Original Ogre Battle Tarot
 
V
THE HIEROPHANT
 
  V THE HIEROPHANT 〔法王〕
 
  ◆大神官モルーバ,炎のセリエ&大地のシェリー
 
  ■作成者名   迦羅さん
  ■作成者サイト 
 
  ■作者コメント
     法王は、大神官モルーバを見立てて、教えを遣わす者
     (二人の枢機卿の代わりに)シェリーとセリエがエレメントの杖を
     持って、膝まづいています。
     本編では、モルーバはデニムなどに色々教えてくれる、“賢い人”とか
     “導く者”というイメージがあるので、私は彼で描いてみました。

愚者〕 〔魔術師〕 〔女教皇〕 〔女帝〕 〔皇帝〕 〔法王〕 〔恋人たち〕 〔戦車
〕 〔隠者〕 〔運命の輪〕 〔正義〕 〔吊し人〕 〔死神〕 〔節制〕 〔悪魔
〕 〔〕 〔〕 〔太陽〕 〔審判〕 〔世界〕 〔魔法の杖〕 〔〕 〔〕 〔五芒星
 
正位置と逆位置 〔ウェイト版より The Rider Waite Talot Deck〕
このアルカナのテーマは、規則の遵守です。
このアルカナは、現状を維持しようとする力や規則を守らせようとする力を象徴しています。
正位置では、これらの力との接点が見出されることに焦点が当たり、逆位置では、接点が見つからず、立ち往生する状況に焦点が当てられています。
 
 
●正位置のキーワード
  慈悲心、親切、忠告、善良、アドバイス、同情、慣習に従う、頑固、忍耐、現状を維持しようとする力、
  規則を守らせる力
 
 
●逆位置のキーワード
  視野が狭い、孤立、援助が打ち切られる、無信仰あるいは狂信的になる、誤りに気付かない、
  不活発、立ち往生
 

タロットの解説 〔ウェイト版より The Rider Waite Tarot Deck〕
法王が二人の司教に何かを授けています。
ミトラ教会の長を法王(ロード)と呼びます。
歴代の法王の中で、傑出しているのが、ここに描かれているマニです。
彼は解放者マー・マニとも呼ばれます。
彼はザラシュストラの教えを全ユーラシアに広めた人です。
法王は二本の柱の間に座っていて、手には法王の印である杖を持ち、二人の司教に教えを授けています。
彼の背後にある二本の柱は、彼が授ける智恵は、女教皇が明かす魂誕生の秘密を踏まえた上で、いかに生きれば救済されるかという智恵なのだという証なのです。
解放者マー・マニは言います、「正義が欲しくなったら、いつでも私の教会の扉を叩きなさい。闇のとばりが垂れ込め、あなたの中の光が失われていくようなら、私の教会を訪ねなさい。そこで、あなたの最高の友、コスモクラトール=ミトラに会えるから。」
法王が説く教えは、顕教(エクステリック)の教義と呼ばれます。
彼は、社会で認められている価値基準や道徳基準を代表しています。
彼は社会の中でいかに行動すれば良いか、その方法を教えているのです。
どんな社会にもルールというものがあります。そして社会というものは、そのルールに違反する行動を認めません。
このような基準は、必ずしも法律や規則になっているとは限りません。
常識もまた、このような基準の一つなのです。
ですから、裸で集会に出るということは、法律にはなっていないけれども、誰も認めないのです。
このようなルールを教え、みんなと仲良く暮らしていくための智恵を授けるのが法王の仕事なのです。
このカードには、二人の司教が描かれています。この二人は社会の象徴であり、法王はそのルールを象徴しているわけなのです。
法王は既成の価値基準をただ教えるばかりではありません。
彼は神の啓示を時代に合わせて解釈し、新たな基準を人々に示す役目も負っているのです。
彼の役目は、忍耐と試練を通して、人々に神の計画を納得させることなのです。
それで彼の言葉は、平和的な福音という形をとるのです。絵では灰色の石造りの建物という形で、忍耐と試練を象徴しています。
法王の数字5は星形(ペンタグラム)で表されます。ペンタグラムは人間的なものの象徴です。
 
光と闇の神話 〔古代ペルシア神話より〕
闇の物質の中に取り残された光のかけらには、大小様々な大きさのものがあった。
大きな光のかけら達は、回転の力によって、闇の物質から解き放たれ、光の国へと帰っていった。帰ってゆく彼らは、迎えに来た天使達に囲まれて幸福そうに輝いていた。
しかし、闇の物質と混じりあった無数の小さな光のかけら達は、コスモスの中に取り残されたままであった。取り残された光のかけら達が泣いていた。
すでにコスモスの誕生から幾万億年という歳月が経っていた。
若者は無性に悲しくなった。気付くと、彼も一緒に泣いていた。
すると、ひとつの人影が現れた。それは法王であった。
 
法王はコスモスの中に入っていった。そして、その姿を闇の中に捕われている光のかけら達に顕わにしながら、彼らに語りかけた。
「具合はどうか、邪悪な者達に取り囲まれた純真な者達よ、闇の牢獄に閉じ込められた光の子達、私の魂達、もう苦しむことはない。さあ、その涙をぬぐいなさい。間もなく光の船が来る。」
「闇の使い達は、容赦するということを知らぬ。おお、お前達の目の中に、私は変わらぬ純真な光を見出した。歳月や試練に捻じ曲げられることなく、あの方の到来を待ちなさい。」
コスモスの中を廻りながら、法王は光のかけら達に希望を与えた。
光のかけら達は、何か救済の徴を示して下さいと、声を合わせて頼んだ。
 
そこで、法王はコスモクラトール=ミトラに願い出て、何か救済の徴を彼らに与えて下さいと言った。
コスモクラトール=ミトラはうなずいた。
「これから一つの徴を示すから、それをよく心に焼きつけておきなさい。」
 
こう言って、コスモスの中心に巨大な光の十字架を出現させた。
その十字架には、キリストの無残な姿がかかげられていた。
その姿は、コスモスのあらゆる場所から見えた。
ひときわ明るく輝いた後、光の十字架は、ゆっくりと消えていった。
 
コスモクラトール=ミトラの声がコスモスの中に鳴り響いた。
「私は必ず助けに行く。天軍の指揮者として、それをお前達に約束しよう。」
コスモクラトールの声は、不屈の意志と、決してひるむことのない決意で、まるで鋼鉄のようであった。

 
 
 
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