陶芸始めちゃいました

vol.5  四国・砥部の旅

1泊2日メンバー2名/犬猫庵夫妻。
目的1/砥部焼(とべやき)を見学。
目的2/山頭火の一草庵に行く。
おまけ1/道後温泉でくつろぐ。

【出発前に】還暦のお祝いということで子どもたちが四国旅行をプレゼントしてくれた。かねてより訪ねてみたかった山頭火の一草庵と砥部の焼き物の里を訪問します。

---------------- スケジュール -------------------

1日目 松山

1 3月中旬、羽田→松山空港から道後温泉へ。夏目漱石や正岡子規ゆかりの老舗旅館「ふなや旅館」に宿泊。まずは松山市内を散策し、山頭火終焉の庵「一草庵」を訪れました。庵は最近再建されたとのことですが、本当に小さな一軒家で山頭火にふさわしい佇まいでした。

松山市内

ーー分け入つても分け入つても青い山 (山頭火)ーー

一草庵一草庵1

市内見物

2 松山市内は坊ちゃんいわく「マッチ箱のような」路面電車が2系統走っており、何ともよい街並です。昨今は「坂の上の雲」の舞台になり、秋山兄弟ほかの歴史の町として脚光を浴びて活気があるので大変けっこうなことではあります。が、私にとっては山頭火と「酒を飲まぬと、筆をとる事難し」の三輪田米山の町なのです。

道後温泉

3 宿での夕食は懐石料理。食後は夕闇の道後温泉へ出かけました。手ぬぐいを手に丹前浴衣の温泉客が上機嫌で土産物屋や飲食店を冷やかし行き交います。生まれが伊東の私には、温泉街は馴染みの景色です。道後温泉のアーケードの手前に砥部焼の店を見つけました。ここは絵付けはできるが生憎なことに閉店間際。代わりに若手作家の「くらわんか茶碗」を見つけ2個入手。今は私の、毎日の飯茶碗です。

4 【道後温泉の歴史】 道後温泉は築100年以上の建物で、国の重要文化財に指定されている日本最古の温泉。銭湯感覚で入れる「神の湯」と贅沢な造りの「霊の湯」(たまのゆ)がある。湯から上がったら浴衣のままお茶を飲んだりくつろげる休憩処が3階にある。泉質はアルカリ単純泉で、ぬめりのある熱めのお湯が特長。台湾の九分と共に「千と千尋の神隠し」のモデルにもなった湯殿である。 ※入浴時間:6〜23時。年中無休。料金:神の湯400円。霊の湯1200円より。

食らわんか茶碗

5 「くらわんか」は落語の三十国船で、京から大阪への水路で、枚方あたりで小舟の商人たちが船客に「メシくらわんか」と言ってこの碗に食べ物を入れて売ったり、食後には碗を河に投げ捨てたと聞いています。高台が高く、脇から真直ぐに口縁に広がり、腰が張らない、スッキリした型が、軽快で素朴な磁器の茶碗です。ここで草紋と縞を求めました。温泉までの道すがら、土産物店が2軒ありました。近所の公園には最近の暖かさで、早咲きの桜がわずかに花をつけていました。

砥部焼の里と梅山窯

6 翌日は宿の契約ハイヤーを半日借り上げ砥部(とべ)見物。運転手は戦時中の飛行機の防空壕やとべ動物園などいろいろ熱心に説明します。  しかし当日は「春の陶器市」が砥部伝統産業会館で開催されていて、私の興味はもっぱら陶磁器のほうへ。到着するや運転手を残して早速会場へ。2階には地元窯場の陶器がところ狭しと並べられています。皿や小鉢など、目に心地よい呉須ものをいくつも買ってしまいました。砥部焼はシンプルで飽きがこず、日常使いに向いているのです。

お土産砥部焼

松山と砥部で買ったお土産はこちら四国の焼き物

7 【砥部焼の歴史】 砥部焼(とべやき)は、愛媛県砥部町を中心に作られる陶磁器。もともと砥部・外山の砥石山から切り出される砥石は「伊予砥」と呼ばれ、奈良・平安時代から有名でした。この砥石のくずが磁器の最高の原材料になりました。大須藩の庇護のもと、杉野丈助が砥部の五本松という所に登り窯を据え、試行錯誤の末の1777年(安政6年)にやや厚手の白磁に、呉須による薄い藍色の手描きの磁器作りに成功しました。

梅山窯1

8 窯場は車で回りました。陶板の道や陶祖ケ丘の陶片のレリーフを見学しました。瓦屋根付きの土塀に地元の各窯の特徴ある各品がそれぞれに表現されています。背景は砥部の山並みです。最後に登り窯のある砥部焼きの総本山「梅山窯=ばいざんがま」へ。ここは陶磁器資料館が充実、製陶場内が見学できるなど、砥部でも別格の窯元です。梅山窯の門構えや建物は砥部の町そのものの温もりが感じられました。

壁のレリーフ

壁のレリーフがいかにも陶芸の街っぽい

レリーフと窯レリーフ

古陶資料館で砥部焼の歴史が見られる

古陶博物館登り窯

梅山窯ではホンモノの絵付けを見学できる

梅山窯3梅山窯2

(上の写真は梅山窯パンフレットより© Photo-baizangama)


9 今回は滞在時間が短いため、絵付けや作陶体験はできませんでしたが、再訪の折りは、真っ白な砥部の磁器に絵付けをし、松山辺りの骨董屋をゆっくり回って見たいものです。 (犬猫庵主人)


砥部トップにもどる  ページトップにもどる


<< 前のページにもどる

次のページにいく >>