登山NO.0038 間 ノ 岳( 間ノ岳:3,189m ) 1992.7.30登山


 北岳から見た間ノ岳と縦走路( 1992.7.30 )

【間ノ岳登山記録】

【間ノ岳登山データ】

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再登山


NO.38 間ノ岳登山記録

北岳の項から続く。

北岳山荘前からまず中白峰に向かう。
北岳頂上から間ノ岳方面を眺めた時、北岳山荘から中白峰への登りさえ越してしまえば、 後は間ノ岳までほとんど大きな起伏のない尾根が続いているのに気がついたため、 一踏ん張りで良いという気持ちが足取りを軽くしてくれた。
さらに、昨日に比べて身体も軽く、早朝の北岳往復で身体もほぐれていたため快調であった。

左手に富士山を見ながら登って行き、 岩峰を右から巻いていくと、やがて 3,055m の中白峰の山頂であった。
振り返れば、今朝ほど頂上に立った北岳がどっしりとした三角錐の姿を見せ、 その左側後方には甲斐駒ヶ岳が白ザレの頂を見せていた。
不思議なことに、ここから見る北岳甲斐駒ヶ岳は似たような形をしており、 まるで兄弟のように見える。

思った通り中白峰からは、それほど起伏もない道が続き、鈍角の三角錐の姿をした間ノ岳への緩やかな登りが続いていて、 左手に雪田を見て一登りするとそこは間ノ岳頂上であった。
広々とした間ノ岳頂上には、風化しかかった丸太に間ノ岳と書かれた標識と、その傍らに落ちていた小さな板切れの標識しかなく、 北岳頂上のそれと比べてかなり貧弱であった。
しかし、展望は北岳に劣らず素晴らしく、北岳の左には甲斐駒ヶ岳仙丈岳、そして北岳の右手、 間ノ岳の雪田の後方には鳳凰三山が見え、 そのさらに後方にはうっすらではあるが瑞牆山金峰山の姿も認めることができた。
また農鳥岳の他、振り返れば塩見岳悪沢岳を見ることができ、 さらに中央アルプスも認めることができるなど、 何時間でも見飽きない光景が広がっていて、天候に恵まれたことに大いに感謝した。

後ろ髪を引かれる思いで間ノ岳を後にして西に向かう尾根を下ると、そこは岩屑の道で歩きにくく、 しかも急坂であるため少し慎重さが求められたが、すぐに最低点に降り立ち、そこから一登りで三峰岳頂上であった。
三峰岳頂上は狭く、そこには大きなケルンが積まれていて、その傍らには立派な標識が置かれていたのだが、 間ノ岳にはなくてどうしてこちらには立派な標識が置かれていたのか不思議であった。
なお、ガイドブックによれば、この三峰岳からは今までの白峰山脈から赤石山脈へと変わるとのことである。

三峰岳からは、左に農鳥岳の大きな山容を望みながらドンドン下り、 小広い三国平を過ぎるとやがて樹林帯に入って、そのまま暫く進むと目の前にシナノキンバイ、ミヤマキンポウゲといった黄色の花の咲き乱れるお花畑が広がっていた。
昨日は大樺沢二股のお花畑を楽しむ余裕など全くなかったが、今日は余裕もあり、その見事な緑の下地に黄色が絡み合っている様子に暫し見とれてしまった。
お花畑を抜けると水場があったので、そこで昼食をとり、その後 熊ノ平小屋には寄らずに先へと進んだが、 この辺からはずっと樹林帯が続いていて少々ウンザリさせられた。

やがて、途中樹林の中にポッカリ浮かぶ小島のような岩峰があったので小休止し、 スナックを食べながら来し方を振り返ると、頂に雪を被ったような甲斐駒ヶ岳と大きくどっしりとした農鳥岳の姿が素晴らしかった。
この岩峰からはまた展望の利かない樹林帯歩きが続き、ようやく周囲に縞枯れ現象が見られるようになって展望も開けてくると、 やがて北荒川岳の頂上に飛び出すこととなって、その正面に塩見岳が大きな姿を見せていた。

ここから塩見岳へと続く北荒川岳の稜線は、 その西側が凄まじい崩壊を見せており、今まで見てきた美しい南アルプスの山容とは全く違う雰囲気に、 思わず息を飲んでしまった。
やがてお花畑の中のキャンプ地に着いたが、テントを張ろうとしてテント用のロープがないことに気がつき、 慌ててしまった。どうやら北岳山荘前のキャンプ地に忘れてきたらしい。
幸い隣合わせた人が余分なロープを持っていたのと、キャンプ地にあった倉庫のような小屋の周囲にヒモ類が落ちていたので、 何とかテントを張ることができたが、冷や汗ものであった。

水場は、細くえぐられた道をかなり下らねばならず、1回の往復でイヤになってしまったが、 道の途中に食虫植物らしき花が咲いていたのが印象的であった。
また、テント前で食事をすると、小さなハエが群がって周囲を飛び回り、少々気分が悪かった。

以下、塩見岳の項へと続く。


間 ノ 岳 登 山 デ ー タ

上記登山のデータ登山日:1992.7.30 天候:快晴単独行前日泊
登山路:北岳山荘キャンプ場(テント泊)−中白峰− 間ノ岳−三峰岳−熊ノ平小屋−小岩峰−新蛇抜山−北荒川岳(テント泊
交通往路北岳の項参照
交通復路:塩見岳へ縦走。塩見岳の項参照
その他:7月29日北岳山荘キャンプ場泊。翌30日北岳、間ノ岳登山。
30日は北荒川岳キャンプ場泊。
その他の
間ノ岳登山
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