ヤマモト

 すっかり満足しきってホテルへ戻った。…そしてまた、ホテルのBarへ。ふふふ。酒呑みの血が騒ぐ。
 今日は、わりにすんなりとカウンターに座ることができた。

 早速インドネシアで作られている「バリ・ハイ」というビールを飲んでみる。
 …けっこう苦い。青島ビールのように癖がある。

 昨夜同様Arakに切り替える。

 絨毯爆撃のようにArakを使ったカクテルを片っ端から頼むので、店員さんはちょっと笑っている。人なつっこい笑顔で話しかけてきた。
 「お酒、ちゅよい(強い)ですね。」
 …聞けば、彼の母親は日本人なんだそう(でも、片言の日本語しかできない。
 …しかしスワルバよりきれいな日本語を話す)で、名前を「ヤマモト」という。む。仲良しになれる予感…。

 カクテルに使用するジュースは、オレンヂジュース(←なんと、ここでも駄菓子屋の粉ジュースのようなヤツを使用していることが判明)を除いて生で扱っている。
 パイナップルなんて、皮をむいたものを豪快にミキサーへ放り込んでががーっとやっている。


 そうそう。豪快、といえば…。

 Barというと普通、黒服のタイを締めたりりしいお兄さん(もしくは、渋めのおじさん)が、優雅な手つきでシェーカーを振る、というイメージがあった。しかし、ここのBarは店長(らしきひげの濃い人物)を含め、みんなホテルのポーターと同じ格好をしている。

 ふと見ると、ヤマモトが身体を小刻みに揺らしながら笑顔でこちらに近づいてくる。
 「何だろう?」と思って見ていると、マラカスのようなものをむちゃくちゃな勢いで振っている。
 シェーカーだよ(-_-;)。…出来上がったカクテルは、もちろん氷が粉々に砕けていた。

 まぁ、ヤマモトはチャーミングなので、笑って済ますことにする。

 飲みっぷりの良さから、店長もどき(?…どうやら、この人は下戸らしい。私が次々にお酒を注文するのを「クレィジィィー」って感じで見ていた)とも仲良くなった。
 調子に乗って「Arakの瓶を見せて」と頼んだところ、瓶を見せてくれた(今日スーパーで見た5種類の内の1つだった!)上に、原酒を飲ませてくれた。
 少しクセがあるけど、フルーティーで美味しい。ハマりそうな予感(笑)。

 が、しかし、本日のアルコール許容量(当社比)が限界を超えつつあったので、試飲したところで部屋へ引き上げた。

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