■FR−017■
太平洋  名古屋←→仙台←→苫小牧  富良野・美瑛・十勝
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写真 往路仙台入港時の<きたかみ>の舳先

2001年 初夏 ふらっと富良野へ・・・

                      

●航海 往路・伊勢湾→太平洋 復路・太平洋→伊勢湾
@★★★★★ 往路 名古屋→仙台→苫小牧航路 太平洋フェリー<きたかみ>スィートルーム104号室 昼夜便
 総トン数:14,000.00 全長:192m 旅客定員:842名 航海速力:24.0ノット 主機 (最大出力):28,800馬力 車両積載数:トラック176台・乗用車150台
A★★★★★ 復路 苫小牧→仙台→名古屋 太平洋フェリー<いしかり>スィートルーム100号室 昼夜便
 総トン数:15,000.00 全長:192m 旅客定員:852名 航海速力:24.0ノット 主機 (最大出力):29,540馬力 車両積載数:トラック176台・乗用車150台

●旅程 船中二泊・富良野二泊・船中二泊 六泊七日
第一日目 京都→名古屋→名古屋港金城埠頭→
第二日目 →仙台港→
第三日目 →苫小牧港→札幌→富良野
第四日目 富良野→美瑛→十勝→富良野 終日北の大地観光、大自然満喫
第五日目 富良野→札幌→苫小牧港→
第六日目 →仙台港→
第七日目 →名古屋港金城埠頭→名古屋→京都

 

ふらっと富良野へ、そして美しい美瑛の丘、雄大な大自然の営み十勝岳を巡って・・・

 ラベンダーの季節にはちょっと早いと思いつつも思い立ったが吉日。ふら〜っと富良野へ出かけることに・・・。例により北海道までの往復に太平洋フェリー利用で名古屋・苫小牧間を往復。苫小牧から富良野までは札幌で乗り替えのバスにて。富良野で二泊となるものの初日は夕方着、翌日丸一日のみ観光で翌々日朝には帰路にと言うことで富良野一日観光船中四泊現地二泊計六泊七日の優雅?な旅とあいなりました。

 

●第一日目 名古屋から

●往路 名古屋→ 太平洋フェリー<きたかみ>
 京都から名古屋というのは時間距離で言えばかなり近い。新幹線「のぞみ」なら僅かに三十五分、のんびり「こだま」でも一時間も要さない。名古屋駅から太平洋フェリー乗り場の名古屋港金城埠頭へはJR、地下鉄、バス乗り継ぎで行く方がはるかに時間を要する。一度この経路で行ったことがあるが乗換の度の階段の上り下りの多さにも参って、以来、ここはちょっと贅沢かもと思いつつも以来何時もタクシーでの移動にしている。約4,500円前後。
 名古屋駅地下街で味噌カツやきしめんを食べるのもちょっとした楽しみ。今回も味噌カツなどを少々食べては行った。が、どうも今回はいつも以上に食欲旺盛の気配。(^^)
 と言うことで、タクシーで名古屋港金城埠頭ターミナルビルに到着したのは出港20:00の約一時間前午後七時頃のこと。乗船申込書に必要事項を記入して窓口で往復乗船券をゲット。既に乗船は始まっていたので直ぐに乗船。初めて太平洋フェリーの船旅をしたときの思い出の船<きたかみ>でなんだか懐かしい気分。船室も初乗船の時と同じスィートルーム104号室。すっかり勝手に我が家に帰ったような気分でご満悦。
 さっぱりシャワーで汗を流すと出港三十分前のドラ、煙草一服のうちに同十五分前のドラの音。間もなく出港だ。(^^)
 静かに岸壁を離れ、舳先をゆっくりと旋回させた<きたかみ>は暫くは迷路の運河のような港内をゆっくりと進む。湾岸道路の大橋を潜り、東からの水路が交わるところで左へ旋回すると間もなく港を後に伊勢湾を航行する。今宵は伊勢湾の夜景を眺めながらのディナーバイキングと、くつろいでいたガウン姿を着替えレストランへ。にこやかなクルーのもてなしはさすがに太平洋フェリーと何時も感心するのだが、こと<きたかみ>はなかでもさらに心温まる思いがするように思う。太平洋フェリーにあっては小生お気に入り一番の<きたかみ>の所以でもある。
 ゆっくりディナーを済ませても、また船室に戻るにはまだまだ夜更けまでには時間がある。今夜はホールでマジックショーが上演されるということであった。レストランからラウンジへ、開演まで少々時間があるのでちょっとデッキへ出て夜風に当たり、その後、マジックショーを楽しむ。観客は疎らだがマジシャンは一生懸命に演じてくれて結構楽しませてくれる。既に伊良湖岬を巡り太平洋へ出た頃であろうか。波は穏やかなようだ。
 ショーを見終えて部屋に戻る。静寂の中、船旅の醍醐味【超のんびりりらっくすたいむ】のひとときである。幾時をぼんやりと過ごしたのか、やがて夢の中であった。

 

●第二日目 太平洋を行く

●往路 →仙台→ 太平洋フェリー<きたかみ>
 目覚めると船窓の外は朝陽に輝く一面銀輪の海。この海の眺めが確かに間違いなく船旅の最中であることを実感させてくれる。順調に航海は続く。ゆったりとゆっくりとした時の流れに身を任せ朝食を済ませる頃には九十九里浜沖辺りに差し掛かっているのか・・・。何処でもいいのだ。今、何処を航行しているかと言うことなどは問題ではない。今、この時、船旅最中であることが唯一無二の心地いい現実である。昼食もレストランで満喫。食った、食った・・・。食う、どうしてなのか分からないがとにかく今回は体調も快調、食い気もりもり。
 程なくブリッジ見学の案内アナウンス、僚船<いしかり>と離合する時を捉えてのことである。今回はブリッジ見学はパス、船室で昼下がりの昼寝。これがまた心地いい。(^^) 目覚めてまどろむうちにやがて仙台湾へと進む。仙台湾は湾と言うにはちょっと大きすぎるのではないかと思う。港へ入港していく光景を舳先越しに眺めていると本州へ向かって一路突進と言った感じで、大海原から一直線に港を目指し続けるからである。どんどん沿岸に迫ると、やがて港内へ。
 定刻17:00、仙台港入港接岸。ここでは三時間の停泊。一旦下船して港の前の公園をのんびり散歩する。
 定刻20:00、仙台港出港。一路苫小牧へ向かう。
 やっぱりいいですねぇ、太平洋フェリー。のんびりのんびり、それにしてもいつものことなのだが太平洋フェリーの苫小牧航路というのは誠に不思議な航路で二泊三日があっという間に過ぎてしまう。

 

●第三日目 苫小牧から札幌経由、富良野へ向かう

●往路 →苫小牧 太平洋フェリー<きたかみ> あっと言う間に苫小牧・・・
 朝日に輝く太平洋の海面を眺めながら朝食バイキング。そして、のんびりアフターコーヒー。
 やがて苫小牧に入港は定刻10:45。降りなければならないので止むなく下船。

 ここ苫小牧フェリーターミナルからは札幌行きのバスが連絡している。ターミナルビルを出ると右手に幾つかのバス停が並んでいる。そのうちのひとつが札幌行きであった。
 幾度か訪れたことのある苫小牧港なのだが、何だか凄く新鮮な印象を抱く。そうだ、何時も辺りは真っ白の銀世界だった。ところがこの日はもう雪はない。前の広場は一面緑の芝生。北の大地、北海道にも初夏が訪れていたのだ。

●そして、富良野へ
 
のんびり待つこと一時間余り。札幌行きの高速バスに乗車。今までは冬場ばかりの北海道で雪景色しか知らない小生にとっては緑いっぱいの北海道は何故か非常に新鮮な印象。苫小牧から札幌までの高速道路は緑いっぱいの原野の中を走破する。四十分あまり、札幌のインターを降りると市街地をのろのろ走りやがて札幌バスターミナルへ到着。
 JR駅近くのPCショップにちょっと所用があって立ち寄り、富良野行きのバスに乗車。札幌から滝川までの高速道路は苫小牧かかの高速道路からの眺めとは異なり、ところどころに人家や牧場、水田などが巡るのどかな草原地帯の様相のところが多い。

路線バスで苫小牧から札幌乗換で富良野へ・・・
 富良野バスターミナルに到着したのは午後四時前。電話連絡した今宵の宿コテージ「ゆうゆう」のご主人が4WDで迎えに来て下さって食事は自炊と言うことで食材の買い出しへ。初めに生協、とにかく規模の大きいことには驚き。
 ご主人のお話に寄れば
「炭火焼きバーベキューがいいでしょう。」
 と言うことでご主人に選んでいただいた毛ガニをまずはゲット。十勝牛のステーキ用肉、函館のイカ、ボタン海老、アスパラ、しいたけなどいずれも道内産の食材を購入。次に引き続き農協へ、こちらでは同じく、ご主人の超おすすめ味付けラム肉と四つ葉バター&牛乳をゲット。
 ゆうゆうへの帰路、セブンイレブンで歯ブラシを購入<普通の歯ブラシのつもりで購入したが何とこれはイオンはブラシだった。
 ゆうゆう到着、午後五時過ぎ。ひとまず部屋にて一服。部屋(コテージ)の向かいにちゃんとバーベキュー用の小屋が設けてある。そこで炭火を起こして置いて下さることになり一休み。徐に食材を部屋の食器に盛りつけて小屋へ向かう。こういうところでの食事はまた大いに食欲をそそるモノで、あれこれたらふく思いの外たっぷり食することが出きるものである。それにしても美味い。絶品だぁ!<富良野のラム

 

●第四日目 富良野・美瑛・十勝巡り

●富良野・美瑛・十勝
 カッコー、カッコーと時を告げる鳩時計のような鳥の声に目覚めると、窓の外から聞こえる森の中のみみずくのさえずりのようであった。爽やかこの上ない大自然の中での目覚めに感激しきり。ひとまず朝の散歩に辺りを一巡り。朝食に昨日買い求めて置いたアスパラと毛ガニのバター炒め、これまた絶品。四つ葉バターをたっぷり塗ったパンと牛乳とで朝食を終えアフターコーヒーでまどろむ。
 今日は一応終日唯一の観光の日。思い立っての船旅を初めて以来、このような終日観光の一日は初めての体験。昨夜、宿の帳場でもらったパンフレットを頼りに出発。終日北の大地のドライブの始まり。
 富良野と言えば富田ファームかと、まずは富田ファームに向かう。確かに美しい、綺麗・・・。しかし、と思いを巡らせると何故か人工的な趣を感じてしまうのは小生だけなのだろうか? そんな思いを残し富田ファームをあとにして美瑛の丘へ向かった。
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写真 二枚とも:富良野「富田ファーム」に咲く花

 そして美瑛の丘へ。雄大な丘陵一帯に絨毯をパッチワークのように敷き詰めた光景は印象的な眺めであった。ふと富良野で覚えた作為的人工的感覚は否めないものの美しさは確かに広がっていた。
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写真 五枚とも:美瑛の丘

 雄大に広々と広がる来たの大地の丘陵地帯。ものの見事に綺麗に絨毯を敷き詰めたように耕作されている畑作地帯なのだが、それのパッチワークのような丘を巡る農道が整備されている。この道路が今や観光道路となって多くの人々が訪れているのである。ところどころには休憩できる施設や展望台などもあるし、レストランや喫茶店なども点在している。人工的に整備された大地なのだがそれなりの優美さは一見の価値は充分にあるのであろう。ひとやすみした丘で見かけたじゃがいもの白い花にふとドイツの丘陵地帯の情景が重なった。パッチワークの丘と呼ばれる辺りの丘を巡り、峠を越えて谷間の道で目に付いた牧場が経営しているらしいレストハウスでコーヒーブレイク。店の前の丘に斜面に設けられていた手作りの木のテーブルとスツールで爽やか緑の中、ひときわ美味かった阿。最後の丘を抜けると美瑛の街並が視界に。
 街へ入る直前の橋の手前から左折してパンフレットの地図で目星をつけておいたピザハウスへ到着。昼食とする。丁度旬のアスパラとホタテ貝のトッピングのピザを注文。使われていたチーズも北海道産のモノであったのだろうか食べるのに忙しく問い忘れていた。アフターコーヒーのエスプレッソもしっかり美味い。こちらではちょっぴりイタリアの雑木林の中のレストランでの情景を思い浮かべていた。
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写真 二枚とも:美瑛から十勝岳への直線道路 左は散策路、右が道路
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写真 二枚とも:十勝岳遠望

 十勝岳へ向かう。美瑛の丘から降りて町中をでるとさしかかった道は約20kmほども延々と真っ直ぐ続く直線道路。高速道路ではない、いわば北の大地を開拓するために整備された農道であったのに違いないと思うのだがとにかく真っ直ぐ、真っ直ぐ続くのだ。さすがに北海道、対向車なども殆どなく快適に快走。やがて前方に十勝連峰が迫る辺りでようやく山麓に差し掛かるかと見え直線の道とは別れを告げる。迫る大自然!
 その辺りに、綺麗に整備された休憩所があった。道幅が広くなっていて路肩に駐車スペースが設けられている。東屋のような洒落たベンチなどが配されたところもあり道路と平行して自転車道路なのか、遊歩道なのか、林の中へ続く道もある。どちらにも車もなく人影もない。ここでは何となく、ふと、行ったこともないカナダの森を思い浮かべていた。小生は自他共に認めるヘビースモーカーなのだが大自然に圧倒され今朝ほどからは数本数がかなり減っていた。思い出したようにここで吸った三本の煙草の味わいは格別であった。
 それから前方に見える十勝連峰を目指し山裾を行く。やがて道路は森の中を曲がりくねるようになり道は坂道続きとなって高度を増してくる。振り返ると延々と原生林なのか、広大な緑の海が続いていた。行く手には十勝岳の岩肌が迫る。
 そうだ、北海道だ! 今し方まで富良野で、美瑛で何故か心をかすめていた思いが一気に吹き飛んだ。人の手が加えられていないそのままの自然、これこそが北海道だ、大自然だ・・・。ただその一言の雄大な北海道の姿を実感する。やがて、噴煙を吹き上げる十勝岳の雄姿、光景が眼前に迫っていた。そして十勝岳展望台に至る。道すがら見下ろす限り広陵と連なる原生林の林は感動の眺めでもあった。その感動とは異なる活きた大地の鼓動が聞こえるような剥き出しの岩肌が視界一杯に広がり、その上に青い空を我が物顔にした十勝岳が吹き上げる噴煙がたなびいていた。
 うん! 俺は見た、大自然・・・。そんな思いを何よりものおみやげに十勝岳を後にする。再び森の中を曲がりくねる道を下ること暫し。やがて平地に出て富良野へ戻る国道に出た。右手に午前中に巡った富良野丘が美しく夕映えに映えている。

富良野の宿コテージ「ゆうゆう」
 夕暮れの頃、富良野、美瑛、十勝岳を巡ったこの日の観光を終えて宿に戻る。昨日同様に炭焼きバーベキューの準備を主人にお願いしてひとまず部屋に。まだまだ、たっぷりあるラム肉、アスパラなど食材を皿に盛り上げバーベキューの準備。食った、食った、食った。余るに違いないと思っていたラム肉もすっかり平らげた。
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写真 富良野で二泊した宿「コテージゆうゆう」の宿泊したコテージ 他に本館に隣接して二棟ある。

 コテージ「ゆうゆう」はサラリーマンから起業されたご主人が十数年前に開業されたらしい。ご家族で経営されていて心暖まる家庭的なサービスが嬉しい憩いに満ちた癒される宿である。清潔感の漂う室内、食材などを持ち込み自炊を原則にするとはいえコーヒーやお茶、調味料なども調理器具や各種の食器類などと共に部屋には整えられていて嬉しい気配りがなされている。バスも二十四時間給湯されているしトイレも水洗で清潔である。
 宿から少し離れた所には農場もあり、季節毎に色々体験も出きるとか。機会があれば農場も訪れてみたいが、ふらっと富良野はそう再々機会には恵まれそうにない。
 お勧めしたい宿のひとつだ。

 

●第五日目 帰路へ

●富良野→札幌→苫小牧→
 富良野の二度目の朝も鳥のさえずりに心地よく目覚めた。残り物の食材で朝食を済ませようとしていた頃、部屋の電話が鳴った。宿のご主人からの電話で
「朝食が余分になりますので宜しければご一緒に如何ですか?」
 と何とも嬉しいお心遣い。既に用意を済ませていたので丁重にお断りしたが感激。
 精算を済ませおみやげにラベンダーの目枕を買い求め宿をあとにバスターミナルへ。札幌へは二時間のバス。そうだ、北海道産じゃがいもを食ってないと思いつつ札幌到着後、サッポロビール工場跡に設けられているビアパークへ。幾種類かのランチメニューからひとつを選びポテトグラタンも一緒に注文。また食った食った・・・。嬉しいことにアフターコーヒーはセルフサービスのドリンクスタンド、つまり飲み放題。と言っても精々二〜三杯が限界だが。
 食後は腹ごなしを兼ねて大通り公園まで散策、ベンチでゆっくりまどろぎ苫小牧行きのバスの時刻に合わせバスターミナルに戻り札幌をあとにした。緑迫る高速道路、所々にアカシヤの木が目立つ。午後五時頃、苫小牧港に到着。

●復路 苫小牧→ 太平洋フェリー<いしかり>
 この時期はまだ太陽が沈んでいなくて往路到着時と同様に雪のない苫小牧を見て再び妙に感激。港の前は周回道路の中に一面芝生が敷き詰められていて緑いっぱい、ついついちょっと歩いてしまいました。ゆっくり乗船手続きをして売店で美味しい支笏湖の水(小さなペットボトル、これは船内では売っていないので)を買い求め乗船。スィートルーム100号室は右舷。前回も<いしかり>では同じ部屋で勝手知ったる・・・。<きたかみ><きそ>とは異なり広々とした印象の部屋である。この<いしかり>の両舷側にあるふたつのスィートルームだけは浴室が展望風呂となっていて快適である。が、間取りやインテリアについては人それぞれの好みもあるだろう。小生の場合はこの100号室も嫌いではないが落ち着きとくつろぎの観点から言えば<きたかみ>に軍配を揚げたい。
 <いしかり>は苫小牧出港を定刻19:00に出港した。今回は富良野から札幌、札幌から港までバスで移動してきたので乗船前のショッピングの機会がなかった。出航後、間もなくレストランでバイキングの夕食とする。海は穏やか・・・。

 

●第六日目 太平洋航海

●復路 →仙台→ 太平洋フェリー<いしかり>
 目覚めたのは釜石沖辺りであったのだろうか。部屋での目覚めのコーヒーブレイクの後に、レストランへ行き右舷川の窓際の席で朝食をのんびり楽しむ頃には牡鹿半島辺りにさしかかっていた。
 定刻9:00仙台港入港。ゆっくり下船して港前の公園を散歩の後、ターミナルビルに戻り仙台名物の牛舌と長ナス漬を買い求める。ちょっと早めに乗船、定刻12:00出港前にレストランへ向かう。出港時の仙台港では狭い水路の中で180度方向転換して出かける様子が楽しい。見晴らしのいいレストランの窓からは港界隈の様子を一巡できるし、方向転換を終えて前進を始めると遠ざかり行くターミナルやビルを暫く見送ることもできる。午後二時過ぎにはブリッジ見学、丁度その間に離合する仙台へ向かう<きたかみ>と離合する。これも太平洋フェリーのサービスのひとつでブリッジでは航海士が互いに船舶電話で連絡を取りながら間近ですれ違うように接近し合って行き交う。
 この船旅最期の夕食は船内売店で買い求め「ふぇりかクラブ」(船内コーヒースタンド)で暖めてもらったイカ飯、焼きおにぎり、枝豆、それに仙台停泊時に買い求めておいた長ナス漬。リビングのテーブルに並べると結構豪勢なものである。(^^) レストランでの食事とは異なりガウン姿でくつろいで勝手気ままなスタイルで食えるある意味お気楽極上ディナーである。
 ルームサービスでもあればもっと気楽でいいかとは思うが・・・。それが無く、総てを自分でやらなければならいのも定期航路の特長のひとつ。運動不足にならない所以のひとつでもある。(^^) ラグジュアリーシップでの豪華なクルーズとはひと味違う豪華さとでも言うべき我が身に優しいクルーズと相成ります。おかげさまで、広い船内を行き交い、あれこれ自分でやっているうちに心地よい疲れも覚えますから夜もぐっすり眠れるというわけ。(^^)

 

●第七日目 あっと言う間の一週間

復路 →名古屋 太平洋フェリー<いしかり> そして、船旅はお終い。(^^)
 穏やかな太平洋の夜明け、ふらっと出かけた船旅も残すはあと僅かに三時間あまり。目覚めの朝シャン、コーヒーブレイク、デッキでの深呼吸・・・。そして、伊良湖岬を回り込み伊勢湾に入って静かに航行する頃にはゆったりとレストランでの朝食。やがて、前方に港の入口が近づいてくる頃、戻った船室では最期のまどろみのひとときに浸っています。
 定刻09:20名古屋港に到着。延々四十時間近い船旅の筈なのにどうしてなのか太平洋フェリーの二泊はあっという間の船旅。六泊七日の旅、そうなんだ、一週間が経過していました。全くそんな実感がありません。精々二〜三泊程度のようにしか感じられない不思議な思い。そんな、大満足大満喫、心地のいい船旅は終わりを告げた。背後に遠のいていく<いしかり>に別れを告げながら港をあとにして名古屋駅へ。数時間の後、非日常から日常への回帰を余儀なくされていた。

 

●余談 太平洋フェリーに抱く印象他
 いつものことながら何故船中二泊があっという間に過ぎるのか、解けない謎(^^) それほどに心地いい船旅なんです!
 北海道は広いですねぇ。滅多に使わない携帯電話(PHS)なんですが、富良野の宿は圏外、富良野・美瑛・十勝と観光中も、苫小牧←→富良野のバスも、みな圏外でした。(^^)

 

■後日追記 2002年 初春 3月初旬
 この時、ふらっと富良野へ出かけてから、まだ一年も経ていない。なのに、遠い昔のようにも思われる不思議な記憶の中にこ旅はある。寒くない北の大地を初めて体験した旅であった。苫小牧港に降り立ったときにターミナルビル前の広場が緑色の絨毯を敷き詰めたようで目にしみて印象的であった。
 富良野の二泊は瞬く間に過ぎて、帰路の苫小牧→仙台→名古屋もいつもにもまして瞬く間に時が過ぎ名古屋港金城埠頭に降り立ったときには六泊七日の長旅がまるで嘘のようであった。心地よい時の流れを過ごすと言うことは正にこのようなときのことを象徴するに相応しい言葉ではないかと思う。それほどに歌の文句ではあるまいが「時の流れに身を任せ」ることのできた印象深い旅であった。

 

@A太平洋フェリー

 

2001 H13
■FR−015■  ■FR−016■  ■FR−017■  ■FR−018■  next02.gif (38489 バイト)■FR−019■  ■FR−020■  ■FR−021■  ■BANGAI-2001■
2002 H14
■FR−022■  ■FR−023■
  ■BAGAI-2002A■  ■BANGAI-2002B■
■ORANGE ROOM■
■FR−024■  ■FR−025■  ■FR−026■  ■FR−027■  ■FR−028■

思い立っての船旅 今世紀・2001-200X