欧州の鉄道技術・日本の鉄道技術
【欧州指令】11-鉄道関係の欧州指令 一覧表



欧州法の全体像

鉄道関係のTSI(Technical Specification for Interoperabirity)、CSM(Common Safety Method)等の欧州法について、一覧表にします。

法令改正の頻度は多いため欧州鉄道庁のサイトも参照願います。なお注意点が2つございます。

欧州法の正式名は非常に長いため、日本語の略称は趣旨に合わせて適当につけています。分野の分類も、自分が分かりやすいように分類しました(つまり適当です)。欧州法は、Directive(指令)、Regulation(規則)、Decision(決定)というEU加盟各国の国内法に対する作用の違いから3種類ありますが、以下の和文名称ではあまり区別はつけていません。欧州指令や欧州規格についてはここでは詳しくは述べず、別のページにて紹介します。指令や規則は、欧州委員会が原案を作成し、欧州理事会及び欧州議会の両者が発行する(※両機関に提案権はない)、決定は欧州委員会が発行します。欧州委員会がかなりの力をもっています。

 

もう一つの注意点は、各項目のリンク先は欧州法令検索です。制定時のものから、その後の改正をたどれるため表示が独特です。見方について下図のとおり補足します。改正があった法令は「Current consolidated version」と表示されますので、そのリンク先を開き、言語を選択することで最新版を見ることが可能になります。

【図】欧州法令検索(EUR Lex)の見方

TSI:インターオペラビリティのための技術仕様

鉄道安全指令(CSMなど) (EU)2016/798

欧州仕様

EU運転士免許

鉄道車両認可関係

ECM(車両保守)関係

欧州単一市場(European Single Market)政策

TEN-T(欧州横断輸送ネットワーク)(地図へのリンク)

その他

欧州鉄道庁組織

第三者組織

いろいろなリストへのリンク

欧州各国法

以下は、EU加盟国等の鉄道、軌道の技術に関する各国法です。

欧州指令があるにもかかわらずなぜ加盟国ごとの法令があるのかというと、EU加盟各国では、

@国内適用のための規定整備のため(特に罰則は欧州委員会には権限が無いのでEU加盟各国が法令を定め、その罰則を規定するしかない)

A実施のための具体的な詳細を規定する必要があるため

B欧州指令の対象外の鉄道路線に対するルールを決めるため。または、多くの既存路線に対するルールを規定するため。

C欧州指令に規定しない(又はされていない)事項(オープンポイント)に対して、国内規則を規定するため

D特有の適合性認証制度が必要な場合

以上の必要性があるため、多数の各国法令があります。各国法令では新技術導入や特別な場合に、TSIをやむなく適用しない場合の欧州鉄道庁への手続きを定めており、実情が分かる大変面白いものになっています。

以下に、日欧の比較タブ内で紹介している内容に関係する、鉄道安全分野のものを記載します。

なお、私のかつての本業において、「〇〇について、海外ではどうなっているか?」、と問い合わせを受けた際に調べた知識をベースとしておりますので、リストアップしている国や内容は結構偏っています。

  • ドイツ
  • 括弧書きは略称(Abkürzung)です。

  • オーストリア
    • 鉄道法(EisbG 1957)(BGBU, Nr.60/1957)
    • 第5条により、路面電車、都市地下鉄、モノレールも規制対象に含まれます。

      欧州指令により規定され、各国法令に転換する必要があるTSI(2016/797/EC)、CSM(2016/798/EC)、オープンアクセス(2012/34/EU)、運転士の認定(2007/59/EC)もこの法律によってオーストリアに適用されており、大変広汎な内容をもつ法律になっています。

    • ケーブルカー法(SeilbG 2003) (BGBI I Nr.103/2003)
    • 日本でいう鋼索鉄道(cable car)と、索道(funicular)の建設や運営、型式認定に関する法律です。欧州規則(EU) 2016/424(索道)に対応しています。

    • 事故調査法(UUG 2005)(BGBI I Nr.123/2005
  • フランス
  • ベルギー
  • 英国
  • 2021年1月1日以降、EU離脱に伴い手続きの再構築が行われました。

  • デンマーク
  • ノルウェー
  • ルクセンブルク
  • スイス