後記 2001-06-30


 

 「文学者掃苔録」もようやく一区切りの時がきました。このページを開設して、ちょうど6年の歳月が流れ、念願であった「石原吉郎」のページを掲載することができました。およそ文学とは縁のないことどもで糧を得ている身であり、取材編集も遅々として思うに任せません。ただ歳月だけが二百数十名に及ぶ作家たちの足跡、生き様を浮き上がらせてくれました。その間、多くの方からの励ましや、情報のメールでどれほど勇気づけられたかしれません。本当にありがとうございました。
 先日、「文学者掃苔録図書館」にも掲載しております佐佐木茂索氏のお身内の方からメールをいただきました。私がそのページに記した---人に乞われるとよく書いていたといわれる歌がある。「人みなの命亡ばば亡ぶべし、おのが命に恙あらすな」・・私にその真意は解らない。茂索氏の意は彼自身の生き方が証としているのだろう。----というコメントについてのご指摘でした。

 氏の未亡人である泰子夫人(現在83歳になられるそうです)が『人みなの命亡ばば亡ぶべし、おのが命に恙あらすな』と茂索が好んで書いたという話を時々聞くたびに、病気で入院していた方に送った言葉なのに・・・と嘆かれるそうです。あの歌は、まだ生存中から一人歩きしていたそうで、あまりにも自己中心で冷酷だと本人に,抗議の手紙がきたこともあるそうです。もう亡くなって35年近くなり、そんなエピソードさえ消えていくとは思いますが,本人はビジネスマンと言うよりいつまでも青年みたいな正義感にあふれる人で、本人の生き方とはまったく関係がないということを伝えられました。

 先日手に入れた鷲尾洋三著「回想の作家たち」に佐佐木茂索氏の 遺言のことが書かれてありました。退職慰労金の全額が、心身障害児など、気の毒な子供のための施設に寄付され、故人の「文芸春秋」の持株全部が、額面価格で全社員に譲渡されたと。そのすがすがしさに感じ入ったのは著者ばかりでなく、私も同感いたしました。

 ご指摘のあった言葉について、何の疑いもなくある資料から引用しておりましたが、ことほどさように世の中には、どれほど多くの誤解・誤記が流布していることかしれません。今後の「文学者掃苔録」編集の心として、しかと念じていきたいと思っています。これから先、どれほどの年月、「文学者掃苔録」を続けていくことができるかはなはだ心許ないのですが、末永いご支援をよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

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