昔読んだ本のことを思い出しました。ある武将の奥方に、世の奥方はお幾つ位まで殿方を迎え入れることが出来るのですか?とお尋ねしたところ、奥方は恥ずかしそうに、火鉢のふちをなでながら、火箸を持ってほほを赤くして、右え左えと灰えをなでるのを見て、は〜は〜灰になるまででございまするか!恐れ入りましたと頭をたれたというお話。 私が倒れたのは55歳のときです。いい歳をして何がHだ!何がSEXだ!と言われる方がいらっしゃると思います。それは五体満足、健常者の思われることだと思います。突然機能がストップしたり、最初から機能しなかったとしたら!こんな不幸でさびしい事はないと思います。
入院中は何の心配もしていなかったのです。だって Hな本を読んだり、ヌードのグラビヤなどを見るとちゃんと反応していました。バルーンにつながれていると言うのに、カテーテルの細い部分を乗り越える勢いでしたから!しかし看護婦さんが来ると、いつも子供のおちんちんの様に萎縮してちじんでいました。
このころはHの事より、とにかく立って歩けるように、それたけしか考えていなかったように思います。人間とは欲の深いものです。それは自分なりにリハビリは頑張りました。立てれば歩きたい!少し歩けるようになれば、もっと歩きたい。そして出来るものなら、元通りになりたい。リハビリ専門病院の、入院生活も4ヶ月になり病院側から、もうそろそろ退院という事を考えて下さい、といわれ夕食後同室の3人で屋上に上がり今後の事を話し合いました。
そこでいろんなことを話し合いましたが、岡田さんは?と聞かれてとまどいました。「気になっている事があるんだよな〜」、「なんですか?」「あんた達SEX出来るの?」こうちゃん(この方大学に合格したばかり脳梗塞片麻痺)「僕は出来ると思う、岡田さん出来ないの?」斎藤さん(このかた42〜3脳梗塞片麻痺)「俺この間の外泊のときできたよ!」「それは良かったですね〜、私もこの間の外泊のとき、挑戦したけど、うまく出来なかった。」
男3人でそんな話をしていたのですが消灯時間なのでベットに戻りましたが、なかなか寝付かれません。
私は病気をするまでは、Hをするのに薬の力など借りる必要がなかったのです。そして入院中もそれなりに反応していましたので心配はなかった。しかし外泊のとき思い知らされました。家内は健常者ですから、ちゃんと感じ取ってくれます。が私はちゃんと普通サイズに勃起しているのに、家内の中に入っている事すら感じ取れないのです。倒れたときのショック、これが2回目のショックです。これで私も終わりだな!男のなりをした物体に過ぎないのかな?勃起する機能は残っているが、感覚機能がなくなっているのです。
ある時Hなビデオを見ていました。すると、おちんちんがむずむず反応して、大きくなっきたのです。あれ!と思い、なんとなく触ってみたのです。すると先端部分が少し感覚があります。前におふろに入った時射精した事を思い出しました。これならマスターベーションをするように鍛えたら、少しずつでも感覚が戻るのではないか?それからは暇を見てはマスターベーションのリハをしました。それには必ずビデオが必要でした。何日かしたときに、ついに射精しました。これは視覚によるものが大とは思いますが、射精した事は事実です。しかしまだ射精の時、あの快感は!薄いです。お風呂で射精した時とは明らかに違いました。
脊髄の梗塞したと思われる所に、つんつん!!としたものを感じました。これもリハだと思います。私は今年で62歳になりました。発病から8年です。もし若い方が、私のような病気になった時、諦めないでください。私の年でも、少しずつですが、回復しています。リハを繰り返す事が大事です。このような事は前例がないからか、本にも、体験談の中にも、書かれてありません。私も恥ずかしいのですが、これからもし発病した時は、
(特にお若い方)このようなリハをすれば少しずつでも回復する事を覚えて置いてください。
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