日本の海路を行く・・・
定期航路就航船舶の最上級船室
懐かしい船旅、今、続く船旅
写真 いずれも各船舶の最上級船室 左:<きたかみ>のスィートルーム 中:<ニューいぶき>の桟敷席 右:<ブルーオーシャン>の後部デッキベンチ席
船旅はのんびりゆったり最上級船室でリラックスタイムが素敵!
●最上級船室
1998年・夏 小生、歳も歳(^^) 何しろ五十路を越えていました。この五十路の少年、折角の機会ですから、ちょっと思い立ちぶらりのんびり船旅に出かけました。そして、始まりました<思い立っての船旅>の数々が・・・。
のんびりゆったり愉しみたいものと非日常の旅を満喫するべく、乗船する航路に就航する船舶の最上級船室の旅をすることにしたのでした。最上級船室と言っても船舶により呼称や設備はさまざま。大型船舶の豪華シティーホテルのスィートルーム並の部屋から自由席の桟敷席やベンチ席まで、その有様は千差万別。写真はいずれもそれぞれの船舶での最上級船室です。
最近の船、特に長距離フェリーは小生が若かりし頃の旅客船とは比較にならないくらいに豪華になり驚くばかりです。まるで洒落たシティーホテルにでも滞在しているような素晴らしい居住性を誇る船も珍しくありません。
船旅は思い立ったその瞬間、今度はどの航路に、どの船にと思い立ち、あれこれ考えを巡らせ行き当たりばったりのパターを描く時から始まります。度の最上級船室に乗船しようかと思いを巡らせるのも楽しみのひとつです。
●長距離航路に就航する大型フェリー各船舶での最上級船室
日本長距離フェリー協会によると、長距離フェリーとは
「片道300km以上の航路に就航しているフェリーを長距離フェリーといいます。日本長距離フェリー協会は長距離フェリーを運航する13の船会社が会員となって運営しています。」
と 日本長距離フェリー協会を紹介しているHP には記されている。
【会員13社】
新日本海フェリー(株) 東日本フェリー(株) 川崎近海汽船(株) 太平洋フェリー(株) 商船三井
フェリー(株) (株)ブルーハイウェイライン西日本 オーシャン東九フェリー(株) 九州急行フェリー(株) (株)マリンエキスプレス 阪九フェリー(株) (株)名門大洋フェリー 関西汽船(株) (株)ダイヤモンドフェリー
おおむね、これらの運行会社の長距離航路に就航する船舶は総トン数4〜5000から20000トン程度の大型フェリーである。これらの船舶には一部の例外(オーシャン東急フェリーのカジュアルフェリー<おーしゃん・のうす><おーしゃん・さうす>は全室二等寝台など)もあるが快適な上等級船室が設けられている。
なお、四国開発フェリー(オレンジフェリー) は航路(大阪・東予間238km)が300kmに満たないため協会には加入していないようであるが、就航する船舶は一万トン級の大型船で船内設備も極めて豪華に充実している。
これらの大型船舶では上等級船室(一等室、特等室、特別室など)は二名ないし四名程度を定員とした個室となっている場合が多い。上等級船室のひとりでの占有に関しては運行会社により条件はまちまち(割増料金設定など)だが、占有は各社共に可能である。
●瀬戸内海 大阪→新居浜→東予→大阪航路 オレンジフェリー<おれんじ8>特別室
写真 大阪・新居浜・東予航路のフェリー<おれんじ8>と、その特別室(特等室のさらに上等級室)
リラックス この<おれんじ8>の特別室には室内にゆったりバスタブに浸かりながら瀬戸内の眺めを楽しめる展望浴室が備えられている。最も乗船回数の多い部屋だが、この部屋に辿り着いた途端にゆったりのんびりの嬉しいひとときの始まりを覚えるマイルーム感覚でリラックスできる。
なお、この部屋残念ながらフロントビューの船窓はありません。
【関連乗船記】 ■FR−002■ ■FR−008■ ■FR−009■ ■FR−012■ ■FR−013■ ■FR−014■ ■FR−018■ ■FR−019■ ■FR−020■ ■FR−021■ ■FR−022■ ■FR−023■ ■FR−024■ ■FR−025■ ■FR−026■ ■FR−027■ ■FR−029■
●瀬戸内海 大阪←→東予←→新居浜航路 オレンジフェリー<おれんじ7>特別室
写真 フェリー<おれんじ7>と、その特別室(特等室のさらに上等級室)
ゴージャス この<おれんじ7>特別室には室内デッキ(写真右)がある。足下までの畳一枚以上もあろうかと思われる大きな船窓がふたつもある。さらに船室内にももうひとつ。三つの大きな船窓のある開放的な船室である。
乗船口からエスカレーターでロビーに至り案内所でルームキーを受け取ると三階の部屋の場合はバリアフリーで階段を昇降することもなく絨毯の敷き詰められた広くゆったりとした通路を進むと部屋に至る。同じ三階にレストランなどもあるのでご年輩の方やハンディキャップの有る方にはお勧めである。
なお<おれんじ7>の特別室は四階に二室、三階に二室の計四室がある。船舶の構造上、船首近くにある特別室は三階の部屋は四階の部屋より船首に近い部分がやや狭い。
この部屋も小生にとってはなじみ深くマイルーム感覚でくつろげるお気に入りの部屋である。が、<おれんじ8>の特別室共々室内に冷蔵庫はない。豪華な羽布団ののベッドだがマットの上には直接シーツが敷かれていてベッドパッドはない。ロッカーに予備の毛布が用意されているのでこれを敷き込むと快眠できる。(^^)
なお、この部屋も<おれんじ8>同様に残念ながらフロントビューの船窓はありません。
【関連乗船記】 ■FR−002■ ■FR−008■ ■FR−009■ ■FR−012■ ■FR−013■
■FR−014■ ■FR−018■ ■FR−019■ ■FR−020■ ■FR−021■ ■FR−022■ ■FR−023■ ■FR−024■ ■FR−025■ ■FR−026■ ■FR−027■ ■FR−029■
●瀬戸内海 神戸←→東予←→新居浜航路 オレンジフェリー<おれんじエース>特別室
写真 南港北端から接岸中の<おれんじエース>
写真 <おれんじエース>特別室2号室室内
普段は標記の通り神戸・東予・新居浜航路に就航しているのだが過日下り二便<おれんじ7>のドッグ入りに伴い代船として運行されていたときに乗船が叶ったときの様子である。
特別室2号室は4F左舷側の最前方の部屋である。レストランから再び案内所前のロビーに戻り優雅な曲線を描く階段を上る。左舷側の通路を進み部屋に至る。
ライトが仄かにしか点灯されていなかったこともあってか確かに狭くてちょっと古めかしい感じはする。けれども雰囲気はそれほど悪くはない。ひとまず室内を一巡。トイレと一緒になったバスルームもビジネスホテルのユニットバスのようなシンプルさだが悪くはない。何よりきらびやかさがなく落ち着いた内装はむしろ雰囲気がいい。
前回の<おれんじ8>では待望のベッドパッドも敷き込まれていたからこちらにも大いに期待してベッドのシーツを捲ってみたが、こちらは残念ながら期待はずれ。オレンジフェリーお得意?のマットレスにシーツの直敷きであった。
ライティングデスクの上に置かれたアメニティーの内容、お湯の入ったポット、トレーに乗せられた煎茶のティーバッグにフェリーせんべい、茶托に湯飲み。TV、TV台に収められたビデオデッキ、浴衣にバスタオル、ドライヤーなどは<おれんじ7><おれんじ8>とも変わりはない。もちろん救命胴衣もちゃんと収められていた。予備の毛布もロッカー内に置かれていた。要するに他の二姉妹に比してちょっと、いやかなり狭い他は何の遜色もないのである。
【関連乗船記】 ■FR−030■
●太平洋 名古屋→大阪→那覇・那覇→名古屋航路 有村産業クルーズフェリー<飛龍>スィートキャビン
写真 クルーズフェリー<飛龍>の舳先とスィートキャビン(特等室)
コンパクト 船首ブリッジ直下の角部屋で眺めはいい。が、空調は簡単には出来ない。クルーにお願いして天上を開いて・・・と大騒動になる。(^^) 船窓はフロントビューとサイドビューの両方にあって眺めは素晴らしい。
室内の設備、什器、備品は前述の空調を除き必要且つ充分である。この船のパブリックスペースの豪華さと比すれば少々狭小感は否めないが快適な部屋である。
【関連乗船記】 ■FR−004■
●太平洋 名古屋←→仙台←→苫小牧航路 太平洋フェリー<いしかり>スィートルーム
写真 仙台港の<いしかり>と、そのスィートルーム(特等室のさらに上等級室)
毎年華々しくフェリー・オブ・ザ・イヤーのグランプリに輝いている定期航路フェリーの雄、太平洋フェリーの<いしかり>のスィートルームです。ゆったりのんびりゴージャス。極めつけは太平洋を眺めながらゆったり入浴できる展望風呂。
写真は左から、仙台港接岸中の<いしかり>・ゆったりしたツインベッド・バーカウンターコーナー・展望浴室室内・ライティングディスクコーナー。
【関連乗船記】 ■FR−005■ ■FR−011■ ■FR−016■ ■FR−017■
●太平洋 名古屋←→仙台←→苫小牧航路 太平洋フェリー<きたかみ>スィートルーム
写真 仙台港の<きたかみ>と、そのスィートルーム(特等室のさらに上等級室)
スイーティー 好みは人それぞれであろうが、インテリの趣、居住性の良さ共に、この部屋は小生は特に気に入っている。ベッドから見られるTV、ゆったり寝ころべるソファが二台直角に設えられテーブルを挟みゆったりとした椅子を配したリビングコーナーにも大型TVとTVが室内に二台ある。バーカウンターも室内の一角にある充分にゆとりのある広さが心地よい。船窓はフロントビューとサイドビューの両方にあって眺めも素晴らしい。
部屋の居住性、船内サービス共に抜群だが、スィートルームのあるデッキは独立していて狭い急な階段を上って至る。14000トン級で船幅約30m全長約200mの大型船であるからレストランへも100m近い距離。足腰に自信のない方にはお勧めできないかも。(^^) でも、日頃運動不足気味のお方にはおすすめです。
【関連乗船記】 ■FR−005■ ■FR−011■ ■FR−016■ ■FR−017■
●太平洋 大阪←←志布志航路 マリンエキスプレス<おおさかエキスプレス>特等室
写真 大阪南港かもめ埠頭でのフェリー<おおさかエキスプレス>と、その特等室
シンプル こざっぱり清潔感の漂う居心地のいい船室。前方船首方向の傾斜した壁面が印象的。
【関連乗船記】 ■FR−006■
●太平洋 大阪←→志布志航路 ブルーハイウエイライン<さんふらわぁえりも>特等室
写真 大阪南港かもめ埠頭での<さんふらわぁえりも>と、その特等室
シンプル すっきりとしたシンプルな構造の船室。壁際のソファは三人で使用の場合はベッドになるソファ。船室は最上級船室にしては珍しく船体中央部にある。
【関連乗船記】 ■FR−006■
●太平洋 大阪←→高知航路 大阪高地特急フェリー<フェリーこうち>一等特別室
写真 <フェリーこうち>一等特別室
コンパクト ベッドの上の毛布は花毛布に飾られていた。こんなベッドメーキングがされている船室は初めてだった。(^^) サイドビューの窓際にはこじんまりとした三点セットも置かれている。
【関連乗船記】 ■FR−015■
●太平洋 大阪←→高知航路 大阪高地特急フェリー<ニューかつら>一等特別室
写真 <ニューかつら>一等特別室
ノスタルジック 懐かしい思いのする船室。おせいじにも素晴らしいとは言えないが・・・。同航路の<フェリーこうち>の最上級船室も同等級の一等特別室だが大違いである。(^^) 船室は最上級船室にしては珍しく船体中央部にある。
【関連乗船記】 ■FR−003■
●瀬戸内海・周防灘 神戸→今治→大分・大分→松山→神戸航路 ダイヤモンドフェリー<スターダイヤモンド>特別室
写真 <スターダイヤモンド> 左:大分港にて 中左・中右・右:特別室(左舷側前方角部屋の特別室2)の内部
写真 <スターダイヤモンド>特別室内の表示
特別室は狭い通路の奥まった一角にありドアを開いてはいると傍らにバストイレがあり、その前方に肘付き椅子ニ脚とテーブルの三点セットが大北フロントビューの船窓の手前に配されている。
船室内には他の船舶ではよく見かける案内ブックやパンフレットなどの類が何も無い。デッキプランやTV番組案内な夜間航行時のカーテン閉鎖の注意書きなどはいずれもプレートが壁面に貼り付けられていた。ロッカーは衣服を収納するためにあるのだがその上に救命胴衣の収納部分があるが「緊急時以外は開けるな」とコピーされた紙で封印されている。
何とも合理的な印象の漂う何の変哲も無い、よく言えばすっきりとした、悪しく言えばまったく味気ないそっけない広い部屋に過ぎない。定期航路の船舶内でのサービスは運行会社ごとに大いに異なる。船室にその会社の考え方が漂うものである。
このダイヤモンドフェリーはかなり合理的な考え方に徹している様子が伺える。可も無く不可も無く、まぁこんなものかと言った感じの印象を抱く。なお、この部屋残念ながらサイドビューの船窓はありません。行く手を眺めるだけです。
【関連乗船記】 ■FR−028■
●短距離あるいは近距離航路に就航する小型船舶の多くには、船室に等級別はなくそのいずれもが最上級船室
短距離あるいは近距離航路の就航する船舶には小型の高速船や旅客船、貨客船、フェリーなどが、その航路の状況に応じて投入されているようである。
これらの船舶には多くの場合、等級設定はなく全席自由席となっていることが多い。ここに掲載している船舶は総て自由席の船舶である。従ってこれらの船舶の場合の最上級船室は桟敷席であれ椅子席であれ、デッキのベンチ席であれ、それら総てが最上級船室(席)である。(^^)
●瀬戸内海 黒島←→大島航路 新居浜市営渡海船 フェリー<大島丸>
写真 大島港でのフェリー<大島丸>と、その桟敷席&椅子席
桟敷席と椅子席がある。デッキにもベンチが設えられている。この<大島丸>は普段は予備船として大島港に停泊しているのだが僚船が故障などの時には運行される間もなく使命を終える老巧船である。わずか十五分の航路であるが黒島の港から始まる暖かな人の心には感激しきり。大らかにほのぼのとした趣の漂う思いがする。この航路、何と乗船料は片道大人40円<日本一安いフェリー。
【関連乗船記】 ■FR−020■ ■FR−021■ ■FR−027■
●瀬戸内海 観音寺←→伊吹島航路 観音寺市営貨客船<ニューいぶき>
写真 観音寺港での<ニューいぶき>と、その桟敷席&椅子席
200トン足らずの小型船ながら三階層の構造で一階は綺麗な桟敷席、二階は椅子席、三階はまた桟敷席とバラエティーに富んだ船室がある。
旅客船? と記したのは、旅客船ではあるが後部デッキにバイク積載設備、さらに荷役用クレーンを備えていて貨物も積載しているからである。
小型船ながら船室の多様さには目を見張るモノがある。
【関連乗船記】 ■FR−023■
●瀬戸内海 丸亀←→広島航路 広島汽船旅客船<はつひろ>
写真 広島の江の浦港停泊中の<はつひろ>と、その船室
ミニミニ 僅かに16トンの小型船。中央に通路を挟み両サイドにロングシートの椅子席。後方デッキには中央のドアを開いて出られる。
小型船にしてはと言うべきか、小型船であるが故なのか、船室に至る段差は各所にあり上り下りして船室に至る僅かな間も何ともバリアフルな船だ。
【関連乗船記】 ■FR−024■
●瀬戸内海 丸亀←→広島航路 備讃フェリー<びさん2>
写真 広島の江の浦港へ入港するフェリー<びさん2>と、その船室
前方を眺望できるロングシートの椅子席と後方には桟敷席が設けられている。客室へは急勾配の階段を上って至る構造になっているのだが、階下車両積載デッキの傍らにはベンチを配した小部屋が設けられている。階段の昇降に支障のある人たち向けの特別室。
【関連乗船記】 ■FR−024■
●瀬戸内海 本島・牛島航路 本島汽船旅客船<ブルーオーシャン>
写真 本島港での旅客船<ブルーオーシャン>と、その船室リクライニングシート座席と後部デッキベンチ席
2002年1月就航の新造船で船室は狭いがゆったりとしたリクライニングシートが並ぶ。船尾のベンチ席が特等席か?(^^) 巡航速度も小型船舶としては21ノットとかなり速く乗り心地は丸でモーターボート感覚。
特筆すべきはハンディキャプのある人たちにも優しいバアリアフリーな構造を誇っている。
【関連乗船記】 ■FR−024■
●瀬戸内海 丸亀←→本島航路 本島汽船フェリー<まるがめ>
写真 本島港停泊中のフェリー<まるがめ>と、その船室
ゆったりとした前方&両サイドが全面窓で眺望の良い船室。瀬戸大橋に最も隣接した眺望絶景の航路を行くために配慮されているのか、さらに階上には展望室もあり前方のデッキには双眼鏡までもが備えられている。
季候の良い季節には瀬戸大橋見物をたっぷり満喫できる前方デッキでの双眼鏡かじりつき席が最上級船室(席)かも。
<びさん2>と同様に客室へは急勾配の階段を上って至る構造になっているのだが、階下車両積載デッキの傍らにはベンチを配した小部屋が設けられている。階段の昇降に支障のある人たち向けの特別室。こちらには確か「シルバールーム」と入口上部のプレートに表示されていた。
【関連乗船記】 ■FR−024■
●瀬戸内海 大部←→日生航路 瀬戸内観光汽船フェリー<ひなせ>
写真 大部港入港間近の<フェリーひなせ>
写真 <フェリーひなせ>の船室 左:最上級船室一等室<四階デッキ中央にある隔離部屋?(^^) 中左:二等船室 中右・左:デッキの椅子とテーブル
最上級一等船室は四階デッキ中央にある。が、階下三階の二等船室のほうがゆったりのんびりしている感じ。船室の後方にはゆったりとしたラウンジがあって回転椅子を六脚配した大きな円形テーブルを挟む席が三つ、それに長椅子ベンチが数列配されていて喫煙スペースとなっている。
最上級船室一等客室には人の影はなかった。入り口も開放されていて一等室利用は別途料金を売店で支払うことになっているようだが、出入り自由と言った様子であった。
穏やかでそよぐ潮風も心地がいい季節には外部デッキの椅子とテーブルが最上級船室のようだ。(笑)ちなみにこの船はどこもかもピカピカに掃除が行き届いている。新造船であるが、それにも増してクルーの方々の気配りの賜物ではないだろうか。わずか一時間の航海だが船内では何処に居ても心地のいい絶賛に値する船である。
【関連乗船記】 ■FR−025■ ■FR−026■
●瀬戸内海 高松←→池田航路 小豆島国際フェリー<第32こくさい丸>きりんの船
写真 <第32こくさい丸> 左:高松港での接岸中の姿 中・船室内客席 右:プールサイドを思わせるサイドデッキ
客室は等級差はなく総て二等船室なのだが、ゆったりくつろげる最上階ラウンジ、リクライニングシートの前部客席、ゆったりとしたソファの中央客席、客席後部左右の席では足をのばしてくつろげる桟敷席などもあり思い思いに過ごせる。BSデジタル対応でクリアな映像のテレビも楽しめる。
【関連乗船記】 ■FR−026■
●瀬戸内海 岡山←→土庄航路 四国フェリー<おりんぴあ>
写真 左:新岡山港の<おりんぴあ> 中左:前方ラウンジ 中右:客室 右:後方デッキのベンチ席
車載甲板から勾配の急な階段を折り返し三階へ上ると客室のある階。船室内は前方が展望ラウンジ兼スナックになっていて中程が窓側から二人掛け、三人掛け、四人掛けのベンチが並ぶシート席となっていた。後部デッキからはさらに階上へ上る階段があって上は展望デッキになっていた。
【関連乗船記】 ■FR−025■
定期航路に就航する船舶はいわゆる豪華客船やクルーザーとは異なり、主として移動手段であるために船舶そのものには結構乗船客を意識した楽しみの多い設備などが整っているモノも多が概してソフト面のサービスはあまり期待できないことが多い。これがまたマイペースで過ごせる気楽さにも繋がるとも言えるモノではあるわけだが・・・。いわゆる公共交通機関のひとつとの位置づけが妥当であろうと思う。
従って豪華客船並の乗船客をもてなすソフト面のサービスを過剰に期待するのは禁物といえる。運行会社の企業姿勢、クルーの人たちの意識などによっても船舶毎の趣の格差は良きにつけ悪しきにつけ大きいと言わざるを得ない。
けれども、そんな中で毎年「クルーズ」誌のイヤー・オブ・ザ・フェリーでグランプリに輝いている<いしかり>を運行する太平洋フェリーの充実した旅客サービスは特筆に値する。また昨年は長距離フェリーの仲間外れ?(^^) にされながらも同じく8位に浮上していいる<おれんじ8>も群を抜いている。
つまり最上級船室での船旅も一概に豪華な部屋、美しい部屋、設備の整った部屋だけでは必ずしも大満足に至るとは限らない。PCと同じで 「ソフトがなければただの箱」 なのである。
そう言う意味での小生の独断と偏見に満ちた総合評価ではここでは
新居浜市営渡船 黒島・大島航路の予備船として間もなくその使命を終えようとしている<大島丸>
に最上級の船旅の感激をもたらしてくれたグランプリ特別賞を捧げたい!(^^)
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