に行くか、友達のウチにお酒を持参して盛り上がるくらいのことしか出来ないじゃない?
 これくらいの低価格で、バーカウンターがあって、ビリヤード台があって、生バンドが演奏してて、巨大なソファーがある、一家で利用できるお店があったら、すごく繁盛するのにな、と思った。
 …いや、待てよ。そんなお店作ったら、みんな長居しちゃうから、儲からないか(笑)?

 まぁ、そんな風にして、毎晩お酒を楽しんだよ。

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