映画 日記        池田 博明 


 
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2009年1月~3月に見た 外 国 映 画 (洋画)
見た日と媒体 作  品        感  想     (池田博明)
2009年3月17日

DVD
ロアルド・ダール劇場・予期せぬ出来事

暴君エドワード

海の中へ

天国へのエレベーター

英国
1979年
各25分

 第七話、Edeward the Conqueror。脚色ハーウッド、ロドニー・ベネット監督。
 ダールはこの作品は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲を聴いてから書いたと言います。老齢の夫婦(ウェンディ・ヒラー、ジョゼフ・コットン)がいる。ある日、一匹の年よりネコが来る。夫は追い払えという。妻は若い頃ピアニスト志望だった。ネコはリストの曲に反応するが、シューマンやバッハ、ベートーヴェンの曲には嫌気を示す。妻はネコをリストの生まれ変わりだと思い込む。図書館の司書(フィル・ブラウン)に輪廻転生すると体の特徴が一致すると教えられた妻は、ネコの顔のコブがリストと一致すると言う。この転生の事実を公表するという妻に夫は反対する。ネコの食事を作り終えた妻はネコがいないのに気が付く。夫の手にはバラで切ったという引っかき傷が。怒った妻は包丁を取り・・・・ダール 8話
 第八話、A Dip in the Pool。脚色ハーウッド、マイケル・タクナー監督。ボディボル(ジャック・ウェストン)は有り金をはたいて船長が予測した船の航行距離より低い方に賭ける。船長が予測した後、嵐が来たのだ。妻の喜ぶ顔を想像して悦に入っていたボディボル氏だったが、朝起きてみると嵐はやんで船は遅れを取り戻していた。なんとか船を遅らせなければと、一計を案じた氏は海に落ちて自分を救出してもらうことを考える。目撃者に選んだ老婦人(グラディス・スペンサー)が賭けに参加していないことを確認して、氏は海に飛び込んだが・・・
ダール 9話  第九話、The Way Up to Heaven。脚色ハーウッド、サイモン・ラングトン監督。遅刻を病的に恐れる妻(ジュリー・ハリス)と時間にルーズな夫(ロナルド・カルバー)。使用人に休暇を出して、妻はニューヨークに出かけようとしたが、霧が深くてフライトがキャンセルされる。妻はホテルに宿泊しようとするが、夫は家に戻れと命令。翌朝、相変わらずのんびりしている夫は忘れ物を探しに家に戻る。屋敷内にいないメイドを呼びつけているのを外で聞いた妻は夫を待たずにタクシーを出す。6週間後に戻って来た妻は郵便物がたまっているのに気が付き・・・お抱え運転手にアンガス・マッケイ。
     映画川柳 「ひとつだけ リストが嫌う スケルツオ」飛蜘
2009年3月17日

DVD
ロアルド・ダール劇場・予期せぬ出来事

おとなしい凶器

女主人



英国
1979年
各25分

ダール4話 第四話、Lamb to the Slaughter。脚色ロビン・チャップマン、アラン・ピックフォード監督。
 ダールの奇妙な味の短篇に選ばれる著名な短篇のひとつを映画化したもの。メアリー(スーザン・ジョージ)が近所の店から食材を買って帰宅すると、警察官の夫パトリック(マイケル・バーン)が倒れていた。親友の警部(ブライアン・ブレスト)が捜査に来る。パトリックは後頭部を鈍器で殴られて死んでいた。実はこの日、夫は妻に浮気を告白していた。妊娠している妻は手近にあった・・・・
ダール 5話  第五話、The Land Lady。脚色チャップマン、ハ-バート・ワイズ監督。保険会社のセールスマン、ビリー(レオナード・プレストン)はパースに降りる。牧師(アンソニー・ドーズ)に薦められたBELL AND BEARではなく、BED AND BREAKFASTの宣伝を出している宿屋に入ると、愛想のいい女主人(ショーバン・マッケンナ)が迎える。宿帳にある宿泊客の名前になんだか覚えがあるような・・・。オウムや犬は剥製だった。みな女主人が作ったものだという。ビリーは眠くなってくる、そう言えば中国茶が苦かった・・・・
 第六話、Neck。脚色チャップマン、クリストファー・ミルズ監督。ベイジル卿(マイケル・アルドリッジ)の屋敷に運びこまれた現代彫刻は木製で中央に穴のあいた作品だったが、わがまななナタリー夫人(ジョアン・コリンズ)はガラクタ呼ばわりする。執事ジャークス(ジョン・ギールグッド)は若い美術史家(ポール・ハーツベルグ)に夫人の行動を忠告し、ブリッジの後、忍んで来た夫人を侵入者かと思ったと部屋に追い返す。パーティに参加したハドック少佐(ピーター・ボウルズ)やカルメン(カルメン・シルヴェラ)と遊んでいたナタリーは、木彫の穴から首が抜けなくなる。引っ張っても抜けない。やがて、ジャークスが用意したのは斧と鋸だった。夫は斧を取り上げて・・・
     映画川柳 「にこやかに 憎悪をつのらす 殺人者」飛蜘
2009年3月16日

DVD
ロアルド・ダール劇場・予期せぬ出来事

南から来た男

ヴィクスビー夫人と大佐の毛皮のコート

ウィリアムとメリー
英国
1979年
各25分
 製作総指揮ジョン・ウールフ、音楽ロン・ゲイナー、脚色ロナルド・ハーウッド。製作補助ケヴィン・ゴールドスタイン・ジャクソン(第一話)、ロバート・ベル(第二話)。
ダール1話  第一話、Man from the South。マイケル・タクナー監督。舞台はジャマイカ。ある老人(ホセ・ファラー)が若者トミー(マイケル・オントキーン)がアメリカ製のライターを自慢するのに賭けを提案する。10回続けて火が点いたら自分の車、ジャガーをやろう、もし1回でも失敗したら君の左手の小指を切り落とすという。いったんは断った若者だったが、この賭けに乗ることにした。女友達(パメラ・スティーフェンソン)が止めるのも聞かず、ホテルの部屋で賭けが始まる。・・・・
ダール2話  第二話、Mrs.Bixby and the Colonel's Coat。サイモン・ラングトン監督。ヴィクスピー夫人(ジュリー・ハリス。『エデンの東』に主演)は3ケ月に一度、高齢のモード叔母さんに会いに出かけていた。しかし、実際には大佐(リチャード・グリーン)と遭っていたのだ。事情ができて会えなくなったと大佐はミンクのコートを贈ってきた。夫人はどう言い分けしたらよいか迷い、質屋(フレデリック・ファーレィ)を利用しようと思いつく。品物名も書かない引換券を持って、翌日、歯科医の夫(マイケル・ホーデーン)が質屋に行った結果は・・・。美人の歯科助手プルトニーにサンドラ・ペイン。
ダール 3話 第三話、William and Mary。ドナルド・マックウィーニー監督。夫のウィリアムが亡くなった。メアリー(エレイン・ストリッチ)は弁護士から「タバコは吸うな、テレビは見るな」などの遺言の他に大学病院の医師に会うようにという夫の遺言を聞く。医師(マリウス・ゴリング)は夫が生きていると告げる。死ぬ寸前に脳を取り出したのだ。右目も残しているという。妻は夫を家に連れて帰ると主張し・・・ 
   映画川柳「歯科医でも ミンクのコート はおり得ず」飛蜘
2009年3月13日

ビデオ
赤ちゃん泥棒(ナイト・クライズ)

USA
1978年
96分
 ジョエル・コーエン監督『赤ちゃん泥棒』とは、まったく別の作品です。原題は「ナイト・クライズ」で、日本語題名はサスペンスの内容に触れているため最悪です。日本語題名は『赤ちゃんはどこ?夜の泣き声』といった具合なら、よかったのではないでしょうか。中古ビデオ店にて購入。脚本ブライアン・タガート、監督リチャード・ラング。赤ちゃん泥棒
 ジニー(スーザン・セイント・ジェームズ)は病院で赤ん坊を出産。ところがその日のうちに赤ん坊は死んだと聞かされます。茫然自失で、職場の小学校に戻ってきても気がそぞろなジニーは、子供の泣き声が聞えると言います。夫は心配して夢分析医(ウィリアム・コンラッド)に相談、しぶしぶ受診したジニーの過去の事件が明らかになって来ます。それはつらい思い出だったため彼女自身が封印していたものでした。しかし、それが明らかになっても、ジニーには赤ん坊の訴えが聞えるのでした。やっぱり私の子は生きていると確信したジニーは、病院のベッドで隣りにいた女性を手がかりにして、赤ん坊の奪還を試みます。
     映画川柳 「ペンギンは 子供の声を 聞きわける」飛蜘
2009年3月8日

DVD
北国の帝王

1973年
USA
121分
 アルドリッチ監督、リー・マーヴィン、アーネスト・ボーグナイン、キース・キャラダイン出演の傑作アクション映画。私はこの作品を大学生のころ、札幌から東京に映画を見に出かけたときに、試写会で見ました。いったいどうして試写会に入れたのか、忘れてしまいましたが、一緒に藤田真男氏もいましたから、秋本鉄次氏に誘われたのかもしれません。試写が終った後、映画の迫力に気おされて言葉が出なかった覚えがあります。北国の帝王USAポスタ-
 あらすじ。1933年の大不況のころ、失職者はホーボーと呼ばれ、列車を移動の手段としていた。無論タダ乗りである。ホーボーたちが乗るのを避けていたのはオレゴン州のウィラメット・バレーを通過する19号車。鬼車掌シャック(アーネスト・ボーグナイン)が無賃乗車を許さず、ハンマーで殴り落としていたからだった。この列車に乗ろうとするのがAナンバー・ワンと呼ばれ、「北国の帝王」とあだ名されるホーボー(リー・マーヴィン)。ある日、シガレットとあだ名される若造(キース・キャラダイン)がAナンバーワンと一緒になる。鬼車掌シャックとAナンバーワンのどちらが勝つか、鉄道員たちに噂が広まり、賭けが始まった。勝負は一進一退で進み、いよいよ最後の戦いに入る。車体の下に流される綱つき鉄棒で攻撃されたナンバーワンはブレーキを踏み、列車を急停車させる。シャックは頭をぶつけ、火夫コーリィ(ハリー・シーザー)は傷つく。機関士(マルコルム・アッテンベリー)は気を失い、最後部の車掌助手クラッカー(チャールズ・タイナー)は死んだ。動き始めた列車の荷台で二人の死力を尽くしての決闘が始まる。シャックを車から突き落としたナンバーワンは見物していたシガレットも突き落とした。川に落ちたシガレットにナバーワンの声が響く。「まだ青臭いぞ。線路に近寄るな。お前はホーボーの器じゃない。北国の帝王になんかなれない。向こう気だけで、心がない。どっちも無きゃダメだ。誰もそれを教えられない。忘れるんじゃないぞ」と。
 深作監督の『仁義なき戦い』で注目されたピラニア軍団のように、ペキンパー映画やアルドリッチ映画でおなじみの男たちが総出演。上記のほかにクレジットされるキャストは七面鳥を盗むナンバーワンを追いかけて村に入りこむ警官(サイモン・オークランド)、噂話に花を咲かせる操車場助手(ハル・ベイラー)・操車場員(マット・クラーク)・“灰色猫”(エリシャ・クック)・わけ知り者(ジョー・オイ・レダ)、シャックに意見する鉄道会社の監督(ロバート・ファウルク)。他には、行者(ジェイムズ・グッドウィン)、グリーステイル(シド・ヘイグ)、ブタ箱ルンペン(カール・ルーカス)、操車場事務員(エドワード・マクナリー)、浮浪者(ジョン・ステッドマン)、操車場作業員(ヴィック・テイバック)、制動手(ディヴ・ウィロック)。女性は二人だけ、途中で列車内で腋毛を剃っているところをシガレットに見られ微笑む女(リアム・ダン)と、途中の新興宗教団体の村で、牧師(レイ・ガス)に浄化の儀式で水に顔をつけられ、着衣が濡れて乳房が透けて見える若い女(ダイアン・ダイ)。

 ニューヨーク大学映画学科教授ディナ・ボーランが音声解説を担当して、演出・映像分析を詳細に語ります。
 “本作では大不況という時代設定は重視して描かれてはいません。ロング・ショットよりもクローズ・アップ中心で、背景も霧や夜などぼかされて映されており、人間対人間の対決に関心を向けるような映像になっています。
 『特攻大作戦』以降、ヒット作が無かったアルドリッチは無声映画の手法(アイリス・インで始まる。場面転換でのワイプの使用)や無声喜劇映画を思わせる滑稽な車掌の動きや表情、道具の使い方などコメディ要素を取り入れてヒットを狙いました。現実にはそれほど興行的には成功しませんでしたが、徐々に真価が認められます。同じような演出は『ロンゲスト・ヤード』に引き継がれ、大ヒットしました。
 登場人物はすべてあだ名で呼ばれ、本名はあきらかにされず、作品の象徴性を高めています。鬼車掌・真の悪と北国の帝王・ましな悪という、いわば「タイタンの戦い」を見守る鉄道員たちは「コロス」。ギリシャ劇のような構図が見てとれます。途中の停車駅の名セーラムは魔女狩りで有名な町と同じです。また、若造は1960年代の若者を連想させます。60~70年代に流行した相棒(バディ)映画(『明日に向って撃て!』『スケアクロウ』『スティング』など)に対する批評、そして強情だが未熟な若者に対する批評という意味があったのでしょう。ただ、強い男は強さを演じ続ける必要があり、それが最後には自滅を招くということも、この映画には表現されています。”

 ボーランの分析は納得のいくものと思いました。アルドリッチ映画の神話的構造はキャラクターの性格づけや、物語の基本腺の単純さから来るところがありますが、『キッスで殺せ!』にも見てとれます。
    映画川柳 「タイタンの 戦いを見る 無宿もの」飛蜘
2009年3月4日

DVD
シャーロック・ホームズの冒険・まだらの紐
英国グラナダTV
52分
 シリーズ第6話「The Speckled Band」。脚色ジェレミー・ホール、監督ジョン・ブルース。依頼人はまたも美人ヘレン(ロザリン・ランドー)。義父の医師ロイロット(ジェレミー・ケンプ)はインドで医師をしていましたが、彼女の母と再婚。盗難事件の容疑者を殴り殺して刑を受け、その後英国に帰ってきました。2年前に姉ジュリエット(デニース・アーモン)は結婚を前に原因不明の死、「まだらの紐」と最期の言葉を残します。姉は真夜中の口笛を聞いていると言っていました。ヘレンが婚約をすると、義父は改築を始めてヘレンを姉の部屋に泊めます。危険が迫っていることを感じたホームズはワトソンと共に屋敷を調べに行き、夜に張り込みます。ヘレンの手引きで姉の部屋に侵入し、まだらの紐を待ち伏せするホームズとワトソン。いよいよ対決の時刻が来ます。
     映画川柳 「インド産 ヒョウやヒヒを 放し飼い」飛蜘
2009年3月4日

DVD
シャーロック・ホームズの冒険・美しき自転車乗り
英国グラナダTV
52分
 ジェレミー・ブレットがホームズ、デビッド・バークがワトソンを演ずるホームズものの第一シリーズ、宝島社のDVD BOOK vol.1は、第4話「The Solitary Cyclist」と第6話を収録。第4話の脚色アラン・プレイター、監督ポール・アネット。製作マイケル・コックス。グラナダTVが手掛けた名作シリーズの一篇。
 ハーデン事件の謎解きで化学実験をしようとしたホームズの事務所へ、バイオレット(バーバラ・ウィルシャー)が訪れて来ます。音楽教師の彼女は雇い主のカラザーズ(ジョン・カッスル)家からの帰り道、自転車の男に尾行されているといいます。婚約者もいる彼女に乱暴に結婚を迫るウッドリー(マイケル・シベリー)。
 いったいなぜ彼は執拗に結婚を迫るのでしょうか。また、バイオレットに好意を示すカラザーズ氏の煮え切らない態度はいったいなぜでしょうか。もと牧師だったウィリアムソン老人の正体は? ワトソンは事前に捜査をしますが、ホームズはその捜査力を批判します。バイオレット用の送迎の馬車が準備されて安全になったと思ったのも束の間、一挙に事件は進展します。
     映画川柳 「亡き母の 遺産をめあてに 男たち」飛蜘  
2009年3月2日

DVD
オーケストラの少女

USA
84分
1937年
 ヘンリー・コスタ監督、ディアナ・ダービン主演の音楽映画。原題は「百人の男とひとりの少女」。レオポルド・ストコフスキーは指揮棒なしで背筋をまっすぐ伸ばして腕を大きく振って指揮をしまする。当時はフィラデルフィア管弦楽団の常任指揮者、古典から現代音楽まで幅広く取り上げました。
 この映画のように失業者のオーケストラを指揮するということがあったとしても、おかしくはないイメージがあったのでしょう。また、優秀な音楽家が失業している状況は実際にあったものと思われます。ディアナ・ダービンは当時15-16歳、ポピュラーソングも歌えるソプラノで、モーツアルトの「アレルヤ」や歌劇『椿姫』から「乾杯の歌」など4曲を歌っています。29歳で結婚を機に引退。『アンネの日記』のアンネ・フランクは、ダービンの写真を隠れ家に貼っていました。
 ダービンの演ずる娘パトリシアは、父(アグルフ・マンジュー)の誕生日に「七面鳥を食べさせたい、豆料理じゃなく」と言うのがなんとも生活実感を感じさせます。
     映画川柳 「声に惚れ 出世払いの タクシー代」飛蜘
2009年3月1日

DVD
素晴らしき哉、人生

USA
130分
1946年
 フランク・キャプラ製作・監督の名作。ジョージ・ベイリー(ジェイムズ・スチュワート)の父ピーターは「住宅金融」会社の経営者でした。ジョージは、少年のころ氷が割れて池に落ちた弟ハリーを助けて熱病にかかり,左耳が聞こえなくなりました。大学入学を目前に父親の急死で会社を後継することになります。大恐慌の直前、メアリー(ドナ・リード)と結婚しますが、新婚旅行直前に大恐慌が起きて取り付け騒ぎを収拾する事に追われ、旅行は中止。それでもメアリーは安ホテルで手作りの結婚祝いの宴を用意して待っていてくれました。戦争が始まり、耳の障害のため兵役を逃れたジョージでしたが銃後でそれなりの働きをします。ハリーが戦功で勲章をもらって凱旋してくるというクリスマスも近いある日、叔父のビリーは銀行でうっかり預金の八千ドルを置き忘れます。その金を偶然手にしたのは町一番の富豪ポッター。自分の思うようにならないジョージを没落させる絶好の機会とばかり、金を隠します。急に負債を抱え、監査も入って、自暴自棄になったジョージ。河に飛び込もうとした矢先、先に落ちた老人を救出してしまいます。この老人はニ級天使クラレンス、ジョージの守護天使でした。ジョージを救えば翼がもらえるのだそうです。クラレンスは、ジョージをかけがえのない人間と説得しますが、投げやりのジョージはクラレンスのいうことを信じません。クラレンスはジョージに自分がいなかったとしたら、もうひとつの別の世界を見せます。ポッターヴィルという別次元の町では、貧しい人々は自分の家を持てず、ポッターの借家に住んで不幸を背負っています。弟は溺死していました。メアリーは司書で独身、突然、自分の妻扱いするジョージを避けて逃げます。荒廃した町で耐えきれず「元に戻してくれ」と叫ぶジョージ。突然、元の世界に戻ったジョージはかけがえのない一人が欠けても世界は変わるのだということを認識します。自分を憎むものさえ、いとおしい。「メリー・クリスマス」の言葉をふりまきながら、ジョージが自宅へ帰ってくると、監察官たちが来ていました。けれど、ジョージにとっては、刑務所入りも喜び。ジョージを探しに出たメアリーが朗報を持って来ました。ジョージのために家を持てたと感謝した貧しい人々が寄付してくれたというのです。みんながクリスマスを祝うなか、クラレンスが置いて行った『トム・ソーヤー』が目に止まります。扉の裏にクラレンスからのメッセージがありました。かけがえのない友達の大切さを指摘する言葉の後に、おかげで翼が持てたと書いてありました。
 サブプライムローン問題が引き金になって一種の恐慌状態になっている昨今、単なるヒューマンな映画ではなく、庶民にとって住宅がいかに大切なものかを基盤にした映画ということができます。
    映画川柳 「返済の 当てがなくても 家ローン」飛蜘
2009年2月15日

DVD
刑事コロンボ
「黒のエチュード」

USA
120分
1972年
 第二シーズンの第一作。製作に当たったのは第2話「死者の身代金」の脚本を製作を担当したディーン・ハーグローヴで第二シーズン全体を統括し、第三シーズンでも製作総指揮に立ちました。脚本はスティーヴン・ボチコ、監督はニコラス・コラサント。
 ゲスト・スターはジョン・カサヴェテスで、役柄は指揮者。自殺に偽装して性的関係を暴露して結婚を迫る女性ピアニストを殺害します。現場で落としたカーネーションを拾いに戻って付け直したのが犯人の失策。自分の能力と器量に自信を持ってない妻(ブライス・ダナー)が彼の運命の鍵をにぎります。
 コロンボが溺れたところを助けあげたという犬でバセットハウンドが登場、医師に「活気のない犬だね」と評される始末。被害者の隣のおませな少女オードリーとコロンボのやりとりが笑えます。事件当日、被害者を訪ねた男を少女は目撃していましたが、その男というのは・・・。
     映画川柳 「愛車ブジョー 修理ができない 古外車」飛蜘
2009年1月17日

DVD
刑事コロンボ
「もうひとつの鍵」
75分

「死の方程式」
75分

「パイルD-3の壁」
90分

USA
 刑事コロンボ全作DVDより、ノーマン・ロイド監督の第七話「もうひとつの鍵 Lady in Waiting」はゲストの当時ほとんど無名だったスーザン・クラークの、経営者として無能な妹役が印象的な一篇。ピーター・フォークは監督することを主張した会社側と揉めており、一時撮影が中断される事態もありました。しかし、作品にはそんな雰囲気は微塵もありません。レスリー・ニールセンがスーザン・クラークの恋人役で共演。トリックが割合に単純です。
 第八話「死の方程式 Short Fuse」は「あと一本」という製作側の要請を受けて急遽作られた作品で、ロジャー役のロディ・マクドウォールと叔母役のアイダ・ルピノ、副社長ローガン役のウィリアム・ウィンダム、秘書ビショップ役のアン・フウランシスなど、俳優を見る一篇となっています。渓谷にかかるロープーウェイでの葉巻ケースを使ったトリックが印象的。編集のエィブロムスが演出した作品。
 第九話「パイルD-3の壁 Blueprint for Murder」はピーター・フォークが監督もした貴重な一本。製作者のレビンソンとリンクは撮影に手間のかかる脚本をフォークに渡しました。しかし、フォークはそれを見事にやりこなしたそうです。フォークはスピルバーグやジョン・カサヴェテスに相談してアドヴァイスを受けていたといいます。原題は犯人が建築家であることを表現しています。殺人場面が出てこないので、犯人が被害者をどうしたのかが、ずっと伏せられています。そのことが捜査のサスペンスを生む見せ場になっています。
     映画川柳 「解決は 格言好きな 妻の功」飛蜘
【参考書】マーク・ダウィッドジアク『刑事コロンボ レインコートの中のすべて』(角川書店、1999)
2009年1月14日


DVD
ラヴ・ハッピー

USA
1947年
90分
 デヴィッド・ミラー監督、脚本はベン・ヘクト、フランク・タシュリンとマック・ベノッフ。マルクス兄弟の日本未公開作品。「ラヴ・ハッピー」は作品中でマイク(ポール・ヴァレンティン)が上演しようとしているミュージカル。グルーチョが探偵役で進行を務め、ハーポとチコが活躍する一篇。ヴェラ・エレンも練習場面で見事な踊りを見せます。ハーポの外套はなんでも取り込み、マネキンの足やピアノや氷塊など思いがけない物が出てきます。耳の穴にタオルを通して頭の中をクリーンにするギャグがあります。
 マダム・エグリチ(イロナ・マッセイ)が3ケ月に8度の結婚をしてようやく手に入れたロマノフ王朝のダイヤの首飾りをマルタ十字付きのイワシ缶詰に入れて密輸したものの、食べ物を盗んで調達するミュージカル一座の付き人ハーポにそれとは知らずに盗まれてしまいます。宝石入りの缶は人々の手を転々と渡り、終わりには又、ハーポの手に戻りますが・・・・。
 ハーポが失意のマギー(ヴェラ・エレン)を慰めるためにハープで演奏するのはフォスターの「スワニー河」。ハーポと組織の追跡劇でネオンの騎馬に乗ってハーポが逃走するときの伴奏には「ワルキューレの騎行」が使われています。チコが舞台で演奏する曲はショパンの英雄ポロネーズで、強和音のたびにダイヤが飛び上がります。
 マギーの友人で“ジャムを盗んだのは誰?”を歌う歌手のバニー(マリオン・ハットン)、組織のアルフォンゾ(レイモンド・バー)、店主で組織のスロックモートン(メルヴィル・クーパー)、資金を出そうとしない興行主ライオンズ(レオン・ベラスコ)、マッキナウ(エリック・ブロア)、ハンニバル(ブルース・ゴードン)、マリリン・モンローが端役で出演。
    映画川柳 「しゃべらない ハーポに効かない 色仕掛け」飛蜘  
2009年1月6日

DVD
ダークナイト

USA
2007年
152分
 ダークナイトという日本題名を見て、最初は「暗い夜 Dark Night」という意味だと思いましたが、「暗黒の騎士 Dark Knight」でした。暗黒の騎士とはもちろんバットマンのことです。
 クリストファー・ノーラン監督の前作『バットマン・ビギンズ』でも予告されていた兇暴な敵、バットマンが強くなるほどさらにそれを上回る強さを備えた敵が出現します。それがジョーカー(ヒース・レジャー)。ジョーカーは特殊な武器を装備してはいません。彼の武器は人間の心の闇だけを信じ、それを徹底的に利用することです。
 本作はストーリーを紹介できません。どんでん返しが多いので、紹介すると面白さが半減してしまいます。父親に「笑え!」と口を切り裂かれたというジョーカーは金のためではなく、人間の良心を嘲笑するために凶悪犯罪を楽しみながら実行するというゲーム型殺人鬼。
 バットマンに対しては、正体を現さないなら市民をひとりずつ殺していくという脅迫を突きつけます。老執事のアルフレッド(マイケル・ケイン)、ウェイン産業の応用科学部門の責任者ルーシャス(モーガン・フリーマン)、地方検事補レイチェル(マギー・ギレンホール)、警察官ゴードン(ゲイリー・オールドマン)らの味方に、マフィアを怖れない正義漢の地方検事デント(アーロン・エッカート)が加わってジョーカーと闘います。
 それにしてもジョーカーのような味方も平気で裏切っていくようなリーダーを部下が信頼してついていくはずが無いと思うのですが・・・・。ジョーカー一人で仕掛けるにはあまりにも壮大な爆破プロジェクトばかりですし。
    映画川柳 「《検事デント》 人生を コインを投げて 決めるヤツ」飛蜘  

 通常の9倍もあるフィルムのIMAXカメラを使った冒頭の銀行強盗の場面は撮影が大変だったそうです。カーチェイスもIMAXカメラで撮影しました。18トントラックが縦に回転して転覆する場面もCG映像でなく、実写です。
2009 年1月5日

DVD
バットマン・ビギンズ

USA
2005年
140分
 「バットマン」はスーパーマンのような超人間への変身ものではありません。ゴッサム市最大のウェイン産業という企業の億万長者ブルースが、護身用具と仕掛けで装備することによって敵に負けない体勢を得て、悪を倒す活躍をするという設定です。車は装甲車なみの改造車。スーパーマンは非現実的な英雄ですが、バットマンはひょっとすると存在するかもしれないという現実性のある英雄だということができるでしょう。そのバットマン誕生の経緯が描かれます。
 少年ブルース(ガス・ルイス)は少女レイチェルが拾った矢じりを奪って隠れた古井戸の蓋が割れて井戸の中に落下してしまいます。父親トーマス(ライナス・ローチェ)によって助け出されたものの、井戸の底の記憶は一種のトラウマとなってブルースの心に残ります。父の口癖は常に「大丈夫だよ It's OK」。両親と一緒にオペラを見に行った夜、舞台の洞窟で気分が悪くなったブルースは帰ろうと訴えます。両親と歌劇場の外へ出たウェインは銃を持った浮浪者に脅迫され、父は財布を出したにもかかわらず、母(サラ・スチュワート)のネックレスも強要され、両親は射殺されます。ひとり遺された息子に警官たちは「It's OK」と優しかったのですが、ウェインは自己発見のため、放浪の旅に出ます。最低の生活、食べ物を盗み食いする犯罪者にまでなって、次第に世の中を体で学んでいくウェイン(クリスチャン・ベール)は、自分を護り、悪を操る影の同盟に引き抜かれます。師ラーズ・アル・グール(渡辺謙)を頭といただく忍者集団に似た影の組織。修業の仕上げに犯罪者を斬首せよと命じられたウェインは自分は死刑執行人じゃないと拒否。強要する導師デューク(リーアム・ニーソン)に刃向かって組織を半壊させ、脱出し、ゴッサム市に戻ってきます。
 ウェイン産業の主導権は副社長のアール(ルトガー・ハウアー)に握られていました。幼馴染みのレイチェル(カティ・ホルムズ)は正義感の強い地方検事補。忠実な老執事アルフレード(マイケル・ケイン)とウェイン産業の窓際族、応用科学部の技術者ルーシャス(モーガン・フリーマン)の助けを得て、ウェインは密かに個人装備を進めます。
 ちょうど、ウェインの両親を射殺したチルの仮釈放を許可するかどうかの公聴会が開かれます。審問で発言を拒否したウェインは法廷外でチルを射殺しようと銃を握り締めていました。ところが出て来たチルは他の人物に撃たれてしまったのです。復讐を遂げていれば犯罪者になっていたブルースのこぶしは振り下ろす対象を変えるのでした。街を牛耳る実業家ファルコーニ(トム・ウィルキンソン)を調べていくと、背後にもっと大きな組織があることが分かります。その組織の目的はソドムと化したゴッサム市の壊滅でした。
 ブルースに協力する刑事ゴードンにゲイリー・オールドマン。他のキャストは、悪の手先で若きジョナサン・クレイン博士にキリアン・マーフィ、悪徳刑事フラースにマーク・ブーン・ジュニア、レイチェルの上司フィンチ検事長にラリー・ホールデン、ファーデン判事にジェラルド・マーフイ、ローブ警察本部長にコリン・マックファーレン。
 後半は特殊撮影の洪水です。スピードとアクションの物量作戦の映画作りにはついていけません。私にとっては、あらためてティム・バートン監督の第2作『バットマン・リターンズ』の傑作ぶりが浮き彫りになってきます。
    映画川柳 「這い上がる ために底まで  落ちていく」飛蜘      
2009年1月4日

DVD

アクロス・ザ・ユニバース

USA
2007年
133分
 ビートルズの曲を使ったジュリー・テイモア監督のミュージカルで、昨年2008年に日本で公開されたなかでは、最も見たかった映画です。監督は、『ライオンキング』の舞台演出で著名で、シェイクスピアの『タイタス』を映画で斬新に蘇生させました。メトロポリタン・オペラの歌劇『魔笛』の演出もしています。DVDにはソングブックも付いています。テイモア監督は「歌詞に合わせて物語を作っていった」そうですが、この映画の目指すところを、「現代の視点であの時代の語りかけてくるものを表現しようとした」と語っています。“あの時代”とは、「1960年代」で、「例えば、レイチェルが“徴兵されない女性でも、戦車の前に寝てでも戦争を阻止する”と発言するように、人々が真剣に生きていた。理想に燃え、限界に挑戦しようとしていた」のです。もっとも衝撃的なイメージは「She so heavy(彼女はあまりに重い)」と歌われる巨大な自由の女神像を下着姿の男達がベトナムのヤシの樹をふみつぶしながらかついで運んでいるもの。このイメージは、イラクとの出口の無い戦争を続け、イスラム諸国にアメリカ流の民主主義を押しつけている現代のアメリカにも共通するものです。
 さて、物語です。イギリスのリヴァプール、労働者階級出身の私生児ジュード(ジム・スタージェス)は、アメリカのマサチューセッツ州のプリンストン大学の、父親に会いに行きます。そこで出会ったマックス(ジョー・アンダーソン)と友人になり、下宿の家主で歌手のセディー(ディナ・ヒュークス)と知り合い、マックスの妹のルーシー(エヴァン・レイチェル・ウッド)と恋仲になります。ベトナム戦争に徴兵されるマックス、反戦活動にコミットするルーシー、ペイント・デザイナーを目指すジュードなど、1963年から1969年の時代背景を、彼らの2年間に凝縮して描きます。
 テイモア監督は「ビートルズの曲は様々な状況に合う」と、音楽監修エリオット・ゴールデンサールと共に大胆な使い方をしています。特に、兵士の死者とデトロイト暴動での死者を弔うキャロル・ウッズのゴスペル風の「レット・イット・ビー」と、国家の兵士勧誘の歌になる「アイ・ウォント・ユー」(後半は男女の愛の歌となる)は、驚きでした。「抱きしめたい」がチア・ガールのひとり、プルーデンス(T・V・カーピオ)の女性から女性への愛の歌になっているのにもビックリ。
 本作では、ビートルズの歌のコピーはしていません。コピーしても、オリジナルを超えることはできないと意識していたからです。冒頭に海岸で主人公のジュードが、グラスハーモニカとチェロのハーモニクス伴奏だけで、“誰かあの娘の話を聞いてくれるかい”と、「ガール」を歌い始める、歌うというより、話し始める場面で、作者たちの曲使用の意図は明確でした。テイモアは「基本的に脱構築化、簡素化に努めて、曲自体の本質を大事にした」、ゴールデンサールは「ビートルズの曲には、その曲に慣れ親しんだものが聴いているフレンドリー・ゴーストがある。それを技術的に除こうとした」と証言しています。
 とはいえ、セディが歌う曲、「道路でやろうじゃないか Why Don't We Do It In The Road?」「ヘルター・スケルター Helter Skelter」「オー・ダーリン Oh! Darling」「ドン・レット・ミー・ダウン Don't Let Me Dpwn (私を失望させないで)」などはもともとのハードロック調が生かされているし、「俺様はセイウチ I Am The Walrus」と、エディ・イザードの「カイト氏の儲けになるので Being For The Benefit Of Mr.Kite」はサイケデリックな演出が原曲のイメージをよく伝えています。15歳の少女たちの歌に脱構築した「もうすぐ It Won't Be Long」や、ルーシーが歌う「恋に落ちたら If I Fell」は新鮮。
 名曲「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー Strawberry Fields Forever」では、ジュードのアート作品のイチゴが血を流すイメージとベトナム戦争で爆発するイチゴ爆弾がコラージュされます。ニューヨークの地下鉄に「アクロス・ザ・ユニバース」が流れ、「ヘルター・スケルター」と「アンド・アイ・ラブ・ハー」が合わさって、大学生と警官隊の衝突になる場面は、『いちご白書』を連想させます。
 「幸福は撃ったばかりの銃 Happiness Is A Warm Gun」で、テイモア監督は「死ぬものかという反抗心を表現した」と言いますが、それと同時に「当時、ベトナム帰還兵は幽霊のように扱われていた」という興味深いことも言っています。マイケル・チミノ監督の『ディア・ハンター』や、ジョン・フリン監督の『ローリング・サンダー』など、ベトナム帰還兵を描いた傑作群が思い起こされました。
 「ペニー・レイン Penny Lane」や「ノーウェア・マン Nowhere Man」が使われていなかったのが残念。特に「ノーウェア・マン」は使える曲想だと思うのですが。そんな風に見る人の個人的な想いで、いろいろと意見が言える映画です。
    映画川柳 「《帰還兵マックス》 ベトナム後 愛こそすべて ピースサイン」飛蜘      

2009年1月~3月に見た 日 本 映 画 (邦画)
見た日と媒体 作 品        感  想         (池田博明)
2009年3月19日
WOWOW

(放送は1月11日、録画)
チーム・バチスタの栄光

TBS・東宝
2008年
120分弱
 海堂尊原作のミステリーを映画化、中村義洋監督。原作では男性医師の不定愁訴外来担当の田口医師を女性に変えたところが成功しています。この竹内結子がなんとも可笑しい。ひとを動物に喩える癖といい、いま風な丸文字とメモといい、あまりやる気のない調査といい、ソフトボール場面のファンタジー要素とよくマッチしています。
 彼女のパッシブ・ヒアリングと、途中から登場する厚生労働省技官の白鳥(阿部寛)のオフェンシヴ・ヒアリングとの対照も笑えました。もっとも田口医師の報告書ときたら、医療事故を疑われる事件の内部調査報告としては非現実的な軽さではありますが。
 テレビの2時間ものサスペンス・ドラマなみだという批判もありますが、原作を先に読んでしまっていた私は演出にミステリーらしい伏線が張ってあるかどうかに関心を持って見ました。その結果は、伏線はまったく無し!中村監督は犯人が明らかにならないように、誰もが怪しく見えるように苦労しましたと語っていました。
        映画川柳 「混乱の 術死の部屋は カーニバル」飛蜘
2009年3月16日

DVD
バタアシ金魚

東京12
1990年
95分
バタアシ金魚 望月峯太郎のコミックを松岡錠司が脚本・監督した傑作です。既にビデオで見ていますが、BOOK-OFFで中古DVDを購入、再見しました。主演の筒井道隆と高岡早紀の魅力がいっぱいの青春映画。
 惚れた女に一途に向うカオル(筒井)の姿は滑稽ですが、強がってみせる顔とともに壊れやすいナイーブな青年の心情が感じられて、共感を覚えます。
 ソノコ(高岡)はまさにはまり役。冒頭の捨てた水がカオルにかかって、あやまる水着姿での鮮烈な登場シーン。カオルに永井とステディな関係にあると嘘をついた後のモノレール駅での物憂げなシーン、プールでズブ濡れになりながらカオルと争うシーン(驚異の長回し!)など、忘れられないシーンがたくさんあります。
 ところどころに挿入される雲に満ちた空の色が圧倒的な迫力。音楽も素晴らしい。
 もと金メダル選手とうそぶくババア(白川和子)が可笑しい。ソノコの親友リリコや、カオルの女友達プーも、この映画でキャラクターの典型を作っています。
        映画川柳 「水に濡れ 空を見上ぐる 新学期」飛蜘
2009年3月14日

録画
(WOWOW
2009年1月12日
 3月再放送:8:15~)
表裏源内蛙合戦

2008年11月26日
3時間45分
表裏源内蛙合戦表裏源内蛙合戦 上川・高岡 井上ひさし原作・蜷川幸雄演出のシアター・コクーン上演作品。二幕ものとはいえ、3時間半の大作です。表の源内には上川隆也、裏の源内には勝村政信、金貸しの青茶婆には高岡早紀。『天保十ニ年のシェイクスピア』『藪原検校』『道元の冒険』に次ぐ蜷川演出の井上ひさし芝居。音楽は朝比奈尚行。
 ちなみに。この劇の初演はテアトル・エコーで1970年7月17日、それから8月5日まで26回公演され、評判となりました。前年1969年にテアトル・エコーで上演された井上ひさし作の『日本人のへそ』は大人気となり、エコーは稽古場劇場をやめ、本格的な小劇場を作ります。そのこけら落とし上演となったのが、この『表裏源内蛙合戦』でした。エコーの文芸部だった井上ひさしの劇作家としての評価を定着させた傑作です(石崎勝久より)。『日本の名著』の杉田玄白の巻に、平賀源内の「放屁論」などが野坂昭如の訳で収録されて発売されたのが、ときもほぼ同じ1971年。
 井上ひさしの最初の戯曲集『表裏源内蛙合戦』が1971年1月に新潮社から出版されています(装丁は平賀敬です)。初演の表の源内は故・山田康雄(初演舞台の写真を掲載しました)、裏の源内は熊倉一雄(演出も)、振付は藤村俊二。音楽は井上ひさしと同じ山形県出身の服部公一でした。山田康雄の演技は「彼の代表作に数えることができる。源内の鼻柱の強い才気、遠慮を知らぬ野心がはなはだ山田康雄の演技の質にぴったりだったのだ。しかも、この「表」の役は正義派的立場の代弁者でもあるのだが、山田康雄が演じると、ふしぎに正義派的な嫌味が消えたもである」、熊倉一雄の演技は「突き放した冷たさはなく、むしろ世故たけた親父が生硬な息子=「表の源内」を諄諄と説得するような親密感が漂うのだった」(扇田昭彦より)。
 ちなみに、これらのスタッフ・キャストは『日本人のへそ』も同様でした。DVDの須川栄三監督『日本人のへそ』(1977)の音楽担当は服部公一なので、服部の音楽がどんなものだったのかはDVDで分ります。テアトル・エコーと井上ひさしの音楽芝居は第三作の『11ぴきのネコ』から、宇野誠一郎になります。
 この劇、とにかくセリフが膨大な量です。特に源内役は源内自身が残した戯作の戯言をそのまましゃべらなければなりません。例えば源内の「放屁論」をそのまま裏の源内は話すのですから・・・観客は唖然とします。
表裏源内蛙合戦 初演舞台1 第一幕の最後の場面、「吉原を吉原たらしめていたのは、くるわ言葉だ」と喝破した表の源内は、いやな男に身受けされようとしている花魁たちに出身の郷里の言葉を話すよう進言します。太夫たちの出身地は仙台だったり、長崎だったり、山形弁、新潟弁、大阪弁、名古屋弁、鹿児島弁と多種多様、田舎弁で接待された客たちは逃げ出してしまい、花魁たちの言語によるストライキは成功します。いかにも井上ひさしらしい話し言葉にこだわる発想がありました。この発想は『国語元年』につながります。
 第二幕で小塚原の青茶婆の「腑分けソング」は初演の際にはさぞかしグロテスクだったのではないかと想像します。源内は実際には小塚原の解剖には立ち合ってはいませんし、源内が『ターヘル・アナトミア』を翻訳していて『解体新書』という訳語も提唱していたというのも史実ではありませんが、源内と杉田玄白がお互いに関心を持っていたことは事実です。今回の蜷川演出は、奇妙なテイストは残しつつも華やかでした。
 表裏源内蛙合戦 初演舞台第二幕腑分け 蜷川幸雄は「最近の演劇はひそやかになり、カーニバル的なものが無くなってきた。井上劇にはそれがある」と話しています。裏の源内を演じた勝村政信は「これだけ人とお金をかけて演出できるのは、蜷川さんだけでしょう。いちばん喜んでいるのは井上さんじゃないかな」と言っていました。
 大劇場では観客の反応がよく分らないので、無いものねだりですが、テアトルエコー小劇場版も見てみたかったと思います。地口に観客がもっと直接反応する状況などがあったのではないでしょうか。
 次の蜷川演出の井上作品は・・・期待作としては、失敗作という評価がある『珍訳聖書』かな。
    映画川柳 「エレキテル 発明したる 戯作者は」飛蜘
【参考文献】
 井上ひさし『表裏源内蛙合戦』(新潮社、1971年)
 石崎勝久「エコー時代の井上ひさし」及び扇田昭彦「ふり蛙井上劇役者合戦」 IN 『井上ひさしの世界』(白水社、1982年) 
 『日本の名著22 杉田玄白・司馬江漢・平賀源内』(中央公論社、1971)
2009年3月12日

DVD
丑三つの村

松竹・富士映画
1983年
106分
 奥山和由が製作者だった松竹・富士配給のアブナイ映画、『凶弾』に続く一本、『丑三つの村』が、とうとうDVDで発売されました。本作は田中登監督の一般映画だったので、期待して封切りを見に行った記憶があります。小田原市民会館向かいの今は無い小田原中央劇場で、併映は武智鉄二監督の『華魁(おいらん)』でした。『華魁』はセックスシーンの連続で、スポーツ中継を見るような味気なさでした。
 『丑三つの村』の印象は当時も今も基本的には変わらないのですが、主演の古尾谷雅人がその後、自殺したことを思うと、演技を超えたなにかを主人公・継男の姿に投影してしまいます。丑三つの村 DVD
 映画はわき目もふらずにきっちりと、主人公の行動の因果関係を描いていきます。この殺戮が結核にかかったことで手のひらをかえすように自分を忌避した村人の裏切り行為に対する復讐であるということが分ります。夜這いを覚えた継男の性を弄んだ女たちへの復讐でもあったことも描かれます。映画の公開は、スーザン・ソンタグの『隠喩としての病い』が出版された頃です。
 大殺戮を終えた継男はヤスヨ(田中美佐子)に「鬼が鬼を退治しただけじゃ」と言います。継男の退治しようとしていた鬼は、おそらく女の姿をしていたと思います。自分は悪いが村人たちは特に悪い、女はもっと悪いというのが継男の論理だったでしょう。さらにまた、良き兵隊になろうとしていた自分のなかの男を堕落させてしまったのが、病気であり、女の性であるというのが、継男の結論ではないでしょうか。物語としては、女《性》を《憎悪》する精神が描かれながらも、映像は女《性》を《ことほぐ》表現となるという二重構造が、映画としての在り様を示していると思います。
       映画川柳 「弾を撃つ こいつがすべて いけないと」飛蜘 
2009年3月12日

DVD
連合赤軍・あさま山荘への道程

CCRE
2008年
190分
連合赤軍 1973年1月、連合赤軍メンバーがあさま山荘事件で逮捕された後で、「総括」という名のリンチ殺人があきらかになったとき、私はこれで学生運動は壊滅すると思いました。そして、なんともやりきれない気持ちでした。当時、学生運動は退潮期にあり、中核と革マルの内ゲバが始まっており、高橋和巳や埴谷雄高が目的のために手段は正当化されるのかと論じていたころでした。総括リンチの現実は、ドストエフスキーの『悪霊』の世界を超えてしまったのです。
 この映画でも描かれているように、あまりにも短絡的な総括により、次々と仲間・同志の生命が奪われていきました。自己を批判的に乗り越えることなくして革命的成功はあり得ないと、自分で自分を追い詰めていき、告白によって処刑されてしまう「正義の志士」たちの姿は、なんともやりきれません。加川良の歌「教訓」が彼らの耳に入る余地はなかったのです。「教訓」は良き兵士になれと若者をけしかける国家権力に対して身をかわしなさいと教える歌でしたが、同じメッセージは革命軍の兵士にも言えたのです。歌詞にはこんな一節もありました。「死んで、神様と言われるよりも、生きて、バカだと言われましょうよね。・・・・青くなって、しり込みなさい、逃げなさい、隠れなさい」。
 敵前逃亡の劣等感を止揚すべく、森恒夫はきびしい自己規制に走り、永田洋子は女性が女性らしくあることを否定することで、余裕を許さない組織倫理を構築します。また、あさま山荘に篭城した坂口弘らは、機動隊と闘うことが自己目的化していたのです。
 加藤“革命三兄弟”の最年少隊員、高校生であさま山荘を闘った少年が、総括リンチにそろって手を下した行為に関して、「俺たちは、勇気がなかったんだ!」と叫ぶ、その内部告発は大変に重く、深いものです。彼は自分の兄さえもリンチで殺してしまったのですが、その行為は決して同志からは間違っていたとは総括されないでしょう。総括に関して森が言う、「革命軍兵士にいつなったか。どのような活動をしてきたか。そんな履歴は関係がないんだ」という新生・転生の論理にならえば、家族や親兄弟といった前近代的な関係性を乗り超えなければ、真の共産主義者にはなれないんだという主張で、納得させられることでしょう。森の論理によって、履歴に無関係に難癖を付けられた古参たちは、新参者に殺されていくわけですが。《過去》を《捨象》して《未来》を《創造》するといった美辞麗句が、運動家の若者の共通の夢だったのです。
 もし、自分がリンチの場面にいあわせたら、勇気を出して理路整然と何が誤謬なのか、主張できたでしょうか。リーダーの森や永田を納得させられるだけの主張ができたでしょうか。そう考えると暗い気持ちにならざるを得ません。
 監督・若松孝二は、「最後は死ぬしかなかった森恒夫を作り出したのは連合赤軍であり、連合赤軍を作り出したのは赤軍派であり、彼らを作り出したのは、戦後、朝鮮戦争の血の上に経済復興した日本である、ということまで考えて欲しい」と発言しています(2008年の本のインタビュー)が、深読みできない私たちの射程が、日本まで飛躍して届くことができるとは思えません。
 フランス文学者・渡辺一夫は、「寛容は自らを守るために不寛容に対して不寛容になるべきか」というエッセイを1951年に書いています。この問いに対する渡辺一夫の答えは明瞭であって、「不寛容たるべきでない」ということです。不寛容になったとき、すでに人間は人間であることを止めて、「機械」になっています。戦時下を経験し、戦没学生の手記『きけわだつみの声』に哀切きわまりない序文を寄せた渡辺は、この「寛容は~」の文章に1970年に附記していて、そこでは、“「自己批判」を自らせぬ人は「寛容」にはなり切れないし、「寛容」のなんたるかを知らぬ人は「自己批判」を他人に強要する。「自己批判」とは、自分でするものであり、他人から強制されるものでもないし、強制するものではない”と書いていました。1970年前後、学生叛乱では「自己批判」という言葉がお互いによく使われていた時期の、六九歳だった渡辺の言葉です。人間が機械になるような状況を作りだしてはならないのです。
 カート・ヴォネガットも、『チャンピオンたちの朝食』で、架空のSF作家キルゴア・トラウトが書いたSF小説で社会を皮肉っていました。自由意志を持った人間の周囲の人々は実は「機械」なのだという小説です。愛情機械だったり、嫌悪機械だったり、お掃除機械だったり、その他もろもろ。神様さえも機械だったんだとトラウトは書いているそうです。(ヴォネガット風に)そういうものだ(So it goes)。
    映画川柳 「間違いを 正義の味方に 指摘せず」飛蜘
【参考文献】
 「実録・連合赤軍」編集委員会+掛川正幸(編)『若松孝二 実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(朝日新聞出版、2008)
 大塚英志『「彼女たち」の連合赤軍』(角川文庫、2001)
 渡辺一夫『ちくま日本文学全集58』(筑摩書房、1993)
 ヴォネガット『チャンピオンたちの朝食』(早川文庫、1973原書)
2009年3月6日

DVD
つみきのいえ

東宝
2008年
12分
 加藤久仁生監督の短篇アニメーション。今年のアヌシー国際アニメーションフェスティバル・グランプリ受賞作品、米国アカデミー短篇アニメ賞受賞作品。
 シンプルですが、あたたかいストーリー。レンガを積む仕事をしたり、家財道具を上の階に運んだり、潜水服を着て、パイプを探しにいく老人の姿を観ていると、ひとりで生きている老人の覚悟のようなものが感じられて、胸が熱くなります。下の階に行くにつれて老人の過去の思い出をよみがえらせてくれる朽ちた家具が目に入るわけですが、その思い出に老人がどっぷりとつかる演出はありません。いちばん下の階にあった1個のワイン・グラスをひろって来て、最後に二個のワイン・グラスにワインをつぎます。あたかも妻との毎日の日課のように。今日だけをワインで祝ったのではなく、今後はずっと二個のワインが日課になるのでしょう、きっと。
    映画川柳 「潜水具 飛び込むときには うしろ向き」飛蜘
2009年2月23日

NHK総合TV

22:50
星新一ショートショート

NHKエンタープライズ
5分
3話
 星新一のショートショートをミニ・ドラマ化。アニメーションで「災難」と「約束」。実写で「見失った表情」。
 ネズミのおかげで災難を避けることができた少年がある日、ネズミの様子がおかしいので、大災難を予想し、急いで引っ越す。新居で旧家の大家さんに電話してみると、なにも大変なことは起こっていないという。しかし、よく聞いてみると・・・・。
 宇宙人が野原で遊んでいた少年たちに花を集めるのを手伝ってもらい、お礼に望みをかなえてあげると言うと、少年たちは「大人をなんとかしてほしい。賄賂をもらったりなんかしないように」と答える。急ぎの仕事を終えたら約束を果たすという宇宙人たち。しばらくしてノルマを終え、約束を果たそうと思うが、少年たちがなかなか見つからない。その理由は・・・。
 携帯型の表情調節器が発明され,つきあい下手なわたし(いき遅れの女性)は美しい効果的な表情が作れるようになる。あるとき懐かしい学友に会った。さっそく器械を駆使して表情をつくる私。再会したとき、急に機械が動作しなくなる。彼は実は表情調節器の摘発マンだと打ち明ける。一気に思いのたけが溢れて泣いてしまったわたしに彼は・・・。
    映画川柳 「SFに 起承転結 5分間」飛蜘
2009年2月20日

GYAO
天河伝説殺人事件

角川映画
1991年
106分
 市川崑監督作品。推理の意外性には欠けますが、安心して見ることができるのは、会話するふた組の人物を交互に出すような人工的な演出と、役者を見る楽しみからでしょう。横溝正史原作の石坂・金田一シリーズと同じ「よしわかった」を連発する加藤武の警部を筆頭に、人工的な書き割のなかで役者が楽しそうに演技しています。一貫してのんびり・ぼんやりしている榎木孝明(探偵役の浅見光彦)、常田富士男(駐在所の巡査)、大滝秀治(神官)、岸惠子(天河旅館の女主人)、能楽師(日下武史、神山繁、岸部一徳)、石坂浩二(浅見の兄)、伊東四朗(浅見の先輩)、財前直美(気丈な娘・水上秀美)、岸田今日子(秀美の母親)、斎藤洋介(刑事)、岡本麗(旅館の女中)、酒井敏也(旅館の下男)、立原麻衣(最初に毒殺される男の娘・川島妙子)。私は、1960年代に劇団・雲のリア王公演で道化を演じていた日下さんを懐かしく思い出しました。原作(内田康夫)の構成がゆるく、殺人が安易なため、緊張感がありません。短期間に何度も東京と吉野を往復するのも非現実的です。真犯人がわかった浅見には犯人の最後の行動が予想出来たはずですが、あわてて犯人を探す様子なのは理解に苦しみます。
    映画川柳 「死んだ鳥 ひろったばかりに 巻き込まれ」飛蜘
2009年2月15日

NHK教育テレビ

21:00~
目覚めよ身体、感覚の宇宙

NHK
テレビマンユニオン
2009年

90分
 ETV特集です。副題は「メディアアーティスト・岩井俊雄の特別授業」。2008年の秋に三鷹市立第五小学校で世界的なメディア・アーティストのひとり、1962年生まれの岩井俊雄が1年生から6年生までそれぞれに6種類の特別授業を行ないました。二週間の実践記録です。ハンパじゃありませんでした。動かないものが動き出す原初の面白さをカラダで体験してもらうというコンセプトと、実践のアイデアが素晴らしい挑戦でした。この小学校には岩井さんの娘が通っているのです。ディレクターは野溝友也・成田智彦。
 1年生と6年生では発達段階も違いますし、同学年であっても遅生まれと早生まれの子供では、かなり能力に差があります。小学校の先生の言葉では、最近の子供は自発的な絵が描けなくなっていると言います。そんななかで、岩井さんが苦しみながら考案した授業は、1年生には「どっちがへん?」。二枚の絵を見せて、どっちが変かを答えさせます。例えば「ネズミとゾウ」の絵を見せますが一方の絵には大きなネズミと小さなゾウが描いてあります。その後、子供たちに自由に二枚の絵を作らせます。最初に「手本を提示」する。次に「あるワクの中で創作させる」という手順が正しい教育だと思いました。
 2年生には「リベットくん」。足割りリベットで部品をつなぐことによって動く紙製のマペットを作らせます。岩井さんのスゴイところはそれだけで終るのではなく、生徒が作った百個のリベットくんを組み合わせてコマ取り撮影し、その日のうちにアニメに仕上げて上映してしまうところです。自分の作ったマペットがアニメとなって動くのですから、生徒は「なにか」違うものを感じます。デジタルの基盤に物質があるということを教えたいと岩井さんは言っています。
 3年生には「赤青アニメ」。赤セロファンと青セロファンを目の前で動かすと、青インクと赤インクで描いた図が動いて見えます。オリジナルキャラクターで描くことという条件をつけて出来た作品を並べて動く街ができました。ビデオカメラで撮影した映像を投影しながら動きを確認していきます。生徒の描いた図が平凡なせいもあっていまひとつ盛り上がりに欠けていました。
 岩井さんもこの出来には不満だったらしく、奥さんに悩みを話す場面が挿入されていました。いまひとつナビゲートがうまく出来なかったと反省しているのです。奥さんの栄さんは、自分が楽しめればいいのではないかと助言しています。夫のことを、理想を高くかかがげすぎてしまってかえって苦しくなっているみたいだと話す、この奥さんはタダモノではないなと感じさせられます。
 子供のころ、玩具を買ってもらえず。母親に自分で作れと言われた岩井さん。小学生のころの自作の「工作ブック」にはいろんな自分流のおもちゃが工夫されていました。パラパラマンガに夢中になり、海外でも収集したパラパラマンガが創作の原点になっています。
 4年生は体育館にて「からだアニメ」。ダリの空中ストップ写真を見せて、ストップモーションをつなげたアニメを作る試みです。自分の体がちがって見えます。5年生は「光のポートレイト」。懐中電灯で空間に描いた光を長時間露光させて絵に作る試みです。6年生は残像を利用して「顔のおどろき盤」。ろくろの上の円板に8枚のちがった顔を描きます。ろくろを回転させて、1~2ミリのスリットを動かしながら画を見ると画が動いて見えるのです。ストロボ・フラッシュを回転と同調させると動くのですが、ろくろと手製のスリットでも同じ効果が得られます。
 常日頃は孤独な作品制作に従事している岩井さん。小学生の「つくる」授業を実践したことで得たものもあったようです。バーチャルな世界の最先端にいる人が手作り感覚を大切にしていることが、とても重要なことに思われます。
    映画川柳 「生命が ふきこまれれば アニメート」飛蜘
2009年2月6日
午前1:00~2:30
東映チャンネル
(録画)
0課の女・赤い手錠

東映
1974年
88分
 杉本美樹主演で1本だけ製作された篠原とおる原作劇画「0課の女」。脚本は神波史男と松田寛夫、撮影は中島芳男、編集は祖田富美夫、音楽は菊地俊輔で、捨てバチな主題歌を杉本美樹自身が歌っています。野田幸男監督のカルト・ムーヴィー。助監督には『Wの悲劇』の沢井信一郎がついています。公開当時、山田宏一さんが高く評価した傑作。デジタル・ニューマスター版で放映されました。
 アメリカに占領され汚染された日本が背景になっています。「アメリカ」を表すアイテムが満載されています。冒頭でゴー・ゴー・バーで踊った杉本美樹に声をかけてくるのがアメリカ大使館付一等書記官、この男、以前につれこんだ売春婦を殺していました。アベックを襲うチンピラのひとりのジャンパーの背文字が「U.S.NAVY」で、襲われるアベックの男は「基地反対闘争」のヘルメットをかぶっています。アベックを襲う場面に上空を飛ぶ飛行機が何度もインサートされます。チンピラたちがアジトに使うクラブの名が「マンハッタン」。経営者のママ(三原葉子)はいかにもパンクな銀髪のカツラですが、アメリカ化を蔑むかの如く(日本製の)ラーメン・ライスを食べています。チンピラたちが途中で隠れ家に選ぶクラブハウスはアメリカ海軍のものだし、最後に逃げ込む場所は基地跡で、中原(郷瑛治)は「ここでウチのオフクロはパンスケをやっていた。ここへ来ればオレのもんだ」と叫びます。
 アメリカの影、そして基地跡での銃撃戦とくれば、『野良猫ロック・センックスハンター』を連想させます。そう言えば、郷瑛治のかぶる帽子は『セックスハンター』でマコ(梶芽衣子)のかぶっていたのと同じアコーハット。この映画は『セックスハンター』へのオマージュなのでした。
 アジト・マンハッタンを逃げ出すあたりまでは暴力の連鎖と、まったく先の読めない展開で、カットと編集が冴え渡ります。再見して、クラブハウスに逃げ込んだあたりからは、しばしば緊張の緩む展開になっていると感じました。
    映画川柳 「《狂気の兄は》 撲殺す 人質を逃がす 弟を」飛蜘  
2009年1月24日

テレビ朝日
21:00~23:20
疑惑

テレビ朝日
100分
 松本清張原作のTV化。脚本は竹山洋、監督は藤田明ニ。野村芳太郎監督の映画で岩下志麻が演じた佐原弁護士役を田村正和、映画で柄本明が演じた北陸日々新聞の記者・秋谷役を室生滋、桃井かおりの役・鬼塚球磨子を沢口靖子、金沢の資産家・福太郎役を小林捻持。国選弁護人・原山役を津川雅彦、警官役を鈴木いっけい。
 8億の生命保険金をねらった球磨子が、事故を装って夫を殺害したという罪で裁かれます。一審では死刑、しかし、車内に残った靴とスパナの謎を佐原が解くと、控訴審では逆転無罪。佐原のもと妻の妹に真矢みき。球磨子のもと友人に若村麻由美。
 映画と異なり、弁護士に無理心中の意図を見破られた球磨子が自殺を図ります。悪女を演じる沢口靖子がみものです。沢口靖子は単なる美人女優ではないと評価していましたが、本作でもその思いを強くしました。
    映画川柳 「実験が 証言の実を 裏づける」飛蜘
2009年1月20日(火)

NHK総合TV

22:00~
プロフェッショナル

マグロ仲買人
藤田浩毅

NHK総合
45分
 マグロをセリ落とし、売る。それがマグロ仲買人の仕事だ。築地で、本マグロを最初に触ったとき、「駄物屋が触るんじゃねェ」と批難されて悔しい思いをした若い藤田は切り身をさばく仕事で20時間働いた。初めは見栄えのよい売れ筋を求めたが、すし職人・水谷の一言「あれはよくねえな」で目がさめた。他人の評価ではなく、自分がうまいと思う味を求めて、探した結果、ようやく見つけた自分の味、それにこだわった。少しずつ客がついた。
 有名産地でなくともいいマグロには高い値をつける。採ってくれる漁師や漁場を守るためだ。買い叩けば漁場は荒れる。気にいったマグロがないと、「意地を張る」結果、買わない。その結果、在庫が無くなることもある。11月に四日間も買えない事態が起こった。休みあけ、釣りあげられるとき暴れたらしく「ケツ上がり」で、体温が上がった結果、身が焼けている可能性があるマグロ(焼けていると赤身は使えない)があった。しかし、そのマグロを買った。藤田は言う、プロフェッショナルとは、「どうでもいいことにこだわり続ける。意地を張りとおすってことですかね」。
    映画川柳 「買いつける 決め手に常なる 意地がある」飛蜘
2009年1月17日~3月14日

(土曜日)

日本テレビ
20:54~
銭ゲバ

日本テレビ

50分
 ジョージ秋山のコミック(1970年~1971年)を脚本・岡田惠和、演出・大谷太郎でテレビ化。蒲郡風太郎(松山ケンイチ)は派遣労働者。小学校時代に貧しさから肺病の母(奥貫薫)を亡くし、酔った無職の父親(椎名拮平、怪演!)から殴られて左眼に傷を負いました。合板工場を解雇された風太郎が次に派遣されたのは三國造船場。小さいときに苦い思い出のある所でした。自動車がはねた水をかぶった風太郎(齋藤隆成)は三國の娘・緑に親切にされたのですが、菓子を盗もうとして見つかり、軽蔑された経験があったのです。その緑(ミムラ)ももう大きくなっていました。顔にアザのある妹・茜を誘ってパーティに出かける途中、緑は風太郎を自動車ではねてしまいます。風太郎は車の前に自分から出てきたように見えます。銭ゲバ 劇画
 一方、解雇された直後に撲殺された派遣社員(田口トモロヲ)の事件を捜査する刑事(宮川大輔)は、風太郎の名前に、過去の未解決事件、自分の新聞配達の弟(近藤公園)が撲殺された事件を思い出すのでした。
 第2話。茜のために時計を捨てて信用を得て病院を退院した風太郎のもとへ刑事が来ます。風太郎が施設を辞めた夜に撲殺された弟を殺した犯人は君だろうと名指しします。風太郎は「なぜ僕が。あんないい人を」と泣き崩れます。「俺が聞きたいよ」と、風太郎の目を見て、刑事は確信します。緑は茜の話し相手になって欲しいと依頼しますが、父親(山本圭)は眼に傷のある気味の悪い風太郎を拒否します。風太郎は茜に優しい言葉をかけて信用させます。本当は醜いものは大嫌いだと言う風太郎は財産を手に入れるために三国家へ寄宿することになります。風太郎にベラの煮付けを出した食堂の人々は、素直そうな彼を気に入ります。
 第3話は未見です。風太郎は三國造船社長の家の庭に「なにか」を埋めたようです。
 第4話は、茜と身分ちがいの結婚はできないと三国家を出る風太郎。けれどもそれは風太郎の計算でした。茜は手首を切って自殺を図ります。緑は風太郎を再び家へ迎え入れます。緑に忠告してくれた井上が行方不明。風太郎が殺して庭に埋めたようです。風太郎の父親が三国家を訪れて来て、風太郎に二人で財産をのっとろうと持ちかけます。風太郎が断ると父親は翌朝姿を消します。お手伝いさんが庭に埋められた死体に気付き、匿名で警察に通報します。刑事が掘り返してみても、既に死体は消えていました。どうやら父親が掘り返して遺棄してしまったのようです。これで風太郎に借りができました。
 第5話は結婚式を終えた風太郎が義父(山本圭)の信用を得るにもかかわらず、ガン病を抱えてビル爆破予告のような愉快犯罪を行なう労働者を利用して、社長の椅子を狙います。緑は刑事の助言もあり、茜に風太郎の正体を告げますが、茜は風太郎の正体なんかどうでもいいのだと答えます。
 第6話は派遣社員を正社員にしたり、特養に寄付したり、金を儲ける目的で進む風太郎。父を殺されて、茫然自失で廃人同様の緑。つらく当られても耐える茜。建立し直した母親の墓前で「自分は天国にはいけない。だから、もう会えない」と嘆いた風太郎は母親そっくりのホームレスひろ子を極貧から救う。しかし、ひろ子はホームレスに戻っていた。再度渡したお金は他のホームレスたちに奪われ、ひろ子は巻き添えを食って死亡。荻野刑事には病気の妻を救えと大金を渡そうとして、殴られる。病院の階段から刑事の妻・加奈江(宮本裕子)を付き落とした男は風太郎に似ていたが。父親には、十億渡して、約束通り死んでくれと言う。緑は、「自分の不幸を周りのせいにする。ケダモノ以下よ。お金に負けているのよ」と答える。
 第7話。荻野の妻に対する傷害容疑で逮捕された風太郎、初めての殺人の日の一人の老人(品川徹)との出会いを想い出す。風太郎のアリバイが成立して釈放される。風太郎の替え玉で荻野の妻を突き落とした定食屋の放蕩息子は行方不明。荻野は妻の手術代金を風太郎から受け取り、「金がすべてです」と言わされる。茜は風太郎に突き放され自殺する。
 第8話。自殺した茜の胸の内を告げて風太郎を責める緑。風太郎は海岸の母とふたりだけの場所へ緑を連れていく。父は二億円を返却に来る。荻野は弟殺しの真相を尋ねて来る。弟は前日、風太郎を引き取る相談をしていたと聞かされる。定食屋は借金の取り立てに苦しんでおり、高校生のゆか(野村杏奈)は風太郎にカラダを売ろうとし、店主(光石研)や妻(りょう)は風太郎に二千万円の金を無心する。かれらだけは金の亡者ではないと信じていた風太郎は裏切られた思いで金を出そうとしない(原作では怒りで少女を殺してしまう)。ダイナマイトをカラダに巻きつけて導火線に火を点ける風太郎。
 第9話。導火線の火が進む間に風太郎の脳裏には「ありえたかもしれない、もうひとつの別の物語」が去来します、ロベール・アンリコの『ふくろうの河』のように。父は家にきちんとお金を入れ、暴力をふるうこともありません。風太郎は拾った大金を交番に届け、新聞配達のおにいさんにほめられます。大学に入り、同じ大学生の友人(実際の世界では爆破犯人になる男)ができ、茜と出会い、結婚し、緑とも仲良く暮らすことになります。
 最後に風太郎は導火線をツバで消そうとしますがうまくいかず、堀立て小屋もろともふきとんでしまいます。見届ける緑(ミムラ)の前に転がって来たのは一円玉でした。同じ頃、定食屋の伊豆屋には宅急便で風太郎からお金が送られていました。「ベラの煮付け、おいしかったです」と手紙が添えられて。定食屋の放蕩息子も帰宅していました(松山ケンイチ二役)。父親は風太郎の遺影にコップ酒を備え、「一緒に飲もう」と追悼の意を表しています。
     映画川柳 「捨てる魚 ベラの煮付けが 母の味」飛蜘 
2009年1月12日

フジテレビ
(ハピネット・ピクチャーズ)
DVD
木枯らし紋次郎

第1話・第2話


1974年
フジテレビ

各50分
 『時代劇は死なず』(朝日新書)で高く評価されている『木枯し紋次郎』。放映当時に見た印象では、中村敦郎自身が監督した回が傑作でした。市川崑劇場と題して放映されています。
 第1話「川留めの水は濁った」(脚本・服部桂と久里子亭、演出・市川崑)のゲストは女壷振り師お勝の小川真由美、その弟茂兵衛(植田峻)、紋次郎の姉の亭主だったことが判明する佐太郎(小池朝雄)。イカサマで金子を得た姉に似たお勝を助ける紋次郎。
 第2話「地蔵峠の雨に消える」(脚本・鴨三七、演出・市川崑)のゲストは盲腸炎で死ぬ前に紋次郎に書状を託す十太(高橋長英)とその妻だというお千代(宇都宮雅代)、お千代を囲う善助(石山健二郎)。ドシャ振りの雨の中の渡世の義理での斬り合いから始まって、最後も渡世の義理からの斬り合いで終ります。「やくざの仁義が聞いてあきれる」と自分を親分の仇と狙う善助たちに言う紋次郎ですが、自分を殺すように書かれた書状を千太郎に届ける義理を果たして、待ち伏せの前に身をさらす。なぜ十太と交わした渡世の義理を果たして、斬り合いに身を晒すのかが、理解できません。斬られる相手だって、悪人という訳では無い、渡世の義理で闘っているわけで、不幸だと思うのですが。その徒労感が主題でしょうか。市川崑のATG作品『股旅』も渡世人の若者の悲惨な青春映画でしたが。
 第2話では夜中に目を覚ました紋次郎が殺気に気が付いて、斬りあいに備えて身支度を整える様子が丁寧に描かれます。
    映画川柳 「渡世人 義理もしがらみも 捨てられず」飛蜘
2009年1月12日~3月23日

(月曜日)

フジテレビ
21:00~
ヴォイス
第1話~第10話

2009年
フジテレビ

45-60分
 加地大己(瑛太)は心臓外科学ゼミに希望したのに、法医学ゼミに回されているのに気付きます。いったいどういう理由なのか、佐川教授(時任三郎)に尋ねると、君は法医学に向いていると言われます。所属の手続きも終えてしまい、いまさら変更はできないと言われて不承不承、ゼミに参加した加地でしたが、死者の声を聞くという法医学に五人の同期生とともに深入りしていくことになります。助教授の玲子(矢田亜希子)はゼミ生が何人残るか、検査室の技官・蕪木(泉谷しげる)と賭けをしていて、今年は最後には誰も残らないと予言するのですが。
 今回、司法解剖することになったのは休日の建設現場で死亡していた中年男性・市原。傷の状況から上から30kgくらいのものが落下してそれが前頭骨に当たり、頚髄損傷で死亡したのですが、現場に落下物が残されていません。加地は警察でもないのに現場に足を運び、手がかりをつかもうとします。野球のTVを消させたという市原、女房と離婚していた普通の電気工事士。仲間のゼミ生は大病院の院長の息子・亮介(生田斗真)や元暴走族・彰(佐藤智仁)、歯科医の息子・哲平(遠藤雄弥)と幼児期の父の死に疑問を持っている無愛想な女子・久保秋ことアキ(石原さとみ)。
 加地は市原の姿勢や骨折の状況から彼が何かを受け止めたと推理します。過去の痛ましい事件がその背景にはありました。離婚した妻役で美保純。
 教授が加地を法医学ゼミに引き込んだのには、15年前の地下鉄爆破事件がありました。救急医療に当たっていた彼の目前で死んだ母親の手が握り締めていた鈴の音に最期の母親からのメッセージを感じ取って乳母車の赤ん坊に手渡した少年、彼(の名札)が加地大己だったのです。法医学に必要な資質について、教授はアキに対しては普通人の感覚だと答え、助教授の玲子には想像力だと言います。死者のヴォイスを聞く想像力をもつもの、それが優れた法医学者だと。
 第1話と第2話の脚本・金子茂樹、演出の成田岳は『時効警察』も演出していました。
 第2話は生卵を持ったまま倒れていた佐野秀一、死因は心不全。妻(鶴田真由)はアメフトの選手だった夫が簡単に死ぬわけがないと言います。感電した形跡があるものの、どこでどう感電したのかが分からない。感電した後、無理をして行動したらしい。佐野さんは左膝を壊して入院したとき作業療法師の妻と知り合った、大己は二人で見たという『スティング』『クレイマー、クレイマー』に何か手掛かりがあるかもしれないと映画を見る。前の日に「一緒になった意味あるのかな」と言ってしまった妻。アキが蕪木に依頼して調べてもらった佐野の爪に残っていた白いものは牛乳でした。「黙ってもくもくと仕事をやりとげる男はいちばんカッコいいですから」と大己は言います。肉ジャガができるとかテクノを聞くとかムキになって強がるアキ(石原さとみ)が可笑しい。
 1月26日放送の第3話では、アキが法医学を志す理由が明らかになるようですが、見逃しました。
 第4話は亮介の高校時代の親友・富士夫(細田よしひこ)が死亡します。医学部に入学した富士夫は不良の高沢にパシリとして使われていたようです。大麻を吸わされ、エビ・アレルギーなのにエビ入りのピザを食べてショック死した理由に大己は納得がいきません。演出は松山博昭。第5話未見。
 第6話(演出・成田岳)は他人の関心を引くために病気を装うミュンヒハウゼン症候群の疑いのある中学生の妹(志田未来)をめぐる真実。両親を亡くした兄(石田卓也)と妹の関係が明らかになります。料理人志望のアキの弟が登場する。ギョウザ入りモンジャとか、ネエチャン丼(納豆とカツオブシとネギ混ぜをかけた御飯)
 第7話(演出・松山博昭)。妻・静代(赤座美代子)の行政解剖を拒否する靴屋の夫(石橋蓮司)に説得を続けるアキと大己。タイムセールで転んで腹部を打ったのが死因と思われたのだが。自分の声を録音して起こす目覚まし時計が効果的に関わります。解剖が苦手な花井がその意識を克服するのに、自分をとらえているイメージを固定化しないことが大事と友人が示唆します。
 第8話(演出・成田岳)。ビルの窓拭き職人が落下して死亡。事故死かと思われたが、生命保険会社の職員が法医学解剖を求めます。血液中から睡眠誘導剤が検出され、自殺という結論を下さざるを得ませんが、借金を抱えて遺された遺族に保険金は下りません。覚悟の自殺の真実が明らかになったために遺族に借金が残され、幸福がもたらされないとしたら、真実はいったい何のためなのか、医学生たちは真剣に悩みます。死者の死んだ現場を訪ねることが習慣になっている医学生たち。いつもしていた玩具時計を外していた父の想い、拭き終えた窓の側から死を決意した父が見ようとしたものはいったい何だったのか、中学生の息子が語った言葉にその手がかりがありました。事故死だったら分らなかった父の想いが分った、法医学によって向きあう真実が悪いことなんてないはずだと、医学生たちは確認しようとします。一方、亮介の病院で突然死した作家(田村亮)の妻(麻生祐未)が院長を詰問していました。胃がんだったとはいえ、回復傾向にあった夫がなぜ死んだのか、納得がいかないと。亮介は父である院長が、シスプラスチンを投与し過ぎた担当医をかばってカルテを改ざんしたことを疑います。
 第9話(演出・松本博昭)。亮介は父親のカルテ改ざんは若い担当医師の医療ミスを隠蔽するためだという思いから逃れられず悩みます。作家が仙台の病院からわざわざ転院してきたこと、腎臓疾患があった患者にシスの投与は生命取りになること、血液から過剰のモルヒネが検出されたこと、大己は謎を解く鍵が長崎の大学生時代にあったことを掴みます。そして、医療ミスを公表し、カルテ改ざんを認め、病院を去り、刑事告発を受けようとする父の真の意志を亮介は理解するのでした。作家の妻も「夫のわがままに付き合ってくださってありがとうございます」と言います。
 第10話(演出・成田岳)、15分延長放送。強姦の履歴がある運転手・成瀬(ダンカン)が女子高校生に刺殺された。正当防衛とはいいきれないと結論した佐川の判断に被害娘の叔父の大学理事長は激怒。佐川の進退問題に発展する。大己は「現場に行ってみないか」と提案。娘は過去の中学生強姦事件で自殺した被害者の友人だった。理事長は佐川の生徒の自主性を尊重する姿勢に問題があるという。大己は佐川から地下鉄事故の話を聞く。佐川は小学生だった大己の言葉で、「亡くなった人の声を聞く法医学者になろうと決意した」と話す。失われた生命からもその声を聞く仕事がある。大己は法医学を続ける。亮介は父親の後を継ぐ。哲平は科警研を目指す。アキは外国へ法医学の研修。彰は法医学を学ぶ。
 DVD-BOXが7月1日に発売されるという。
     映画川柳 「医学生 体の声を 聞く力」飛蜘
2009
年1月10日~3月7日

(土曜日)
NHK総合TV
19:30
浪花の華

2009年
NHK
30分
浪花の華 第1話 緒方章(後の緒方洪庵)を事件の狂言回しに活躍させるNHKの土曜ドラマ。脚本は前川洋一、第1回・第2回の演出は藤田夏子。文政末(1829年)の大坂。章(窪田正孝)は医師・中天游(蟹江敬三)の元で蘭学修業中。屋根裏部屋にこもって本を読む日々。師匠の言いつけで、禁書の医学書の取引にいかされます。高く値をつけた侍がいると本屋(木下ほうか)にじらされ、四両という高値をふっかけられて困ってしまったところが、本屋が謎の死を遂げます。天下の書庫係である御文庫の方にからむ謎の女侍・左近(栗山千明)が出現して、章は翻弄され放し。
 美術の西岡善信は、もと大映の「世界最高峰のスタッフ」のひとり。勝新の『顔役』の美術も担当しています。大阪の町なみを再現したセットは画面でよくはえるように工夫されたものでした。
 本は世の中を変えるもの、一部の役人に独占させておいていいわけがないという左近の主張が気持ちよく響きます。緒方章は足軽の三男坊、学問で身を立てなければ行く瀬が無いという切実感があります。それにしても主人公がこれほど世間知らずで、弱弱しい設定のドラマは珍しい。幕末の大阪を主人公と共に学んでいくというコンセプトでしょう。
 第2話「想いびと」は中天游の息子・耕介(杉浦太陽)の恋人・おきく(小出早織)が殺人事件の犯人に疑われます。おきくは安産のお守りを持っていました。第3話「闇の仕事師」で左近を狙う人々が出現します。
 第3話から8話までは、途切れ途切れに見る程度になってしまいました。第9話(最終回)は章の兄弟子が革命をくわだて抜け荷を扱い、師を誘拐して割符を入手しようと画策します。事件が解決した後、江戸へ修業に出る章。左近ともつらい別れがあって・・・。
    映画川柳 「蘭学で 身を立てようと 若者は」飛蜘
2009年1月5


DVD
志の輔落語
「歓喜の歌」

2007年
54分
 シネマ・カノンで映画化された『歓喜の歌』の原作。映画を先に見て、原作に興味が出たので、見てみました。映画でどこをふくらませていたかが分かります。
 原作で描かれていないのは、公民館主任の私生活(妻・娘・愛人との関係)、合唱団の団員および指揮者の家族や私生活、合唱団の練習や慈善活動、公民館の職員、客席増のための改装といったところでした。ダブル・ブッキングの時間帯が映画では夜間の部でしたが、落語では午後の部でした。合唱団が歌う歌は出てきませんので、歓喜の歌という名称もありませんでした。
 それにしても、針の穴に糸を通す仕草だけで笑いを取れるのはスゴイと思いました。
    映画川柳 「《主任のセリフ》 まつり縫い? なにその陽気な 縫い方は」飛蜘 


                     映画日記  過去の記録 一部、テレビ・ドラマを含む

                     (太字は大傑作と評価した作品)

見た年 外国映画  日本映画  見た年 外国映画 日本映画
 2001年 
映画日記
 
(太字は大傑作)
沈黙の女、インビジブル、ワンダとダイヤと優しい奴ら、ロッキー・ホラー・ショウ、甘い抱擁、エクソシスト、JUST VISITING、ザ・メキシカン、フェイス・オフ、ガタカ、ブルース・ブラザーズ2000、リトル・ヴォイス、ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ、スリーピー・ホロウ、ダンサー・イン・ザ・ダーク いい湯だな全員集合、緋牡丹博徒・鉄火場列伝、一心太助・男の中の男一匹、家光と彦佐と一心太助、千と千尋の神隠し、喜劇・一発大必勝、隠し砦の三悪人、戦国野郎、名探偵ホームズ[TV]  2002年 
映画日記
 
(太字は大傑作)
スパイダー・マン、ミュージック・オブ・ハート、キッスで殺せ、M:i-2、スパイゲーム、ハンニバル、狼男アメリカン、セブン、オー[O]、ハリー・ポッターと賢者の石、サンセット大通り、ナチュラル 忍びの者、続・忍びの者、新・忍びの者、戦争を知らない子供たち、うる星やつら・ビューティフル・ドリーマー、荒野のダッチワイフ、修善寺温泉殺人事件[TV]、焼け跡のホームランボール[TV]、頭痛肩こり樋口一葉(初演)[演劇]、トットチャンネル、野獣都市、メトロポリス、うる星やつら・みじめ愛とさすらいの母[TV]、必殺仕置人[TV]
2003年1-3月 映画日記
(太字は大傑作)
ハリーとトント、エトワール、リスボン特急、探偵スルース、アマデウス・ディレクターズカット博士の異常な愛情、グッド・モーニング・ベトナム、暗闇でドッキリ、オーロラの彼方へ、ビンゴ、ナインスゲート、王は踊る、主任警部モース[TV] リカ[TV]、剣鬼、犬夜叉・時代を越えた想い、緋色の記憶[TV]、県警対組織暴力、大誘拐、座頭市物語、不知火検校 2003年6-12月 映画日記
(太字は大傑作)
フランス軍中尉の女、未来世紀ブラジル、ハードエイト、シカゴ、密告の代償、クワイヤ・ボーイズ、恋の手ほどき、クッキー・フォーチュン、カジノ・ロワイヤル、わが青春のフロレンス、テルマ&ルイーズ、耳に残るは君の歌声、主任警部モース・ニコラス・クインの静かな世界[TV]、 依頼人の娘[TV]、日本の黒い夏[冤罪]、R・R・G[TV]、涙と笑いのハッピークラス[TV]、顔、続・座頭市物語、ボクが病気になった理由、おしん少女篇・総集篇[TV]
2003年4-6月 映画日記
(太字は大傑作)
鏡の国のアリス、サスペリア2、主任警部モース・魔笛[TV]、デストラップ・死の罠、野ばら、鏡の国のアリス[TV]、最高のルームメイト、シャーロック・ホームズの素敵な挑戦、ハリー・ポッターと秘密の部屋、ザ・ターゲット、スミス都へ行く、ミッション・インポッシブル 2003年12月-2004年3月 映画日記
(太字は大傑作)
永遠のマリア・カラス、恋におちたシェイクスピア、ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間、狩人の夜、CATS、霧につつまれたハリネズミまぼろしの市街戦、御冗談でショ、続激突!カージャック、マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ、けだもの組合、リア王、主任警部モース・死者たちの礼拝[TV] よみがえれ教室[TV]、冬の日(連句アニメ)、座頭市凶状旅、乱歩R[TV]、新・座頭市物語、天保12年のシェイクスピア[演劇]、紙屋町さくらホテル[演劇]
2004年4月-5月 映画日記
〔太字は超傑作) 
モンテ・ウォルシュ、マイノリティ・リポート、初恋のきた道、主任警部モース・日の沈む時[TV]、シャリアピンのドン・キホーテ、ターミネーター3 妻の失ったもの[TV]、野良猫ロック セックスハンター女生きてます盛り場渡り鳥顔役、俺の愛した謎の女[TV]、天中殺の女たち・天女の遺産[TV]、『座頭市』と呼ばれた男、座頭市千両首、攻殻機動隊、手塚治虫の夏休み[TV]、太鼓たたいて笛吹いて[演劇]、股旅三人やくざ、砦なき者[TV] 2004年6月-11月映画日記

主任警部モース・キドリントンから消えた娘、成功の甘き香り、バットマン・リターンズ、ピクニック、大砂塵、オペラは踊る、主任警部モース・ハンベリー・ハウスの殺人[TV]、愛の破片、ミスティック・リバー、主任警部モース・最後の敵[TV]、ショコラ、ピンクパンサー(アニメーション)、主任警部モース・カーパークB5号の謎[TV]、刑事、靴みがき 帝銀事件[森崎東TV]、悲しき口笛、東京キッド、御法度、新選組、イノセンス
2004年12月-05年9月 映画日記
スパイダーマン2、ロード・オブ・ザ・リング二つの塔、ハッスル、主任警部モース;死をよぶドライブ[TV]、A.I.、主任警部モース;メアリー・ラプスレイに起こったこと[TV]、主任警部モース;ファット・チャンス[TV]、飛べフェニックス、主任警部モース;アヴリルの昏睡[TV]、主任警部モース;サタンの巣くう日[TV]、主任警部モース;神々の黄昏[TV]、ビューティフル・マインド 機動警察パトレイバー2、赤い殺意、血と砂、河内カルメン、吹けば飛ぶよな男だがロケーション、金田一少年の事件簿 吸血鬼伝説殺人事件[TV]、流れる 2005年9月-06年5月映画日記 Musical Great Musicals、スローターハウス5、ミリオンダラー・ベイビー、毒薬と老嬢、フランケンシュタインの花嫁、愛のエチュード、王の帰還、主任警部モース・ギリシャ人の贈り物[TV]、CSIニューヨーク[TV]、ダイヤルM、キートンの恋愛三代記、拳闘屋キートン、五線譜のラブレター、スーパーサイズ・ミー 機動戦士ガンダムF91、真昼の暗黒、コント55号のなんでそうなるの?[TV]、男はつらいよ・寅次郎夕焼け小焼け、街の灯、仁義なき戦い・広島死闘篇、殺人狂時代、あゝ爆弾、時効警察[TV]、センセイの鞄[TV]、江分利満氏の優雅な生活、女王の教室エピソード1・2[TV]、ニワトリはハダシだ、マチベン[TV]、必殺仕掛人・梅安針地獄、春雪仕掛針
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2007年4月-8月映画日記 レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語、がんばれ!ベアーズ、がんばれ!ベアーズ・ニューシーズン、チャーリーとチョコレート工場、ミュンヘン、不都合な真実、ダーウィンの悪夢、ダ・ヴィンチ・コード、深夜の告白歩道の終わる所、ビッグ・コンボ、黄金の腕 不良少女魔子、眠狂四郎殺法帖、眠狂四郎女妖剣、眠狂四郎炎情剣、眠狂四郎無頼剣、女王蜂、病院坂の首縊りの家、笑の大学、笑の大学[演劇]、帰ってきた時効警察[TV]、フラガール、犯人に告ぐ[TV]、直撃地獄拳!大逆転、鬼太郎が見た玉砕[TV]、パール判事は何を問いかけたのか[TV]、機動警察パトレイバーOVA版・二課のいちばん長い日、いつでも夢を、Wの悲劇 2007年9月-12月映画日記 ローラ殺人事件、カルメン、或る殺人、ドリームガールズ、大アマゾンの半魚人、マイ・フェア・レディ、深夜復讐便、天地創造、ローマの休日、昼下がりの情事ハリー・ポッターと炎のゴブレット、荊の城[TV]、刑事コロンボ・殺人処方箋[TV]・死者の身代金[TV]・構層の死角[TV]・指輪の爪あと[TV]・ホリスター将軍のコレクション[TV]・二枚のドガの絵[TV] 俺っちのウエディング、名探偵ホームズ[アニメ]、マジック革命セロ![TV]、ライスショック[TV]、21世紀のドストエフスキー[TV]、ガリレオ(第1話~第10話)[TV]、交渉人真下正義、佐賀のがばいばあちゃん、結婚詐欺師[TV]、長い長い殺人[TV]、半落ち[TV]
2008年1月-5月映画日記 カインドハート、ラベンダー・ヒル・モブ、シャーロットのおくりもの、マダムと泥棒、ヘブンズ・アバーブ、敬愛なるベートーヴェン、乱闘街、傷だらけの挽歌、無頼の谷、エデイット・ピアフ愛の讃歌、エデイット・ピアフ コンサート&ドキュメンタリー[ドキュメンタリー]、エド・ウッド、クルーレス 大東京の真中で、一人:中原中也[ドキュメント]、のだめカンタービレ in ヨーロッパ、感染爆発、新型インフルエンザの恐怖[ドキュメント]、DEATH NOTE、DEATH NOTE the LAST NAME、プロフェショナル[岸田周造]、謎の海洋民族モーケン[ドキュメント]、犬神家の一族、腑抜けども悲しみの愛を見せろ、それでもボクはやっていない、刑事の現場、マエストロ、斬り込み、扉は閉ざされたまま、ロマンス[演劇]、有頂天ホテル 2008年6月-7月映画日記 ミス・マープル・牧師館の殺人・予告殺人・書斎の死体・パディントン発4時50分[TV]、コーラス、ミス・マープル2・スリーピング・マーダー・親指のうずき・動く指・シタフォードの謎[TV]、アガサ・クリスティーのミス・マープル・牧師館の殺人・予告殺人・書斎の死体・パディントン発4時50分・スリーピング・マーダー・動く指・復讐の女神・バートラムホテルにて・ポケットにライ麦を・カリブ海の秘密・魔術の殺人・鏡は横にひび割れて[TV]、旅立ちの時 有りがたうさん、フェアな殺人者[TV]、按摩と女、簪、港の日本娘、田舎医者、風の中の子供、信子、沸騰都市イスタンブール[TV]、みかへりの塔、子供の四季、ニッポンの食卓大研究[TV教養]、ここに技あり・鶴岡[TV教養]、忍者秘帖・梟の城、熱中時代《三年四組学級閉鎖》《お雛さまとさびしい宇宙人》[TV]、魚が消える?[TV教養]、真・女立喰師列伝、立喰師列伝、L
2008年8月前半映画日記 名探偵ポワロ・コックを探せ・ミューズ街の殺人・ジョニー・ウェイバリー誘拐事件・24羽の黒つぐみ・4階の部屋・砂に書かれた三角形・海上の悲劇・謎の盗難事件・クラブのキング・夢・エンドハウスの怪事件・ベールをかけた女・消えた廃坑・コーンワルの毒殺事件・ダベンハイム失そう事件・二重の罪・安いマンションの事件・誘拐された総理大臣・西洋の星の盗難事件・スタイルズ荘の怪事件[TV]、ゴスフォード・パーク、英国万歳!、クィーン、鯨が来た時、ドレスデン大空襲「[TVドキュメント]、ドクター・アトミック[TVドキュメント]、パーフェクトカップルおかしな大恋愛、マッシュ 見過ごされた被爆(残留放射線63年後の真実)[TVドキュメント]、東海道四谷怪談、解かれた封印(米軍カメラマンが見たNAGASAKI)[TVドキュメント]、怪談、黒い雨、耳をすませば[TV教養]、必殺必中仕事屋稼業・出たとこ勝負・一発勝負・いかさま大勝負・逆転勝負・忍んで勝負・ぶっつけ勝負・人質勝負・寝取られ勝負・からくり勝負・売られて勝負・表を裏で勝負・いろはで勝負・度胸で勝負・招かれて勝負・大当りで勝負・仕上げて勝負・悟りて勝負・はめ手で勝負・生かして勝負・負けて勝負・飛入りで勝負・脅して勝負・取込まれて勝負・知られて勝負・乱れて勝負・どたんば勝負[TV]、神童、蒼い瞳とニュアージュ、日本軍と阿片[TVドキュメント] 2008年8月後半-9月映画日記 名探偵ポワロ・あなたの庭はどんな庭?・100万ドル債券盗難事件・プリマス行き急行列車・スズメバチの巣・マースドン荘の惨劇・二重の手がかり・スペイン櫃の秘密・盗まれたロイヤルルビー・戦勝舞踏会事件・猟人荘の怪事件・ABC殺人事件・雲をつかむ死・愛国殺人・エジプト墳墓の謎・負け犬・黄色いアイリス・なぞの遺言書・イタリア貴族殺人事件・チョコレートの箱・死人の鏡・グランドメトロポリタンの宝石盗難事件・ポワロのクリスマス・ヒッコリーロードの殺人・ゴルフ場殺人事件・もの言えぬ証人[TV]、アガサ・クリスティーの奥さまは名探偵、モーパッサンのいなか娘・首飾り[TV]、フロスト警部・孤独な復讐・狙われた天使[TV]、JAWS 熱投413球、日雇い派遣禁止さまよう若者たち、クッキングパパ、怪猫有馬御殿、怪談蚊喰鳥、怪談塁が淵、怪談鬼火の沼、四谷怪談お岩の亡霊、うつつ、CG進化論[TV教養]、ルパンの消息、手錠無用、乞食大将、帝銀事件死刑囚[熊井啓]、とむらい師たち、やくざ絶唱、あぶく銭、泥棒番付
2008年10月映画日記 名探偵ポワロ・アクロイド殺害事件・エッジウエア卿の死・白昼の悪魔・メソポタミア殺人事件・五匹の子豚・杉の柩・ナイルに死す・青列車の秘密・葬儀を終えて・ひらいたトランプ・満潮に乗って[TV]、ナイル殺人事件、第一容疑者[TV]、ブリジットジョーンズの日記、ブリジットジョーンズの日記きれそうなわたしの12か月、 ごくせん2005[TV]、男はつらいよ・初回と最終回[TV]、馬鹿まるだし、いいかげん馬鹿、ハナ肇の馬鹿が戦車でやって来る、愛の讃歌[山田洋次]、ハナ肇の一発大冒険、運が良けりゃ、九ちゃんのでっかい夢、二階の他人、下町の太陽、霧の旗、なつかしい風来坊、喜劇・一発勝負、大事件だよ全員集合、ミヨちゃんのためなら全員集合、ズンドコズンドコ全員集合、なにはなくとも全員集合 2008年11月-12月映画日記 グレムリン、グレムリン2、二人で探偵を・桃色真珠紛失の謎・謎を知ってるチョコレート・キングで勝負・赤い館の謎・サニングデールの怪事件・大使閣下の靴の謎、カリフルニア・ドールスザ・ラットルズ、ミニミニ大作戦、ザ・ベスト・オブ・ジョン・ベルーシ、オーゴッド、マペットめざせブロードウェイ、フェイズIV戦慄!昆虫パニック、カリガリ博士、フリークス、マーク・トゥエインの大冒険、オズ、ウィズ、ふしぎの国のアリス テレビの可能性[TV]、ツンツン節だよ全員集合、祭りだお化けだ全員集合、ザ・ドリフターズの極楽はどこだ、里親に捧げる金メダル[TV]、セックス・チェック第二の性、愛欲の罠、武士道無残、誰かさんと誰かさんが全員集合!、舞妓はんだよ全員集合!、チョットだけよ全員集合!、超能力だよ全員集合!、なぜ発表?空幕長論文の真相[TV]、加藤周一1968年を語る[TV]、春だドリフだ全員集合!、正義だ!味方だ!全員集合、非正規労働者を守れるか[TV]、おんな極悪帖、歓喜の歌、フルスイング[TV]
2009年1月-3月映画日記 アクロス・ザ・ユニバース、バットマン・ビギンズ、ダークナイト、ラヴ・ハッピー、刑事コロンボもうひとつの鍵・死の方程式・パイルD-3の壁・黒のエチュード[TV]、素晴らしき哉人生、オーケストラの少女、シャーロック・ホームズの冒険・美しき自転車乗り・まだらの紐[TV]、北国の帝王、赤ちゃん泥棒(ナイト・クライズ)、ロアルド・ダール劇場・予期せぬ出来事、 落語「歓喜の歌」、浪花の華[TV]、ヴォイス[TV]、木枯し紋次郎[TV]、銭ゲバ[TV]、プロフェッショナル・マグロ仲買人藤田浩毅[TV]、疑惑[TV]、0課の女・赤い手錠、目覚めよ身体・感覚の宇宙[TV]、天河伝説殺人事件、つみきのいえ、連合赤軍あさま山荘への道程、丑三つの村、表裏源内蛙合戦、バタアシ金魚、チーム・バチスタの栄光、

シェイクスピア作品の映画化やその関連の映画は除く。
それらは別ファイルになっている。→ 『シェイクスピアの劇と映画


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