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肩ノ小屋から 10分ほど下ったであろうか、右手を見れば
北岳が先ほどとは全く趣を変えた姿を見せている。
この頃になると、空の雲もなくなってきたのか、照りつける日差しが急に強く感じられるようになった。
これが大樺沢から八本歯ノコル、北岳への登りの時に、同じ状態であったら、かなりバテたことであろう。
ラッキーであった。 |
小太郎山への分岐が近くなると、
写真のようなノンビリとした雰囲気の道となる。
登ってくる登山者の数も増してきており、今夜の肩ノ小屋、北岳山荘はかなり賑やかなことあろう。
小太郎山への分岐点到着が、12時17分。
ここからは目の前の
鳳凰三山が大きい。
雪を被った様に見える稜線はかなり魅力的である。 |  |
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振り返れば、北岳へと続く稜線が一望できる。
かなり距離がありそうであり、登りに使うには少々尻込みしてしまう。
と言っても、登ってしまえばそれ程でもないのであろう。大樺沢のバットレスの迫力も魅力的だが、
こちらの開放的なコースも捨てがたいといったところである。 |
小太郎山分岐を過ぎ、草スベリを目指して進む。
途中、右俣コースの分岐を右に見て、斜面をジグザグに下る。
右には 北岳が見えるが、
徐々にその姿が斜面に吸い込まれて行き、見えなくなっていく。
後はあまり展望が利かない中、一気に斜面を下るのみである。 |  |
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やがて、ダケカンバ林の中の急斜面を下ることとなり、その後林を抜けると、草つき斜面に変わって、
下方に白根御池が見えてきた。
絶えず池を意識しながら下ることになるのだが、存外池が遠い。
顔を上げれば、鳳凰三山のうち、
地蔵岳は高嶺に隠れて見えないものの、観音岳が乳首のような突起を、そして薬師岳が頂上の岩峰を覗かせている。 |