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祇王《ぎおう》

三番目(太鼓あり)
季節  春
作者  不明 一書、世阿弥元清
典拠  平家物語
作物  
シテ  仏御前《ほとけごぜん》(面・増《ぞう》または孫次郎《まごじろう》)
ツレ  祇王(面・小面)
ワキ  瀬尾太郎《せのおのたろう》

物語

白拍子祇王は浄海こと平清盛の側に仕えていました。その寵愛は並びなく片時も側を離さぬ程でした。
そこへ加賀の国仏原《かがのくにほとけがはら》から仏御前と言う白拍子が出仕して清盛に目通りを願い出ますが、祇王のいるうちは神でも仏でも会わないと清盛は拒絶します。
祇王は同じ白拍子の仏を哀れんで対面するよう清盛に口添えをします。
その甲斐あって清盛は仏に対面を赦し、瀬尾太郎が使者として仏と共に出仕するようにと祇王に伝えます。
仏御前は恐れ恥じらいながらも出仕します。
祇王は若く美しい仏御前に清盛の寵が移ることを予感しながらも、共に清盛の前に参上します。
二人は御前で相舞《あいまい》(二人で舞う舞)を舞います。
仏御前はまだ16、7歳と若く歌も上手で、これ程の女は京田舎にもなしと洛中の人々にもてはやされた程の舞いの名手でした。
仏御前ひとりで舞うようにとの清盛の言葉に、祇王は予感の適中したことを知り、帰ろうとします。
仏御前は祇王の心を思い、ひとりでは舞わぬと言い張りますが、清盛の命令に逆らうことはできません。
仏御前は春風が花を散らすように美しく面白く舞い謡ながら、清盛の心がどう移ろうとも祇王との心のつながりを忘れまいと思うのでした。

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