砕氷船へ!

 網走駅で、観光案内所に飛び込む。宿の手配やら何やらを済ませ、砕氷船(流氷をかち割りながら進むことの出来る船)の乗り場への行き方を教えてもらう。
 宿で荷物を下ろし、市内で軽く昼食をとり、非常食を買い込んで「砕氷船ターミナル」行きのバス(網走駅から、30分に1本の割合で運行している)に乗り込む。

 …非常食?と思われた方は、なかなかスルドイ!
 実は砕氷船、無理して厚い氷の真っ直中を進むと、ハマって時折、耐氷型巡視船(南極に行ってしまうようなごっつい船だ!)が助けに来てくれるまで一昼夜を船内で明かさなきゃならないこともあるというのだ。
 これは!と、意気込んでお茶とともに買い込んだのさ(写真)。


 網走に来る前の週に、観光案内所に電話をかけた。
 興奮しながら「来週行っても、流氷って見られますよね?!」と、まくし立てる私に、冷静に一言。
 「今日はありますけど、明日には無いかもしれないですし、『見られます』と断言は出来ません。」

 そ、そんなバカな。
 1日で氷の一団が、きれいさっぱり姿を消すもんか!お姉さんの言葉が、右から左に抜けていく。


 確かめてやる!

 新聞の話が本当らしく、網走港にはびっしりと流氷が押し寄せていた。しかも、あまりにも流氷が押し寄せすぎていて、びっくりするような張り紙が…。
 やっぱり、お姉さんの話はウソだったんだ!それまでの不安が、安堵に変わる。

 …と、同時に、ダイナミックな流氷をかち割りながら進む航海を夢見ていたので、港内をぐるぐる回るだけの子供だましのような航海(?)に、すっかり気落ちしてしまった。
 まぁ、せっかく来たのだからと諦めつつも船に乗り込んだ。

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