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また、甲斐駒の右、北東方面に目をやれば、
意外と目立つ高嶺と、その右に頂上のオベリスクが目立つ地蔵岳、そして観音岳、薬師岳と続く
鳳凰三山がデンと腰を据えている。
これだけ稜線がクッキリしていれば、さぞかし楽しい空中散歩が可能であろう。チャンスがあればもう一度
鳳凰三山縦走にトライしたいものである。
地蔵岳と観音岳の間の後方にも山が見えているが、恐らく
金峰山、
国師ヶ岳と思われるものの、少々ぼやけ気味で、
明確ではない。 |
鳳凰三山から目を手前に引けば、
先ほど登ってきた大樺沢が眼下に見える。
良くもまあ登ってきたものだ。しかし、大樺沢途中からバットレスを登ってくる人もいるわけで、自分に感心などしていられない。
ところで、藤本 一美、田代 博著による
「展望の山旅」 において、
北岳は見上げる山がないだけに、
今ひとつ展望に迫力を欠くといった趣旨のことが書かれていたが、どうしてどうして見下ろす景色だけでも十分迫力があると思う。 |
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北岳からの展望では、
どうしても間ノ岳へと続く稜線に目が行ってしまう。
かつて苦労して辿った道であり、また目の前に続くその光景があまりにも魅力的だからである。
間ノ岳の右手には、黒い兜のような形をした
塩見岳が見え、さらに
塩見岳の右奥には、奥茶臼岳も見える。
しかし、南部の要である 赤石岳、
悪沢岳は
間ノ岳の陰に隠れてほとんど見えない状態であることから、
ちょっと画竜点睛を欠くと言えるかもしれない。 |
北岳頂上には多くの人が憩っている。
頂上には三等三角点 (少々意外な感じだが) の他、地蔵尊や石碑が置かれているものの、
今ひとつ物足りない気がする。
これは、祠が置かれていないからなのかもしれない。かつては山頂に祠があり、大日如来像が祀られていたとか。
しかし、現在はあまり山岳信仰という雰囲気が感じられない気がする。 |  |
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南の方向には、写真のように青い空が広がっている。
しかし、先ほど述べたように、南東方向にある 富士山は、
もはや雲にほとんど隠れてしまっている状況である。
そして、空はもう秋という感じで、私にとって今年の夏山はこれで終わりであろうと思う。物足りなさは否めない。 |