Original Ogre Battle Tarot
 
XI
JUSTICE
 
  XI JUSTICE 〔正義〕
 
  ◆正義を司る女神フェルアーナ
 
  ■作成者名   月守環音さん
  ■作成者サイト 月の足音
 
  ■作者コメント
     キーワードと元の意味を大切に描いてみました。
     フェルアーナ様はゲーム中ではバストアップしか
     拝見できませんので、服は個人的好みです(笑)

愚者〕 〔魔術師〕 〔女教皇〕 〔女帝〕 〔皇帝〕 〔法王〕 〔恋人たち〕 〔戦車
〕 〔隠者〕 〔運命の輪〕 〔正義〕 〔吊し人〕 〔死神〕 〔節制〕 〔悪魔
〕 〔〕 〔〕 〔太陽〕 〔審判〕 〔世界〕 〔魔法の杖〕 〔〕 〔〕 〔五芒星
 
正位置と逆位置 〔ウェイト版より The Rider Waite Talot Deck〕
このアルカナのテーマは、正義とバランスです。
正位置では崩れていたバランスが回復され、被害が補修され、名誉が回復されることを意味し、逆位置ではバランスの回復により、不当な利得が失われたり、バランスが崩れて、損失を被ることなどが暗示されます。
 
 
●正位置のキーワード
  公正、正義、正当性の主張、均衡、バランス、名誉、公平、裁判
 
 
●逆位置のキーワード
  バランスを崩す、モラルの退廃、公正さを欠く、判断ミス、裁判で負ける、離婚、一方的な愛情表現、不正
 

タロットの解説 〔ウェイト版より The Rider Waite Tarot Deck〕
厳しく重々しい表情をした女性が、右手には剣、左手には天秤を持って王座に腰掛けています。
彼女は二本の柱の間に座っていて、彼女の後ろには垂れ幕が掛けてあります。
彼女はギリシア神話の女神テーミス(Themis)です。剣は風と同じく、ロゴスを象徴します。ですから、彼女は知性をもって何かを量ろうとしているのです。
彼女が量ろうとしているのは、あなたの人生です。
あなたが、どれだけ自分を活かし、偽りのない生き方をしてきたかどうかを量っているのです。借り物の人生をいくら生きたとしても、それは彼女の厳正なる裁きで考慮されることはありません。
どれだけ真の自己を実現したかということだけが、量られるのです。
テーミスは契約の女神でもあります。
世間で生きていく上で、正義はなくてはならないものです。
仕事上の契約、約束を守ること、差別をしないことなど、正義が貫かなければならないものはたくさんあります。
彼女は「正義とは正しいことと正しくないことを剣で斬り分け、それを量り、量に応じて報酬あるいは応報を与えること」だと教えています。
さらに「正義とはバランスを取ることであり、異なる二つのものを無理に一つにすることが解決ではなく、それを共存させることであること」を教えています。
彼女が天秤だけでなく、剣を持っているのは「全ての行いには、それに相応しい報いがあること」をはっきりと知らせるためなのです。
彼女は、いったい何を基準に正義をまっとうしようとしているのでしょうか?
彼女が基準とするのは、神の言葉です。
神は愛を万人に与えるためには、正義を地上に実現しなければならにと考えているのです。
愛だけでは抽象的すぎて、具体的な日常の解決は難しいのです。
そこで主は預言者を通して、律法というものを人間に示し、何が正義であるかを具体的かつ明瞭に示したのです。
正義の女神テーミスは、主が「女教皇」に与えた啓示と「法王」によるその解釈とを基準として、正義を具体的な問題に当てはめていくのです。
女神テーミスが女教皇や法王のように、ニ本の柱の間に座っているのは、こういうことを象徴しているのです。
彼女の後ろの垂れ幕は、彼女の公正な判断の根拠が、神の言葉であることを象徴しています。
契約の中で一つ、見落としてはいけないものがあります。それは結婚です。
結婚に正義がいるのかと首をかしげる人もいるかもしれません。
しかし、結婚は「与えることと、与えられることが釣り合って、始めて成り立つ関係」だということを思い出して下さい。
互いの個性を尊重すればするほど、愛においても正義が重要であることが分かってくるでしょう。
先の教えを愛と結婚にも当てはめてみて下さい。新しい発見があるはずです。
 
光と闇の神話 〔古代ペルシア神話より〕
若者は前方に建物があるのに気付いた。
彼がその建物の方に進もうとすると、どこからともなく二人の武装した天使が現れ、彼を両脇から支えて、建物の方へ向かって空中を運んで行った。
若者はなんだか不安になった。
「僕をどうするんだ?」と彼は叫んだ。
「君はまだ光の勝利を確信していないようだから、それを確信させてあげようとしているのだ。」と一方の天使が答えた。
 
彼らは、彼を支えたまま建物の正面から入り、高い天井の大きな広間に連れていった。
広間の中央では威厳に満ちた一人の天使が、天使と悪魔の双方がある魂に与えた影響を量っていた。悪魔が勝つと天秤が左に傾いた。天使が勝つと天秤は右に傾いた。
 
この天使は、ただ単に勝敗を量っているわけではなかった。
天使が量っているのは、若者の魂において、善が悪に、光が闇に、幸福が不幸に優るようにするためだった。
人生の前半に長く不幸が続いた人には、後半に幸福が優るよう光の天使に援軍を送り、不正に苦しんだ人には、正義が回復されるよう、その人の魂を見張っている天使に援軍を送った。
そして、闇の力に負け、悪事を働いた者の魂には、応報を与えるために、試練をもたらすよう魂を見張る天使に指示を与えた。
 
この天使は、正義の報酬と悪事への応報とを通じて、個々の魂を光へ導こうと全体を指揮していたのだった。そこには、いかなることがあっても、闇が光に優らぬようにせよ、というコスモクラトールの断固たる意志が働いているのだった。
 
テーミスが若者の方を向いた。若者はちょっと身構えた。
彼女の迫力に圧倒されたのだった。
「私があなたを、ここに連れてこさせたのです。」テーミスが言った。
「スフィンクスから、あなたはまだ善が必ず報いられるという確信が持てないでいるということを知らされました。それを聞いた時、私はあなたをここに連れてこさせることに決めたのです。あなたには、これからの試練を乗り切るために、その確信が必要だからです。」
 
テーミスの厳しさの中には、これまで彼の知らない感情があった。
「いいですね。信念が揺らいだら、私達の活動を思い出すのです。そして光の勝利と、主がコスモクラトール=ミトラを通して示された愛への確信を奮い起こしなさい。そうすれば必ず真理が明らかとなり、幸福に至れるでしょう。」

 
 
 
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