今日も雨。朝から雨。うへー。いかに9月が雨の多い時期か思い知った。
ブッチャート・ガーデンには、至る所に置き傘があったし、そういえば、Tシャツの絵柄も雨のものがあった。今日も朝の散歩へ出て、ジョンに会いたかったが、諦めました。朝はゆっくりして、午後から出かけることになりそうだ。
今日こそ、BCミュージアム! と思ったら、クレイダーロック城へ行くことに。どうやら、博物館に行きたがっているのは、私だけらしい。ガイドブックにも、ジムにも、ジョンにもお薦めされたところなのになあ。それにしても、ビクトリアに来て知った、この雨続き。しかし、1日中降らないようで、朝だけや、午前中のみなど、雨が止み次第、外へ出る習慣が出来た。テレビでは、バンクーバーについて嵐のような画像を映し出した。本当に、今まで居たバンクーバーなのかと疑うほどの大雨。しとしと降る程度の雨であるビクトリアに移っていて、ラッキーだったのかもしれません。
クレイダーロック城へはFort St.を通っていく。この通りは アンティークのお店が立ち並んでいる。窓から覗くと、様々な物を売っているらしい。心惹かれたけれども、私の小さい鞄では 入らない。まだ先は長いのに、ここで荷物を増やすわけにはいかなかった。店に入って見たいのを我慢して、ひたすらクレイダー城を目指す。途中に、美術を展示する小さな家みたいな所とか、喫茶店もあり、のんびり出来そうな場所を 素通りして、目的の場所に着く。
クレイダーロック城は高台にあり、緩やかな坂を登らないと、その姿は見られませんでした。入口で入場券を買うと、日本語のパンフレットを渡されました。5カ国語ぐらい それぞれにあるみたいです。券を買うと共に指示されたことがあります。「足の裏をきれいにする機械があるから、そこに足を乗せていってね。館内をきれいに保存することにご協力を・・・」とのこと。2台ぐらい置いてありました。
ここは、石炭で膨大な財産を築いた人が、4年をかけて造り上げた石造りの城です。そして、中の素晴らしさに驚きます。中に入ると、係りの人が立っていました。聞きたいことがあれば、私に聞いて下さいね。と言われ、頷きながらも「うわー 日常会話しかできないのに 何を聞けば良いのー?」と頭の中はパニック。バカ正直に、質問事項を部屋の中を見回しながら探った。係りの人も、後から一緒に部屋に入ってきたので、余計に、何かを聞かなーアカンと焦る。
みなさん、安心して下さい。観光客一人一人に係りの人が付くのではなく、部屋に一人係りの人が付くようです。質問は?と言われて、正直に質問を考えなくても大丈夫。その人は、他の外国人観光客に任せましょう。(笑) しかし、私は仮にも英語を話す目的を持つ者! そうも言っていられない。けれども、焦っているときに、良い案(?)質問が浮かぶはずもなく、「この暖炉は今でも 使っているの?」というとんでもなく、平凡な質問でした。うう、くやしい もっと私に英語力をー!
返ってきた返事は、今は使われていないそうです。昔はコールを燃やして使っていたそうで、現在は巧みに暖房器具をカモフラージュして置いてあるそうです。「例えば、ほらこれ、置物のひとつに見えるけれども、ヒーターなのよ。現代の物も取り入れながら、部屋の外観を損なわないように努力しているの。」と事細かく教えてくれました。ふふふ、話せないが、相手が話す内容はばっちりなのサ。ときどき外れるけれど。
外れるってなんじゃそりゃ。当てずっぽうで聞いていることがバレた・・。
ガイドブックには、ステンドグラスがお薦めと書かれていたけれども、最初からあった物ではなく、再現したものだそうです。そして、お薦めされるとおり美しい。様々な歴史の中で、城にあったものはバラバラに散らばり、今はそれらを再び集めるように努力しているとか。ですから、調度品はその当時にあったものを 置いているそうです。現在も復元作業に力を入れていて、私たちの時は天井に、絵を書き入れていました。当時は、美しい絵が描かれていたそうです。
部屋数は39部屋あり、全てが見られるわけではありませんが、一番上の、外を360度見晴らせる部屋は、お薦めです。私たちの前に、イタリア人観光客が陣取ってましたが、待って見るだけのものはあります。こんな外を見るためだけの部屋を作ったことに、感動します。やはり、人は遊び心を持たなければね。
満足しての帰り道、ひとつだけアンティークの店に入って見ました。何が良いのか分からない物があったり、ともかく、値段が高かったりと、特に買いたい物もなく、店を出ました。それから、蜜蜂のマークの店に入って、ワッフルを頼んで食べました。友人の一人が、ワッフルが初めてだと言うので、半分こして、食べる。「おいしい!」との声でした。皆さんも カナダでワッフルをどうぞ。
夕方、朝も散歩するなら、夕方も散歩しているかも知れないジョンに会いに、メモ帳とペンを持って、又 埠頭を歩く。ジョンのような老人なら、日本からのポストカードを喜んでくれるかも知れないと思ったからだ。たとえ、夕方に会えなくても、朝の散歩で会えると思いながら、夕日が沈む様を見て歩くと、遠くからこちらに来る一人の男性が、ジョンに似ていた。まさかね、と思いながら近眼の目を細めて、近くまでくると、やはり、ジョン。「こんにちは! ジョン!」と声を掛けると、驚くジョンの顔が、笑いの表情に変わっていくのが見れた。
「やあ! 君! また会えるなんて!」と抱きしめられた。「ええ? 何で? もうバンフに行ったのかと思ったよ!」「なんて事だ。また会えるなんて!」と何度も首を振ってジッと私を見て、本当かな?と言った表情しながら、また叫ぶ。ここまで、感激されるとは思わなかった。また、二人で並んで歩いて話した。自分の予定は明後日、バンフに行くこと、今日は、朝散歩するなら、夕方も散歩しているかも知れないジョンに会いに来たこと、日本からポストカードを送るからアドレスを教えてと、メモ帳とペンを取り出す。
ジョンは、埠頭から見える景色を教えてくれた。海の向こうはアメリカで、ここから船が出ていること。もっと晴れた日にはアメリカの町も見える。ほらっ、町の明かりが見える。今、小さい船が行ったけれども、あれは大きい船を先導するために出ていったんだよ、とか。私も、昨日クジラツアーで、すごい群を見たんだよと報告。またしても、B&Bまで送ってくれた。別れ際、また明日の朝、会おうと約束した。8時頃に埠頭のところで、また会えて嬉しかったと繰り返す。「実は、僕は朝しか散歩しないんだ。今日はたまたま。だから、会えたことが余計に嬉しい。」と言った。
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