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- 1.インターオペラビリティ指令、評価モジュール
- 2.共通安全指令(2016/798/EC)について
- 3.列車遅延時の払い戻し手続きの向上
- 4.車両保守認証
- 5.規格化は鉄道から始まった
- 6.SMS(安全マネジメントシステムと、メーカーの参加)
- 7.各国規則のTSIへの統合(EMCについて)
- 8.TSIを解釈する組織NB-RAIL
- 9.NoBoとRAMS認証機関の関係
- 10.安全文化
- 11.鉄道関係の欧州指令 一覧表
- 12.TSIを適用しない路線
目次
列車遅延時の払い戻し手続きの向上
1371/2007(EC)
ちょっと休憩もかねて、横道にそれます。
2007年に、Rail passenger Rights(鉄道旅客の諸権利) (1371/2007(EC))という欧州指令が制定されました。この欧州指令では、遅延時の払い戻しが受けられる権利を明記するとともに、鉄道運行事業者がその案内をすることが必要となりました。そのため現状では、以前は窓口に並ぶ必要があった遅延時の払い戻しが、遅延列車に乗車していたことの証拠となるきっぷを郵送することで受けられるようになりました。
一方、鉄道運行事業者にとって厳しい内容で、運行遅延がコストだと意識されるようになったようで、定時運行率が改善していることがドイツ鉄道など各鉄道運行事業者のホームページに掲載されています。実際、だいぶ改善されています。
一方、この副作用として、きっぷを記念にもらおうとする(※自動改札がある路線の場合)際には、メモリアルとして欲しい、という説明を言わないと、クレームがあると思われるようになったように感じています。
払い戻しに関しては上記欧州指令では以下のように規定されており、対応する内容で各鉄道運行事業者のホームページに払い戻し手続きが案内されています(フランスやドイツの例)。
- 60〜119分遅延 チケット価格の25%
- 120分以上遅延 チケット価格の50%
払い戻しは、きっぷを郵送することで銀行振り込みが受けられることから、時間をかけて駅で並ぶ必要がなくなる、という、15年前から比べれば画期的に簡単になりましたので、鉄道運行事業者も本気(以前よりは)で遅延防止を進めています。 例えば車両故障を減らした車両保守事業者には、同じ保守委託費用のままでメンテナンス周期を延伸してよい特典を付与しています。
日本では、2時間遅延で特急料金分を払い戻ししますから、どちらが旅客にとってよいかの比較は難しいのですが、欧州の鉄道運行事業者が、遅延=コスト と認識するようになる効果は大きかったそうで、貨物運行事業者から、車両故障防止による可用率向上に取り組んでいる・・・と聞いています。