Original Ogre Battle Tarot
 
XIII
DEATH
 
  XIII DEATH 〔死神〕
 
  ◆黒騎士ガレス
 
  ■作成者名   塞藤ゆいさん
  ■作成者サイト Yuccaの木の家
 
  ■作者コメント
     「死神」で真っ先に思い浮かんだ人物で黒騎士ガレスを。
     ゆっくりとこちらを向く避けられない存在。
     容赦なく誰にでも訪れる「死」には、人によりさまざまな受け止め方が
     あると思いますが、タロットのキーワードにも「死」「破壊」と「再生」
     「創造」が存在しているように、恐怖の対象だけでない死神が
     表現できればと思いました。

愚者〕 〔魔術師〕 〔女教皇〕 〔女帝〕 〔皇帝〕 〔法王〕 〔恋人たち〕 〔戦車
〕 〔隠者〕 〔運命の輪〕 〔正義〕 〔吊し人〕 〔死神〕 〔節制〕 〔悪魔
〕 〔〕 〔〕 〔太陽〕 〔審判〕 〔世界〕 〔魔法の杖〕 〔〕 〔〕 〔五芒星
 
正位置と逆位置 〔ウェイト版より The Rider Waite Talot Deck〕
このアルカナのテーマは、仕切直しです。
このアルカナは、逆位置の方が良い意味になります。
正位置では終わりゆくことに対して焦点が当てられ、逆位置では新しいことのスタートに焦点が当てられています。
 
 
●正位置のキーワード
  急変、意外な変化、損失、失敗、破壊、死、再生の始まり
 
 
●逆位置のキーワード
  再生、思い切った転換による成功、回復、再出発、創造、更新、生まれ変わり、心機一転、
  九死に一生を得る
 

タロットの解説 〔ウェイト版より The Rider Waite Tarot Deck〕
甲冑に身を固めた騎士が馬に乗り、旗を持ってやって来ます。人々が彼の前にひざまずいて、何かを訴えています。
死神は悪魔の使いではありません。死神は死んだ人の魂を集める役目を負っている天使の一人です。
神は死んだ人の魂の全てを、無条件で全ての生き物の故郷である光の国へ持って帰るわけではありません。
麦の穂を刈る人が、病気で黒くなっている麦穂や実が詰まっていない麦穂を捨てて、良く実って重く頭を垂れている穂だけを選び取るように、神は準備が出来ている魂だけを選んで光の国へと連れ帰るのです。
古典的なタロットの絵柄では、この麦穂の刈り入れの例えを忠実に絵にしています。日本や中国の神話に出てくる閻魔大王も、死神と同じ役割を果たしています。
背景に見える河は三途の川です。
これは、ここが冥府(死の世界)であることを示しています。
ですから、この騎士に祈っている人達は死者の魂だと分かります。
冥府でいくら泣いて頼んでも、死神が準備の出来ていない魂を選ぶことはありません。
正義の天使テーミスが生きていた時の行いを全て公平に書き記し、死神に手渡しているからです。
死神は、準備の出来ていない魂を見捨てたりはしません。
刈り取られなかった麦の穂が地面に落ちて、翌年また芽を出すように、準備の出来ていない魂は転生するのです。
死神は古いものを土に戻し、新たな芽を育てます。
一つのサイクルに節目をつけて、新しくスタートさせてくれるのです。
地平線の上には太陽が輝いています。
これが今、述べた再生を意味しているのです。
太陽はコスモクラトールの象徴でもあるからです。
ここで再生した魂は「恋人たち」のところで見たように、また次の人生を歩みます。
天使達が一生懸命に幸運を運ぶ光の矢を放っていたことを思い出して下さい。
 
光と闇の神話 〔古代ペルシア神話より〕
若者は木陰で休みながら、自分の本性について考えていた。
いつしか夜になっていた。天使は悪魔を引き立てて、ずっと前に飛び去っていた。
 
若者は物思いにふけりながら、夜空を見上げていた。
夜空には、救済の徴である巨大な光の十字架が見えた。
本当にそこにあるわけではないだ、若者は夜空を見つめながら、さっきからそれを想像していたのであった。
 
誰かがこちらに近づいて来ているような気配がした。
耳をすますと、馬の蹄の音がした。蹄の音は次第にこちらに近づいて来た。
 
近づいて来るのが誰か、彼には分かっていた。それは死神に違いなかった。
「君は、自分が死んでいたことに気付いたかね。」
「僕は光のかけらだったんですね。」
「人々は、闇の力によって地上に縛りつけられているうえに、燃える欲望によって酔わされている。だから私のことを死神だと言って恐れる。私が死をもたらすと思い込んでいるからだ。しかし事実は逆だ。私の役目は、実った麦穂を刈り集める農夫のように、成長して、解放の時を迎えた魂を集めることだ。私は、解放と生命を与えに地上へ行くのだ。」
「種子のうちは、どの種子が麦の種子で、どの種子が雑草の種子かは分からない。賢い農夫は、畑を掘り返して雑草の種を除こうとはしない。種子が育った時に、稲穂は刈り集め、雑草は刈って捨てる。私の仕事もまた同じだ。闇のものは闇へ、光のものは光へ還すのだ。光の国に闇の混入を許すわけにはいかない。」
そう言って死神は夜空を見上げた。
 
彼にも、光の十字架が見えているのだろうかと若者は思った。
そしてまた、テーミスのことをちらと思った。
「私はコスモクラトールによって、選別する役目を与えられているのだ。」
「間もなく夜が明ける。さあ行こう、あの光が来る方へ。」
そう言って、死神は彼を馬に乗せて、光の中へ進んで行った。

 
 
 
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