「黄金時代」
 
まずこの言葉を辞書で調べてみると以下のように記載されていました。


「その文化(国家・組織体・人)の一番盛んな時代」

 この記載から見ると何もかもが上手くいっており、自信に満ちあふれている気分を味わってる時かもしれませんが、そう言うものが永年続く訳はないのが世の常であって、世界の歴史を勉強して行くとそういう事柄は当たり前に存在しています。アレクサンダー大王の遠征によりギリシアからアジアを股にかけて築きあげた大国でさえも遠本人の死とともに後継者争いが起こり国家は結局分裂。また古代ローマ帝国でさえも終わりの時代になれば皇帝の力が広大な所まで及ばなくなりやがて東西に分裂して、ゲルマン民族の侵入を受け滅亡しました。その後、東ローマ帝国が残りもう一花咲かせた時代が来たもののスラブ民族の侵入や末期時代はオスマントルコによって滅亡の道を辿って行きました。
 当然ながら人の生涯にもこの出来事があてはまると思います。ある一人の大企業の人物が不正を働いて今では容疑者として社会の制裁を受けている訳ですが、絶大な権力でその企業を自分の思いのままにしていたがある不正をそう言うものだと認めていながらも、不正行為に走ってしまいました。あくまで邪推ですがその人物は自分がのぼり詰めた地位に甘んじていつまでも続く訳のない時代にすがりついて没落して行くという事の典型的な例だと感じています。
 私自身は「黄金時代」はいつしかは過ぎ去って行く時代であって、その時代がやってくることは衰退の始まりでもあると考えています。そこで重要なのが「中興」という言葉だと思います。辞書ではこう記載されています。

「衰えかけていたものをもう一度盛んにし、しばらくの間
              前のような繁栄を続けさせる事」

 そう上手く行くとは思えませんが、黄金時代だからといって安穏としていたり、うぬぼれが過ぎれば堕落して行くのではないでしょうか、たとえ自分では認めたくなくても人の目からはそう見えると思います。だからこそ、それから自分自身を律して慎ましく生きて、いかに今の自分を保って行けるかが人生の上で大切な事が改めてわかったように思います。

「黄金はいつか輝きを失う、しかしほんのわずかな輝きが残っているならそこだけ大切にして守って行けば良いじゃないか。なぜ輝きを失ったことにこだわって現実を見ようとしないのか、それがその人にとって損になる事を知っているはずなのに。きっと知りたくなんてないんだろうな・・・」