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平成12年度 高等学校教員資格認定試験 情報

2001年8月14日 Ver1.00
2001年8月15日 Ver1.01 出題範囲、勉強用テキスト、合格ラインを追加

試験日
一次試験 平成12年9月10日
二次試験 平成12年10月筆記21日面接22日

教員資格認定試験に今年から新しい科目「情報」が追加された。
一次試験は9月10日に行われた。
試験は全国4ヶ所で行われて、私が受験したのは、東京の学芸大学だった。
一般教養と、教職についての試験が午前中行われたが、私は教員免許をもっているので
午後の教科に関する科目だけ受験した。
早めに家を出て、立川駅から中央線に乗ろうとしたが、電車が事故で不通になっていた。
いったいどうしようかとかなり焦ったが、10分程待つと電車は動き始めた。
武蔵小金井で降りると、駅前からバスに乗った。
まだ、午後の試験には1時間近く間があるのに、バスには受験生らしい手荷物を持った男女が沢山乗り込んできた。
バスが動き始めても、参考書を広げて勉強を続ける姿が、あちこちで見られた。
大学の門を入って試験場に入ると、大勢の若い女性達が試験場から出て帰り道を歩いて来た。
私はちょっとびっくりしたが、どうやら午後の試験のない看護の受験生らしかった。
看護の受験には看護婦の資格がいるので、女性達はみな看護婦さん違いないと思った。
試験会場の一階の控え室にはもう受験生が沢山入っていて、席に座って勉強をしていた。
受験番号と教室の対応を指示した張り紙の前には大勢の人だかりができていた。
いったい何人くらい受験するのかと、受験番号を確かめると学芸大学の会場だけでも、
700人近くが受験するらしい。
これでは、時間ぎりぎりに試験会場に着く予定で家をでた受験生は駅でバスに乗ることができず、慌てふためくことになるに違いないと思った。
私は家を出るときに近所のコンビニで買ったお弁当を大学の庭で食べてから、教室に入った。
試験が始まるまでの時間は、いつものことだが気分が重くてもう資格試験など受けるのはこれで止めにしようといつも思ってしまう。
問題用紙が配られて、あとは試験が始まる時間まで時計の針が回るのを見つめるのもひどく気分が滅入ってくる。
時間になって開始の合図があり、問題を開けて一通り全部見た。
学習指導要領についての問題がかなり難しそうだった。
それに考えて答えないといけない問題も多そうな気がした。
時間切れで全部答えられないと言うような事に成らなければいいと思った。
一通りすぐに答えられる問題をかたずけて、それから簡単な計算問題も解いて、
あとは、考えないと答えられない問題をやさしそうなものから解くことにした。
どれから手をつけていいのかは迷ったが、適当に選んでは考えてみた。
難しくて手のつけられないような問題でなければと思いながら、解いてみると結構簡単に答がでた。
思ったより順調に残りの問題をかたずけて、全部を解き終わると時間がかなり余った。
ようやく、これなら一次は通りそうだと思えてきたので、やっと気分が落ち着いてきた。
試験が終わって、帰ろうとすると、試験問題は持ち帰って構わないという。
前年までは、持ち帰りは不可だったので、これにはびっくりしたが、喜んで持ち帰る事にした。
大学の門を出るとほとんどの人達がバス停とは逆の方向に道を曲がって行列を作って歩き出していた。
私は、いったいどうゆうことなのだろうと不思議な気持ちでバス停でバスを待った。
バスはすぐに来て、受験生を沢山のせると、その次のバスで私も乗り込んだ。
バスの通り過ぎる道筋には、さっき大学の門を出た人の列が駅までづっと続いていた。
私はようやく、受験生の大部分がバスには乗れないと思って、駅まで歩き始めたことに気が付いた。
家に戻って一休みしてからインターネットで検索するともう回答速報が、有志の手でアップロードされていた。
問題を確かめながら自己採点してみたが、30問中に不正解はあっても2問くらいだった。
あとは、マークシートのマークミスさえなければ一次は通っていると思った。
それから数日の間に検索を何度もかけると、回答速報は他にも数点アップロードされていた。
しかし、いくつかの問題の回答については意見が分かれていて、どれが正解かはわからなかった。

試験から一ヶ月程すぎた10月の6日に、結果が郵送されてきた。
合格していれば、二次の受験票と、試験案内が入っているので、封筒は厚いはず。
落ちていれば不合格通知一枚で薄い封筒なはずだと思った。
封筒がかなり厚かったので合格かなと思ったが、封を開けて中を確かめるまでは不安だった。
中に入っていたのは合格通知だった。
あとは、2次試験を頑張ろうと思った。

二次試験は10月21日と22日だった。
最初の21には筆記の試験が行われた。
午前中には教科に関する科目IIのAとBが実施された。
私は午後の科目、図形と画像の処理とプログラミングが免除なので、
午前の試験が終わると試験会場を出て、大学の門まで歩き始めた。
すると、ずいぶんと大勢の受験生が私と前後して門の方に歩き始めていた。
午後の図形と画像の処理の試験はCG検定の二級か一級をもっていないと免除にはならない。
おもったよりも、CG検定を持っている人が多かったのだと思いながら、門を出て帰りのバス停にならんだ。
しかし、一緒に歩いてきた人の列は、バス停の前で曲がるとそばのコンビニに一斉に流れ込んでいった。
お昼のお弁当を買いに行く受験生の列だったのだ。
こんなに大勢が一斉にコンビニにお弁当を買いにいけば、コンビニにある食べ物はすぐに全部売り切れになってしまうに違いない。
お弁当など、途中で前もって買っておけばいいのに、ずいぶんと準備の悪い受験生達だと思った。
結局バス停に並んだのは私一人だけで、私はすぐにバスに乗った。

翌日は面接が残っているだけだった。
私は滅多に着ることのない、背広とネクタイ姿で家を出た。
面接は家が遠い順に済ませるらしくて、私は家が近いので、最後の方だった。
遠方から来ている人は、21日に面接があり、一日ですむように配慮されていた。
しかし大部分の人は二日目に回されていた。
昼過ぎに控え室に入ったが、まだ面接まで1時間もありあまり受験生はいなかった。
時間とともに受験生が教室に入りはじめて、時間ぎりぎりには席に座りきれない受験生が、教室の後ろに立ち並んだ。
前日の試験の疲れのためか、疲れ果て机に倒れ込むようにしている受験生もいた。
面接は8人づつの集団面接で、私の組は一番最後だった。
私よりも家が近い受験生もいたようで、私は最後から5番目だった。
始めに、一人で長く話を続けないように試験官から注意を受けた。
どうやら、延々としゃべり続ける受験生がいるらしい。
質問は2問だけで、最初は試験を受けた動機についてだった。
この質問では、自分がどうして教師になりたいのか、
どうして情報の授業を教えたいのかを熱意を込めて答えないといけないようだった。
一人づつ順に答えて、次はどんな授業をしたいかという質問だった。
簡単な質問だったが、受験生はすこしでもいい印象を与えようと必死で、
かなり長く答えを続けていた。
8人全員が答え終わるのに全部で40分近くはかかった。
しかし考えてみれば一人5分なわけで、それほど長く話をしたわけでもなかった。
試験が終わって教室をでると、もう面接は全部終わったらしくて、
どこにも受験生の姿はみあたらなかった。

合格発表は官報に掲載されることになっていた。
12月15日金曜日の官報に掲載されることが、事前に分かった。
官報はインターネットでpdf形式で入手できる。
私は朝起きてすぐにインターネットにアクセスした。
しかし、まだ9時をすこしすぎた時間だったので、まだアップロードされてはいなかった。
私は、立川駅まで気分転換に買い物に行くことにした。
いったい何人合格しているのだろうかと合格者の数が気になった。
合格者が多ければ、私もなんとかまぐれで合格しているかもしれない。
もし、合格者が極端に少なければ私が合格しているはずもないだろう。
昼近くに家にもどって、もう一度インターネットをアクセスすると、当日の官報はもう掲載されていた。
私は、胸をどきどきさせながらフイルをダウンロードした。
アクロバットリーダーを起動して、ファイルを開けて見ると、すぐに私の名前が目に入った。
私は合格者の一番最後だったために、合格者リストの一番目につきやすい所に私の
名前が書いてあったのだ。
私は、名前を探す手間が省けてほっとした。
受験番号を確かめると私と一緒に面接を受けた残りの7人は全員不合格だった。
結局の所、合格者の数は結局37人だけだった。
1次試験の受験者は全国で1100人近かったはずなので、
予想よりはずいぶんと低い合格率だった。
私は、よくまあ合格できたものだと一安心した。
その日は、それから何回もパソコンを起動しては、ファイルを確認した。
何度見ても、私の受験番号と名前は、すぐに目に付くところに表示され、
合格に間違いはなかったが、それでもなんども繰り返して確かめた。

出題範囲

試験の出題範囲はは試験の案内にも記載されているが、
一次試験ではコンピュータ関係の以下の資格試験の試験範囲からの出題が多い。
問題は個別に見ると、難しく思えるかもしれないが、これらの資格試験では、
頻出問題であり、決して難易度は高くはない。
事前にこれらの資格を取得しておくことが望ましい。
平成12年度の試験問題については、文部科学省のホームページに掲載されている。
ただし解答は掲載されていない。
それ以前の試験問題については、持ち帰りが禁止なので、
受験者の記憶を元にした再現問題がいくつかのホームページで公開されている。
また、模範解答も、その他のいくつかのホームページで公開されている。

一次試験の出題範囲に対応する資格

基本情報処理技術者(旧二種)
初級シスアド
マルチメディア検定3級
CG検定3級
情報処理活用能力検定(J検)3級、準2級

また他に学習指導要領解説情報編からも出題される

二次試験については、

学習指導要領解説情報編及び、
学習指導要領に記載された指導内容に対応する、情報処理の各分野

から出題される。

勉強用テキスト

一次試験については、上記資格の自習用のテキストを適当に選んで勉強すればよい。

二次試験については

システム開発、データ通信、インターネット、コンピュータグラフィック、マルチメディア、アルゴリズム、
などの学習指導要領に記載されている各分野についての市販の解説書から、
適当なものを選んで勉強すればよい。

上記のテキストのほかに学習指導要領解説情報編を熟読し、
主要な部分を丸暗記しなければならない。
私が使用したテキストは以下の通りであるが、情報関連に関しては、
同様の内容のテキストが多数あるので適当なものを選べばよいだろう。

学習指導要領

高等学校学習指導要領 平成11年3月 大蔵省印刷局 520円(税別)
高等学校学習指導要領解説情報編 平成12年3月 開隆堂出版 90円(税別)

教科書

デザイン技術 コロナ社(文部科学省著作教科書)

経営情報 実教出版
情報デジタルコミュニケーション CG-ARTS協会 1500円(税別)

教師用解説書

先生のための教科 情報 マニュアル 日本文教出版
改訂対応 高校新教育課程編成の手引き 明治図書 1800円(税別)

情報関連の参考書

パターソン&ヘネシー コンピュータの構成と設計第2版上 日経BP社 4400円(税別)
パターソン&ヘネシー コンピュータの構成と設計第2版下 日経BP社 4800円(税別)
コンピュータアーキテクチャー オーム社出版局 3700円税別
入門ビジュアルテクノロジー通信プロトコルのしくみ 日本実業出版 1600円(税別)
入門ビジュアルコンピューティングここからはじめるデータベース 日本実業出版 1500円(税別)
図解でわかるソフトウェア開発のすべて 日本実業出版 2500円(税別)
まるごと図解最新TCP/IPがわかる 技術評論社 1980円(税別)
情報がひらく新しい世界ー3 情報化社会と情報倫理 共立出版社 2400円(税別)
第2種重点ガイド3アルゴリズムとデータ構造 日本経済新聞社 2400円(税別)
第2種重点ガイド5情報システムの構築 日本経済新聞社 2300円(税別)
ライブラリ徹底研究情報処理技術者試験3徹底研究アルゴリズムとデータ構造 サイエンス社 1900円(税別)
情報処理活用能力検定準2級テキストコミュニケーション 実教出版 1600円(税別)
情報処理活用能力検定3級テキスト情報リテラシー 実教出版 1800円(税別)
モデルシュミレーション技法 共立出版 2400円(税別)
デザイン編CG標準テキストブック CG-ARTS協会 3000円(税込)
技術編CG標準テキストブック CG-ARTS協会 3000円(税別)
基礎・技術要素/システム編マルチメディア標準テキストブック CG-ARTS協会 3000円(税別)
コミュニケーションデザイン編マルチメディア標準テキストブック CG-ARTS協会 3000円(税別)
社会編マルチメディア標準テキストブック CG-ARTS協会 2000円(税別)
画像処理標準テキストブック CG-ARTS協会 3000円(税別)

科目ごとの合格率および合格ライン

はっきりとした根拠があるわけではないが、試験問題の難易度や、合格者数
から概算すると科目ごとの合格率は次の値程度と思われる。
また合格ラインは各科目とも60点程度と思われる

一次試験
教職に関する科目  3割〜4割程度
教科に関する科目I 6割〜7割程度

2次試験
教科に関する科目II 3割〜4割程度
図形と画像の処理  2割〜3割程度
プログラミング   2割〜3割程度

口述試験 合格率不明

一次試験については、出題範囲を一通りまんべんなく勉強すればだいたいは合格できるであろう。
最終的な合格率が極端に低いのは、図形と画像の処理、プログラミングの2科目を免除されない受験生が多いためと思われる。
特に図形と画像の処理の免除に必要な、CG検定2級または1級の資格所持者が極端にすくないようだ。
CG検定2級はそれほどには難しくない試験なので、是非とも事前に取っておくことが望ましい。




他の資格試験 受験記

情報処理技術者試験 初級シスアド
情報処理技術者試験 基本情報技術者(旧二種)
情報処理技術者試験 ソフトウェア開発技術者(旧一種)

CG検定 画像処理検定 3級
マルチメディア検定3級
CG検定 画像処理検定 2級
マルチメディア検定2級
CG検定1級
画像処理検定1級

情報処理活用能力検定(J検)2、3級
情報処理活用能力検定(J検)準2級
情報処理活用能力検定(J検)1級

パソコン利用技術者認定(PAT認定)3、4級
パソコン利用技術認定(PAT認定)2級
パソコン利用技術認定(PAT認定)1級

高等学校教員資格認定試験 情報処理初回
高等学校教員資格認定試験 情報処理二度目
高等学校教員資格認定試験 情報技術