 
暑かった夏も過ぎ、思わず外出したくなるような気持ち良い季節。
我が家も毎日、公園に出掛けるのが日課となった。
夏休みに新しい体験が出来ればと、いろいろ連れ回した結果、
結局、近くの公園でのびのび遊んでいるいるのが一番楽しそうだと気づいた。
とくに３歳の次女Ｌは、もっぱら公園派だ。
朝起きると、いきなり「ママ、今日はれ？」と、聞いてくるL 。「うん、良いお天気だよ。」と、答えると、
「じゃあ公園、行けるね。ねー、行けるでしょう？」となる。
「そーね、行こうね。」と私。
しかし、人一倍せっかちな彼女、姉の６歳のEが幼稚園へ行く前から、そわそわと支度を始める。
ポケットに何やらモクモクと入れ始め、「準備、オッケー。」と、
パンパンにふくらんだポケットで立ち上がる。
 「ポケットに何入れたの？見せて。」と、聞けば
出てくる出てくる、ハンカチ、ちり紙、
ドングリ、紙せっけん、指人形、折り紙、シャボン玉、
ビニール袋や虫のミニ図鑑まで、、、。
彼女の頭の中は、
公園での計画でパンパンに膨らんでいるようだ。
こんなLが、朝から不機嫌になるのが雨の日。
「傘さして、自転車で行けば、大丈夫。」
「ビチョビチョになったら、タオルで拭けば良いよ。」と、何とかして、外へ連れ出そうとする。
公園にピクニックに行く予定だった先日、朝起きたらドシャブリの雨。
昨夜から楽しみにしていた、Lは心底がっかりしていた。
あまりの落胆ぶりにかわいそうになった私。
「それじゃー、今日は２かい公園へ、
ピクニックに出掛けまーす。」
と張り切ってお弁当を作り始めた。
「２かい公園ってどこ？雨ふってるよ、ママ。」
と言う娘達に、
「家の２階が今日は公園になりまーす。」と、
宣言した。
おべんとう、水筒、フルーツ、おかしとしっかり揃えて３人で２階へ。
いつも、布団を敷き詰めて寝るだけの部屋もきれいに片づければ、また別の雰囲気が出るもの。
中央にバスタオルを敷いて、小さなテーブル囲んでのピクニック。
子供達とたのしい食事が出来れば、何処にいたって幸せ、、、と、胸がいっぱいになる私。
そのうち、子供達も私のペースにのってきた。「ママー、ほら噴水があるよ、この公園。」と、Eが言えば、
「あーワンちゃんが来たー。かわいいね。おいで、、おいで、、、。」とL。
彼女達の想像力は、どんどんエスカレートしてきた。そして、バーベキューを始めたよう。
ミニテーブルがバーベキューコンロとなり、壁に貼ってある２人の描いた絵の中から、材料を取ってくる。
「セミもおいしいのよね～、焼きましょう。」「この小鳥も、焼いて食べましょう。」
「この犬も、おいしそうよ～。」「あら、お日様も食べちゃいましょうよ。」、、、と、
すごいバーベキューパーティーとなってゆく。
私を置き去りに、盛り上がる２人を
眺めながらついウトウト、気が付けば２時間も昼寝。
子供達は、、と見れば、「あっ、ママ、起きたの？
公園に汽車が来たよ。」と、枕やクッションを並べ、
ミニSLごっこ。まだ盛り上がっていた。
夕食前まで、２階公園にこもりっきりの私達を、
帰宅した主人は不思議そうに、眺めていた。
「また明日も、２かい公園いきたーい。」と、目を輝かせる娘達。
ほのぼのと、心が温かくなる雨の日だった。
♪文とイラスト ｙｕｎ ♪
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