中国世界帝国論

GDPが急成長する中国

米国や日本の製造業が工場と中国に移転して以降、中国の製造業は急成長して世界の工場と化してきた。その結果、中国のGDPは2006年ころから 急成長が始まった。このGDPの急成長トレンドが続けば2028年には米国と中国は逆転する。米国が関税をあげたところで米国の消費者を苦しめるだけで、 空洞化した生産拠点は米国には戻らない。政府と家庭の借金額はリーマンの2倍以上に増えていて破綻は時間の問題。

中国は肥沃な土地に賢い単一民族が住み、内戦なども無かったので基本的には豊かな国であった。むしろ毛沢東独裁政権で貧しくなった。ケ小平が資本主義に転 換したからこの中国の本来の豊かさが戻ったのだが、習近平の独裁で経済運営に失敗すれば経済が目茶目茶になる可能性がある。実際にはGDPの成長率は6%では なく、1.5%という情報もある。

中国の制度金融は世銀やIMF以上の融資額を発展途上国に供与している。習近平は一帯一路政策を打ちだし、周辺国に投資したがパキスタンなどは返 済できなくなって、当初の目的は達していない。

米国は中国製品に高率関税をかけたり特定商品の禁輸をかけたりして中国との貿易収支の改善戦略にでたため、中国と米国の逆転時期は遅れるかもしれないし、中国が1990年以降の日本のように挫折するかもしれない。

中国の巨大な人口故に一人当たりGDPがまだ日本より低いからと自己満足しても意味がない。それは自己満足のための自己欺瞞に過ぎない。人口が巨大だからこそ、人口当たりの順位は低いのは理の当然。この人口の大きさこそ、物理的力(覇権)の源泉でもあるのだ。



人口動態

中国、日本、ヨーロッパの人口は減る。増えるのは移民を受け入れる米国とアフリカだけである。これで長い目での覇権は予測できる。

広浜誠也氏は下記のようにと書いている。

アメリカは個人の自由を保障して世界中から優秀な人材を受け入れることで世界をリードしてきたと思います。これによって生じた内部の格差に 耐え切れなくなって、アメリカが復古主義に陥り、物理的・精神的に壁を作り始める可能性が最近は見え隠れしています。もし、特定人種の至上主義を許容する ような愚行を犯せば、アメリカの優位はあらゆる面で消失し、他の国が世界の主導権を握ることは確実です。(ただ、主導権を失っても、同質の文化的背景を持 つ人たちだけでひっそり暮らしている方が幸せというアメリカ人も知っています。)
その筆頭候補は中国ですが、中国は30年後には6億人の高齢者を4億人の若者が支える社会となり、この国こそ億単位での移民を受け入れる必要があります。 数億人の移民を送り出すような国は中国の周辺にはなく、おそらくその大部分は人口増が地球上で最も著しいアフリカ諸国に依存するようになると推測します。 30年後に中国の会社と打ち合わせをすると、実に多種多様な人種と宗教的背景をお持ちの方々が来られてて、その多くはアフリカご出身ということになりま す。このように中国が多様性を受け入れ、個人の自由を保障する国になれば、アフリカ系移民の中国が世界の主導権を握ります。しかし、中国が多様性への適応 に失敗し、同質化を強制する愚行を犯せば中国全土がシャッター街となって、歴史から退場です。



地政学

基軸通貨ドルをもつ米国の力も代替基軸通貨の発達によって弱まり、中国に負けて世界は地政学 が支配する混沌とした世界に戻るだろう。

ただアメリカは資源をもつ海洋国家だから安泰。中国、ヨーロッパは資源を持たない大陸国家のため、石油に頼るかぎり困難が待ち受ける。ロシアは資源はあるが、極北の大陸国家のため、消費地をもたず、 困難が待ち受けている。日本と英国は資源を持たないが、海洋国家なのでほかの大陸国家よりはましだった。ただ技術革新によって再生可能エネルギーがコスト的に競争力が増すと中国は自国領土の砂漠地帯に再生可能エネルギーによる自給自足体制が構築か可能となる。

詳細にその地形を見てみると、中国と日本への中東の石油の通過ボトルネックはホルムズ海峡とマラッカ海峡である。米国が弱体化し、イランに紛争が生 じた時、両国ともピンチとなる。しかしマラッカ海峡については中国はすでにその手前のベンガル湾のミャンマーにあるチャウピュー港から雲南省昆明を結ぶ石油・ガ ス・パイプラインを敷設という手を打っているが、第一列島線は米国と日本が抑えている。ことには変わりはない。そこで中国はバックドアとして商品の輸送路として新疆ウィグル自治区 とトルクメニスタンやウズペキスタンと新シルクロードと鉄路で結んでいる。

日本通運は中国の動きに呼応して新疆ウィグル自治区とトルクメニスタンやウズペキスタンと新シルクロードを結ぶ鉄路を利用して中国とドイツを結ぶ運送サービスを計画している。

日本や中国は資源を持たないが、もし再生可能エネルギーで自給自足できるようになれば、地政学の呪いから自由になる。日本政府は技術音痴のため、いまだ石油 資源信仰が強く、官の利権である原発保護としょうして再生可能エネルギーの抑圧をしている。しかし中国の指導部は再生エネルギーの可能性に気が付いて、気候変動対策を隠れ蓑にしてEV自動車に優先権を与えている。もし中国が南シナ海全域と西域に 海上風車を設置し、太陽電池を西域に敷き詰めれば中国はエネルギー的に地政学の呪いを無意味にできることを知っている。中国が再生可能エネルギーの自給体 制を確立すれば中国は海洋国のアメリカの軍事力を無効化できて怖いものが無くなる。原子力に拘って再生エネルギーを抑圧している日本は万事窮す。

自由貿易体制が維持されている限り、海洋国の日本は比較的安泰だが、職場が外国に流出したことに不満を持つ米国市民の支持を受けたトランプが関税を上げた が、関税は輸入に頼る米経済を悪くさせて、米国にとっても得にはならない。資本主義はやはりゼロサムゲームではなく、ウィンウィンの共存共栄の原理なの だ。


半導体産業


1990年頃、半導体産業は日本を代表する産業となり、メモリーチップスでは米国を越えた。そのとき、メモリーチップ産業はシリコンサイクルという4年毎の周期で好不況を繰り返 し ていた。このとき日本はシリコンサイクルにつかれた結果、経営判断を誤って栄光を台湾、韓国に譲った。独自の技術で唯一残っていた東芝の不揮発メモリーであるフラッシ・メモリーも経営陣の 間違った原子力ビジネすへの執着で巨額の損失をかかえ、メモリー部門を失った。そしてAIやビッグデータの時代にメモリー需要は増してプレーヤーから脱落し たことを悔やんでいる。ただ現時点でこのシリコンサイクルがもどっ た。フラッシュメモリーの2次元配置を3次元配置にしたためだ。この技術革新が一時的な供給過剰を生んだと言える。ただこれは一時的なものだ。

日本はパソコンの頭脳のCPUはインテル社の製品を購入するだけで自分で作ろうとは考えなかった。しかるに英国のARM社はReduced Instruction Set Computer(RISC)という命令の種類を減らし、回路を単純化して演算速度の向上を図るプロセッサを設計し、製造はファウンドリーという専業メー カーに任せた。

サンジエゴのベンチャーのクアルコムは1985年、アーウィン・ジェーコブズとアンドリュー・ビタビによって設立されたカリフォルニア州サンディエゴにあ る会社である。符号分割方式のCDMA携帯電話の実用化に成功して成長を遂げた。当初は携帯電話端末と通信設備の部門を併せ持っていたが、その後、携帯電 話端末部門は京セラに、通信設備部門はエリクソンにそれぞれ売却した。

携帯電話とパソコンが合体したスマートフォンが実用化されるとアップル社やGoogleがスマートフォンOSを開発し、クアルコムがSnapdragonという商品名でSystem on Chip(SoC) を供給しはじめた。このSoCはARM コアを使うCPUや画像処理GPU、CDMAやWifi無線通信セットを単一の半導体上に構成したもので、台湾のファンドリーで製造され たものである。画像処理GPUがAI用マトリックス演算を行う。

最近の携帯電話用SoCチップは、サムスンやファーウェイが独自のSocを開発製造するまでクアルコムが独占に近いマーケット シェアをもっていた。日本のメーカーはクアルコム頼りである。

その他、台湾の1997年設立のファブレスメーカーであるメディアテックも 2012年〜2013年頃から主にインドなど新興国向けのミッドレンジスマートフォン向けモバイルSoCである商品名Helioで急速にシェアを広げてい る。CPUコアとGPUコアに加えて、推論処理用に同社独自の「APU(AI Processing Unit) 2.0」を集積した。このAPU 2.0の処理性能は、1127GMACsまたは2.25TOPsという。Snapdragon Hexagon DSPもAIチップである。「Google Lens」や顔検出、リアルタイム美顔補正、物体/シーン検出、AR/MR、静止画や動画のリアルタイム補正などの高速実行に効くとする。学習にはGoogleが開発して公開しているTensorFlowやTensorFlow Lite、カルフォルニア大が開発したCaffe、Caffe2などが使える。アプリケーションはMediaTekの「NeuroPilot SDK」を使って開発できる。APU 2.0上の処理は、「Android NN API」を使ってアプリケーションから呼び出せる。こうしてSoCに取り組む日本メーカーは一社もない。

米国はイラク戦争で攻撃型ドローンを投入したが、中国の国有企業の中国航天科技集団が開発した類似の固定翼ドローンCH4を(彩虹)イラクに販売し、実用 化されている。その後、このドローンにAIを搭載し200機の群集攻撃の実験をしている。中国は2018年には北京理工大学に「AI兵器システム実験班」 を設立して160倍の競争を勝ち抜いた学生1名に教官2名の体制で人材養成に着手した。AIはビッグデータの勝負だ。巨大な中国はそのビッグデータの宝庫 なのだ。米国のAI研究者数は78,000人に対し、中国のそれは39,000人である。人材育成と確保が今後の帰趨を決める。米国式の自由でオープンな環境が人材確保には有利というのが日本に失敗から学ぶべき点だが、果たしてどうなるか大いに興味あるところ。

米国はものつくりが脆弱と考えられているが、アップル社はファブレスではあるが、高価な工作機械は自分で投資してファブレスメーカーに貸与し、製品デザインは その工作機械の稼働率を上げる設計にして30%の利益をあげているという。日本メーカーは工作機械の稼働率を上げる設計をせず、垂直統合がダメと思い込ん で工場を売り払ってしまった。しかし家電の製造は化学プラントや石油プラントとおなじく、投資資金を回収できるように製品設計をしなければいけないとい う単純な原理に経営者が気が付かなかったお粗末。

GoogleOSを使うSamsungもクアルコムのSnapdragonを採用している。ところがファーウェイはARMコア使用の独自のRISCを設計し、Huaweiの100%子会社 HiSiliconに製造させたKirinシリーズを採用している。その力量は日本も足元にも及ばない恐ろしい実力。クアルコムのCEOは中国びいきで1998年に北京郵電大学に共同研究所を設立した。この北京郵電大学こそが華為(Huawei、ホァーウェイ)の頭脳で あるハイシリコン(HiSilicon)社の総裁を輩出した大学なのである。何庭波総裁は女性で、まだ40代の若さだ。自分を研究者とも呼ばせない、生粋 のエンジニアである。2015年、Qualcomm社が「Snapdragon 805」を出したときに、HiSilicon社は「Kirin 925」を出してきました。ほぼ同じ性能を、同じプロセス、同じ通信速度で実現している。

現在、韓国Samsung Electronics社の「Exynos」や台湾MediaTek社の「Helio」などもSoCのメーカーとして後を追っている。

半導体業界を形成しているのは米インテル、サムスン電子、TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.) などの製造大企業、NANDやDRAMを開発・製造しているメモリー企業、米エヌビディア(NVIDIA)や米クアルコム(Qualcomm)などの時代 の寵児、米アナログ・デバイセズ(Analog Devices)などのアナログ企業、独インフィニオン・テクノロジーズ(Infineon Technologies)などのパワーエレクトロニクスなどである。

台湾の鴻海はアップルのスマホを委託製造している。アップルは、ものづくりからどんどん離れて行き、設計だけで勝負する「デザイン家電」を作るだけの存在 になった。そして製造よりも利用価値を訴求する「サービス産業化」せざるを得なくなってしまった。しかし競合になり得る相 手に極秘開発情報を出すことを好まないから、むしろ自分で半導体を開発する方向に向かうだろう。これが米アマゾン・ドットコム(Amazon.com)や 米グーグル(Google)が独自半導体開発に向かっている理由だと思う。

アマゾンやグーグルのような動きが続けば、結果的に鴻海は大手顧客を失う。例えば「iPhone」のプロセッサーまで鴻海が設計・開発したら、米アップル (Apple)は商品企画とApp storeの課金ビジネスで生きて行くしかなく、次期戦略商品情報は鴻海に筒抜け、そのうち鴻海側から逆提案された案に乗るしかなくなる存在になってしま う。アップルはかつて韓国サムスン電子(Samsung Electronics)に通信用プロセッサーの製造を委託していた。それをある時期ピタリと止めたのは、そのような理由かもしれない。いずれにせよ鴻海 は数が出ない個性的顧客ばかりを抱えかねない。だから恐らくこのシナリオは無い。

半導体に参入する企業は増えており、アマゾンなどもその例になる。ところが日本の多くの電機系企業では半導体はもうからない上に危険なビジネスと見なされ ているので、分社化が続き絶滅危惧事業になってしまった。東芝メモリが売却されたとき、引き受けようとする日本の企業はなかった。債務超過状態を脱したの で東芝は事業を社内にとどめておくこともできたと思うが、半導体が分からない経営者には敬遠するしか手立てがなかったようである。

紆余曲折の結果、現在の形態になっているが、そこで分かるのは「リスクを嫌う日本的マインド」である。これでは失われた〇〇年という状態は続き、その上人口減少と高齢化が問題をさらに深刻にする。

かって電話回線はベル/ATTのPBX+銅ワイヤー中心だったが2000年ころから光ファイバー網イーサネットに移行し、最終的には無線電話になりノーザンテレコム/ノーテルは倒産した。

中国国内にいたとみられるハッカーが、ノーテルの最高経営責任者(CEO)を含む上級幹部7人から盗んだパスワードを使用し、少なくとも2000年あたり からノーテルのコンピューターに侵入し、数年にわたって技術マニュアルや調査研究リポート、事業計画書、従業員の電子メールなどを含む文書をダウンロード していた。同社はハッキング問題を是正せずに資産売却を始めてしまい、ハッキング問題について買い手候補に開示していなかった。ノーテルの資産はネット ワーク機器販売を手掛ける米アバイア、米通信機器メーカーのシエナ、スウェーデンの携帯電話ネットワーク機器メーカー、エリクソン、ジェンバンドが買収し ている。

無線基地局の交換機はエリクソン、ノキア、Ciscoの牙城であったが最近ではファーウェイが追い上げ最大のシェアを握った。

ローマ帝国の滅亡は、技術的進歩の受け入れを拒否したことに帰する人々は多い。新しい農業技術や、道具や商品を生産する方法を開発するのではなく、ローマ 人は自分たちの農業生産の衰退を見過ごしたのだ。彼ら自身の生産能力が低下するなか、ローマ人は、他国民を征服し、彼らの収穫と資源を略奪し、穴埋めする だけだった。生産力を高めようとするのをやめたためローマ帝国は崩壊した。ローマは社会進歩を抑え、他国や国民を押さえつけることに頼るという協定を、世 界と結んだのだ。

同じアナロジーをとれば米帝国は滅び、中華帝国は勃興するのか?現時点の米国政府の研究開発投資はざっと15 兆円で、日本のそれのほぼ10倍、その5割近くを国防総省が支出している。国防総省は、直近の兵器開発にとどまらず、未来を展望した 基礎研究にも公的資金を供給している。基礎研究において、米軍が最も重視しているのは自国の優位性の確保であり、ゲームを一変するテクノロジーになる可能 性が少しでもあるなら、突拍子もない新分野にも投資する。中国が近い将来同額以上の研究開発投資が出来るかどうかであるが、GDPが成長すれば可能 であろう。

Googleの年間売上は12兆円程度。Appleの売上高は36兆円。利益率38%。

中国の研究開発投資の拡充は2020年までに対GDP比2.5%(1.75%@2010年(約12.5兆円)となる。ボストン・コンサルティング・グルー プ(BCG)の最新の研究結果によると、米国は研究開発投資の面で世界一を維持しているが、中国の研究開発成果の商品化段階における投資はここ数年、ひっ そりと米国を超えて世界一になっていると伝えた。

「中国製造2025」は中国政府が掲げているロボットや次世代情報技術など10分野に補助金などを重点的に投じて国産技術を育てる政策で、習近平(シー・ジンピン)国 家主席肝煎りの国家戦略だったが、米国の反発をうけて外国企業の参加をみとめるなど見直し中。目標は先端製造業のグローバルなリーダーになること。情報テ クノロジー、航空宇宙機器、新素材を含む10の産業を優先課題に据え、国内で使用される「核心となる基礎部品と基礎材料」の国産品シェアを2020年まで に40%、2025年までに70%に引き上げることを目的にしている。

中国は個人も電子マネーで消費財を購入する社会を作ってしまった。これではドルで決済する必要はなくなる。因みに日本は未だにお札が主流。米国内 の流通業も旧来のシアーズ・ローバックはデジタル流通業のアマゾンとの競争に敗れ破産した。中国にはすでにアリババやテンセントが育っている。


経営陣の違い

これら中国で伸び盛りの企業の経営者の特徴は30才から40才代で若いということ。日本の専用の個室と取り巻きに囲まれて別世界にまどろんでいる年寄の経営者とはわけがちがう。米国のシリコンバレーを率いた経営者もみな若かった。

日本では地位が低いままでその能力を活用できないでいるが中国では女性の地位が高く能力を存分に発揮している。



米国は技術力を維持し、中国は自前の技術開発能力をもてるか?

資本主義が成功したのは事業で儲けた冨を技術に投じて育てたからである。日経BP社の資料によれば先端企業のR&D支出順位は下表のようになる。

R&D支出順位
社名
本社
売上高(10億ドル)
対売上高R&D支出 %
1
アマゾン
北米
136
11.8
2
アルファベット
北米
90.3
15.6
3
インテル
北米
59.4
21.5
4
サムソン
韓国
167.7
7.6
5
フォルクスワーゲン
ドイツ
229.4
5.3
6
マイクロソフト
北米
85.3
14.1
7
ロシュ
EU
51.8
21.9
8
メルク・アンド・カンパニー
北米
39.8
25.4
9
アップル
北米
215.6
4.7
10
ノバルティス
EU
49.4
19.4

唯一米国が優位なのは技術力であった。現時点においては中国はスパイ行為で盗み出した図面で兵器などを製造していると言われているが、サムスンやファー ウェイはスマホの頭脳となるSoCの自社開発など新しい技術の開発能力をもっているようにみえる。技術の開発能力は資本主義と一体になって初めて可能とな る。日本は製造業を 中国に流出させたのち、それを代替する産業の構想力と技術開発に資金を投入していないことが判明。

日本は米国に抑えられて独自の資本流通システムの構築を阻害され、素直に米国の意思に従って米国に逆らうことをしなかったが、 中国人は意に介さず、信じることを推し進め、技術開発どころか独自の資本流通システムをすでに構築している。中国の制度金融は世銀やIMFを凌駕している。日本も政策投資銀行などがあるか微々たるものだ。

遺伝子的な可能性はまずIQで計測される。下図のように 東アジア人のIQが世界最高ということ。国民の数も 日本の10倍なので可能性はある。こうした国々が、平均知能指数の高さから予想されるほど一人当たりの国内総生産が高くないのは、中央政府が市場経済に過度に介入しているからであると考えられる。

日本から米国の大学へ留学している数は激減しているが、中国人は高い学資を支払って大勢学んでいる。



Nations and intelligence wiki

中国は日本より中央統制の強い国だが、アイディアを創造する知的営為まで金縛りにできず、新しいアイディアによって可能になる本質的に新しい技術を禁止するというようなバカ なことはやらないだろう。

ただ米国のように殺人以外なんでもOKのような自由でオープン社会でないと世界を変えるような最も基本的な変革はで てこない恐れはある。このオープン環境のなかで米国のビル・ゲーツ、ジョブズやラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンのような革新者が自由に羽ばたいて米国の今日があるわけだ。これは同時期を 生きた者としての実感だ。中国政府にできることは縦方向の世界に疑似横方向のコミュニケーションが可能なインターネットを更に推し進めることだろうし、 AIを駆使した監視社会の構築にはむしろ米国より優れている。そして中国政府にとって不都合な発信は検索で表示されないようデザインすることは可能だし、 すでにそうしている。だからGoogleは悔しいけれど中国に検索サービスは提供していないし。米国政府も禁止している。そういう意味で中国は自由世界の 情報網から次第に隔離されて製造業で世界のトップに躍り出たははいいがそれ以上の進歩も止まるであろう。

日本は早い時期からあきらめてネットワークの上位で米国と競う優れた企業や個人は出てこず、追従者にすぎなかった。ただ中国は国家からして米国との競争者であって、敗戦後、追従者になった日本とは全く違う歴史的遺産を持っている。



かな漢字変換

漢字は中国伝来の文字を強引に日本語として使っているため同音異議語が多く漢字変換が1対多となっているため大変むずかしい。全体の文意からこの漢字はお かしい。こちらではないかとキー入力後瞬時に警告を出してくれるAIがTensorFlowなどのアプリケーションで果たして可能か。少なくとも機械学習演算を行えるGPUをSystem on Chip(SoC) 上に構築しているHuaweiはスマホ内蔵カメラに このAI機能をすでに適用し市販している。そしてかな漢字変換を開発するのは日本企業しかないと思うのだが回りを見回しても実力のある人も企業も見当たら ないのはなぜなのか?国民の生産性向上に役立つと思うが、役人は愚かで気がつかず、OS開発したことのない企業は変換機能だけでは差別化もできないと始め からやる気が無い。

Google本社には居ると思うが、日本支社の社員はその気力も能力もないし、Google本社の連中は漢字変換のむずかしさに悩まされていない。それになにより喜んで買うのは日本人だけでマーケットが小さいから商売にならない。



中国は世界に向けての文化の発信基地になりうるか?(ソフトパワー)

さて技術だけでは世界の文明のセンターにはなれない。絵画、音楽、映画、小説などの文芸でも世界中の人を魅了する作品を発信しなければセンターにはなれな い。文化の発信基地とはジョセフ・ナイのいうソフトパワーである。人の精神面の節目7年として、その5倍の35年はかかる。私がこの七里ヶ浜に移住してから35年、世界はかなり変わった。今後35年で中国は文化面で の発信基地になりうるかどうか?

しかしジョセフ・ナイは「中国がソフトパワーの発揮の中心となるべき機関は政府と考えているのは間違い」と言っている。現在においては情報はすでに希少ではない。重要なのは人々に希少と注目されることで ある。政府が意図した方向に人々を誘導しようとするプロパガンダは殆ど注目を呼び覚まさない。最良のプロパガンダはプロパガンダには手を染めないことであ る。米国のソフトパワーはむしろ市民が担う組織(シビル・ソサイエティー)やそれに結びついたものー大学や財団からハリウッドやポップカルチャーが担っている。中国はこれができない間は覇権は握れないであろう。

米国の強みは「自由で民主的に開かれた社会」であることでこれが世界のAI人材を引き付けているのだ。世界最高水準の大学や研究機関が集まり、自由な環境 で自由な発想から革新が生まれるのだ。国営企業や国立大学は究極の成果を上げるかは、日本をみればありえないと分かるはず。

劇作家の別役実氏は「そうね、演劇そのものの形式が反社会的だという感じがするんですよ」 と言った。旧満州から引き揚げてきた幼い日の経験が深く刻まれているという人も居るが、もっと基本的な思考の産物だと思う。たとえ国家や制度からはじかれ ても生き延びてゆくその最後の拠り所がなければ人はやってられないということだろう。この覚悟が世界に感銘を与え、人々が生きてゆく力の依り代となるの だ。

1984年にイタリア人のセルジオ・レオーネがニューヨークを舞台にしたギャング映画「ワンス・アポン・ ア・タイム・イン・アメリカ」をハリウッドで創った。普通の男が、精一杯考えて行動して一生を送るが、思い起こせば自分より切れる男の手中におどらされていた。憧れてい た女も実は寝取られていたという。まー!挫折の物語なんだだが、その勝った男も実は行き止まりだったということを説明もなく映像だけで表現している。この ような映画は中国からはでてこない。禁酒法という悪法を作った米政府に気兼ねもなくおおらかに創られている。中国が いくら技術、経済、軍事で米国に勝っても、米国もかなわない深センというシリコンバレーを持っていても、人々に感動を与えてくれるハリウッドが無ければ文明の中心にはなれな い。やはり人々の心の奥に訴えるコンテンツはトップダウンのプロパガンダでは生れないのだ。

韓国が勃興してきた10年以上前、韓国製TVが日本で人気を博し、その後も人気は持続しているようだ。香港製のカンフー映画も日米で人気を博した。クラシックの世界ではピアノやセロの演奏家が人気がある。

我が町に観光にきている若い中国人カップルの女性の化粧が日本の漫画的なのをみて文化の勾配を感じる。これが何時逆転するか?巨額のギャラを稼ぎ、自家用 ジェット機で世界をまたにかけるDJはオランダが中心だとのことだが、日本人ではトッド・ロイヤル氏がオランダで発信しているそうだが、中国人DJはいつ 参入するのだろうか?

大学の水準もインターネットも大切なソフトパワーにおける戦いだ。いわゆるハイテク戦争のの背後には、宇宙からサイバーに至る、完全なスペクトルでの軍備 競争がある。「現代の戦争は、データと情報の分野で行われている。 「我々が現在、宇宙で行っているミッションは情報提供。情報用の経路提供だ。紛争時には、我々は敵の情報へのアクセスを拒否する」。 だから、新しい軍備競争は、兵器用のチップ開発、量子コンピューティング、ビッグ・データと人工知能(AI)で、アメリカの技術的指導力を維持、推進する ことだ − 経済領域での技術系優位と同様に、我々全員が買うことになるスマート電子機器の次世代の優位を占める民間産業標準の支配だ。技術冷戦のための戦術は、非常 にはっきり計画されている。新興、あるいは「基礎的」技術の輸出禁止だ。企業と同様、個人も、技術へのアクセスを制限する。基礎的技術の範囲と、技術製造 ノウハウを対象にするよう制裁を設計する。中国を重要部品のな供給路から切り離し、ヨーロッパや日本に、中国の技術をボイコットするように責めたてる。


インターネット覇権

インターネットは世界をつないでこそ意味がある。そのためには統一された規格やドメイン名、IPアドレスが必須となる。これをオープンな環 境で決めたのは米国であり、その重要性は大切である。情報はパワーをもたらすものであり、最終的には貨幣も情報の一つである。

日経によれば、インターネットのデータ通信の99%は、地球上に張り巡らされた海底ケーブルを通る。「ネット の海の道」の総延長は地球30周分。グーグルやフェイスブック(FB)など米IT(情報技術)大手と中国国有企業の間で、ケーブル敷設を巡る勢力争いが激 しくなっている。現在の総延長は約120万km。2016年ごろから建設ペースが加速し、20年にはさらに2割伸びる見通しだ。

グーグル、フェイス・ブックは太平洋、大西洋で積極投資。

対抗するのが、中国電信、中国聯合通信、中国移動通信の中国の通信大手3社。16〜20年で3社が出資するケーブルは13.8万kmで、グーグルとFBに 迫る。中国からのケーブルにとどまらず、中東やアフリカなどでの動きも活発だ。18年にアフリカと南米を初めて直結した「SAIL」には中国聯合通信が出 資。広域経済圏構想「一帯一路」で、新興国へ経済進出を図る中国の国家戦略とも重なる。

建設に多額の費用がかかるため、ライバルの米中企業が「相乗り」するケースも珍しくない。グーグル、FBのいずれかと、中国企業が共同出資するケーブルは20年完成予定分だけで4万km。

インターネットは独裁的支配の道具ともなりうる。これをブレア元首相がミルケン会議で「中国はデジタル専制主義”に向かっている」と表現した。


GDPに対する政府債務とインフラ整備

2017年の中国のGDPに対する政府債務は15.5%で、ロシアは15.5%で健全。したがってインフラに投資できる。ただ、中国の国有企業の負債を合わせた公的債務の対GDP比は180%となり世界最悪といわれる日本の公的債務の対GDP比237%と大差ない。

 日本の公的債務の対GDP比237%にもかかわらず債務を減らす努力もせず不用なインフラに過大な投資を継続している。それでも低金利を継続 できるのは日銀が国債を買っているからにすぎない。安倍政権が終れば日銀は出口戦略をとらねばならないのだが、それまでに債務を減らせる目途は全くたって いない。

中国は中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」を実現するためのインフラすなわち、鉄道・港湾投資である。

ロシア、インドとイランは、海と 鉄道を組み合わせた経路の7,200キロのスエズ運河の代替貿易経路開設を望んでいる 。この経路で、貨物をインドからイランの港ハンダル・アッバースに輸送することが可能になる。更に商品は陸路でイランのカスピ海の港バンダレ・アンザリー に送られる。その後、商品はロシア南部の港アストラハンに出荷され、そこからヨーロッパに鉄道で運ばれる。新たな輸送動脈は、輸送時間と費用を、40パー セントも削減する可能性がある。日本、シベリア横断鉄道でのロシア、中国と韓国との接続の可能性もある。

アメリカの公的債務の対GDP比は105.2%と高いため国家財政に余裕がなく、アメリカのインフラに投資しないため、インフラは朽ちつつある。

その他の国の公的債務の対GDP比はイタリアが131.8%、ギリシャが181.8%、イギリスが87.5%、ドイツが63.9%、フランスが96.8%、スペインが98.4%、インドが54.2%、パキスタンが47.0%で、ブラジルは55.0%だ。


アメリカ政府は、民主主義でカモフラージした独裁制

アメリカ合政府は億万長者支配層による国民に対する独裁制で、世界の軍事費の半分を使って、全く民主主義ではないと認められ続けている世界 で唯一の政府だ。全世界を、威圧的で経済制裁に満ちた‘自由市場’の奴隷にしようという、アメリカと同盟諸国の支配層の計画に対し、世界の人々が効果的に 反撃できる唯一の方法は

(1) アメリカ・ブランド商品をボイコットし、できる限り、あらゆる国際取り引きをアメリカ・ドル以外のいずれかの通貨で行うこと。そして

(2) 2003年のイラク、2011年のリビア、2012年のシリアや、2015年のイエメンや、2014年にウクライナを征服し、ナチ政権を据えたクーデターを含むアメリカ・クーデターなどのアメリカ侵略を支持しているあらゆる政治家に反対票を投じること。そして、

(3) 可能ならば、諸国で占拠している、あらゆるアメリカ軍事基地に反対する行進を組織すること。該当国の国民が自国を支配するため、占領軍隊は追放されるべきなのだ。

そうしなければ、アメリカ支配層が世界略奪を継続できるだけだ。アメリカと最も緊密に動いている二つの支配層、イスラエルとサウジ アラビアも見捨てることも意味している(両国とも、ロシアと、その同盟諸国を標的にする以上に、イランと、その同盟国を標的にしている)。上に挙げた三つ のステップが存続可能な世界に向かう唯一の道だ。


ドル基軸通貨性の仕掛けと脆弱性

第二次世界大戦後半の1944年7月、アメリカ合衆国のニューハンプシャー州ブレトン・ウッズで開かれた連合国通貨金融会議で締結され、1945年に発効した国際金融機構についての協定「アメリカ合衆国ドルを基軸とした固定為替相場制」はブレトンウッズ体制と言われる。1 オンス 35USドルと金兌換によってアメリカのドルと各国の通貨の交換比率(為替相場)を一定に保つことによって自由貿易を発展させ、世界経済を安定させる仕組 みであった。この体制により地政学が無効化されて平和が訪れた。

このブレトンウッズ体制下で西側諸国は、史上類を見ない高度成長を実現。特に、日本は1950年代から1970年代初めにかけて高度経済成長を実現し「東洋の奇跡」とよばれた。

しかしこのブレトンウッズ体制は1971年のニクソンショックまでしか持たなかった。アメリカはドルと金の交換を停止し、ブレトンウッズ体制は終了した。 ドルが金本位制を離脱した後、ドルとの為替は変動制となり、同時にドルの価値は1/3になり、日本を含む世界中の富はドルで持っているからそれも1/3に 目減りした。日本もアメリカと一緒にビンボーになったわけ。これは米国の国力の退潮そのものでもある。

ワシントンはドルを守るために、石油をドルのみで値付けする取り決めをリヤドとした。見返りに、サウジアラビアは保護を受け、地域で自由に 動くことが認められた。この決定は、他の国々に膨大な量のアメリカ・ドルを通貨準備として保有し、財務省証券(米国債)を購入するよう強いることになった。アメリカ・ ドルと石油との間の関係が、この通貨に新しい生命を吹き込み、世界の金融と経済体制の中心に押し上げた。ドルが享受する、この特権的な役割が、アメリカ合 州国が、その信頼性をもとに、他の国々に通貨バスケットに、財務省証券を貯め込むよう要求するオイルダラーに支援され、ただ不換紙幣を印刷するだけで、自 国経済の資金調達をすることを可能にしているのだ。

この仕組みは、無数の戦争(バルカン諸国、アフガニスタン、イラク)や、金融危機(1987年のブラック・マンデー、2000年のDotcomバブルと、 2008年のリーマン・ブラザーズ・サブプライム危機)や、主権国家の破産(1998年のアルゼンチン)にもかかわらず継続している。言い換えれば、アメリカが、ドルのおかげで、世界の金融・ 経済体制支配を維持し続ける限り、世界超大国としての優位を疑問視されることはまずない。通貨市場と特別引き出し権 (SDR)バスケットに対するこの影響力を維持するためには、石油をアメリカ・ドルで値付けすることが極めて重要だ。

リヤドは三役をこなしている。つまり、オイルダラーの保証人、地政学的兵器としてのイスラム・テロ利用上の世話役、地域 におけるイラン対抗者だ。サウド家はワッハーブ主義の厳格な拘束に沿って、欧米の干渉無しに、自由に国家を運営している。またワシントンは、即座に他 の国々が購入する財務省証券という形で、単に債務を印刷するだけで、無限の軍事支出能力を享受している(特に2008年危機と、量的緩和開始以来)。ワシ ントンは事実上、紙くずを印刷して、引き換えに消費財を手に入れ、アメリカ合州国が、イラクとアフガニスタンでの戦争で、6兆ドルも浪費しても、深刻な経 済的影響に悩むこと無しに済んでいる。

オバマ時代に始まった脱ドル化プロセスはトランプがホワイト・ハウス入りして以来加速。2012年のイランをSWIFT国際銀行 制度から排除するという前例の無い動きで、作られた危険な前例は、他の国々への警報として機能した。アメリカ合州国は、ドルを地政学的敵国に対する武器と して使って、支配的立場を進んで乱用する正体をさらけ出したのだ。

このメカニズムは強固ではあるが米国だけが経常収支は過去10年間対GDP比1%程度の赤字であるから、持続可能性はない。いつかは破綻する。


各国の対応

欧米エリートの多くは、ドル依存の過ちを認め、後悔している。ロシアと中国は次にまな板の上に載せられるのは自分た ちなのを理解しており、ワシントンがモスクワと北京をSWIFT制度から排除しようとした場合に、バックアップ体制として機能するCIPS (Cross-Border Inter-Bank Payments System)のような代替の 支払制度創設に着手した。

トランプがホワイト・ハウス入りして以来、オバマ時代に始まった脱ドル化プロセスは加速している。2012年のイランをSWIFT国際銀行 制度(The Society for Worldwide Interbank Financial Telecommucication)から排除す るという前例の無い動きで、作られた危険な前例は、他の国々への警報として機能した。アメリカ合州国は、ドルを地政学的敵国に対する武器と して使って、支配的立場を進んで乱用する正体をさらけ出した。

ロシアと中国は次にまな板の上に載せられるのは自分 たちなのを理解しており、ワシントンがモスクワと北京をSWIFT制度から排除しようとした場合に、バックアップ体制として機能するCIPSのような代替基軸通貨創設に着手した。

ブロックチェインという技術も成熟すれば使えるとして中国は積極的に取り組んでいる。

対米追従路線を進む限り日本に未来はない!


世界大戦での国別損失

ヤン・ルドヴィクによれば、第一次世界大戦で勝利するための相対的支出、ロシアが 24%、イギリスが 22%、アメリカが 21%、フランスが 20%で、イタリアは 13%だった。ロシアは連合国の中で一番費やした。第二次世界大戦では、勝利するための相対的支出は、ロシアが 58%、イギリスが 20%、アメリカが 12%で、フランスは10%だ。またもや - しかも、今度は圧倒的に - あらゆる同盟国の中で、ロシアが圧倒的に、連合軍総費用の58%を費やした。この戦争で、それより多く使った唯一の国はドイツで、もちろん敗者(“枢 軸”)側で、この戦争で、ロシアが勝利のために使ったよりも37%余計に使って負けたのだ。第二次世界大戦中、ドイツは、枢軸側全体の75%を費やした。 日本は17%費やし、イタリアは8%費やした。だから、第一次世界大戦は、主にロシアとドイツとの間のものだったし、第二次世界大戦も、そうだった。しか も、これは他の計算からも明らかだ。

ロシアの軍隊は第一次世界大戦の勝利した側で戦ったものの46%で(#2はフランスで、20%)、第二次世界大戦で勝利した側で戦った軍隊の55%(第二次世界大戦でも、フランスはやはり#2位で、20%だ)だったことを示している。

更に、第一次世界大戦では、ロシアの軍隊はドイツとオーストリアを合わせたよりも(人数の上で)38%多かった。そして、第二次世界大戦では、ロシアの軍隊はドイツと日本とイタリアを合わせたより4%少なかったが、ドイツの人数の倍だった。

だから第二次世界大戦のみならず、第一次世界大戦でも、勝利の最大の貢献者は、いずれも圧倒的に同じ一つの国、ロシアだった。アメリカの貢献は、いずれの 場合も、ずっと小さい。そして現在、アメリカ指導部も外国の同盟諸国もヒトラーの衣鉢後継者ナチスと化し、これらナチスの要求通りにするのを拒否している がゆえに、ロシアを“敵”と呼んでいる。


米国も日本も中国との軍拡競争のために財政を破綻させる愚は冒せない

アメリカ政府は現在世界の軍事支出の約半分を使っており、ロシアや中国や、(イランやシリアなど) これらの‘敵’と協力する全ての国々を征服することを計画している。アメリカのインフラは朽ちつつある。最近のあらゆるアメリカ大統領はこの崩壊を止める と約束したが、誰も、アメリカのこの朽ちかけたインフラを修理するために、何ら本格的なことはしなかった。年間1兆ドル以上も‘国防’に使う国には、橋や 道路など‘待てない’ものの修復のために使う資金はほとんど残らず - 修理は先のばしにされ、これまで以上の更なる資金が、F-35計画などの新兵器購入に当てられる。

米国もロシアも戦略核を維持するために新しい軍事費は捻出出来ない。米国は予算不足で、いまだに米国は役に立たない核兵器運搬用戦略爆撃機B52 (1952年)を実戦配備している。ロシアもツポレフ95を使い続けていたが、最近更新用の新型超音速戦略爆撃機Tu-160M2を公開した。

トランプは中距離ミサイル制限条約を破棄するといっているが、資金を捻出できない。増税するか、社会福祉予算や教育費を削るしかない。せ いぜいできることはイージスアショアを中距離ミサイルに転換すること位か。しかしこれを先制攻撃に使えば憲法違反。空母、原潜の維持も巨額の費用がかか る。米国は日本と中国に大分借金してしまっていて、中国に米債をたたき売られれば、ドルは暴落し、軍事費を捻出できなくなる。


チャイナ・スタンダード


2014年11月28日、中国共産党の中央外事工作会議で習近平主席が「中国が率先して既存の国際秩序を中国式に塗り替える」と宣言した。具体的には中国 主導の巨大経済圏構想「一帯一路」やアジアインフラ投資銀行(AIIB)である。これは基軸通貨ドルをもつ米国に対抗し代替基軸通貨を作ろうという試みでもある。

伸びなやんでいたGDPも2016年より再び幾何級数的に伸び始めてい る。習近平の夢は2049年までに世界トップクラスの世界的影響力をもつ大国の地位を取り戻すこと。そしてトランプが世界から身を引く方針で米国をリード しているのはチャンスと考えている。そのためには欧米的な民主主義と資本主義を打破して中国式国家資本主義で勝利を収めようとしている。2018年は米中 分断の年となった。とはいえまだ米国には数十万人の中国人留学生がいる。今後の課題は自由で開かれた国際秩序を放棄せず、強大化した中国を受け入れて新た な枠組みを設けることが課題となる。

鉄道車両製造では中国に中国中社(CRRC)という売上高3兆円の企業が出現し、中欧班列(China Raylway Express)という国際定期貨物列車も運行され始めた。



日本の退化

1988年の世界時価総額ランキングでは上位50社にエクソン・モービル、NTT、大手銀行などがはいっていたが中国企業はゼロだった。しかし 30年後の2018年には米国のGAFAと中国のアリババ、テンセントなどがはいり、製造業はゼロ。トヨタ1社が40位の1社だけ残っている程度。半導 体、太陽電池、光ディスク、リチウムイオン電池など日本が強かったテクノロジーは今は日本すでになく、台湾、韓国、中国に渡った。5Gでも日本の姿はなく Huawei、エリクソン、ノキアだけ。

1988 年は私が現役でバリバリ仕事していた時期だ。たまたまアメリカのスタンフォード大学の研究部門のオバサンが来ていたので、「日本株を全部売ればアメリカが 買える」と言い放ったら嫌な顔されたのをまざまざと思い出す。アメリカを買えるほどの金を持っている人はいないわけで、あとでよく考えればバブルだった。 それにしても日本企業は落ちぶれたものだ。渦中にあったものの実感はどうすれば良いか誰も分からなかったということだろう。いまだに分かっていない人が多 い。人マネではなく皆がほしいものを作るんですね。でも何を欲しがるかは買う人も分かっていないところがミソ。

日本の大学教育は真に有効な技術開発能力をもった人材を養成した経験と伝統もなく、出来上がった博士は無能で利益を生む独創的な発想の研究は少なく、外国の発見を追試することで良しとしていて金の卵は生めず。企業も博士なども役 立たずと採用しなかったため、日本からは画期的な新薬・新物質なるものは生まれず、技術ドリブンの世界で日本企業も起業人も没落しつつある。

従って巨大な資本を投下した鉄鋼とか化学などの素材産業は今だ生きているが、人間が工夫して新製品を生む弱電などの世界は米国で概念設計、製造は中国とい う組み合わせの負けてしまった。IBMですらメーンフレームは過去の技術になり、パソコンは手放し、企業向けテーラーメイドのシステム開発で食いつないで いたが、ついにクラウドサービスでGAFAに敗れたという。パソコンのOSに覇者となったマイクロソフトもブラウザーEdgeをすててクロームを採用すると言う。

日本の弱電メーカーはソフトはすべて米国のソフト会社、ロジック素子は米国の素子メーカーのものを使ってパソコンなどをくみたてていただけなので台湾・中 国に負けた。一番た大切なところに投資していないから没落も当然。今の残っているのはスマホのカメラなど部品のみ。パソコンのHDを駆逐するNANDフ ラッシメモリーを開発した東芝は原発に横恋慕したボンクラ経営者のおかげで唯一利益を生むフラッシメモリーを売り払ってしまった。日本のスマホメーカーもGoogleOS搭載で頑張ったが、全て赤字で富士通も京セラは撤退。ソニーも風前のともしびだ。

中国の勃興で日本の鉄道インフラ輸出は頓挫しつつあるし技術の劣化で墓穴を掘っている。例えば台湾に輸出した日本車両製の電車の電車はカーブの多い路線を高速でつっかするために車両の傾斜角コント ロール用の空気使用量を十分賄う空気能力を持たず、空気圧が下がってブレーキが効いてしまう事態になった。そこで運転手は遅れを取り戻すべきATSを切っ て高速運転をして脱線転覆をした。加えて運転手がATSを切っても運転司令室にはその旨の自動送信機回路が設計段階からまちがっており、接続されていな かったことはが判明。大きな死傷事故となった。基本的設計能力が失われているわけだ。

唯一頑張ってきた自動車産業は自動運転時代を迎え、ビジネスモデルの崩壊におののいている。

三菱重工業は開発中の国産ジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の開発費負担に苦しんでいる。

日本の川重は赤字転落、事業整理を検討中。

千代田化工は米国で増えた天然ガス輸出目的の液化工場建設を固定価格で請け負って大赤字。景気が良いのに人の流を制限したので、人件費が高騰したのが原 因。日揮、TECも損失を出している。更に米国では再生可能エネルギーのコストダウン効果がおおきく、急速に普及している。

東電は電力自由化で新電 力に顧客をとられ て、送電線の使用料金は増したが、電力販売量低下に見舞われ、原油価格高騰により3年連続の減益。価格が急激に下がりつつある再生可能エネルギー分野では負荷調整の出来ない原発優先方針で自縄自縛となっている。

中国は世界一の再生可能エネルギー発電量をもち、太陽電池の価格競争力が高いため、また米国で風力発電の普及が著しくGEのガスタービン、蒸気タービンの競争力が落ちて赤字2.6兆 円だという。

私の居たプラントコントラクター業は配管レイアウトや配線設計を外注化して、工事も外注化したため、利益管理不能となり、時のめぐりあわせによって利益と 赤字の間を振動する事態になった。ここは歯を食いしばって非常に困難な自動設計ソフトを開発すべきだったと思う。いまだこれを開発した人を知らない。

かって日本品の品質は高いとされたが今では日本の製造業は品質管理に失敗して損失を積み重ねている。スバルのエンジンのバルブスプリングに材質上の欠陥が あり、41万台のリコールの事態になっている。日本の経営者は日本の工場はいずれ立ち行かなくなる。そしてだめになったら国内はやめて海外に移転すればよ いと考えて検査設備など必須ではない設備への投資はしないと一律に決めていた節がある。

「品質」の良いことが「職人の誇り」と言う時代があったという解釈は全くの誤認。正確に表現すると昔の家内工業的製造業では職人は経営者でもあるわけ。経 営者でもある職人は顧客に見限られたらメシの食い上げと骨身にしみているから、いい製品を作った。それを勘違いして部外者は職人は道楽的に高品質にのめり 込みがちというあやまてる認識を持つにいたった。道楽に流れたら破産するという冷徹な原理に気が付いていない。特に文系のマスコミとか評論家はそう考えが ち。

ところが大量生産時代には経営と労働が分離される。そして時間が経過すると経営者は殆ど文系が占めている。そして労働者はファナティックに品質にこだわ ると誤解したまま品質は労働者にまかせっきりで重役室で居眠りしているわけ。そうして財務諸表だけをみて生産性向上を要求し続けて品質に投資せず、今の日 本があるというわけ。

品質保証の世界標準ISOでは製品の品質管理責任は社長にあると規定されている。その最たるものは東電である。勝俣元東電会長は福島第一原発事故の原 因となった津波対策の業務上過失致死傷罪裁判で自ら技術系の幹部ではないことを強調し、原発に関しては「説明を受けても理解できないことがしばしばあっ た」と供述している。これは「下の階層の説明を受けても、彼らのいう次元の低い話などは俺は理解できないし、興味もない」と威張って見せる悪しき日本の伝 統にのっているチッポケな男とでも表現するしかない。問題は裁判官も同じ穴のムジナであることが憲法解釈で証明されている。かかる人間を組織のトップに祭り上げる日本社会の伝統的メンタリティーこそが日本の没落の原因ではないか?

大学への研究費をカットしたため、新しい技術も生まれず、ノーベル賞も減るだろう。

では文化の発信能力はどうか?小津安二郎、黒沢の映画はハリウッドに大きな影響を与えたが、これを米国の若き映画人はこれを換骨奪胎して新作を立て続けに出し宮崎駿に代表される手書きアニメは20代で平均月収9万円という低賃金のアニメーターに辛うじてささえられていたが現場は疲弊しているという。味はないがコンピュータを使った3D化は読むを得ない方向だろう。

日本は「ゆでガエル状態」で、他国の技術のおこぼれを頂戴する乞食のように貧乏になるだろう。丁度、横浜地裁前でみたような歩道に正座した乞食のように。先進国がトランプ、習近平、プーチン、安倍を選ぶのは国民が劣化したため。文明はローマ、英国のように老いる。


中国の成功は国家資本主義

中国人が伝統的に持っている商才が今の中国の成功とすれば、これは米国はいずれ負けるのではと感じる。共産主義などというのは仮面でこの商 才は伝統に深く根ざしている。中国は日本や米国の資本の導入を非常に賢く行って成功した。現在、中国のEV車メーカーはニューヨークで起債している。すな わち米国の資本の導入に長けている。米国はそれを禁じてはいない。

日本の2014年の倒産企業の平均寿命は23.5年で、法人の平均寿命は23.2年、個人企業は30.0年であるのに中国の中小企業の平均寿命はわずか2.5年とか。日本人は「事業」、中国人は「金儲け」の手段にすぎない。

「資本主義の本質は稼いで得た利益は再投資する義務がある」・・・アダム・スミス

アメリカは今、日本や中国から膨大な借金をしているが無論返済はできない。中国や日本が米債を投げ売りしたりすれば米国が許さないだろう。

「人間は父親を殺した男と握手できるが、ポケットに手を突っ込んだおとこは許さない」・・・ニコロ・マキアヴェッリ

中国の勃興も(国家)資本主義のおかげ、資本主義の欠点は格差補正機構を持っていないところ。その機能は民主主義に負っているが、米国、ヨーロッパ、日本は寡頭制になってしまって民主主義とは言えない。中国は更に極端でいまだに共産党が権力をにぎっている。

資本主義がもたらした技術革新のおかげでついに人間働かずと喰って行ける時代がきた。だから怠け者が居ても全人類が食う余裕はあるし、生殖と快楽が切り離 されたおかげで、人口は増えない。ならばオギャーと生まれれば最低限の保証(ベーシック・インカム)をして暴動や殺人を起こさないようにするというシステ ムが必須となるのは自明である。才能あり余り、努力も厭わない人は思う存分活躍して豪勢な生活をすればよい。

ただ世界全体の地域格差のバランスをとるのは至難の業だとは思う。そこは情報網とAIを使ったシステムを考案するしかない。 まだまだやることは沢山ある。


トゥキュディデスの罠

ハーバード大学ケネディスクール初代院長であり、レーガン・オバマ政権の歴代国防長官の顧問を務めリアルな国際政治にも通じるグレアム・アリソン教授が、 過去500年の新旧大国の衝突をひもときつつ、現代における米中戦争の可能性と回避の方策を論じた「米中戦争前夜」はアテネ対スパルタにはじまり、ドイツ 対イギリス(第一次大戦)や日本対アメリカ(第二次大戦)など、新興国の台頭が覇権国を脅かして生じた構造的ストレス(トゥキュディデスの罠)で衝突した 16ケースを解析。同時に、ワシントンが目を背けている中国の実力を政治・経済にわたり分析し、「数十年以内に米中戦争が起こりうる可能性は、ただ「あ る」というだけでなく、現在考えられているよりも非常に高い(70%)」と指摘している。


軍事バランス

佐世保海軍基地、横須賀海軍基地、横田空軍基地、沖縄空軍基地に加え、2018/10新設された相模原ミサイル司令部など日本における米軍基地は中国封じ込めが目的ではあるが中国の中距離弾道ミサイルのターゲットでもある。

日本の海上部隊も中国本土からの地対艦ミサイルの餌食となる。

核武装した中国本土は攻撃できない。なぜなら米国には弾道ミサイル搭載原子力潜水艦14隻という有効な核兵器があるが。中国はこれに対抗して 2014年普級弾道ミサイル潜水艦5隻を進水させた。これで中国はアメリカに300発の原爆を打ち込める能力を持ったことになる。普級弾道ミサイル潜水艦 の弱みはその騒音と、第一列島線のチョークポイントを通過すると きに発見されること。しかし中国は騒音をほとんど発しない静寂な液体水素・酸素燃料電池使用の非大気依存潜水艦を近々就航させるであろう。

日本の専守防衛という方針では防衛はできない。一歩でて元にもどるという戦略にしてようやく防衛ができる。



軍事技術が持っている性質

現在の軍事技術はミサイル主体である。そうすると先制攻撃が有利となる。そしてスターリンの格言「量も質のうち」が必ず実現する。すなわちイージス・シス テムは打ち砕かれる。具体的に言うと対艦弾道ミサイル、低高度巡航ミサイル、高高度超音速ミサイルをイージス搭載艦またはイージス・アショアめがけて大量にそれぞれ違う方角からブ チ込めばイージスシステムは破壊される。この事実は米国の政治家も軍人もタブーとして言及しない。産業界も中国で利益を上げているので言及しない。

月の裏側の探索を開始した。地球からは見えないために軍事的には戦略的場所となる。


日本の対米従属官僚独裁制からの脱却はなるか?

日本が独自技術開発能力を持てないのは、米国の技術覇権の出先機関と化した産業界と日本の官僚支配が原因である。

戦後日本の政治家の究極の目標は、この官僚の隠然独裁体制=対米従属体制の打破であった。ところが増殖する官僚あがりの国会議員の目的は、それと正反対の「官 僚独裁の恒久化」だった。こうして戦後の対米従属からの自立は、一度も成功していない。田中角栄がニクソンにそそのかされて日中友好・在日米軍撤収の了承 をやりかけたが、ロッキード事件で潰され、その後2009年の鳩山小沢政権が対米自立とアジア接近を試みたものの官僚やマスコミに潰された。

しかし安倍はトランプのお蔭で田中角栄も小沢鳩山も道半ばで潰された日本の対米自立・官僚独裁からの離脱をやるかもしれないと思えてくる。戦 後ずっと隠然と続いてきた官僚独裁より、自民党や安倍の「独裁」の方が、国民が選挙で倒せるので、民主主義が機能し始める。

トランプが米国の財政再建のために国費を浪費する軍産複合体を解体しようと北と和解し、米経済再建のために中国敵視の新冷戦を始めたお かげで中国が困って日本と仲良くしたいといってきた。日米同盟が崩れたら「危険」だ、という見方こそ、この対米従属のマジックの結果なのだ。

北朝鮮や中国が日本の敵でなくなると、日本の安全保障は、対米従属の時よりずっとやりやすくなる。



中国共産党の目的は共産党をまもることで、中国を守ることにはない

中国の経済発展は民主化には繋がっていない。ヨーロッパで発達した民主主義は人口が小さいからこそ可能だったともいえる。ただインドなどは人口が大きくとも英国譲りの民主主義はあるともいえる。

官僚機構は破綻しているのでうまくゆかなくなる可能性がある。中国共産党は人民を外敵からまもることにはなく党を人民から守ることにある。

今後どうなることか?


公的教育費の対GDP比

北欧:          7%    154国中  1位   
フランス: 5.46%    154国中 37位
米国:       4.99%   154国中  59位
日本:       3.47%   154国中  114位

ジェンダーギャップ指数

日本:                149国中  110位


政府債務残高の対GDP比

日本:   236%  先進国中  1位
米国:   108%


民間債務残高

中国:  220兆円で 1位  18年6月の数値。ただし民間とはいえ国有企業。
カナダ:         2位
日本:           3位



結論


ギリシア、ローマ、オランダ、英国、米国と西に移動してきた世界文明の中心は更に西進しても日本はとびこして技術の一部はすでに中国に飛んでいる が、ソフトパワーはオープンな社会がその肥やしになるという意味で簡単には中国のものとはなりにくい。日本の過去20年の経緯をみれば、現在の習近平体制 では中国がアメリカを凌駕することは無理だと言える。

日本企業は戦後、闘争精神を失い米国企業と無用に競合することは避けようと行動してその結果の現在がある。しかし中国企業は米国が米国技術の利用を禁づれ ば、ますます闘志をもやして自分でそれを開発しようと挑戦する姿勢を持っている。このゲームはどうなるかはなはだ興味を持って見守っるということになる。





参考文献

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ユン・チアン:「ワイルド・スワン 上下

ギャビン・メンジーズ:「1421 中国が新大陸を発見した年

小林煕直:「中国の台頭をアジアはどうみるか

伊佐進一:「「科学技術大国」中国の真実

太田文雄、吉田真:「中国の海洋戦略にどう対処すべきか

橋爪大三郎、大澤真幸、宮台真司:「おどろきの中国

エーモン・フィングルトン:「巨龍・中国がアメリカを喰らう  欧米を欺く「日本式繁栄システム」の再来

黄文雄:「それでも中国は崩壊する

黄文雄、石平:「中国はもう終わっている

兵頭二十八:「こんなに弱い中国人民解放軍

ピーター・ゼイハン:「地政学で読む世界覇権2030 」

ピーター・ナヴァロ:「米中もし戦わば  戦争の地政学

グレアム・アリソン:「米中戦争前夜――新旧大国を衝突させる歴史の法則と回避のシナリオ」

ジョセフ・S・ナイ:「アメリカの世紀は終わらない

ユヴァル・ノア・ハラリ:「サピエンス全史 文明の構造と人

ユヴァル・ノア・ハラリ:「ホモ・デウス(上下)ーテクノロジーとサピエンスの未来

マーティン・ジェイクス:「中国が世界をリードするとき  西洋世界の終焉と新たなグローバ ル秩序の始まり

南塚信吾:「連動する世界史 19世紀世界の中の日本」

ケビン・ラッド元豪首相、米アジアソサイエティー政策研究所所長 「朝日インタビュー」 2018/11/13

エコノミストの“Global Debt Clock”(世界負債時計)

Eric ZUESSE:「インフラに投資するロシアと中国;軍事に支出するアメリカ」 2018年11月6日 Strategic Culture Foundation

Federico PIERACCINI:  「不可侵のアメリカ-サウジアラビア関係はアメリカ帝国主義の根幹」  2018年11月4日 Strategic Culture Foundation

ヤン・ルドヴィク: "The Poverty of Statistics: Military Power、Defence Expenditure and Strategic Balance”、2014年1月  Central European Journal of International and Security Studies

エド・キャットルム:「ピクサー流創造するちから 小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法」

November 1, 2018
Rev. February 15,  2019


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