Original Ogre Battle Tarot
 
II
THE HIGH PRIESTESS
 
  II THE HIGH PRIESTESS 〔女教皇〕
 
  ◆聖母アイーシャ
 
  ■作成者名   一美さん
  ■作成者サイト PLASTIC MOON
 
  ■作者コメント
     絵柄がオウガの雰囲気と全然合わなくてしょんぼりしてます。
     もう発売から随分経ちますけど、今でも一番好きなゲームです。

愚者〕 〔魔術師〕 〔女教皇〕 〔女帝〕 〔皇帝〕 〔法王〕 〔恋人たち〕 〔戦車
〕 〔隠者〕 〔運命の輪〕 〔正義〕 〔吊し人〕 〔死神〕 〔節制〕 〔悪魔
〕 〔〕 〔〕 〔太陽〕 〔審判〕 〔世界〕 〔魔法の杖〕 〔〕 〔〕 〔五芒星
 
正位置と逆位置 〔ウェイト版より The Rider Waite Talot Deck〕
このアルカナのテーマは、未来に関する啓示です。
正位置は、隠れたものがあらわになり、それが良い結果を生むことを意味し、逆位置は、はっきりしていたものが、突然不明瞭になるという変化や、突然未来に関することの啓示が与えられることを意味します。
 
 
●正位置のキーワード
  理解力、深い学識、突然啓示される未来、清純さ、聡明さ、知性、遠慮、深い内面、待つこと、
  学ぶこと、理解、吸収すること、応用すること
 
 
●逆位置のキーワード
  晩婚、わがまま、思慮に欠ける行為、官能的な享楽、根気がなくなる、表面だけの知識、
  精神的に不安定になる
 

タロットの解説 〔ウェイト版より The Rider Waite Tarot Deck〕
女教皇は、儀式用の服を着た賢い女性として描かれています。
彼女は一冊の巻物を手に持って、二本の柱の中央に腰掛けています。二本の柱の間には垂れ幕がかかっています。
女教皇というのは伝説上の存在で、古代の月の女神が姿を変えたものだと言う人や、古代エジプトの女神イシス(Isis)だと言う人もいます。
しかし中世ヨーロッパのマギの中には、女性の高位聖職者がいたのは事実です。
彼女は、神の啓示を地上に伝えるチャンネルを象徴します。
彼女は上級霊界からの啓示のいわば受信機です。
足元の月はそのことを象徴しています。
彼女が手に持っている書物は、神の啓示を象徴しています。
彼女の持つ本はどのような言語で書かれているのでしょうか?
それは、人間のペルシア語やギリシア語という日常の言葉で書かれているのではありません。それは天上の言葉で記されており、その内容は預言者を通して、ペルシア語やギリシア語といった人間の言葉になって伝えられるのです。
彼女が持っている書物にはTORA(トーラー)と書かれています。
これは旧約聖書の中の「モーゼの五書」のことで、律法の書と呼ばれています。
彼女の後ろに立つ二本の柱は、有象世界(ゲーテーグ:Geteh)と心霊世界(メーノーグ:Menok)をそれぞれ表しています。
彼女は二つの世界を結びつける霊知を象徴し、中央の垂れ幕は、目に見えないもう一つの世界への入口を象徴しています。
彼女の象徴する数字は2です。それは対立あるいは相補するあらゆる二つの原理を象徴します。それで柱を白と黒に塗り分けているのです。
J(ヤキン)は神の愛を、B(ボアズ)は神の試練を表します。
彼女が開示するのは、世界創造の理由と人間の魂の本性です。
彼女は三つのことを開示します。
第一は、私達の目に見える有象世界の上には、目に見えないもう一つの世界、すなわち心霊世界が存在するということです。
第二は、心霊世界には、光と闇の二つの本性が存在し、万物の始まる以前に闇が光に戦いをしかけ、光が敗れたということです。
そして第三は、天地すなわち私達が住んでいる有象世界は、始原の戦いにおいて敗れ、闇と混合した光を救済するために、コスモクラトール=ミトラによって創造されたということです。
彼女の胸に描かれている十字架は、二つの世界の区別を意味します。
十字架は、心霊世界と有象世界の間には区別があり、神の許しがなければ有象世界に住む人間には、霊界の真実は明かされることはなく、また入ることも許されないことを示しているのです。
 
光と闇の神話 〔古代ペルシア神話より〕
若者が入口を抜けて幻の世界の中を漂っていくと、目の前に壮大な寺院が出現した。彼がその中に入って行くと、その大広間にある玉座には、一人の女性が座っていた。
彼女は彼が来るのを待っていたらしく、彼が来ると自分はソフィアであると告げた。
「あなたが来るのを待っていました。」
 
こう言うと彼女は立ち上がり、玉座の後ろの垂れ幕を上げた。
そこには秘密の部屋への入口があった。女教皇は彼をその部屋へ案内した。
そこは大きな部屋だった。部屋の中央には、大きな水晶球があった。
その水晶球には不思議な光景が映し出されていた。
 
闇の中で無数の光が泣き叫んでいるのが見えた。
彼がもっとよく見ようとすると、それはすぐに消えてしまい、別の光景に変わった。
そこには激しく揺れ動く蜃気楼の中で、光と闇が戦っているのが映し出されていた。互角の戦いのように見えたが、よく見ると闇の方が優勢のようだった。
 
若者が尋ねると、彼女は答えて言った。
「あの光はアフラ=マズダーと呼ばれ、闇の方はアーリマンと言います。彼らはこの宇宙の至高神が創造した双子の兄弟で、互いに戦う宿命にあるのです。あなたは今、その戦いを見ているのです。ほら、あの闇の方、あれが兄のアーリマンです。彼はサタンとも呼ばれています。今、攻撃をかわした光が弟です。彼はキリストとも呼ばれています。ほら、見てご覧なさい。サタンが勝負に出ました!」
 
戦いは、明らかに闇が優位になっていた。光は追い詰められ、さっきより動きが鈍くなっていた。光は傷ついているようであった。
 
女教皇は言った。
「兄のサタンは恐るべき力を持っています。弟の方は善意と愛を持っていますが、兄の力に対抗出来ないでしょう。」
そう言って、彼女は悲しそうに頭を振った。
彼も黙っていた。
すると突然、彼女が叫んだ。
「辛いでしょうが、よく見ておきなさい。光の最期です。」
 
その瞬間、遂に光は闇に追い詰められ、八つ裂きにされた。
若者は光の悲鳴が聞こえたような気がした。
光は無数の微細なかけらとなって、闇の物質に混じり合った。
 
女教皇が彼の方を向いて言った。
「これが、あらゆる生き物の魂の起源なのです。」

 
 
 
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