ライブ演奏の楽しみ

グリーンウッド氏はもっぱらCDやインターネット経由で録音音楽を散歩中、ドライブ中に楽しむ程度だがライブ演奏も年に数回は演奏会場に足を運んで楽しんでい る。

1969年米国・欧州技術調査旅行のときロスアンゼルスで観 たラ・マンチャ

1970年、滞在中のペンシルバニアのアレンタウンからカマロを飛ばしてニューヨークにゆき、メトロポリ タン・オペラにゆく。(International Theatres Serial No.18)

1971年ロンドン滞在時、コベントガーデンのロイ ヤル・オペラハウス(International Theatres Serial No.14)のボックス席で家族と一緒に観た「白鳥の湖」

1974年、ビジネストリップででかけたモスクワ(International Theatres Serial No.19)でボリショイ・バレーやサーカスを観る。

1988年ビジネストリップで出かけたとき 立ち寄ったロンドンでニュー・ロンドン・シアター(International Theatres Serial No.17)でキャッツを観劇。アンドリュー・ロイド=ウェバーがイギリスの文学者T・S・エリオットの詩集「キャッツ - ポッサムおじさんの猫とつき合う法(The Old Possum's Book of Practical Cats)」に曲をつけたもので1981年にニュー・ロンドン・シアターで初演されてから評判になっていたものである。娼婦猫のグリザベラをエレイン・ペ イジが演じていた。彼女の歌う「メモリー」にはしびれた。世界的なヒットソングとなった。サラ・ブライトマンもオリジナルキャストでジェミマ役で出演した という。ジェリクル=キャッツ(Jellicle Cats)とジェリコ(Jerico)の戦いとどう関係あるのか疑問に思ったがlとrの聞き違いでJellicleとは「無限の可能性を秘め、飼い猫にな ることを拒否して、どんな逆境でも自分らしく生き抜くことを選んだ猫達のこと」だそうだ。

1990年代

いまでも印象深いのはサントリーホール(Theater Serial No.4)でのサラ・ ブライトマン、青山劇場(Theater Serial No.6)で観たケン・ヒルによる「オペラ座の怪人」。

2002年

ロンド ンのハー・マジェスティー劇場(International Theatres Serial No.15)で観たアンドリュー・ロイド=ウェバー作曲、「オペラ座の怪人」

ハーマジェスティー劇場

東京文化会館(Theater Serial No.1)かぶりつき で小沢征二氏のうなり声をもれ聞き、汗を浴びながら聞いた歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」とカルメンを聞く。

2003年

渋谷オーチャードホール(Theater Serial No.2)でのフィガ ロとコンソット とベー・チェチョル(テナー)主演のイル・トロバトーレを一家で聞く。ベー・チェチョルは衝撃の日本デビューであったが、その後、甲状腺ガンの手術で声帯 と横隔膜の神経を切り、目下リハビリ中である。

2005年

●2005年12月は4回も生演奏を聞く機会を持った。 それは聖心女子大聖堂でのクリスマス・キャロルではじまり、神奈川県民ホール小ホールでの女性コーラス、鎌倉芸術座館での上杉春雄氏のピアノ演奏と米澤傑 のテノール独唱会と続いた。小ホールは音響効果が悪く、ハイCの多いテノール独唱には酷であったが、ベートーベンのピアノソナタ31番の最終楽章の「嘆き の歌」はベートーベンのアン トニア・ブルンターノへの思いが切々と表現されて絶妙だった。自宅に帰って清水和音(かずね)演奏 の31番のCDを探してiTuneに加える。

そして最後はラウンドテーブル21主催者の小松邸での12月25日の伊藤浩子さ んのアコーディオンとシルバン・ディオニー氏のギター二重奏だった。伊藤浩子さんはパリ在住の日本を代表するボタン式アコーディオン奏者だ。国立音楽大ピ アノ科卆だが1984年渡仏してジョエ・ロッシー氏に師事してアコーディオンを学んだ。現在作曲と演奏で活躍中。フランス人のギタリストの夫君を連れての クリスマス休暇中であった。

伊藤さんのアコーディオン演奏の腕は一流で、全曲暗譜で演奏したのには驚いた。作曲の才能もたしかで和製ピアソラの感があった。CDを3枚出しているがそ のうち主として彼女の作品から構成されるアルバムCD、 「ブルー・ピエロ」と「こころの叫び」の2枚に投資させてもらった。「男はつらいよ」の主題歌や日本の唱歌「美しき自然」も巧みに編曲して取り入れ西と東 の融合につとめているが、やはり圧倒的なパリの香のある曲々である。iPodに取り込んで今後末永く折にふれ楽しませてもらうつもりである。

「男はつらいよ」や「美しき自然」を選んだのは三拍子だからという。アコーディオン曲は三拍子が多いのだが日本では三拍子の曲が少なく選定に苦労するとい う。それに日本で演奏される三拍子はイチ、ニー、サンのニーが長く、指揮棒も三角形に振る。しかしパリの三拍子はイチ、ニッ、サンと殆ど二拍子に近い。タ クトも上下に振るそうだ。そうしないとうまく踊れないという。

伊藤浩子さんと夫君シルバン・ディオニー

日本では鍵盤式しか演奏されないが彼女によるとボタン式アコーディオンの長所は鍵盤式の2倍の音域をカバーでき、6つの異なる音色に切り替えることができ てかつ軽量であることだそうである。170センチを越える長身とはいえやはりそこは女性で軽さはなにより大切とのことであった。夫君のシルバン・ディオ ニー氏は津軽三味線に興味を持って彼女の帰省に伴って来日する毎に師匠について学んでいるという。

2006年

●2006年10月9日神奈川県民ホール(Theater Serial No.22)で楽団員 から脇役まですべてキエフ・オペラで固めたアイーダを観た。アイーダ:オレナ・スクヴォルツォヴァ、ラダメス:オクレシィ・レプチンスキー、アムネリス: テチャナ・ピミノヴァ、指揮ヴォロディミル・コジュハルであった。同行したバレー団の面々も美しく4幕を堪能した。

●2006年12月10日、友人長浜が出演するレクイエムを横浜市都築区役所のホールで聴く。ベルバラの作家、池田真理 子がソプラノを担当した。 横浜市営地下鉄の「センターみなみ」駅を降りると駅前は広場になっていて我々が田園都市線のつつじヶ丘を去ってから24年間はこの界隈は大開発だったこと が分かる。

2007年

●2007年10月26日、地球市民かながわプラザで開催されたトランペット・コンサートでユーフォニウムを聞く。

●2007年12月2日、鎌倉芸術館(Theater Serial No.9)でミセス・ グリーンウッドの友人のミモザの会の合唱を鑑賞。

●2007年12月8日、松談会の面々と藤沢市民会館大ホール(Theater Serial No.24)で開催さ れた「梯剛之 & N響メンバーによる室内楽」を聞く。

●2007年12月23日、東京国際フォーラム・ホールC(Theater Serial No.23)で開催さ れた国立モスクワ音楽劇場バレエ「くるみ割り人形」を息子夫婦とともに観劇。ワイノーネン版で最後にマーシャ(クララ)は子役ではじまり夢にでてくるマー シャは大人のダンサーに代る。そして最後に子役のマーシャ目をさまして終わる。マーシャ:オクサーナ・クジメンコ、王子:スタニスラフ・ブハラエフ、指 揮:ゲオルギー・ジェムチャンコ。ホールAではレニングラード国立バレエも「くるみ割り人形」を上演。こちらはワイノーネン版を発展させたベリツキー版。

●2007年12月27日、 鎌倉芸術館で神奈川大学管弦楽団の第52回定期演奏会でエグモント序曲、バレエ組曲「くるみ割り人形」、ドボルジャークの「交響曲8番」をN夫妻と聞き、 ミカサで夕食。(Restaurant Serial No.319) ベートーベンのエグモント序曲はゲーテの悲劇「エグモント」の劇付随音楽である。16世紀、スペインの圧政下にあったオランダの民衆を救おうと立ち上がっ た伯爵とその愛人クレールヒェンの悲劇である。

2008年

●2008年3月12日、ミセス・グリーンウッドの誕生祝いに東京五反田のキャッツ・シアター(Theater Serial No.24)で劇団四 季ミュージカル、キャッツのマチネーを楽しむ。 前日の午後3時以降に予約センターに電話するとチケットセンターで売れ残った良い席を確保できる。年老いた娼婦のグリザベラを早水小夜子が演じていた。ロ ンドン公演より幕間物が増えた米国公演版のようであった。 やはり日本語で聞けるのはありがたい。初演より25年間世界各地の専用劇場でエンドレスの公演を打てるのはやはりアンドリュー・ロイド=ウェバー曲がいい のだろう。iPodにも「メモリー」がしっかり入っている。

キャッツ・シアター

帰りは大崎ニューシティー経由で帰った。

●2008年 七月大歌舞伎「高野聖」
演出:坂東玉三郎、石川耕士。
出演:坂東玉三郎(女)、市川海老蔵(宗朝)、中村歌六(親仁)、ほか

●2008年12月15日、鎌倉芸術館大ホールで吉田恭子のヴァイオリンを楽しむ。ピアノ伴奏は白石光隆であった。これ は毎年開催されている三井ホーム株式 会社の顧客招待演奏会とかで、ご町内で三井ホームで自宅を建設した家族から券をいただいて参加したものである。

2009年

●2009年7月11日、鎌倉芸術館大ホールで鎌倉交響楽団の第93回定期演奏会を楽しんだ。ミセス・グリーンウッドの 合唱仲間がビオラ奏者でフリーの切符 をいただいたためである。 前日まで10日間、パソコンに仕込んであるiTuneで2.5チャンネルのデジタル音でマイケル・ジャクソンを聞きながら家に閉じこもって論文を書いていた。一 仕事仕上げた後の生演奏で圧倒的な音のシャワーを浴びるのはすばらしい。 チャイコフスキーの「スラブ行進曲」はなじみの曲だが、この背景にはロシアの南下政策に端を発する1876年のセルビアとオスマン・トルコの戦争があるという。この ときはロシアが勝ったが、1904年の日露戦争では日本が勝った。トスコはこれに喜び親日国家となる。 ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」はよく耳にする曲であるが、よかった。ピアニストはモスクワ音楽院で学んだ土田定克氏。チャイコフスキー に評価されていたラフマニノフは1917年の十一月革命後アメリカに亡命し、祖国に帰ることはなかったという。 革命後のロシアに残ったショスタコーヴィッチはソビエト共産党の路線に反すると批判されるが当局に迎合した作品で名誉回復を図った。その成果といわれる交 響曲5番は暗く、眠くなるような作品だがラストの太鼓の爆発は作曲家のフラストレーションを爆発させたように聞こえた。聞くほうも久しぶりにストレスを ぶっ飛ばした。 鎌倉交響楽団は80人以上の大編成だ。歴史もあり質も高い。

●2009年8月16日、上野の旧奏楽堂二階にある音楽ホールでピアニスト川村祥子(さ ちこ)さんの一時帰国リサイタルを楽しんだ。川村祥子さんは芸大卒業後、モスクワ音楽院でエレーナ・リヒテルに師事している大学院生であ る。たまたまグリーンウッド夫人の中学 時代の同級生のお嬢さんである。 2時間半、ベートーベンのポロネーズ、ピアノ・ソナタ「熱情」、グリンカの変奏曲、グリンカ=バラキレフの「ひばり」チャイコフスキーのバレエ組曲「くる み割り人 形」など全曲を暗譜で弾き終えたのにはビックリ。小柄なのに、よくエネルギーがあるなと感心。 この世界はべき乗則が 支配するウィナー・テーク・オールの厳しい世界だ。ご成功を祈る。

グリンカ=バラキレフの「ひばり」の歌詞(歌曲集『ペテルブルグからの別れ』クーコリニク作詞)

天と地のあいだに
歌は響きわたり
消え行くことない流れとなって
ますます天高く広がっていく

野の歌い手の姿は見えない
ひばりはあんなに声高に歌って
自分の友だちのうえで
呼んでいるのに

風は歌を運んでゆく
だが誰のために?・・・それは知らない・・・
そう、彼女には・・・わかるだろう
それが誰からか・・・知るだろう!

流れゆけ、私の歌よ、
あまい希望の歌よ
そうしたら誰かが僕のことを思い出し
そっとため息をつくだろう

旧奏楽堂は明治23年に創建され た日本最古の木造の洋式音楽ホールで、国の重要文化財に指定されている。もとは芸大の演奏会場だったのだが、現在は東京都が 都美術館奥に移設して管理している。 音楽ホールは、かつて滝廉太郎がピアノを弾き、山田耕筰が歌曲を歌い、三浦環が日本人による初のオペラ公演でデビューを飾った由緒ある舞台という。最近で はフジ子ヘミングが日本デビューした舞台となった。 正面の錫製のパイプオルガンは、大正9年に徳川頼貞侯がイギリスから購入し、昭和3年に東京音楽学校に寄贈したもので、アボット・スミス社製でパイプ総数 1,379本。いまでは世界でも珍しい空気式アクション機構の、わが国最古の貴重なコンサート用オルガンである。 グリーンウッド夫妻は開演前に上野精養軒でビーフカレーの夕食をとる。

●2009年12月11日、鎌倉芸術館大ホールで横山幸雄のピアノ演奏と吉田恭子のヴァイオリンを楽しむ。これはやはり 三井ホームに自宅建設を発注したY氏夫妻から券をもらっての参加であった。ショパンのノクターン、マスネのタイスの瞑想曲など珠玉の作品が演奏された。

2010年

●2010年5月29日、今年になって生演奏も聴かずに家に閉じこもっていることを憐れんでか、結婚式の時、ピアノ演奏 をしてくれた内田宏さんが、自ら率いるKBRタンゴアンサンブルの演奏に招待してくれた。 彼が過去10年間鎌倉の清川病院で毎年1回演奏している行事だ。初期の頃、一度参加したことがある。ヴァイオリンの山田さんは栃木からベースの田中さんは 上海から、そしてボーカルの柏原さんはパリからの参加であった。最高齢者はアコーディオンの田村氏で80才である。 チャリート、アスタシエンプレアモール、シーラジーラ、ジェラシー、ラ・クンパルシータなどが演奏された。ボーカルの柏原さんのソフトな声が体にしみと おった。

●2010年7月14日、友人の和田さんのお嬢さんの光世さんが芸大卒の打楽器奏者仲間と編成している打楽器四重奏団 「Shun-Ka-Shu-Toh」の 演奏会にでかけた。会場は虎ノ門のJTアートホール・アフィニスであった。 同会は毎年定期的に演奏活動をしており、2007年にも同じ四重奏団の演奏を楽しんだ。

●2010年10月10日、「自由人のためのエネルギー勉強会」を主宰しているドイツ国立大学の正教授である森永 晴彦先生から電話がかかってきて10月10日に学士会館で予定している先生の米寿記念祝賀会にカルメンとホセのデュエットを歌える歌手を探してほしいとい う。先生がドイツの自宅でテレビをみていたらジョルジュ・ビゼーのカルメンの放映があった。ドイツ語の字幕がでていたので初めて歌詞の意味を知った。第4 幕の二重唱(Duo Et Choeur Final)でいいよるホセにカルメンが言い放つ「決してカルメンは譲らない、自由の生まれさ自由に死ぬのさ 」(Jamais Carmen ne cedera, Libre elle est nee Et libre elle mourra)というところが日本の窮屈な東大をのがれ、自由な欧米の大学で一生をすごした自分の人生にふさわしい。 これだけではつまらないから第1幕のハバネラ 「恋は野の鳥…」と第2幕花の歌 「お前が投げたこの花は…」を歌ってもらえればいいのだがという。 ミセス・グリーンウッドの合唱仲間に紹介してもらってオペラ歌手の練習用ピアノ伴奏の専門家である谷川明さんを紹介してもらった。そしてメツォソプラノの 西野郁子さんがカルメン、テノールの上本訓久さんがドン・ホセを歌うことになった。全員洗足学園音楽大出の若手の現役の歌手である。会場の学士会館は音楽 演奏用には設計されて居ないが100名の参加者を前にヨーロッパ滞在が長く、耳の肥えた亀淵迪先生が感銘を受けたというほどのパーフォーマンスを見せてく れた。日本語とフランス語対訳の歌詞をプロジェクターで投影してほしいという 先生の希望はパーフォーマンスを阻害するとして取りやめにした。

●2010年10月14日、卒寿の会の演奏会の紹介をしてくれた雨谷善之さんも洗足学園音楽大出のバ リトンである。谷川明、上本訓久さんと一緒に「男たちによる魅惑のイタリアンドラマティックナイト」洗足学園音楽大の「前田ホール」で開催するというので 溝ノ口にでかけた。田園都市線は25年まえの通勤路線だが、これとクロスする南武線の溝ノ口駅はかなりの田舎駅だった。しかしここも改装されてきれいに なった。「前田ホール」の音響効果はすばらしく、ナポリ仕込みの上本訓久さんの「星は光りぬ」、「誰も寝てはならぬ」など数々のイタリア歌劇を堪能した。 司会の捻金教授によれば上本訓久さんのイタリア語はナポリ訛りがあるのでナポリ民謡歌手としては本場物だという。

●2010年12月6日、2008年にも鎌倉芸術館大ホールで白石光隆のピアノ伴奏で吉田恭子のヴァイオリン演奏会を楽 しんだ。Nさんにいただいた三井ホーム株式会社の顧客招待演奏会である。運動不足解消のため七里ヶ浜の自宅から会場まで散歩方々歩いた。今回 は大連出身の大柄のソプラノ サ イ・イエングアンも加わり、「椿姫、ノルマ」などのオペラのアリアを堪能した。白石光隆はなかなかの話家でピカソ(Joke Serial No.169)というおかしな話を知った。今 年はショパン生誕200周年でピアニストは忙しい年であった。このショパンの演奏会が年末に近くなって少なくなったのは分けがある。決して飽きられのでは なく、来年はリストの年だからだ。ピアニストは目下準備に忙しいのだそうだ。

2011年

●2011年10月1日、コベントガーデンで娘夫婦とグノーのファウストを観劇。たまたまコンサルティング業務でロンドン滞在の最終日だった。一日ブロンプトンでロンドンを走り回ったため劇場前で、Tシャツの上にシャツを 着てジャケツを羽織っていると。年輩の夫婦に出演者と間違われた。

フランス語のため英語の字幕が出る。指揮者:Evelino Pido、マルガレータ:Angela Gheorghiu、ファウスト:Vittorio Grigolo、メフィストフェレス:Rene Papeであった。



コベントガーデン

●2011年10月22日、藤沢市民会館大ホールで湘南アマデウス合唱団定 期演奏会で三位一体の主日のためのミサ、聖体の祝日のためのリタニエなど を聴く。terra pax hominibus bonae voluntatisとかSancta Trinitasとかのラテン語が耳に残る。

2012年 

 忙しくしていたため音楽会には出かけなかった。

2013年

●2013年02月02日西岡昌紀氏の招待で白寿ホールで開催された上杉春雄のバッハ平均律第2巻より第17-24番とシューベルトの ピアノソナタ第21番変ロ長調D960を聞きに夫婦で出かける。

上杉春雄氏は札幌の人だが、子供の頃、登校拒否になった。母親ができた人で、ならピアノを練習したらと言われ、取り掛かってみると夢中で練習できた。15 才でPTNA入賞し、アメリカ各地での演奏、サントリーホール、大阪シンホニーホールでリサイタルなどをした。一方大して勉強はしなかったが、北海道大学 医学部にストレートで合格。神経医になって東大とウプサラに留学し、医学博士になった。現在札幌麻生脳神経外科病院神経内科医長である。40の手習いとし てバッハの平均律に挑戦し、昨年と今年その成果を発表している。とにかく全曲暗譜して2時間演奏しきるのは通常の感覚では信じられない。天は二物を与えな いは間違いだと気が付く。

演奏会場で森村先生や元チェコ大使の大鷹正夫妻、フジ・テレビの横井さん朝日新聞の元カメラマン氏に会う。折角の機会だと西岡氏に御著書に署名してい ただく。

●2013年05月17日、和田の招待で第一生命ホールで開催された第50回<朝吹記念>マリンバフェスティバルに出かけた。 浜 松町で大江戸線に乗り換え、勝どき橋下車。ちょうど第一生命社員の帰宅時間に重なったためか道はかなりの混雑。この界隈はかってウォーターフロントとよば れた超高層フラットが多い。和田光世のハンガリー狂詩曲第2番、望月恵理子のアイルランドのステップダンス「リバーダンス」、吉川雅夫が演奏したカ ザルスの国連での演奏で有名になったカタロニア民謡「鳥の歌」Casals "El Cant dels Ocells" at the U.N. Dayがよかった。

●2013年05月18日、第47回松談会は若き頃ナルシソ・イエペスに師事した荘 村清志氏の「ギターと私」というお話を聞いた。そのなかでナルシソ・イエペスのRomance de Amorアランブラ 宮殿の思い出などを演奏していただいた。

●2013年10月28日、西岡昌紀氏の案内で紀尾井ホールで開催された上杉春雄の演奏会にでかけた。プログラムはバッハの半音階的幻想曲とフーガ ニ単 調、クセナキスのヘルマ、ヴェートーヴェンのピアノソナタ第31番、ストラビンスキーのペトルーシュカからの3楽章、ショパンのピアノソナタ第3番ロ単調 であった。アンコールはショパンのノクターン第21番。クセナキスだけは楽譜をみて弾いたが楽譜を見る意味があるのかという曲であった。ショパンのささや くような甘美な旋律はやはり身に沁みる。

西岡昌紀夫妻は金美麗女史の本「日本よ、台湾よ―国を愛し、人を愛すること」の書評を書いている。会場で金美麗女史のあでやかな姿をみかけた。

2014年

●2014年01月19日、女性三部合唱、コーロ・エルヴィーラ第7回演奏会が鎌倉生涯学習センターで開催された。指揮は佐竹敬雄、ピアノ佐竹繭 子。演目はやなせたかし詩、木下牧子の「愛する歌」、たかしまあきひこ編、「童謡・唱歌 四季のメドレー」、山本瓔子詩、新実徳英曲「五つのシャンソン」 であった。

●2014年03月16日、ピアニスト川村祥子さんの江ノ島の婦人会館ホールでの演奏会を5年ぶりに楽しんだ。ベートーベンのピアノ・ソナタ”テレー ゼ”、 オーロラ(ワルトシュ タイン)、”月光”、”熱情”とリスト編曲のタンホイザー序曲などポピュラーな曲であった。いつもかわらぬ力強い演奏であった。婦人会館ホールは神奈川県 は維持費用をだせないと売却予定だという。ほとんど利用者がいなかったし、ホールと言っても強風時は風切り音がホール内でのとどろくのでとても音楽演奏に は向かないのやむを得ないだろう。山根夫妻とご一緒であった ので藤沢にでて飲む。

●2014年04月12日、グリーンウッド夫妻は鎌倉市の鎌倉生涯学習センターで開催された「原発被災者支援プロジェクト」が主宰した演奏会を楽しむ。メ ゾ・ソプラノ、バリトン、コントラバスの演奏が。メゾ・ソプラノ:徳永桃子、バリトン:飯田裕之、コントラバス:田所慶大、ピアノ・編曲:徳永洋明であっ た。曲目はビゼーの歌劇「カルメン」のハバネラ、セギリーディア、闘牛士の歌、オースティン・ララのグラナダ、バーンスタインのウエスト・サイド・ストー リーよりトゥナイト、ロイドウェッバーのオペラ座の怪人より、All I ask of you、リチャード・ロジャースのサウンド・オブ・ミュージックよりClimb everty mountainなどであった。

●2014年04月20日、N氏のお誘いでサントリーホールでのジョナサン・ノット指揮の東京交響楽団の定期演奏会に出かけた。時間があったので新橋から 開 通したばかりのマッ カーサー道路を歩き、坂シリーズを充実しようととホテル・オークラ周辺の坂を取材した。ちょうど米国大使館脇の霊南坂の写 真撮影はオバマ警護している警察官の許可をもらって大袈裟となった。サントリーホールは坂をうまく利用して半地下になっており、屋上は公園となっている。



サントリーホール


プログラムは武満徹作曲のセレモニアル 「秋の歌」とマーラーの交響曲第9番二長調だ。笙は日本の第一人者の宮田まゆみ。サントリーホールは1990年代のサラ・ブライトマン講演以降2度目だ。 ワインヤード型コンサートホールのため、席が指揮者と面と向かうのは良いとしても弦の音が弓の擦れる音だけで、ドラム音が大きいとかいつもと勝手がちが う。永田穂音響設計士が設計したというが、半地下のため、天井高が不足しており、音響効果はいまいちだった。

笙を生で聞くのは初めてだが、和音が西洋の平均律とはちがうためか高音にも関わらずビブラートのようなウォルフもどきの唸 りが生じ、これが絶妙な音色となってゾクゾクする感動が全身を走った。宮田まゆみは結露をさけるために演奏前は保温の布に笙をくるんで登壇した。

二酸化炭素濃度が地球温暖化に与える影響より、水の影響の方が大きいとする気象学者のK先生夫妻も一緒だ。演奏会後、K先生のお考 えを詳しくうかがった 。要するに今のコンピュータモデルが水の挙動などを正しく記述できないためで、原理的に今後もあまり改良は期待できそうもない。

●2014年07月20日、鎌倉芸術館大ホールを借り切った鎌倉合唱連盟50周年記念演奏会にでかけた。身内がコーロ・エルヴィーラのメンバーのため、出 かけたのである。女性合唱ばかり多い中で三菱電菱会コーラス部の男性の声が良かった。



鎌倉芸術館前のモニュメント


●2014年11月01日、グリーンウッド夫妻はKBRタンゴアンサンブルのタンゴ・ディナー・コンサートのために神田一ツ橋の如水会館にでかけた。

東京駅に約1時間前についたため、丸の内から大手町まで散策しながらウィンドーショッピングした。如水会館近くのKKRホテルで時間調整した。

東京会館の料理を楽しみながらタンゴの生演奏を楽しむという趣向である。バンドリーダーは結婚式でピアノ演奏してくれた内田宏氏。斎藤博氏の抱腹絶倒の司 会よろしく、3時間を楽しく過ごした。醒 睡笑21 No.188-191



タンゴ・ディナー・コンサート

●2014年12月14日、グリーンウッド夫妻は太田区民ホール・アプリコ大ホールで開催された東京バロック・スコラーズのJ.S. Bachのクリスマス演奏会にでかけ、ドイツではクリスマスに第九と同じくらい演奏されるというバッハの下の2曲を2時間かけて堪能した。

Magnificat BWV243        このU-tubeでは楽譜と歌詞が流れます。
Christmas Oratorio BWV 248  このU-tubeには英語の字幕がでます。

東京バロック・スコラーズは三澤洋史率いる合唱団で、バッハを専門にしている。全曲日本語訳が表示されるので物語の内容が理解できる。ベートーベン等ロマ ン派音楽のような劇的な起伏はないが、単調な繰り返しの中に物語が進行してゆく感じはお経や声明(しょうみょう)のような 陶酔感がでてくる。そして物語を理解すると忽然とキリス ト教と民主主義の関係に気が付いた。遠藤周作の信仰者と神の関係のような深淵なものではなく、純然たる、権力者と被支配者の政治的関係についてである。



アプリコ大ホール


マグニフィカトはルカ福音書1:28から始まるイエスを身ごもったマリアの感動の詞を基にしている。ラテン語で歌われる。そのなかでルカ福音書 1:51-53が特に耳にのこった。今日は安倍首相が解散した衆議院選挙の日だ。多分選挙結果は従順な羊のごとき結果になるのだろう。西洋の政治の屋台骨 はこのキリスト教のルカ 福音書 1:51-53の教えが1本通っているのだろうか?と思いながら聴いた。

ルカ 福音書 1:51
Fecit potentiam in brachio suo, dispersit superbos mente cordis sui;
主はその腕で 力を振るい 思い上がる者を 打ち散らし
ルカ 福音書 1:52
deposuit potentes de sede et exaltavit humiles;
権力ある者を その座から引きずりおろし 身分の低い者を高く上げ
ルカ 福音書 1:53
esurientes implevit bonis et divites dimisit inanes.
飢えた人を良い物で満たし 富める者を空腹のまま追い返されます

ルカ 福音書1:51-53を聴きながら、ふとなぜ秀吉と家康が禁教令を出したのか理解できた。

クリスマス・オラトリオはイエスの誕生を主としてマタイによる福音書2章を中心に物語風に構成した曲である。まさにブリュッセルのグラン・プラスのブラバン公の館前 に飾り付けてあったクリマスには付き物のベツレヘムでのキリスト誕生の場面を再現する場面の再現だ。「オラトリオ」の語源は、キリストが話していた古代ア ラム語の「祈祷室」をラテン語に訳したものといわれ、 本来は教会や修道院に設けられた祈祷用の部屋を称した。日本語では「聖譚曲」と呼ばれる。バロック音楽を代表する楽曲形式のひとつである。元来はローマ・ カトリック教会の宗教曲であるが、聖書などから取った台詞を多用し、さまざまな曲をあわせたことによる豊かな描出力が好まれ、18世紀には、聖書物語など すでにオラトリオと似たような宗教曲をもっていたドイツの作曲家たちにも取り上げられるようになった。俗語のドイツ語で歌われる。

テナーが福音史家となって物語の進行をつかさどる。福音史家が

マタイによる福音書2:7
そこでヘロデ は、ひそかに博士たちを呼んで、星の現れた時について詳しく聞き、
マタイによる福音書2:8
彼らをベツレ ヘムに使わして言った、「行って、その幼な子のことを詳しく調べ、見つかったら私に知らせてくれ。私も拝みに行くから」
マタイによる福音書2:9
彼らは王の言 うjことを聞いて出かけると、見よ、、彼らが東方で見た星が、彼らより先に進んで、幼な子のいる所までゆきそこにとどまった。
マタイによる福音書2:10
彼らはその星 を見て、非常な喜びにあふれた
マタイによる福音書2:11
そして、家に 入って、母マリアのそばにいる幼な子に会い、ひれ伏して拝み、また、宝の箱をあけて、黄金・乳香・没薬などの贈り物をささげた。
マタイによる福音書2:12
そして夢でヘ ロデのところに帰るなとのみ告げを受けたので、他の道を通って自分の国へ帰って行った。

これなども儒教的権力従順ではなく、い つも批判的にみる自立の精神そのもので、西洋のバックボーンを醸成した精神だと思う。アジアにはこれが欠落している。逆に考えると中東はキリスト教の揺り か ごであるわけで、中東の政情不安定の一因でもあるだろう。

どちらが一般庶民にとっていきやすい社会かというとやはり西欧ーキリスト教社会だ。腹切った堀直虎straight tiger)をフンと思って冷やかにみていた勝海舟の気持ちが読める。

作家冲片丁(うぶかたとう)が今回の衆議院選に関して朝日新聞に投稿した一文「沈黙と忍従が支えた意思統一と富の分配は海 に囲まれ人々の移動ができなかった結果としての一所懸命という前提があったため。国際化でそいう制約が取り払われテクノロジーが人、資源、情報、富、労働 力を目覚ましく移動させる。結果として地方は過疎化し、富裕層の富が外国にながれる。こうして沈黙と忍従は最早期待できない時が来ている」という理解と一 致する。日本も陸続きの西洋・中東と同じ環境に置かれたといっていいのだろう。

演奏会ではPositive organという小型のパオプオルガンが使われていた。風は蛇腹を動かしてつくるのだが、モーターで往復動を作っているようだった。

アプリコ大ホールは12年前に2年間通勤したChiyoda-Dames and Moor社があったところだ。Chiyoda-Dames and Moor社は2001年にE and E Solutions Inc.となって秋葉原に移った。この界隈はその後、基本的にはなにも変わっていない。



Chiyoda Dames and Moor社があったビル


2015年

●2015年06月27日、三浦半 島歩きをご一緒している安井さんに誘われて鎌倉の六地蔵前にある喫茶店「オリーブの木」の音楽セミナーにでかけた。(Cafe & Bar Serial No.260)



オリーブの木 2015/7/25撮影

時間は1時間以上あったので運動不足解消を兼ねて七里ヶ浜沿いに歩いた。途中七里ヶ浜の浜の状態ををつぶさに観察しながら歩いたおかげで、稲村ヶ崎で気がつく と20分しかない。あとは由比ヶ浜4丁目のドイツ家庭料理店まえから最短距離で寸松堂、そして 由比ヶ浜大通りを六地蔵に向かって速足で歩き、ぎりぎりで会場に到着。おかげでかぶりつきに座るはめになった。

この音楽セミナーは53回になるそうだ。当日のプログラムはナターリア・コルチェワのピアノ・ソロと山浦ゆき子(メゾ)のロシア歌曲だ。

プログラム

<ピアノソロ>
ハイドン:ピアノソナタ へ長調
ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
ラフマニノフ:楽興の時
ショパン:エチュード「木枯らし」

<ロシア歌曲>
グリンカ:ひばり
カッチーニのアベマリア 実際には1970年頃ソ連の音楽家ウラディーミル・ヴァヴィロフ(Vladimir Vavilov 1925-73)によって作曲された歌曲
チャイコフスキー:オペラ「オルレアンの少女」より”さらば、森よ
ラフマニノフ:ヴォカリーズ

狭い喫茶店に25名がはいり、ピアノは別室にあるアップライトである。ピアノは大きい部屋に置いたほうが音響効果はよくなるだろうと思いながらきいた。ナ ターリアはそんなことも気にしない風で、我が道をゆく。譜面など用意してきてはいず、ガンガン弾いてゆく職人肌の腕の持ち主だと感じた。演奏の間には流暢 な日本語のトーク付きだ。



モスクワでは国立リヤードフ記念音楽学校の講師として10才前後の子供の個人指導をしたり、伴奏をしたり、モスクワ室内管弦楽団cantas Firmus定期演奏会のソロリストを務めているいるそうだが、教え子を指導して賞を取らせる苦労話しが興味深かった。ど んなプロでも舞台に上がると、緊張して、頭の中が真っ白になって演奏できなくことがしばしばある。その解決法はたくさんあるが、もっともかんなんな方法は 毎日20時間練習することだ。そうすれば頭の中が真っ白になっても筋肉が演奏してくれる。

ロシアではアンサンブルを身につかせるために、必ず伴走者をつけて練習する。そのため、ピアニストには仕事がたくさんあり、いそがしくて日本に遊びに来る チャン スが少ないのは残念。日本ではソロ演奏者になるとめったに協奏曲を演奏できないが、ロシアでは伴奏者でも時々ソリストとして協奏曲を演奏するチャンスがあ るという。

「アップライトピアノで弾きずらいでしょう」といったところ、「この福山のピアノはとてもひきやすい」とお世辞を言う。「全曲暗譜はすごい」といったとこ ろ「あなただってカラオケは暗譜でしょ」となかなか如才ない。神津島で海水浴が目的とは。たしかに北極海ではおよげない。

彼女のショパンのコンチェルト1番のDVDを購入したが、2年積んでおいた。2017年になってNHKの「らららクラシック」をみていたところ、この1番 のじめの胸が切なくなるフレーズは「北の宿」の「あなたかわりはないですか 日ごと寒さがつのります・・・」 とそっくりだと聞いた。それでも演歌には聞こえない。秘密は左手にあるという。左手によりモーツアルト風にもなる。

インターネットでショパンの初恋の逸話をしらべたら、コンチェルト1番より先に作曲された2番のアダージョは片思いの人から得たインスピレーションで作曲 したと友人に告白しているとあった。引っ込み思案のショパンは思いをコンスタンツィア伝えることはできず、図書館で目があっても以後10分間記憶がないこ とがあった位夢中であった。 ポーランドを去るときの最後の演奏会にはコンスタンツィアも出演して歌った。このとき、演奏されたのはこの2番でなく、1番であったという。ショパンが持 ち 歩いていたアルバムに「忘れないで、忘れがたき人。ポーランドにはあなたを愛している人がいることを・・・」とコンスタンツィアの書き込みがあるという。 2人がどういう関係だったのかはわからないが、「まだ一言も話したことはない」状態からは進展していたことがうかがえる。その後、コンスタンツィアは 1832年に地主と結婚し、5人の子供の母になった。ショパンはついにポーランドに帰ることはなかったとある。

UtubeでKhatia Buniatishviliの第2番を聴いたがアダージョがどこにあるのか私にはわからない。インターネットで調べるとアダージョは第二楽章とのことで楽 譜出版時にテンポをラルゲットに変えたと知った。

Khatia Buniatishviliの演奏にもどってもう一度全曲を聞いてみると第二楽章は13分後に始まるとわかった。たしかにこの第二楽章は胸がキュンとなる ような、初恋の思いがにじみ出ている。その後、第2番、第2楽章のみ独立に演奏されることも知った。

安井さんは3楽章の旋律は映画「戦場のピアニスト」で演奏される遺作のノクターンの中間部分にでてくるという。ところが「戦場のピアニスト」で演奏された のはノクターン 第20番 嬰ハ短調であるという。そこでブーニンのノクターン 第20番 嬰ハ短調とKhatia Buniatishviliの演奏を再度聞き直して3楽章は21分後に始まると分かったが、ノクターンと同じ旋律は分からない。いずれにせよノクターン 第20番はブーニンがいい。

これらの区別は「ショパンの作品を鑑賞する」のおかげだ。



●2015年07月25日、第54回の音楽セミナーにでかけた。お話しとピアノは柾本遂也、サックスは香高みゆきであった。瀧廉太郎の「荒城の月」の編曲 についてだが、我々の知っているのは原曲ではなく山田耕作の編曲の方であるというお話しであった。和音が成立する限り、あらゆる伴奏が組合わせられるとい うお話しである。

朝刊1面でTPP交渉で著作権者の告訴がなくとも捜査当局が起訴できる「非親告罪」に統一する方向で最終調整に入ったと報じられたのを思い出した。親告罪 の日本でアニメなどのパロディーは著作権者が黙認してきたが、これからは摘発されかねないという。ならば編曲はどうなんだろうという疑問がわいた。

米国の戦略は個人が発想したオリジナルな産物を世界忠に売りさばいて、国家としての生存を確保するというものだから、著作権保護に大変熱心で、それを通す のがTPPの目的といってもよい。ところが日本は真似をすることで米国に追い付いてきたわけだから競争力は低下する。逆に考えれば日本だって中国にまねさ れたか困るわ けで、それはそれでよい。

米国はもともと人権を求める人々がヨーロッパを捨てて建国した国だから、人権とのバランスが全体としてとれている。ところが日本は権威主義的文化の国 だからただでさえ規制当局の権力は大きい。日本の捜査当局にさらなる法的権力をあたえると暴走する危険は大。別件逮捕といって思想犯弾圧に使われる可能性 がある。そうすると巧妙にカムフラージュされた特 高が戻ってくる。

集団的自衛権問題は憲法の縛りがなくなるおそれがあって、悪用されるおそれがあるが、こちらは人権抑圧になるおそれがある。弾圧願望の現政権はTPPを悪 用しているように見えて大きな危険性を感じている。なぜか?私のこの数 万ページを丁寧に調べて、捜査当局に口実を与えないようにしならならないからです。なにせ、内閣府の監視下にあるのが分かっているから。

●2015年07月26日、藤沢市民会館第ホールで開催された第33回のふじさわ合唱祭にでかけた。橋本由紀指揮の湘南モーツアルト室内合唱団の Missa brevis KV49 Agnus Deiを聴くためである。12才の時の作曲だそうだ。



●2015年09月27日、鎌倉の喫茶店「オリーブの木」で開催された音楽セミナーにでかけた。安井さんが幹事を務めている。演題は柾本琢也氏の「ベー トーベンの3大ピアノソナタ」であ る。ベートーベンのピアノソナタは時期によって初期(30才)、中期(45才)、後期(56才)と大きく性格が変わっている。それぞれの時期の代表的なも のとして第8番「悲愴」、第14番「月光」、第23番「熱情」を語りと実演奏で堪能した。

終了後、一緒に参加した友人のK氏とFarm to you で談笑。(Cafe & Bar Serial No.259)江ノ電が横を通過する快適な場所である。



Farm to you 2015年11月8日撮影

●2015年9月30日、カトリック東京カテドラル関口教会のパイプオルガン奏者の後藤京子が主宰する「音楽の花束」 演奏会がアライブ世田谷下馬で開催された。オカリナ(江波太郎)、オーボエ(今井知美)、ピアノ(後藤京子)のすばらしい演奏会であった。オカリナ、オー ボエの奏者は東京音大時代の同級生だとい う。オカリナ奏者はユーフォニアが本職だという。

オカリナは南米の楽器かと思っていたが、イタリアが発祥の地だという。その証拠にオカリナという名称は、イタリア語のoca(ガチョウ) rina(小さい)に由来する。

倍音に乏しいため、他の多くの楽器に比べると純音に近い。音高は、リコーダーやフルートの場合、エッジから指穴までの距離によってほぼ定まるのに対し、オ カリナの場合はヘルムホルツ共鳴器の持つ特性から、内部の体積に対する開口部の大きさ(開いている指孔の面積の総和)によっ て決まり、指孔の位置にはほとんど影響されない。だから素焼きで造っても指孔の位置が狂っても体積と開口部の大きさ比が狂わなければよいわけで素焼きで作 りやすい。

オカリナは音が小さいため、オーボエとのバランスをとるためマイクを使用。有料老人ホームアイラブ世田谷下馬が入居者と近隣住民のために定期的にこのような催しをするようだ。次回は 2016年2月マリンバとのこと。

●2015年10月18日、グリーンウッド夫妻は横浜美術館レクチャーホールでのピアニスト川村祥子(さちこ)さ んの演奏会に出かけた。プログラムは

ラフマニノフ: プレリュードop. 32-5,10
バッハ: "主よ、人の望みと喜びを"
イギリス組曲 (No.1-3曲)
ショパン: "アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ"
     
であった。不幸にも当日祥子さんが風邪をひいて、体調不良のため、イギリス組曲の後半はパス。しかし久しぶりの演奏会は抒情性に満ち溢れ、円熟してきたと いう実感を持った。

●2015年10月25日、元会社の同僚の山口さんと共に、同じく会 社の同僚の内田氏のタンゴ演奏を聴きに慶応大学 日吉キャンパスに出かけた。2015年慶応連合三田大会のライブコンサートである。山口さんはタンゴの前のライトミュージック・ソサイェティーのジャズ演 奏も楽しんだらしい。ジャズ演奏は最後の「A train」という曲だった。なかなかいいというと山口さんはジャズの生と録音は全く別物だという。

私はジャズはパスして50年前の1965年に住んだ会社の寮の跡を探して1時間日吉の丘の南側を歩いていた。内田氏のタンゴ演奏には「サヤカ」という魅 力的な日英西のトリリンガルの女性ボーカルが出演した。彼女はトリリンガルを生かした多国籍企業研修業と演奏活動を両立させているようだ。



さやか

帰りに山口さんから1973年当時会社の軽音楽部の「神田囃子保存会」でトランペットを吹いていた頃の録音をCDにしたものをいただいた。家に帰ってボー ズで聞く。サマータイムは得意のトランペットの独断場。「神田囃子保存会」のメンバー名を見ると吉川とか加藤な ど知った名も見える。3000名の社員の企業に「神田囃子保存会」、「Swing Notes」など3つのグループがあったという。山口さんはなぜだろうと聞くが、社員は3,000名だが、製造業のようなブルーワーカーは車内に抱えこま ないエンジ ニアリング企業なので製造業と同じレベルで比較すれば数万人の企業規模と考えればなぞは解けると思う。

「Swing Notes」には内田さんの名前も見える。「Swing Notes」の録音」には雑踏が聞こえる。多分、会社の文化祭での演奏の録音なのだろう。ならばこのざわめきには私も加担しているのかも知らない。文化祭 は総務部と人事部の担当で、準備のために総務部管理下の箱根の保養所を独占し、泊まり込みの企画会を開いたなどの内緒話しを聴いた。

●2015年11月8日(日)、安井さんが世話役を務める鎌倉の喫茶店「オリーブの木」で開催された第57回音楽セミナーにでかけた。演題は」「フランス の作曲家たち」であるバイオリンとお話は坂田一郎氏、ピアノは升谷奈保氏、フルートは諸星茂氏、クラリネットは猪俣信子氏だった。曲目はフォーレのシチリ アーノ、グノーのアヴェマリア、マリの金婚式、サンサーンスの白鳥、ビゼーの恋は野の鳥、ラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌ、ドビュッシーのピアノ組 曲、ビゼーのメヌエット、マスネのタイスの瞑想曲、ドビュッシーの亜麻色の髪の乙女などであった。



●2015年11月14日、S.K.に誘われて京王線「代田橋」にあるモーガン・フィッ シャーのプライベートスタジオに出かけ、スーパーライブ Morgan Fisher(keyboard)×紺谷英和(津軽三味線)を楽しんだ。社会福祉法人「まつど 育成会」の「MOYO音楽療法推進センター」のチャリティー・ライブとして「音楽の花束」を主宰する後藤京子が司会とヴォーカルを務めた。

モーガン・フィッシャーはロンドンのメイフェア地区に生まれ、グラマースクールにかよう裕福な家に生まれた。学生時代にオルガン奏者(ハモンドオルガン) として参加しLove Affairというsoul / pop bandで「The Everlasting Love Affairs」というベストヒットチャート・シングルをものにした実力の持ち主。グラマースクール卒業後は「モルガン」という自身の Progressive rockバンドを結成した。そこでヴォーカルをしていたTim Staffellの「スマイル」というバンドが後にフレディー・マーキュリーという色浅黒いシャイな男を加えて「クイーン」になるという華麗な経歴。

その彼が、日本にやって来たのは35年前、ハリウッドで同棲していたイギリス人のガールフレンドと意気投合して楽器をすべて売り払って切符を買い、東京に やってきた。しかし彼女はすぐに「日本なんて大嫌い」といって英国に帰国してしまった。彼は子供の時代もロックスターの時代もクリエーティブな人間がいつ も感じる疎外感を持っていた。しかし日本では彼は完全なアウトサイダーでなにもできない。だからもろ手をあげて降参するしかない。日本のどこがいいかとい うと、ギブアップしてから場の空気に身をゆだねるところだという。ここが彼の居場所だと思う。

“I don’t know what I’m doing.”

がモットーとか。なりゆきに身をゆだねる心地よさ!

こうしていつでも地下鉄で都心に出掛けられる大都会の片隅でコツコツとするCMの背景音楽作曲と時々のライブでメシを食っているというわけ。

道具は日本に来てから集めた骨董品のsynthesizerとキーボード何台かと米国ハーツ製のスピーカー2個、このなかに日本製は1つもない。その他、 オーダーメードの可搬型パ イプオルガン。ジャンルはambient。作曲はもっぱら一人。このほか写真もプロの腕前。自宅での2時間の演奏中は自作のビデオ上演しながら行う。



モーガン、紺谷、後藤

「MOYO音楽療法推進センター」のチャリティー・ライブは必要な資金を集めることができたという。音楽療法の発祥である欧米でも、MOYOのルーツであ るNordoff Robbins音楽療法センターも、多くの寄付で成り立っており、かのベッカムがセンターを 訪れ多額の寄付に貢献したという。

●2015年11月21日、安井さんが世話役を務める鎌倉の喫茶店「オリーブの木」で開催された第58回音楽セミナー「花にまつわる歌曲たち」にでかけ た。8年継続した本セミナーもこれが最終回。ソプラノは国立音楽大卒後、チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院に留学した下澤明夜、ピアノは桐朋学園指 揮科卒、曽我大介師事の内藤晃。プログラムはシューベルトの「野ばら」、シューマンの「睡蓮の花」、ラフマニノフの「睡蓮」、「ひなぎく」、「りら」、 モーツアルトの 「スミレ」などであった。それぞれ原語のドイツ語、ロシア語、フランス語、イタリア語、スペイン語であった。日本語訳をみながら聴いた。



下澤明夜と内藤晃

シューベルトの「野ばら」はゲーテの詩だそうだが、かなり残酷な話だ。

Sah ein Knab' ein Röslein stehn,
Röslein auf der Heiden,
war so jung und morgenschön,
lief er schnell, es nah zu sehn,
sah's mit vielen Freuden.
Röslein, Röslein, Röslein rot,
Röslein auf der Heiden.

少年が見つけた小さな野ばら
とても若々しく美しい
すぐに駆け寄り間近で見れば
喜びに満ち溢れる
バラよ 赤いバラよ 野中のバラ

Knabe sprach: "Ich breche dich,
Röslein auf der Heiden!"
Röslein sprach: "Ich steche dich,
dass du ewig denkst an mich,
und ich will's nicht leiden."
Röslein, Röslein, Röslein rot,
Röslein auf der Heiden.

少年は言った 「君を折るよ」
野ばらは言った 「ならば貴方を刺します
いつも私を思い出してくれるように
私は苦しんだりはしません」
バラよ 赤いバラよ 野中のバラ

Und der wilde Knabe brach
's Röslein auf der Heiden;
Röslein wehrte sich und stach,
half ihm doch kein Weh und Ach,
musst' es eben leiden.
Röslein, Röslein, Röslein rot,
Röslein auf der Heiden.

少年は野バラを折った
野バラは抵抗して彼を刺した
傷みや嘆きも彼には効かず
野バラはただ耐えるばかり
バラよ 赤いバラよ 野中のバラ

モーツアルトの「スミレ」もゲーテの詩でこれも残酷。ゲーテ若き頃の実体験

Ein Veilchen auf der Wiese stand
gebückt in sich und unbekannt;
es war ein herzig's Veilchen.

牧草地に咲く一本のすみれ
ひっそりと誰にも知られず
可愛いすみれ

Da kam ein'junge Schäferin
mit leichtem Schritt und munterm Sinn
daher, daher,
die Wiese her, und sang.

そこへ若い羊飼いの少女が
軽やかな足どりで元気よく
歌いながら近づいてくる

Ach denkt das Veilchen, wär'ich nur
die schönste Blume der Natur,
ach, nur ein kleines Weilchen,
bis mich das Liebchen abgepflückt
und an dem Busen matt gedrückt!
ach nue, ach nur,
ein Viertelstündchen lang!

ああ すみれは思った
もしも自分がこの世で一番美しい花だったら
ああ ほんのわずかな間だけでも
あの少女に摘み取られ 抱きしめてもらえる
ああ ほんの15分だけでも

Ach, aber ach! das Mädchen kam
und nicht in Acht das Veilchen nahm,
ertrat das arme Veilchen.
Es sank und starb und freut' sich noch;
und sterb'ich denn, so sterb'ich doch
durch sie, durch sie,
zu ihren Füßen doch!

ああ それなのに ああ!
やってきた少女は
すみれに気が付かず
哀れなスミレを踏みつぶしてしまった

すみれは力尽きたが 
本望だった
あの人に踏まれて死ねるのだから!

Das arme Veilchen!
Es war ein herzig's Veilchen.

哀れすみれ 可愛いすみれ

下澤明夜さんに同じころモスクワ音楽院に留学した川村祥子(さちこ)さんを知っているか聞いたところ、知っ ているとのこと。


2016年


●2016年5月14日、川村祥子(さちこ)さんのベートーベン・ピアノ・リサイタルを楽しみに鎌倉芸術館小ホールでかけ た。彼女のリサイタルは4回目だが、モスクワ音楽院留学時代の帰朝演奏会からの7年間に円熟したと感じた。プログラムは

ピアノ・ソナタ 第30番、op.109、ホ長調
ピアノ・ソナタ 第14番、op.27-2、”月光”、嬰ハ短調
ピアノ・ソナタ 第21番、op.53、”オーロラ(ワルトシュタイン)”、ハ長調
ピアノ・ソナタ 第23番、op.57、”熱情”、ヘ短調
ピアノ・ソナタ 第32番、op.111、ハ短調

J.S.バッハ 平均律クラヴィーア曲集 第2巻 No.3、嬰ホ長調

”月光”は男性の感情をよく表現しており、ピアノ・ソナタ 第32番、op.111、ハ短調は繊細で非常に女性的だと感じた。いずれも20分を超える演奏時間の大曲だが、これを完璧な暗譜で演奏する技量には舌を巻 く。


●2016年6月18日、安井さんが幹事を務めているピアニストの広瀬宅で開催されたヴァイオリン・コンサートに出かけた。ヴァイオリンは小笠原伸子、ピ アノは広瀬則子。プログラムは

モーツアルト ソナタ ホ単調 KV304
ヴェートーベン ソナタ ヘ長調 Op.24 春
フォーレ ソナタ イ長調 Op.13

●2016年7月3日、安井さんが幹事を務めて鎌倉の六地蔵前にある喫茶店「オリーブの木」の音楽セミナーにでかける。

ピアノ:ナタリア・コリチェワ
メゾソプラノ:山浦ゆき子

ヴェートーベン 32の変奏曲
チャイコフスキー 「四季」より
ラフマニノフ 「楽興の時」 第4番
ショパン アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
モーツアルト 歌曲「すみれ」、「寂しい森で」

ラフマニとフトショパンは前回と同じだが、よかった。伴奏をのぞ き、すべて暗譜で演奏した。 ナタリア・コリチェワはロシアでは親子5代ピアニストの家系で、78才の母君 は足が弱くなったが、元気だという。イッポリートフ・イワノワ・インスティチュート卒。普段はモスクワでピアノを教えたり、演奏会をしている。日本人と結 婚し、芸大修士をでているため日本語が流暢である。ナタリア・コリチェワは7-9月にかけて日本で演奏会を開く予 定。

演奏会後、加畑氏と雑談し、長谷から自宅まで稲村ケ崎経由歩いて帰った。国道134号線の路床下に埋設された下水管が昨年破裂したため、市営プール脇にあ るポンプ場と稲村 ケ崎の最高地点までの600mの区間の道路脇に仮設の塩ビ配管が2本敷設されていた。いずれ本設の下水管が敷設されるのであろう。

●2016年9月28日、後藤京子主催の「音楽の花束」演奏会がアライブ世田谷下馬で開催された。クラシックのコーラスグループ エンジェロスのミニコン サートであった。小粥、宮沢、永井、榎本、青木が参加。



後藤京子

●2016年10月9日、白田さんがメンバーの「メールクワイアーAOBA」の第6回コンサートを聞きに青葉台にあるフィリアホールに出かけた。宗孝夫指 揮。ポピュラーな曲で楽しめた。小粥、田中、加畑、松本、青木が参加。

●2016年10月14日、和田さんのお嬢さんが演奏する久石譲指揮ミュージック・ヒューチャーを聞きに「よみうり大手町ホール」に出かける。「よみうり 大手町ホール」は初めてだ。高層ビルの中に巨大な空間を作り出していて、構造的には無理がある。

久石譲は 「風の谷のナウシカ」から「風立ちぬ」までの宮崎駿の全作品、北野武監督の「Hana-Bi」、滝田洋二監督の「おくりびと」、山田洋次監督の「小さいお うち」など多数の映画音楽を手掛けている。参加者は歩く会のメンバーで演奏会前にKKRホテルで夕食をとる。

今回のプログラムは

アルノルト・シェーンベルク:室内交響曲第一番
久石譲:2 Poeces for Strange Ensemble (世界初演)
マックス・リヒター:マーシー
デヴィッド・ラング:ライト・ムーヴィング
スティーヴ・ライヒ:シティー・ライフ


2017年


●2017年1月8日、川村祥子(さちこ)さんのピアノ・ソロリサイタル Happy New Year in 横浜美術館

モーツアルト:ピアノソナタKV547、475(幻想曲)、310 ドビュッシー:版画、リスト:パガニーニによる大練習曲S.141(ラ・カンパネラを 含む全曲)

リストとアンコールのラフマニノフが良かった。


●2017年2月4日、歩く会の安井さんが幹事を務めているピアニストの広瀬宅で開催された歌とピアノのコンサートに仲間と出かけた。ピアノは鎌倉在住の 広瀬則子、ソプラノは逗子在住の谷口玲子。

プログラムは:

メンデルスゾーンの「歌の翼に」、「おおひばり」、童謡唱歌メドレー

グリーグの「アリエッタ」、「ノクターン」、ドビュッシーの「アラベスク I,II」、ショパンの「エオリアンハープ」、「華麗なる大円舞曲」



グランブルーにて

演奏会前は逗子マリーナのイタリアンレストラン「グランブルー」で昼食。演奏会後は材木座の安井宅でお茶会。安井氏のテナー修行の思い出話をうかがう。 低音は体の造りで決まるが、高音は姿勢と修行で出るようになる。氏はヨーロッパで修行したプロに教えを乞い、アルトの音域をカバーできるようになったそう だ。声帯は酷使すると劣化するので、演奏会前には頭の中で歌うだけにするのだそうだ。目下、練習中のブラームスのレクイエムの5月13日の発表会には皆で その成果を愛でるために出かけることになった。

材木座のソバ店「土手」で夕食後、材木座海岸を散策という充実した一日を過ごした。

●2017年5月13日、歩く会の安井さんと小粥さんが所属するドイツ・レクイエムを歌う会の発表会を聴きに「すみだトリフォニーホール」に出かけた。素 人 合唱団としては素晴らしい演奏であった。素晴らしいテノールの高音が空から舞い降りる感じであった。惜しむらくは、この合唱団の主催者がソプラノ独唱者を 務めたこと。大先生のソプラノ独唱は年齢とともに声の艶が消えてしまって 惜しまれた。ソプラノはこのレクイエムの価値を高めているパートであるから猶更であった。バリトンとかテナーはそもそも男性メンバー欠乏症のため、若い音 大学生を起用していたためと聞く。

私としては第6曲が一番よかった。主題はコリント人への第一の手紙ー15章51-52,54-55である。

ここで、あなた方に奥義を告げよう。
わたしたちすべては、眠り続けるのではない。
終わりのラッパの響きとともに、
瞬く間に、一瞬にして変えられる。
・・・

かってダイアナ妃の葬儀の時、コリント人への第一の手紙 第13章を葬儀にブレアが朗読したのを思い出した。

この合唱団は2019年にフォーレとデュリュフレのレクイエムに挑戦するという。

●2017年5月27日(土)、14:00より友人の内田宏氏がバンドマスターをつとめるKBRタンゴアンサンブルの鎌倉シルバーホームにおける17回目 の演奏。曲目はフェリシア、青空、カミニート、オレガッパ、ベッサメムーチョ、インヘラシオン、ジェラシー、ラ・クンパルシータ等。このタンゴアンサンブ ルは何回も聞いているが、今回が一番よかった。歌手をつとめた曾我覚氏 が秀逸。学生時代にはよくダンスパーテ―をしていたものだがその感覚を思い出した。メンバーが全員グランドピアノがある内田氏の「あざみの」の自宅に集 まって練習した成果だという。鎌倉シルバーホームは鎌倉のメーンストリーに面 した雪ノ下の一等地にある老人福祉施設だ。立地としては最高。2階の大ホールが会場となったが、施設入居者で満員。演奏終了後、山口氏が楽屋につかつか 入っていったのでついてゆく。演奏会後楽屋に入るのは初めて。

会の後、山口氏と小町通りの脇道の喫茶店で、音楽談義に花を咲かせる。歌詞や旋律は著作権の対象となるが、和音 を奏でる伴奏は著作権の対象にならない。モダンジャズはこの著作権のないコードを利用して発達したのだという。

趣味としてレコードを沢山集めた ひとが定年後、そのレコードを有効利用して音楽喫茶を経営する暇人がいるので、そういう店を探すのもたのしみという。

帰ってからは南斜面の除草で一汗。

●2017年11月12日(日)、日本フィルハーモニー交響楽団の第9回相模原定期演奏会の切符2枚を西岡氏に頂いて相模女子大学グリーンホールに出かけ る。

プログラム
ブラームスのヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品77
ブラームスの交響曲ニ長調 作品73

ヴァイオリンは若手出し中の山根一仁、指 揮は飯森範親である。ブラームスのヴァイオリン協奏曲の出だしは超絶技巧なみの難曲というが、軽々と演奏。ウィーンでベートーベンの後継者についたブラー ムスらしい2曲を堪能し、西岡氏の書いた小説の文庫本をいただいて帰る。

●2017年12月8日(金)、川本嘉子(よしこ)&上杉春雄 デュオ・リサイタルのため新宿の白寿ホールにに出かける。 川本嘉子女史はかなりの貫録で迫力があった。

プログラム
シューマン:詩人の恋 op.48 (ヴィオラ&ピアノ版)
ブラームス:4つの厳粛な歌 op.121 (ヴィオラ&ピアノ版)

●2017年12月17日(日)、グリーンウッド夫妻は女声アンサンブル「ルーチェ」のクリスマスコンサートを聴くために慶応義塾の日吉キャンパスにある 藤原洋記念ホールに出かけた。女声アンサンブル「ルーチェ」は25年前に横浜フェリスの卒業生を中心に編成された合唱団である。このホールは,株式会社イ ンターネット総合研究所代表取締役でブロードバンドタワーの代表取締役CEOの藤原洋氏による慶應義塾創立150年記念事業に対する多大なご支援に感謝 し,その記念として命名されたという。氏は京都大学にて宇宙物理学の学士、東京大学にて工学の博士を取得。MPEG技術の標準化に大きな貢献を果たした。 ブロードバンドタワーは、データセンター(主なクライアントとしてYahoo! JAPAN)、イーコマース事業等を手がける企業だ。

プログラム

クリスマスキャロル
ジョンラターの作品
ブリテンのキャロルの祭典
コチャールの宗教合唱曲
アヴェ・マリア
チルコットの小さなジャズミサ

中でもジョンラターの「永遠の花」は2011年の東日本大震災をみてで書き下ろした作品で印象に残った。

アヴェ・マリアを歌い終わった時、天井桟敷から「サイコー」のコール。指揮者はビックリして 思わず振り向く。これブラボーより効く。

●2017年12月26日(火)、グリーンウッド夫妻は西岡氏が都響スペシャル2017「第九」のサントリーホールのP席を確保してくれたので出かけた。

指揮:大野和士、ソプラノ:林正子、メゾ:脇園彩、テノール:西村悟、バリトン:大沼徹、合唱:二期会であった。
都響も第九も初体験であったが、生演奏の醍醐味を味わった。指揮も良かった。
演奏会後、西岡氏を囲んで、藤原さん、板橋さん、横井父子と楽しいおしゃべりを楽しむ。

●2018年2月22日(水)、西岡氏に誘われて藤田真央のピアノ演奏を聴くべく、表参道のカワイ・コンサート・サロン「パ ウゼ」にでかけた。藤田真央さんはまだ東京音大1年生であるが2017年の第27回 クララ・ハスキル国際ピアノコンクールで優勝している天才少年だという。まだあどけない紅顔の美少年である。西岡氏の後輩で内科医の息子さんでも ある。国内外のコンクールで入賞多数。プログラムは:

W.A.モーツアルト  ピアノ・ソナタ第8番 イ短調 K.310
L.V.ベートーベン  ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 K.111
F. ショパン     アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ 作品22
                          ピアノ・ソナタ第3 ロ短調 作品58

であった。特にベートーベン  ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調の後半Arietta. Adagio molto, semplice e cantabileは彼の若さとマッチしたロマンチックな演奏で聴かせた。



サイン会で

2019/6/27 モスクワで開催された第16回チャイコフスキー国際コンクールのピアノの部門に2位に入賞。


2018/6/17(日)にオレグ・カエターニ指揮の東京都交響楽団とサントリーホールで チャイコフスキー(ピアノ協奏曲第1番変ロ短調)を共演することになっているという。

日本の将来は観光と芸術とスポーツ立国でゆくことになる予感はした。

●2018年03月4日、稲毛市立iプラザホールで開催された第26回<稲城平和コンサート 神谷マリンバ・クアルテットに出かけた。 神谷百合子、和田光世、西久保友広、大場章裕のクアルテットだ。プログラムはピアソラのタンゴが多かった。若い作曲家にいらいした新曲も多かった。

●2018年05月26日、かまくらシルバーホームで開催された恒例のKBRタンゴアンサンブルを楽しみにでかけた。

疲れしこの 身をジーラ・ジーラ
愛の光 さす 君が窓辺

最近東京でジーラジーラという店を良く見つけるがジーラ・ジーラは船乗りが集まる売春窟にいる娼婦のことだとの解説がおかしかった。

ベサメムーチョは16才になる前のキスなどしたこともないコンスエロ・ベラスケスがつくった。

私にキスを して、たくさんキスをして

演奏会後、元千代田化工軽音楽部の山口とビールを飲みながら日本の官僚制が壊れてしまって漂流しはじめたという点と今後のソーラーセルの行くへなど の予想などを話題にしたのち、6kmの道を歩いて帰った。火災にあった「オリーブの木」は完全に更地になっていた。


●2018年06月23日

安井氏が幹事している広瀬宅の音楽室でのコンサート「ヴァイオリン・ソナタの輝き」を楽しみに出かけた。たまたま梅雨の真っ最中のため、De Rosaはあきらめ、江ノ電で出かける。

ヴァイオリン 小笠原伸子
ピアノ     広瀬則子

プログラム

モーツアルト ソナタ ト長調KV301
ブラ―ムス  ソナタ イ長調Op.100
ブラ―ムス  ソナタ ニ短調Op.108
ブラ―ムス  子守唄

文芸作品の著者で、高校で世界史?の教鞭をとっていたという紳士と同席になった。その時、原発の話になり、この紳士は政府の原発維持方針を完全に丸のみして信じている様子であった。「もし脱原発したら代替エネルギーは どうするのだ?」と真顔で質問してくる。どこかの財務大臣が新聞読まないやつはいい奴だ。自民党を盲目的に支持してくれるといいましたが、この方、新聞も 読んでいないんですね。これが日本に沢山居る権威に弱い文系学者の典型で、今日本が破滅に向かって落下していることに気も付いていない。

終了後、加畑さんと「AW Kitchen Garden鎌倉」で鎌倉ビールを一杯やりながら談笑後、鎌倉メソジスト教会に立ち寄る。

●2018年11月17日 西岡昌紀氏の案内で紀尾井ホールで天満敦子の演奏会にでかけた。紀尾井ホールは2回目だ。時間があったので新橋から歩いた。赤 坂界隈は若き頃の職場だったがなぜか日枝神社には立ち寄ったことがなかった。日没後だがエスカレータで登り、女坂を下った。かっての本社ビルはいまだに 「赤坂ノアビル」として残っている。まさに望郷の地だ。赤坂見附を過ぎて紀尾井町の清水谷を歩く。大久保利通の暗殺の地だ。いまは参議院宿舎になっている。

ヴァイオリン  天満敦子
ピアノ      岡田博美

プログラム

エックレス    ヴァイオリン・ソナタ ト短調
シューベルト  幻想曲 ハ長調
ポルムベスク    望郷のバラード  

ショーソン    ポエム 詩曲
グリーク     ヴァイオリン・ソナタ第3番 ハ短調
フォーレ     パヴァーヌ

この演奏会の切符は即日完売となったという。そのお詫びに2019/3/5に再演するという。

天満敦子は見掛けからは想像できない繊細な音をだす。使用楽器はストラディバリウス、弓はウジェーヌ・イザイの遺品を愛用しているという。

天満敦子が25年前、フィリアホールで日本日本人として初演した「望郷のバラード」は感動である。1992年に文化使節としてルーマニアを訪問、ルーマニ アの文化大臣から、ダヴィッド・オイストラフに並ぶヴァイオリニストとして、絶賛された。この縁がもとで翌1993年にルーマニア出身の薄幸の作曲家チプ リアン・ポルムベスク (en:Ciprian Porumbescu)の遺作「望郷のバラード」の楽譜を托された。

ルーマニアの哀愁をたたえた曲で、高樹 のぶ子の小説「百年の預言」のモデルとなっているという。舞台はルーマニア革命最中のウィーン。情熱的なバイオリニスト充子は、外交官真賀木を愛しながらも、 ルーマニアからの亡命者センデスと性的関係を持つ。その性描写は圧巻としか言いようがないという。朝日新聞連載だったというから、見落としていたわけだ。是非読まなくては。

プログラムの内容が個性的だというと西岡昌紀氏はバッハの後、歌謡曲の「北の宿から」などを演奏してくれるとシビレルという。西岡昌紀氏はCDを 買ってきてサインしてもらった。我々もプログラムにサインをいただき、握手までしてもらった。そのとき、まじかで天満敦子氏のあごの下にアザを発見。ヴァ イオリンの振動でできた勲章なのかもしれない。

演奏会後は「STAP細胞はなぜ潰されたのか 小保方晴子『あの日』の真実」を書いた渋谷一郎氏も含め会食。医師の西岡昌紀氏のHIVヴィールス感染とエイズ発症は無関係説を拝聴。説得力ありと感じた。

●2018年12月10日、 トッパンホールで開催された東京シンフォニエッタ第44会定期演奏会にでかけた。歩く会の仲間の和田さんの御嬢さん 和田光世さんが打楽器奏者として東京シンフォニエッタのメンバーになっているため、久しぶりに皆で聞きに行ったのである。過去にも2007年、2010 年、2013年、2016年、2018年夏の5回参加している。

プログラム

石井眞木作曲       サーティン・ドラムズ       松倉利之
一柳慧(とし)作曲     トリオ・インターンリンク    山本千鶴、藤原亜美、和田光世
武満徹(とおる)作曲   雨の樹             松倉利之、和田光世、 石崎陽子
ユーイ・ラウケンス作曲  打楽器協奏曲(日本初演)  ドミニク・フレースハウアース

ドミニク・フレースハウアースが迫力あってよかった。

●2018年12月15日、鎌倉在ピアニスト広瀬宅で行われたコンサートに幹事の安井さんに誘われて出席。

プログラム

コレッリ        クリスマス協奏曲  ト短調 作品6-7
テレマン         トリオソナタ        ホ短調 TWV42:e2
バッハ         教会カンタータ  147番より  コラール 主よ 人の望みの喜びよ
バッハ         教会カンタータ  140番より  コラール 目覚めよと呼ぶ声が聞こえ
バッハ          2つのヴァイオリンのための協奏曲 二短調より Allegro
サンマルティーニ  クリスマス協奏曲  ト短調 作品3-12
バッハ                  G線上のアリア

Violin1 小笠原伸子、   Violin2  有馬希和子、  Piano広瀬則子


●2018年12月28日、サントリーホール 第九と四季(春、冬)

西岡氏が昨年に続きサントリーホールのP席を確保してくれたので夫婦で出かけた。作家の渋谷さん、気象学者の木村さん、ピアニストの藤田真央さん、藤原さんら多数。

1時間余裕があったので周辺を散策し、私の坂道シリーズに新しい坂を付け加えた。

プログラム

ヴィヴァルディ: 協奏曲集「四季」より「春」「冬」
ベートーベン:  交響曲「合唱付」

秋山和慶指揮 東京交響楽団 東京コーラス



P席からみたサントリーホール

指揮者の秋山和慶氏(77才)は今回が最後の指揮となるとのこと。団員も力がはいっていて素晴らしい演奏だった。

ソプラノの中村恵理はコベントガーデンでネトレプコの代役で出演し脚光を浴びている。まだわかいので伸びのある美声を轟かしていた。メゾ・ソプラノの藤村実穂子は「現在世界最高のメゾ」として世界各地で活躍中。

P席からあまり見慣れない木管楽器が見えたので何時演奏するのか観ていたら合唱の最後に低音でブッブッと掛け合っていた。楽器の名前を調べるとファゴットの大きなやつでFox社製のコンコントラ・バスーン(コントラ・ファゴット)というものであった。これをなんと華奢な女性奏者が鳴らすのには驚いた。31日のNHKの第九にもこの楽器が使われていたが、至近距離の生演奏のように楽器の音色が個別に聞こえることもなくがっかり。



コントラ・バスーン


●2019年9月28日、戸塚区民文化センター さくらプラザホール 川村祥子 ピアノ謝肉祭

プログラム

シューマン「謝肉祭」

サン=サーンス「動物の謝肉祭」

バッハ「前奏曲とフーガ イ短調」

バッハ「トッカータとフーガ 二短調」

マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲」

川村祥子は間奏に語りもいれる円熟を増していた。


●2019年12年14日  鎌倉在ピアニスト広瀬宅で行われたコンサートに幹事の安井さんに誘われて出席。

プログラム

コレッリ        クリスマス協奏曲  ト短調 作品6-8
ヴィヴァルディ    ヴァイオリン協奏曲 作品8より「四季」
サルマンティ−二  クリスマス協奏曲  ト短調 作品5-6
 
Violin1 小笠原伸子、   Violin2  斎藤亜紀、  Piano広瀬則子

参加者:安井、青木、榎本、秦


●テルミン

テルミンと いうロシア人が昔に発明された楽器で演奏した曲のCDを受けどった。西澤氏が購入したものが私に回覧されたという。私の後は加畑氏に回すとのこと。テルミン はたぶん真空管を使っていたのだろうと思ったが、初めから半導体をつかったという。アンテナ用と演者との空間的位置によって特定の発信をするように工夫し たもの である。素人工作でも作れるようだ。

楽器正面に向かって右側から垂直方向に伸びたアンテナは音高を決める「ピッチアンテナ」であり、左側面から水平方向に伸びたアンテナは音量を決める「ボ リュームアンテナ」である。ピッチアンテナに右手を近づけたり遠ざけたりすると、演奏者とアンテナとの間に蓄えられる静電容量が変化し、これに伴って可変 なほうの発振器の発振周波数が駆動している。2つの発振器の周波数差からうなりを起こして可聴周波数を抽出し、アンプとスピーカーを介して発音さ せる。テルミンの音色は純粋な正弦波に近い音だ。


 December 28, 2005

Rev. December 16  2019


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