読書録

シリアル番号 1240

書名

こんなに弱い中国人民解放軍

著者

兵頭二十八(にそはち)

出版社

講談社

ジャンル

兵法

発行日

2015/3/23第1刷
2015/7/1第9刷

購入日

2015/08/08

評価



+α新書

著者は軍事評論家

近くの書店で衝動買い。

日米対中共の軍事力比較としてよく第3&4世代戦闘機の機数比較がでてくる。日本と在日米軍保有第3&4世代戦闘機総数は2014年で 607機で中共の第3&4世代機は560機。これを2019年までに中共は第3&4世代機を1,000機にするとしている。

著者は数ではなく、質で比較すれば圧倒的に日米が優勢だという。その理由はすべて技術レベルとメンタル面不にあるという。

<技術レベル>

@中共の兵器体系はロシアのもの。ロシアの兵器は米国製より大幅に劣っている。レバノンで米国製第五世代F-22 4機でロシア製ミグ 21、ミグ23、スホイ22 200機と互角と証明されている。F-22は空対空ミサイル6発、20ミリ機関砲、アクティブ・フェーズド・アレイ・レーダーで武装している。

AAWACSが後方支援してくれる

B中共には米国はホイヘンス=フレネルの原理(ホイヘンス=フレネルのげんり、英: Huygens–Fresnel principle)を使うフェーズド・アレイ・レーダーの技術提供はしないのでその性能が低く、来襲する見知るを見えない「めくら」状態であること。日 本は米国の技術がなくとも独自のフェーズド・アレイ・レーダーを開発できている。ところがカナダ軍事専門誌『漢和ディフェンスレビュー』は日本のイージス 艦と中国版イージス艦にスポットライトを当て、戦術分析を行い、中共のアクティブ・フェーズド・アレイ・レーダーは、探知距離・捕捉能力などの面で、本で 早期に就役したパッシブ・フェーズド・アレイ・レーダーを配備したイージス艦に勝っているとしている。ということは本書は時代遅れなのかもしれない。

C中共には戦闘機のジェットエンジン開発能力がなく、ロシア製エンジンのコピーを作ったがまだ寿命が短く、実践配備できていない。いまだロシアからの輸入に頼っている。

D中共の空母にはカタパルトがない

E中共にはヘリコプター製造技術がない。ロシアのヘリコプターはウクライナのMotor Sich製のターボシャフトエンジンを使っていたのでロシア自身も当分ヘリが製造できない

F戦車のエンジン開発能力不足

G旧日本軍の対潜水艦哨戒能力はまったくなかった。連合軍の潜水艦隊が豪州の西海岸のフリーマントルから出撃していたことは敗戦後初めてしることになるの だった。中共も旧日本軍と同じく対潜水艦哨戒能力なし。日本がミッドウェーで負けたのは零式三座水上偵察機が偵察員が座る後席真下の視野が全くなかったた めである。米軍はキングフィッシャー、ドーントレス偵察機を持っていたという差にすぎない。

H中共に掃海能力なし。しかし中国沿岸は水深26m以下で港口に沈底式機雷をふせつされたがすべての艦艇も商船も動けなくなる。米国にはCAPTORという対潜水艦ロボット魚雷システムがある。世界中の潜水艦の声紋を聞き分けられる。

I中共は対米および対ロシアMAD(相互確証破壊)を構築していない。その理由としては米中間に核で敵対しないとう密約があるのかも

<メンタル面>

@日本の自衛隊ではエリート将校は部隊長になることは好まず、幕僚としてキャリアを積むことを選ぶ。一方中共のエリート将校は部隊長になりたがる。なぜなら部隊長のピンハネによる経済的実入りが大きいからである。

Aケ小平は旧日本に倣い、陸軍をけん制するために海軍に予算を振り向けたが人材は陸軍から持ってきた。結果、中共の海軍は陸軍の下部組織となってしまった。



最後に、この著者は軍事オタクで視野は狭い。憲法を廃棄せよという本も書いていうようで危険人物のようだ。

Rev. August 12, 2015


トップ ページヘ