陶芸の散歩道を語らいながらご一緒に……。
東京稲城市第四文化センターの陶芸クラブの作品をご紹介します。
テーマは “私のお気に入り作品" です。
越前の焼締め花瓶
越前粗土で花瓶を作りました。
山梨にある登り窯で焼成しました。
ろくろで立ち上げ、くびれをつけ、バッテン模様をあしらいました。。
いい場所に置いてもらったので、前後に自然釉が降り注ぎ、 いかにも、という風情に焼き上がりました。 (25センチ)
小林一三 (釉の会)
とんがり屋根の寄せ鉢
サボテンや果肉植物の寄せ植えを楽しむポットです。
とんがり屋根の家におしゃれなインテリアグリーンを配置します。
作陶は、屋根や部屋はロクロで引き、屋根瓦には白土や赤土や黒泥を丸めて貼り付け、サイドにグリーンを植える箱庭を作りました。
かわいい箱庭には果肉植物などを植え、自分だけの庭づくりを楽しみます。 無機的な陶芸と植物のコラボで癒しの時間を過ごしましょう。
小鈴 美子(釉の会)
いぶし黒釉の香炉
キノコやツクシン坊のイメージで香炉を作りました。
お香を入れる器はお猪口のように。 外側は3号青磁、内側は新土灰釉。
キノコ風の帽子は黒釉で艶消しが魅力…。 森の中というか部屋の片隅に佇む様子。
何の香りか、、、キノコ帽の小穴から煙がまったりと立ちのぼります…。
小川 悦子(陶 友)
秋刀魚石版二題
備前土で厚焼き皿=石板にトライしました。
石版を高さ5センチほどの足の上に乗せて焼きました。
艶のある方は、塩水につけ、小さな敷板をマスキングにして松灰を振りました。
つや消しの方は、酸化で炭を周囲に入れ、炭化焼成しました。 よく焼けていますがずっしりとかなりの重さです。 (30センチ)
佐藤 崇倫 (釉の会)
越前焼き締め花瓶
越前土で花瓶を焼きしめました。
サヤに入れ、基本通りに備長炭を配して還元焼成しました。
予想よりはやや焦げてしまいましたが、100%思い通りにならない代わりに、思いもしない焼き上がりになるのが陶芸の楽しみです。 まあまあではないでしょうか。
金子 美江 (陶 窯)
梨釉の切り取り皿
特厚の皿が欲しいので、 黒泥土でタタラを作りましたが、 ちょっとぶ厚すぎたようで、途中で下の3分の1を糸でカット。
それが予想しないいい切り口になる。
還元で梨釉をかけたところ、今までにない大皿が出現しました。
陶芸の醍醐味は釉薬の出具合、焼き上がりに妙味があると言われますが、今回はなんと カットした皿の切り口が味わいになりました。
お刺身を盛ったら映えるかも……。 (28.5×16センチ)
山田 美沙緒 (陶 窯)
青磁釉のティーポット
古萬古の白土でティーポットをつくりました。 ロクロで成形後、イッチンで加飾しました。
H さんが 「マチ針模様」 と称してくれましたが、 なるほどです。
ティーポットや急須は、 各パーツの大きさと全体のバランス など気にかけることが多く、 納得いくものはなかなか出来ず 難しいです。
マグカップを2こセットで作りました。 思っていた色と少しイメージが違うので、また挑戦したいと思います。 (3号青磁釉/還元焼成)
篠原 直美 (うつわ)
信楽の大壺
信楽の赤土で大壺を焼き締めました。
格子の模様を彫り込みました。
紐作りで積み重ね、口縁あたりはロクロで形を整えました。
途中、良い形になっても土の重さで潰れないように気を配りました。
塩水に浸け、松灰をふりかけて景色を出します。
胴周りは赤みが、裾はやや黒く焦げが出て、
少しですが古美感が出ました。
(直径25センチ、高さ19センチ)
植野 久義 (釉の会)
白い梨の花鉢
稲城の梨釉をたっぷりかけた大鉢です。
大きな白い花を思い浮かべてして作りました。
はじめから花弁をカットするために
大きめにロクロで引きました。
土は越前に何か白土を混ぜたせいで、少し赤みが消えています。
梨釉をかけ還元で焼成しましたが、
良い具合に仕上がりました。
先輩のまりこさんのテイストが入っています。
(24センチ)
森 保子 (陶窯)
わびすけ大鉢
大鉢をロクロで引きました。
白信楽土の素焼きに白と赤の椿を絵付けしました。
透明釉を掛け、本焼き。
焼きあがった鉢に金彩を施しました。
金彩は素焼き窯での二度焼きで670度で焼きつけましたが、本来は800度で焼いたほうが良いと聞きます。
金彩の効果ですが、椿の雄しべを絵筆で描くと妙に重くなり、花びらのシンプルな美しさの邪魔をしがちですが、金彩で描くと目立たずしかしそれなりのリアリティを醸し出してくれます。
けっこう気に入っています。 (29センチ)
佐藤 崇倫 (釉の会)
さくら模様の急須
急須が好きなので時々作ります。しのはら土の白をロクロで引きました。 今回は下絵に季節のさくらの転写シートを使いました。白いフチのラインが盛り上がっていたので 花びらや蕾にピンク色を描き足しました。
透明釉にどぶ漬けですが、窯出ししてびっくり。 蓋とその周辺が御本手のような淡いピンク色に発色していました。 しのはら土は火加減で色調が変わると聞いたことがありますが、 ガス窯ならではのうれしい変化でした。
また、細かな貫入も現れてますますいい感じ。 お茶も楽しくいただけます。
梅田 知子 (薫陶)
そば流れ梨花瓶
ロクロで筒型の花瓶がスラッと立ち上がりました。黒泥土に稲城の梨釉を掛けたところ、釉が厚すぎたせいか透明感がなく白く生焼けでした。でも形が気に入っていたので二度焼きにトライ…。
口縁あたりをそば釉に浸けたところ、うまく流れて梨の白地にきれいに緑色を発色、下の梨釉のほうも少し溶けて地色が良い具合に見えるように。二度焼きですが、景色が見違えるようになりました。 (高さ16センチ)
増田 育子 (陶楽)
わら灰耳付水指し
越前の粗め土で大きめの水指を作りました。自分にとってはかなりの大きさでしたが、変形なく、蓋もぴったりでなんとか形になりました。 まずは素焼きを黒天目釉にどぶ漬け。その後わら灰を流し掛けしましたが、一度めは量が少なかったので再度重ね掛けしました。
本焼きの結果は残念と喜びの2つが現れました。残念は黒天目が真っ黒に出ず茶になってしまったこと。喜びは重ね掛けしたわら灰が見事にレース模様に流れて、しかも望外の二重に流れてくれたことです。
釉がけや本焼きの成果は本当に運まかせ? なかなか期待通りに出ないところが陶芸の一番の魅力ではないでしょうか。 (径21、高さ19センチ)
荒田 みわ子 (陶友)
焼締めの菓子器
自然な風合いの焼き締めが好きです。ロールで伸し、菱形にカットして手びねり風な丸みを出しました。土は越前の粗めだと思いますが、サヤに入れて焼いたところ黒く焼き締まり、落ち着いた菓子器になりました。
取っ手は細めのアケビをお湯に通し、柔らかくして樹皮付きのままで編み込みました。和菓子や可愛いカラフルな小さなお菓子をざっと盛り付けても似合うのではと思います。 (長径25センチ)
加川 敬子 (陶窯)
辰砂の八角花瓶
信楽の特コシ白に 辰砂釉をかけました。 よい具合に辰砂らしい色が出、 白くなった部分は青白く、 窯出し後に全体に貫入が入りました。
(反対側) 辰砂は釉のベースに銅を加え、 還元焼成で炎の状態によって窯変が起こり、 変化に富む朱紅色の発色が期待できます。
その赤はその色の違いによって、牛血紅(ぎゅうけつこう)、桃花紅(とうかこう)、火焔紅(かえんこう)などと呼ばれます。 (H18×W13センチ)
山中 美津 (土と炎)
花 器 「緑 陰」
用の器を主に造ってきたが、 久しぶりに花瓶を造りたくなった。 土は古信楽。
形と重さに注意して成形を心掛けた。 釉薬は最近そば釉が気に入って、 下地に何をと思い、 試しに梨釉をやってみた。 そば釉は見事に緑色が出る。
梨釉も薄くしたので白がまだら模様となって下地の役割をし、 そば釉とケンカしてないので 無事丸く収まっている。 (H15×W14.5センチ)
土井 一三 (陶楽)
とんぼ (カフェオレボウル)
素焼きに大好きなとんぼの絵を描きます。 青いとんぼは呉須。 赤いとんぼは陶芸の赤絵の具。 もうとんぼの茶碗や小鉢はいくつ作ったことでしょうか。30個以上だと思いますが、描いたとんぼも数知れず…。 だんだん手慣れてきて、 スイスイかけるようになったので、 とんぼもいつしかスイスイ飛んでいるように見えるようになったかな。
土は瀬戸半磁器。 ロクロで挽いてボウル状に。 本人はカフェオレボウルのつもりですが、 小どんぶりという説も。 笑
カフェオレボウルは大きめでちょっと厚めで、ぼったりとしていて、包つみこむと手のひらに温かみが感じられます。コーヒーやカフェオレ以外の用途は、やはり小どんぶりとして使うことでしょうか。
堤 栄子 (陶源)
越前の梨小鉢
日用使いの小鉢です。 お惣菜を装えば優しく見え、 スープを装えばほっこりとします。 小物ならではの味わいがあります。
土は越前の荒土で、 成形しやすさと 手触りが気に入っています。越前焼きは本来土ごころで、 釉薬をかけない自然の風合いが魅力とは思いますが、
今回は稲城の梨釉を 薄がけしてみました。 (還元焼成 14センチ)
寺尾 和子 (釉の会)
白いさんま皿
秋のさんまを自分のお皿で味わいたいと作りました。
土は京赤。 タタラに伸ばしてカット。 溝を彫り、 そのミゾがはっきり見えるように薄めの梅釉にドブ浸けしました。
裏側は付け高台で少しだけ高さを出しました。 ごく自然な感じに焼き上がりました。お魚が美味しくいただけそうです。 (酸化焼成 27×10.5センチ)
中村美佐子 (うつわ)
炭化焼き締めの香炉
白檀などを焚いて、ときにお香を楽しみます。
蓋は茶碗の形にロクロで引いて、半乾燥の状態で逆さにして煙を出す三角穴をカットします。 仕上げに摘みをつけます。
土は京赤、備長炭でサヤに入れて焼き締めますが、火の加減や炭の置き方で香炉の表情がいろいろ変わります。 でも、これはというのはなかなか出ません。 差しあげたりするのでたくさん作ります。
毛利 すみえ (陶楽)
小さなすり鉢
ごますり用のすり鉢です。とんかつソースに白ごまを加えて一緒にすったりして使う実用品です。
土は赤の1と赤の5。 口縁から1.5センチ下の見込みをクシで削り、外側に絵の具で花模様を描き、透明釉をかけました。
焼き肉にワサビ、暑い季節にはソーメンに生姜を摺ってみましょうか。
恩塚 清子 (陶源)
金窯変の兜
春夏秋冬、季節のものが好きで、五月にちなんで兜(かぶと)を作りました。
土は京赤。 さやに入れて蓋を閉め、備長炭を入れ、還元。
さや焼き締めはきまぐれ。でもごくたまに思わぬ、(ちょっと期待はしていますが)緋色など期待以上の窯変を見せてくれることがあります。
今回はなんと、 鉄分が美しい金色に発色した 金化窯変が得られました。 兜が輝いて見える うれしい贈りものです。
伊東 玲子 (陶楽)
黒陶器のお重
黒泥土で二段の重箱をつくりました。 (直径20.5センチ、高さ18.5センチ)
ロクロで成形後、いっちんで装飾し、ふたと底面に白泥を施しました。 少し乾いてから、いっちんで盛り上がったところの白泥をスポンジで拭き落としました。
苦労したのは上下の大きさを揃えること。 素焼きまではピッタリ重なっていても、本焼きでズレが出るので、いくつも作り直しました。
当作品はなんとか首尾よく重なりましたが、まだまだベストではないので、また挑戦したいと思います。 (透明釉/還元焼成)
篠原 直美 (うつわ)
愁い
壺の名前は「愁い」。 寸法は高さ38.5センチ、直径33センチ。
活花の名前は「流れ」です。
活花は昔、祖母が1年中花を活けていた影響もあり、学生時代に始めました。 若い頃は帰省するたびに活け、最近は正月に高さ50センチの壺に活けていました。 陶芸をやるようになり、いつか自分の作った壺に花を活けたいと思うようになりました。
これだけ大きいと焼くのが大変です。 陶源の皆様のご協力を頂き焼くことができました。とても感謝しています。 この花は朗読の会の発表会に展示したもので、すべて我家の花を使うことにこだわって活けました。 長年の夢がかないました。
毛利 知重 (陶源)
レースの菓子器
黒御影土をたたらにして、レース模様をプレスしました。 模様をつぶさないようにボウルに落とし込み形を整えます。
少し硬くなったら筆でレース模様に白泥を少々……。 あとは乾燥させ、素焼きを薄めの「上澄み」の梨釉にドブ浸けしました。
背景は暗い落ち着いた色ですが、白いレース模様が、ほんのり優しく浮き出て、お菓子を引き立ててくれそうです。
望月 久恵 (陶窯)
扁壷花瓶
赤土のヒモ作りで「へんこ」な花瓶を作りました。
どちらが表、どちらが裏というわけではありませんが、表は白土で象嵌ふうに、裏はベンガラで仕上げました。 土が乾燥する前に撥水剤を面で塗り、針で絵柄を刻ります。凹んだ部分に表は白土を、裏はベンガラを練り込みます。
そのあと素焼きしますと、地に絵柄が残りますので、 全体に透明釉をかけました。
植野 久義 (釉の会)
酒器とぐい呑み
秋の夜長をちびちびと愉しみたい、 で、小ぶりな酒器とぐい呑みを作りました。
土は備前。さやに入れて焼き締めましたが、自然な風合いが美しいと思います。
取手はアケビの蔓を編みましたがいまいち。(笑) 本体高さ9.5センチ。
佐藤 崇倫 (釉の会)
小さな水指
備前の土が好きです。 そしてこの形、 蓋物が好きです。 何点か作ったうちの一つ、 かわいい取手が気に入っています。
焼き締めで還元焼成。(備前土/高さ10cm、幅17cm)
何をするでもなく、ただそこに置いてあるだけで気持ちが落ち着く、お気に入りの作品です。
荒田 みわ子 (陶友)
うずまき紋の急須
急須に初チャレンジしました♪ 底の立ち上がりをずっしりしたカンジにし少し縦長に作りました。黒泥に3号透明をかけ、模様はスポンジを型取ってうずまき状にし、チタン失透釉をスタンプ。かすれ具合がシックなおもむきを出してくれました。
よく見ると取っ手が大きかったかなぁ。 つける時に気づくべきでした…。セットの湯飲みは3つ作りました♪ 同じ形、大きさに揃えるのは難しいですね。
湯切れが少し…。 注ぎ口はまだ研究の余地があり、急須は奥が深そうです。
小田 美和 (薫陶)
クマモン
かわいい動物が好きなので作品にしています。今回は熊本の人気のキャラクタークマモンをイメージして作りました。
ほっぺの赤いおてもやんがよく発色しました。ヒューステンのSC釉を使いました。全身は黒ではなく、茶が入った黒で、グリズリー(はいいろぐま)ぽくなりました。
土はトッコシ、頭と胴体はロクロでひいて接着しました。
武内 信之 (陶友)
椿の彫り小鉢
京白土で小鉢を作りました。高台を整えたあと、椿の花を浮き彫りにしました。
半乾燥状態で絵柄をあて、ボールペンでしっかりなぞります。土に写した線画をさらに彫刻刀で彫りさげていきます。ひと鉢に4つの同じ絵柄を彫りますが、3時間ほどかかりました。
このシリーズでは京白のほか赤土の鉢など都合3鉢作りましたが、一花彫るごとに少しずつ作業に慣れ、なめらかにきれいに彫れるようになりました。素焼きを透明釉に浸けました。
松下 昇 (陶源)
グラタンの絵皿
この季節、食卓をはなやかに彩るグラタン皿を作ってみました。 浅い平皿のイメージなので、本体は京赤土で型づくりしました。楽しさを表現したいので、取手はヒモを2本ひねってつけました。半乾燥で絵を描くための白化粧を施し、皿は数点作りました。
素焼きで、左右の白いキャンバスに絵の具で絵を描きます。なかなか上手く描けませんが、それでも何枚か絵付けをしているとだんだん手が慣れてきます。 このお皿がわりとよく発色してイメージに近い焼き上がりになりました。 草花をモチーフに描きましたが、赤がきれいに発色しました。
グラタンにかぎらず何にでも使えて重宝しています。
関 初枝 (陶源)
サルトリイバラの絵皿
黒い額縁のなかにサルトリイバラを描きました。
型でだ円の皿を作り、縁にコロコロで文様を彫ります。半乾燥したら真ん中に四角く撥水剤を塗り、ひっかいて筋書きで絵がらを彫ります。 素焼きしたら、彫った絵がらのスジに色を入れ、全体を透明釉にひたします。
釉が引いたころ四隅を黒天目に浸し、還元で焼成しました。額縁に入った絵のように見えるでしょうか。
植野 久義 (釉の会)
みどり梨の花瓶
たたらの板づくりです。 段ボールや厚紙で支えて板を貼りドベでつなぎました。 土は信楽白の粗目です。
素焼きを古い梨釉にドブ浸け。数分後、最初のうわぐすりが引くのを待って、2回目、同じ梨を口縁から2センチほど浸けました。 本焼窯を開けてビックリ、なんとみどり色に発色しているではありませんか。 釉をとり違えたのかと確認しましたが間違いなし。
この不思議は何年も寝かせた釉のいたずらだったかも知れません。 還元、高さ20センチ。
増田 育子 (陶楽)
サンタクロースのランプシェード
古信楽の白土で三角錐のボディーをロクロで作ります。 帽子を曲げ、目やひげをつけます。 服には模様のようにポンスで穴を開けます。 服の色はヒューステンのカラー絵の具。
黄〜赤〜青〜紫と色が変化するLEDランプを中に置くと、 サンタさんの赤い服のあちらこちらから光が漏れ、 この季節をより楽しませてくれます。
赤サンタ、青サンタ、夏過ぎからせっせと作り、 やっと今頃、友だちにプレゼントできました。
小鈴 美子 (釉の会)
ラベンダーの贈りもの
友だちへのプレゼントに香合を作り、ラベンダーの花を入れたいへん喜ばれました。ほかにも染付けの香合を作り、家でも香りを楽しんでいます
ロクロで球体を作り、少し乾燥させてからカッターで上下に切り分け、底を削りました。軽くかわいらしく作るのが大変です。
伊賀赤土に青銅マット釉。還元焼成。
清水 末子 (薫陶)
紅葉小鉢
素焼きに下絵の具で彩色し、色絵の作品に挑戦しました。
今回は色の出具合を見るために事前に酸化で「ロマンスレッド」のサンプルを作って焼成。鮮やかな赤が確認できたので本番に臨みました。
土は古信楽の細目をロクロで引きました。透明釉をかけたところ温かみのあるクリーミーな白鉢になり、紅葉の絵柄もイメージに近い色に焼き上がりました。 直径14.8センチ。
渡邊 貞信 (薫陶)
焼しめ花瓶
ロクロで立ち上げました。 気に入っているところは首と肩の段差で、角の切れ味がすっきりシャープなところです。
土は白御影の荒目。 素焼きを塩水に浸け、(黒くなっているところは)茶こしでサラサラと「土灰」を振りかけました。
表面の白いつぶつぶが不思議な肌合いに焼けました。塩水に浸けたせいなのか、どうしてこうなったのかよく分かりませんが、こんなところが陶芸の魅力なのかもしれません。 高さ17cm
綿貫 妙 (釉の会)
白信楽のとり鉢
皆が集まって賑やかに食事するときのとり鉢です。 白いうつわに合う、家内が得意の肉じゃがを意識して作りました。
白信楽土で大鉢を作り、まだ柔らかいうちに手製のコロコロで大柄な文様を押しました。
素焼きに呉須。 太い粗筆で地肌が白く残って見えるように彩色して透明釉にドブ浸けしました。 直径31センチ。
佐藤 崇倫 (釉の会)
仲良しの寄せ植え鉢
縁に子供たちが並んだ 草花の寄せ植え鉢です。
子供や孫たちが喜んでくれる陶器を作りたかったのが始まりです。 小さな孫たちが遊びまわる様をデッサンし、 イメージして作りました。
本体は信楽の赤土ほか、 子供のフィギュアは特コシ白に彩色しました。 鉢の中は無釉、 周りと子供たちは透明釉を筆で塗りました。 直径22センチ。
塚田 道子 (陶楽)
井戸急須
ロクロで立ち上げて、別途に作った部品を繋ぎました。 注意を払うのは注ぎ口です。 急須で湯だれはあってはいけません。
タテに「酸化鉄+鬼板」でラインを入れましたがコレがじんわりアクセントになって、地味にこの急須の味になっているかも知れません。土は福島釉薬の赤系の井戸土。
土灰釉をうすめにかけました。定番ですが持ちやすい、使いやすい形です。
植野 久義 (釉の会)
黄瀬戸の皿
古美感のある黄瀬戸で、気に入っています。 土は織部の白土。
黄瀬戸の作陶には通常に比べて二手間プラスされます。一つは皿の口縁の飾り加工。もう一つは絵付けです。 皿の周囲は半乾燥で手製の木綿針で削ります。本焼でここからヒビが入らないよう、ふつうの陶芸針より細めのものでていねいに刻みます。その後で高台を成形します。 絵付けは先端を細めと太めの2種類にカットした竹串で一気に描きました。
この作品は胆パンも釉薬もきれいに発色してくれ、私の大切な一枚になりました。
松本 みどり (土と炎)
飛翔文様鉄絵鉢
少し白土を加えた赤土。ロクロで中鉢に引きました。 素焼きに、濃いめのベンガラで鳥が大きく羽ばたく様を描きました。
太めの鉄絵のラインが、どぶ浸けした梨釉をおしのけて現れてくれました。
ちょっと抽象的でアートっぽい感じがして、わりあい気に入っています。 直径24センチ。
鈴木 幸子 (陶窯)
砥部風 唐草の鉢
白地に藍が爽やかな呉須絵。なかでも現代においても尚シンプルな唐草文様にこだわる砥部焼が魅力的です。 たまたま見た雑誌に載っていたので、いつかトライしようとファイルしておいた写真を参考にしました。
成形後すぐに古代呉須で文様を描きました。 呉須は濃いめと薄めの2種類を準備。 ふつうは素焼きしたあとに染め付けしますが、今回は生描きしてから素焼きし、透明釉をかけました。
素焼き前の絵付けは、素地への食いつきが良いような気してやってみました。
四つ並んだ絵付けした素地鉢。 奥の皿の本焼が下の写真ですが、染め付けが「クッキリ」ではなく「シットリ」しているように思います。
どれも涼しげなうつわになりました。上にのる素材を選びません。白、赤、黄、緑、茶、どれにも馴染みやすい食器です。
篠原 直美 (うつわ)
白マット掻き落とし花瓶
玄関やお仏壇に添えるお花を、短く切らないでそのまま大きく飾りたい。だから大きな花瓶が欲しい、そんな思いで作りました。
ロクロではとても立ち上がらない高さなので、自宅でひも作りしました。土は黒御影。白マットをかけたあと、単調なのはつまらないので、思い切って上から釉を掻き落しました。
窯から出して見ると、下から上に枝が伸び上がっているような模様に見えました。少し曲がってしまいましたが、これぐらいがいいかな、と思います。 (高さ31cm・還元焼成)
山田 美沙緒 (陶窯)
伊賀風焼締花瓶
さやに入れた焼締めは、ときに思わぬ歓びを運んでくれます。
ひところ焼締めに心躍らされた時期があり、盛んに焼締めに挑戦しました。私の方法は、下に籾殻を敷いたあと入れる炭は雑木炭です。サヤの蓋は火の通り道をわずかに開け、密閉はしませんでした。これが功を奏したかどうかは不明ですが、炎の形に驚きの金彩が出ました。
近ごろは手に取れるサイズの茶碗、茶器ばかり作っていますが、また大きな作品にもチャレンジしたいと思います。 高さ25センチ。
山中 美津 (土と炎)
柿釉の急須
わが陶楽のロクロは夜の部なので、何をつくるにも2週はかかります。まずは京赤土をロクロで引き、本体とフタを作り、翌週、口と取手等のパーツを作り合体させました。茶濃し穴は傘の柄を回し入れてあけています。穴は表側より裏側=急須の内側のほうが大切です。
柿釉は流れやすいので、腰水して腰より下に釉薬が厚くかからないようにしました。また釉がけのあと雑巾で拭いて濃淡の景色を出してみました。
急須を作るポイントは、注ぎ口の湯だれがないこと、そして軽いことです。これがなかなか難しい。いつの日か、この使い心地とデザインがベストマッチングな急須を作ってみたいものです。
土井 一三 (陶楽)
マーブリングな器たち
マーブリングとは、大理石=Marbleに似た美しい模様。もともとは水面に墨汁や絵の具を垂らし、水面に浮かぶ墨汁や絵の具の模様を紙に染め取る絵画技法です。西洋にもイスラム文化圏の精密画など、世界各国にこの技法を応用した美術がありますが、陶芸でもいろいろ工夫して楽しめます。
京赤土と京白土の2種類の粘土を練り合わせます。ロクロを引いているときは模様ははっきりしませんが、削るときれいなマーブリング模様が見えました。
同じ土で、カップと市松皿を作り、酸化と還元で色の出方の 違いも試してみました。還元では白色と灰色に出色、酸化ではクリーム色と茶色に出ました。どちらも気に入っています。素焼きに3号透明釉をかけました。
中村 美佐子 (うつわ)
焼締面取壺
壺をさやに入れ焼きしめました。
土は越前粗土。さやに籾殻を敷きつめ、素焼を入れ、まわりに備長炭を立てて入れます。これまで何度かさや焼をしましたが、炭が多いと黒くなることが多かったので、この時は炭は少なめに、スキマを空けてゆったり入れました。
窯出しでは突然現れた赤い景色にビックリ! 思わず「やった!」と心の中で密かにガッツポーズ。原因が炭かどうかはわかりませんが、こんな驚きがあるから陶芸は面白いんですね。 (高さ23cm、幅10cm/還元焼成)
森 保子(陶窯)
フクロウの八角皿
土は半磁器。 素焼きに下絵を描いて透明釉。 佐藤さんから借りた八角皿の型作りです。 (直径19cm)
無釉焼き締めが好きなのであまり絵付けはしないのですが、フクロウを描いてみました。 下絵の具はヒューステン。 やや値段が高めですが発色は良いようです。 さて、この皿に何を盛りつけようかな?
今回は還元だったので、酸化焼成でもチャレンジしたいと思っています。
小林 一三(釉の会)
春夏秋冬
土は越前と何かを混ぜた土。 酸化鉄で文字を書き、呉須でアクセントをつけました。 書いた文字が生きるように、うすめに梨釉を掛けました。
文字は、今回が初めてで、ふだん焼き物に書いたことはありません。 それはお寿司屋さんのお茶碗になるのがいやだったから…。 それがこのときはスムーズに手が動きました。 筆がうまくさばけ、生き生きした文字が書けたように思います。
主人がいままでで一番いい!、と言ってくれました。
(高さ17cm、幅14cm/還元焼成。)
望月 久恵 (陶窯)
くし目文様焼締め花入れ
高さ30センチの大物を陶楽のメンバー全員が作る。そんな命題から生まれた作品です。ふだんの自分では考えられないサイズでしたがトライしました。練習作も含めて都合3個作り、うち2個を素焼き。一番気に入った1つを本焼きしました。
土は越前の粗目。素焼きを濃いめの塩水に浸け松灰を掛けました。その灰釉はイメージ通りとはいかないものの幾筋か流れて、うれしい景色を見せてくれました。
よく、焼きしめ花器は水が腐らず花もちがよいと言われます。 私も、草花を生けるなら「花を活かすのが焼き締めの身上」との思いもあわせて作陶しました。(高さ27cm)
毛利すみえ (陶楽)
三島手 青磁抹茶碗
高麗青磁です。三島模様の菊印を押した所に白絵土を埋め込んで施釉しました。象嵌部分が上手くでき、よい茶碗になりました。
三島茶碗は、朝鮮半島の高麗朝鮮から朝鮮王朝(李朝)に転換した初期に焼かれたといいます。 成型した半乾きの土へ、草花紋を彫ったり、小さな菊花紋を押し、その上に白化粧を掛け、後にこれを拭き取り、あたかも象嵌の様相のものへ透明釉をかけて焼成します。韓国では象嵌粉青沙器と呼ばれているようです。
山中 美津 (土と炎)
具だくさんスープカップ
実家の母のリクエストで作りました。 土は京赤、梅釉を施し、酸化焼成。
薄味のみそスープ、クラムチャウダー、とん汁など、野菜やスープの具がたくさん入る便利なカップです。食事はみんなで食べる方が楽しい。そんな場面に使いたいスープカップです。
秋から来春まで、大活躍してほしいと思います。
河西 智子 (うつわ)
トルコブルーのワイングラス
ワイングラスは5脚セットです。 文化センターロビーケース展示用に作りました。 土は越前、釉薬はトルコブルー、酸化焼成です。 (直径88mm、高さ66mm)
5個の寸法を揃えるのに苦労しました。 また、トルコブルーは厚めに塗らないと色が出ず、厚すぎると流れるので注意しました。 本来ワイングラスはたてに細長いのですが、アイスクリームなどを入れても使えるよう浅く広く作りました。
嫁の妹さんが近く結婚するので、お祝いとしてあげる予定です。
毛利 知重 (陶源)
焼締めのランプシェード
土は赤5。ロクロで成形後、模様を切り抜きます。素焼きを塩水に浸け、越前灰をまぶして本焼で焼き締める。
自宅の洗面所に籐でつくった手製のランプシェードがあります。この流れとして家の廊下の足下を照らすフットランプを思いつきました。同じタイプをいくつか作りましたがいまいち納得出来ずでしたが、やっと気に入った作品ができました。ポイントはくりぬいた穴のデザインでした。
暖かみのある明かりが壁や天井に投影されとてもきれいです。 主人が電球の工作をしてくれました。
小川 悦子 (陶酔)
そば抹茶碗
土は鉄分の多いものです。釉薬は黒天目。少し生焼け気味かもしれません。
黒釉にコバルトを少し加えました。灯油窯で焼きましたがよい雰囲気が出たと思います。蕎麦とか胡麻といわれる味わいです。
金子 美江 (陶窯)
農家の香炉
香炉が好きです。ちょこちょこと農家や象さんの香炉を作るのが好きなのです。土は京赤A。素焼きを塩水に浸け、松灰を散らして焼きしめました。
以前は象さんの置物をよく作っていましたが近頃は農家の香炉です。四角い土の塊を板で叩いて三角屋根や壁を成形します。外側の形が決まったら糸で上下にカット。床下を掘り下げ、屋根の中をくりぬきます。香炉ですので天窓と床下に煙が抜ける穴を開けます。針でぐるりにドアや積み上げた薪、大八車、水車などを彫り込みました。
小鈴 美子 (釉の会)
水差し
福島釉薬の井戸土2号(中目)にチタン失透釉を刷毛塗りしました。
バーナードリーチ展を見に行き、緑の水差しが印象に残り、形も良いし実用にもなるなーと思い作ってみました。
大きさは、まあちょうど良かったのですが、ちょっと重かったかなあ。井戸土は強度がいまいちの気がしました。この手の作品を焼くには焼成時間が少し足りないのかもしれません。 高さ220ミリ、口径80ミリ、最大径110ミリ。
植野 久義 (釉の会)
鉄絵文抹茶碗
越前土の素焼きに鉄絵を描き、3号透明釉をかけました。
胴部になにげない風に鉄絵で草を描きました。偶然ですが一部に釉が抜けた赤い部分があり、これが鉄絵にからんで素朴な景色を表しています。
トウゲイには長くかかわってきましたが、今はおもに抹茶碗に取り組んでいます。抹茶碗をテーマに挑戦中です。
森本 芙紀子 (土と炎)
取手付黒天目花瓶
土は京赤A。黒天目釉にどぶ漬けしました。
黒天目の釉薬がよく溶けて黒地に黄色い斑点が景色を作っています。花瓶の口をカットしているので、花を生けやすくするために、またアクセントにひねり取手を付けました。高さ15.5センチ。
土井 一三 (陶楽)
愛陶会の人々
3年ほど前、四文の陶芸講座で講習を受けたメンバーが「愛陶」班として稲陶会に加わりました。新しく発足した班は入会当初3年間は講師がついて陶芸指導を受けなければなりませんが、私がその講師の一人として研修を担当しました。
愛陶さんは仲がよく陶芸に対する情熱も深くたいへん教えがいのある人たちでした。研修期間終了にあたり、そんなメンバーを一人づつイメージをふくらませて作品にしてみました。土は並コシ、陶芸用の絵の具で彩色、電気窯で焼きました。
塚田 道子 (陶楽)
朝鮮唐津風の鉢
土は楽白土、真っ白に焼ける少し荒めの使いやすい白土です。 このころは黒色の発色がよかったので黒釉の重ねがけにたびたび挑戦しました。素焼きした作品を黒天目にどぶづけし、続けてふちに濃いめの「ワラ灰白萩釉」を重ねがけしました。流れやすいので高台の処理は大切です。あとは窯にお任せです。
ワラ灰に行き着くまでには「うのふ」や「1号白萩釉」など、いろいろ試しました。そのうちワラ灰で焼いたとき、黒とうまく混ざり合って心躍る作品ができ上がりました。少し黄味がかってほかの白系釉とは違う味わいを見せてくれました。還元焼成。 私は本焼きの窯に入れるときはいつも「うまくいってくれますように!」と窯の神様に心の中でお願いします。
荒田 みわ子 (兎友)
フクロウの置物
旅先で動物の置物やかわいい細工ものを見て、自分でも作ってみようと思いました。手びねりでタコやカメなどをいくつも作りました。
フクロウは目が丸く表情がかわいらしいので好きです。はじめに半磁器土でロクロで丸く作り、そのあとで手を加えて目鼻や文様をつけます。白土の素焼きに呉須で絵付けして透明釉をかけました。フクロウの兄弟は爪楊枝入れになりました。
武内 信之 (陶酔)
お地蔵さんの香炉
堅く焼き締められた陶器なのに、お地蔵さんになると素朴で穏やかな姿に見えます。かわいいお地蔵さんは香炉でありオブジェでもあります。
土は越前のスイヒ細目。還元のサヤ焼成で焼き締めました。サヤ底にわらを敷き、作品を並べ間に木炭を立てて並べます。火が回るように上蓋に少し隙間を空けて焼きました。作品は備前のような堅牢な焼き上がりで、わらと炭だけで自然な色むらや緋色が出ました。
増田 育子 (陶楽)
黒天釉の花生け
水盤はわりとよく作ります。今回の作品は生け花をやっている友人のリクエストで作りました。黒天釉がよく溶けていい黒色が出ました。
土は白御影で、足だけ瀬戸半磁器で4つ。素焼きして黒天にどぶ漬けしました。水盤はたたらを真直ぐに焼き上げるのが少々難しい。素焼きで真直ぐでも本焼で歪むことがよくあるからです。底に金ラメが出ましたが、持ち上がったりせず平でよかったです。1178度、還元で棚は下から2段目でした。
藤田 恵美子 (陶楽)
織部の皿
織部の皿がきれいに焼けました。京土の白で成形。シンリュウさんの織部釉で、5回に分けて素早く施釉、夏用のお抹茶の気分で作りました。
5回の施釉というのは、抹茶茶碗の施釉で高台まわりの腰の部分が多角形に見えるようにするイメージです。見込みに釉の重なりが見えて、単調な色彩のなかに織部の緑色が涼しげに見えるのではないでしょうか。(酸化焼成で窯の棚は中段)
綿貫 妙 (釉の会)
コーヒーカップ
井戸土2号で成形、リブ(ピンキングカット)でカップの側面に歯形ラインを刻みます。素焼き後、口縁と取っ手に刷毛でベンガラを薄めに2回塗り、ジョイフルの「泥釉」を薄く吹き付けました。その後でCMCを薄く吹き付け、釉を定着させて、本焼きします。
当作品のハイライトは上絵付けの「金彩」です。 上絵付けとは本焼き後に絵や模様を描き入れることですが、本焼きで焼き上がったカップに一周、ソーサーに2周、細い筆で金のラインを描き込みます。 これを素焼き窯で再度焼き(二度焼き)、金を焼きつけます。 本来は750度前後で焼きつけたいのですが、素焼きの670度で実施したところ、まずは首尾よく焼き付けに成功しました。うまく出来てよかった!というところです。
佐藤 崇倫 (釉の会)
貝模様の黒釉鉢
貝を貼りつけたように美しくきらめく模様は、貝ではありません。白絵土が釉変して黒釉の中に輝いているのです。
赤系の土で成形。 素焼き地に白絵土で花びらの模様を配します。花びらの部分だけ筆で3号透明釉をのせます。 乾いたら釉の上に撥水剤を模様よりはみ出さないように塗ります。 そして全体に黒釉をドブ浸けしました。キラキラ輝く貝のような模様が出現しました。 白絵土の積層性質に由来したものと思われます。直径17センチ。
石川 智恵子 (うつわ)
Gオブジェ
Gの形の花器オブジェです。僕はジャイアンツファンなので、Gの字にしてみました。Gオブジェの下の小穴は、そこから水を入れて小さな野草などを活けるつもりであけたものです。黒御影土を、板作りの張り合わせで成形した後、白泥を象嵌し、新土灰釉を薄く掛けました。(還元)高さ21.5センチ
春の花を生けてみました。
植野 久義 (釉の会)
青い花柄の小鉢
乾燥前皿に呉須で見込みの縁をライン取り。 粘土が少し乾いた状態で針で模様を刻みます。下右は素焼きの窯出し。
花柄の小鉢。 土は古信楽、下絵付けは素焼き前に呉須をぬり、地色に針で花柄を掻き落としました。 透明釉をかけて「酸化」焼成。呉須が藍色に濃いめに出て落ち着いた感じで気に入っています。 直径15センチ。
中村 道子 (うつわ)
葡萄文の土鍋
わが家は4人家族なので一人用の土鍋を4つ……収納が問題です。 重ねられるよう朝顔形にし、蓋を乗せる「き」はなくても大丈夫でした。 蓋には白泥にかきおとしでブドウの葉のようなものを描きました。 素焼き後ブドウの葉にさらに酸化鉄でアクセントを付けました。 以前、この耐熱粘土は梨釉がながれてしまった事があるので注意が必要です。 今回は3号透明釉を薄めにかけて成功でした。
素焼き前の乾燥した土鍋の土はこんな色です。 粘土は耐熱粘土の赤土。
大きさ・成形時 → 直径20センチ位、高さ10センチ。 焼成後 → 直径18センチ、高さ8センチ。
大きさはちょうど良かった。水だけで900cc、うどんは二玉入ります。 先日前日の残り物のかき揚げで鍋焼きうどんをしました。 満足満足。
篠原 直美 (うつわ)
フォトクラブいなぎ写真展
稲城の40年を記録したとっておきの街風景の写真展です。稲陶会のメンバーも参加しています。ご高覧ください。 武内信之 (陶粋)
薄紫の窯変茶碗
京赤A土に青銅結晶釉をかけて還元で焼きましたが、いまいち良い色が出なかったので、再度一号白萩釉をかけて「二度焼」したところ、きれいなピンクがかった薄紫色地に緑の斑点模様が浮き出る窯変を得ましたのでご紹介します。
写真下の釉の抜けた部分が初めの青銅結晶釉の色です。
中村 美佐子 (うつわ)
黒御影の花瓶
なかなか思うような作品が創れないのが陶芸の難しさであり、それがまた楽しさでもあるわけですが、 たまに「これは」というシロモノが焼き上がります。 手前味噌ながらなかなかバランスのよい形の花瓶ができました。家の中にあって存在感を感じさせます。土は黒御影で梅灰をかけてみました。高さ23センチ。(還元)
土井 一三 (陶楽)
蛸唐草の小皿と蕎麦ちょこ
私は絵柄が好きなので古伊万里を模した絵付けに挑戦しています。蛸唐草は白いスペースを模様で埋めていく白地と藍色の均一なバランスが命です。筆に呉須をふくませリズムよく描いていきますが、蛸足のつぶつぶがうまく描けるとうれしくなります。瀬戸半磁器の素焼に古代呉須で絵を描き透明釉をかけました。絵付けに2時間かかりました。(還元)
堤 栄子 (陶源)
薬味入れ壺
昨秋、食器をテーマにあれこれ考えていたところ、ちょうどよい丸い楽しげな薬味入れが出来ました。信楽の細め土に、色の変化を求め柿釉を施したところイメージに近い微妙でなめらかな色が出ました。いかがでしょうか。(H80×W80、還元)
松下 昇 (陶源)
妻の作った花瓶
稲城の梨園の梨枝の灰から作った、梨釉をかけた花瓶です。妻の遺品の中に、稲陶会 ( 稲城在住のご婦人方で構成 ) の昭和57年度の名簿があり、当時、7班31名の方々が,第四文化センター横にあった陶芸室で作陶に汗を流していました。その中の一品です。 私は妻のお供で、益子に粘土などを買い求めに何回か行ったものです。高さ15センチ。
イノウエ くん