陶芸始めちゃいました

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vol.13  美濃・土岐・多治見の旅

1泊2日。メンバー3名/コンさん、犬猫庵、マコト。

目的1/美濃焼伝統工芸まつりをみる。
目的2/土岐市美濃焼陶芸村、荒川豊蔵資料館を見学。
目的3/虎渓窯で美濃土で作陶体験。

【出発前に】 土岐市は岐阜県の南東部、名古屋から北東へ約40キロに位置し、古くから良質な陶土が採れ、陶芸の里として栄えた。隣接する多治見市と合わせて付近一帯を美濃という。美濃とは、織部、黄瀬戸、志野焼を育んだ地方の代名詞でもあります。
 数年前(第6回)に訪れたときは、名古屋から瀬戸焼を見てから南下して常滑に遊びました。瀬戸市でも隣接するので織部、黄瀬戸に触れることができましたが、今回の土岐市,多治見市はまさにその震源地です。

------------- 美濃・土岐・多治見の旅のスケジュール ---------------

 1日目 土岐市へ行く

1 新幹線のぞみ9号(東京駅7時10分発・新横浜7:29分に乗車)で名古屋8:56乗り換えで、JR中央本線(東海)「快速瑞浪活行き」で土岐市駅へ9時42分着。駅のホームから陶芸まつりの看板がド〜ンと見えます。

土岐市駅から見た看板

 駅の正面には大きな「織部の里」の案内地図。駅前から陶芸まつり送迎用のシャトルバス(まつり中は無料)に乗り、美濃焼伝統工芸品まつりへ向います。

土岐市駅バス 地図


2 美濃焼伝統産業会館を見学。こちらは展示の部屋と即売の部屋があります。記念に大きな作品が欲しいが、重くかさばるのが難点(笑)、で結局小さな皿や茶碗になってしまうんですね。

会場実演 コヤマ片山

 美濃焼伝統産業会館を見学。10月後半の好日なれど紅葉が始まったあたりです。隣接広場ではロクロ引きの実演やスタンプラリーの抽選会をやってます。われわれもスタンプカードをもらい探索スタートです。

会場テント 織部皿2織部皿3

3 外へ出てテントが軒を並べる会場をぶら〜り冷やかします。しかし凄い数です。織部に混じって新しい焼物を志向する若い窯元もあります。じっくり味わいながら見学します。

会場マコト 会場テント

4 どれもこれも織部ってゆうわけではありません。するとあれこれ見ているうちにだんだん自分の好きな窯が、作家が決まってくるんです。

会場コヤマ コヤママコト


5 会場で美濃焼の「飯茶碗」ひとつ1500円セールが面白い。飯茶碗を買うと隣のテントで炊き込みご飯がトン汁付きで食べられます。どれも地元の青年部が作った見事な実用茶碗です。買った茶碗を自分で洗い、五目飯をよそってもらいます。自前の飯茶碗でお昼となりました。
食事由紀子の茶碗 僕が購入した茶碗は、美濃焼作家の 「鶴琳窯」の林 英樹 氏 の作品です。幾何学模様のイメージを刻み青白ビードロ釉を掛けています。現代的な美濃焼、いいですね!

鶴琳窯林英樹1鶴琳窯林英樹2

徒歩圏内で、美濃陶芸村を散策〜

6 テントが並んだどん詰まりから左の道へ。ここからはゆるやかな山道で、美濃の窯元が右に左に点在しています。窯元の自宅を展示用に解放しています。こういうアットホームな展示は陶芸まつりの最中のみの楽しみです。途中には現役の登り窯もあります。

山道 茅葺き民家
登り窯1登り窯マコト
民家織部皿
民家の中コヤマ

7 大屋根の家に入ると、ぶち抜きの大広間にテーブル展示して販売しています。ちょっといい作品は、居間や床の間の部屋に置いてありますが、どれも売り物です。おばちゃんが焼物の見方のコツや、釉がけの善し悪しを解説してくれます。

民家の中おばちゃん 民家民家の中コヤマ
棚陳列の品1棚陳列の品2


荒川豊蔵資料館に行く

8 会場の臨時駐車場でタクシーを見つけ、15〜20分で、荒川豊蔵資料館。昭和5年に荒川豊蔵が志野の古窯跡を発見し、志野焼きを再現して人間国宝に。淋しい田舎道で左右は雑木林で看板らしきものもない。やっと駐車場の看板を見つけ、薮の坂道を上っていくとやがて道になり、山道の階段の上にコンクリ造りの記念館があった。瀬戸黒茶碗「花の木」、志野茶碗「里帰り」や書画、かの有名なタケノコの志乃茶碗破片がある。(館内撮影禁止)

荒川駐車場荒川途中
荒川コヤマ荒川ドア


ジャングル風呂

9 夕飯と宿泊は、岐阜県柿野温泉のホテル八勝園(1泊2食¥12,800)です。お迎えのミニバスでなんと延々1時間乗車。送迎付きの甘言につられて申し込んだがえらい遠かった。 「泉質」は放射能泉、「効能」は神経痛、痛風、動脈硬化、貧血、慢性皮膚病など。元湯館ということで、かけ流し温泉は無色透明、ぬるぬるした感じ。温泉は熱帯雨林風のジャングル風呂で面白かった。


 2日目 多治見で美濃焼作陶

10 翌朝、ホテルのバスで、次なる目的地、多治見市駅へ送ってもらう。 その前に昨日の「土岐市」だが、駅前を中心に市内広く陶芸の町として有名だ。泉町コース、駄知町コース、下石町コースは歩いて窯元巡りが楽しめる。(濃南コースは車)。
 今回は「美濃焼伝統工芸まつり」がメインだったので、残念ながら煙突をいくつか眺めただけで土岐市の窯巡りはできなかった。 次回に。


虎渓窯 (こけいがま)

虎渓窯虎渓窯 虎渓窯の部屋

11 多治見市駅からタクシーで本日の作陶体験 「虎渓窯」 へ。ここはかなりの大窯で立派な佇まいだ。10時から12時まで(2時間)の予約で作陶します。この窯もロクロ台が本格的で「道場」という雰囲気。

虎渓窯の道場

ロクロの使い方から、絵付けまで丁寧に指導してくれます。今回は抹茶碗、志野茶碗を作ります。教えていただくのは虎渓窯・若尾兄弟の 若尾圭介さん。

虎渓窯コヤマ虎渓窯マコト 虎渓窯片山虎渓窯圭介

12 ロクロに盛られた土は中心が取ってあり、これなら誰でも中央に指を入れるだけで茶碗になりそうです。志野の土「もぐさ土」は粘りが少なくさらっとしていて、成形が楽、すぐに形になります。マコトが調子に乗ってどんどん作ります。 国宝「卯花墻」(うのはながき)のようです。コンさんも3個作りました。犬猫庵は手びねり。しかし今回はここまでで、高台と志野の釉がけは(残念ながら)おまかせです。

虎渓窯のコヤマとマコト

 志野の厚い釉を押しのけて滲み出てくる絵志野の顔料は鬼板です。かなりドロッと濃い状態で使うようです。志野釉の加減で模様が出たり出なかったりしますので、大雑把というか大胆な絵がよろしいようです。志野土は焼くと軽くなる陶土とのこと。  

虎渓窯絵付け虎渓窯ベンガラ

志野、紫志野、赤志野など釉の種類を決めます。
帰りはご親切に多治見駅まで車で送っていただきました。



◎ 3カ月後に届いた
→ 「志野焼」ほかの作品はこちらです。志野焼作品
プロの釉掛けなので、これはわれわれの作品ではありません。ご参考ということで。(笑)




11 傘が要らないほどの小雨…。多治見駅に戻ったがお昼の頃合いでお腹がぺこぺこ。織部ストリートに向う途中、駅から数分、ながせ通りにある「竹の子」といううどん屋に入る。ちょっと涼しいので、味噌煮込みうどんを頂いたが、味噌の汁が超旨かった。値段も安かったがマコトは足りない様子。この店は当たりでした!

うどんや味噌煮込みうどん


12 駅から徒歩10分、「織部ストリート」を散策。明治〜昭和にかけての陶磁器問屋が軒を並べ、かつて多治見の中心として栄えた通り。たじみ創造館、骨董屋、陶磁器店などとうじの面影を残す町並みをそぞろ歩く。犬猫は菓子屋を探している。高橋武さんの手ぬぐいで作ったのれんの店を発見! 小さなお菓子屋さんでした。

町並み1町並み2 多治見のカッパ2像

おりべかっぱ公園。その名前そのままに、織部焼きのカッパが鎮座してました。

町並み3町並み4


13 多治見駅から、ききょうバス(200円)で「多治見市美濃焼ミュージアム」を見学。「桃山を駆けたうつわ展」が開催中で一般300円。美濃焼千三百年の歴史の中で、数十年の短い期間でありながら最も美濃らしい焼物が生産された。それが桃山陶。その斬新で大胆な意匠が、今も人の心を惹きつける。美濃焼を代表する瀬戸黒、黄瀬戸、志野、織部などの桃山陶が紹介されている。17世紀、安土桃山時代の出土品は小さいながら迫力満点!織部の小皿の原点でしょう。(展示の撮影は禁止です)

美濃焼ミュージアム1美濃焼ミュージアム2

 バスで多治見駅に戻り、JRローカル線で名古屋へ。



14 いつもの阪急地下で新幹線の車内でつまむ「風来坊の手羽先」と名古屋土産を買い、構内のレストランでミソカツをいただきました。名古屋は味噌カツがホントに旨い! 大好きです!

味噌カツ味噌カツ2

「織部焼こそ日本の陶芸を確立した、 桃山時代が生んだ 我が国の世界に誇る 偉大な造形芸術です」 加藤唐九郎。

18時10分初新幹線のぞみ132号で帰京・新横浜で解散。 名人の言葉をかみしめつ、手が緑色になりそうな織部の旅でした。 




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