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北岳からの展望で大事な山を忘れていた。
仙丈岳である。
仙丈岳は、大きな大仙丈沢カールをこちらに見せ、右の小仙丈岳、左の大仙丈岳を双肩として、
ゆったりと構えている。
その女性的とも思える、優しい山容はいつ見ても魅力的である。
小仙丈岳の後方、雲の中に山影が見える。どうやら穂高岳、
槍ヶ岳のようだ。
帰宅後、写真を拡大してみたところ、とがった 槍ヶ岳の頂上を確認することができたので、
間違いなかろう。 |
北岳の頂上からの展望を十分に堪能し、11時40分、
下山を開始する。
向かうは、北岳肩ノ小屋経由、草スベリコースである。
この時間だと、広河原でバスをかなり待たねばならないことになると思われるが、16時発のバスの前は、13時25分発。
これは到底間に合わない。
一気に下り、北岳北峰方面を目指す。
振り返れば、北岳頂上の姿が意外と優しい。 |  |
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快調に道を下る。
やがて下方に北岳肩ノ小屋の青い屋根が見えてきた。稜線はあたかも
甲斐駒ヶ岳まで続くように見えるが、
まっすぐ進む道は小太郎山へと続く小太郎尾根で、しかも道は小太郎山までとなっている。
肩ノ小屋を過ぎ、小太郎尾根への分岐を右に下るのが正解なのだが、この高峰のプロムナードを楽しむ身としては、
小太郎尾根方面に進みたい気分である。 |
両俣小屋への分岐を 11時50分に通過。
急斜面を快調に駆け下ると、下り着いた先は肩ノ小屋である。この肩ノ小屋着が、12時ジャスト。止まることなく先に進む。
ところで、途中の斜面で紫の花を見かけたが、あれはミヤマオダマキであろうか。 |
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肩ノ小屋からは、ハイマツの斜面の下りが気持ちよい。
快調に飛ばす。振り返れば、ハイマツの絨毯の向こうに、
北岳の姿が映える。 |