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熊野《ゆや》

三番目
季節  春
作者  世阿弥元清
典拠  平家物語
作物  
シテ  熊野《ゆや》(面・増《ぞう》)
ツレ  朝顔(面・小面)
ワキ  平宗盛《たいらのむねもり》
ワキヅレ  従者二人

物語

平宗盛の愛妾熊野御前は、故郷の母の病気を見舞いたいと主宗盛に願い出ますが、許しを得ることが出来ません。
はるばる故郷から朝顔という女が母からの文をもってやってきます。
母の病はますます重いようです。
熊野御前は早速宗盛のもとに行って、重ねて見舞いに行かせてくれるように頼みますが、宗盛はこれを許さず、花見をして心を慰めるようにと言って花見車を出して同道を命ずるのでした。
一行は花盛りの清水寺に向かいます。熊野御前は仏前に母の無事を願いますが、酒席に呼び戻され、舞いを舞います。
にわかに熊野御前の涙のような雨が降って、櫻を散らすのでした。
熊野御前は「如何にせん 都の春も惜しけれど 慣れし東の花や散るらん」と母を散る花になぞらえて歌をよみます。
この歌に心をうたれた宗盛は熊野御前にその場で暇を与え母を見舞うことを許します。
熊野御前は驚き喜んで母の下へと帰っていくのでした。

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