新年にトイレも模様替えをと、大晦日に世界地図を貼った。
国旗も載っているし、ギリギリまでトイレを我慢している6歳の長女Eも、
これで少しはトイレ好きになってくれるのでは、、、と、
彼女の反応を見に行くと、、、案の定、大喜びである。
夢中で見入っている彼女に、「どう?気に入った?」と聞くと、
「ママ、アフガニスタンって、どこ?」と、驚きの質問。
「ここだよ。でも、どうして?」と私。
「ニュースでいつもやってるでしょう。食べるものが無くて、死んじゃう
子が、いるんだって、、。」とE。
これは良い機会と、その後、どうして飢餓に苦しむ人がいるのか、、
なぜ戦争が起こるのか、、等々少し話してみた。
気が付けば30分、トイレで話し込んでいた私達。

その夜、祖父母の家
からおせちや煮物を
どっさりいただいて、
豪勢な夕食の時、
「食べきれないね。」
という私の声に、
「残ったらお弁当箱に
詰めてアフガニスタンに届けてあげようよ。」とE。
「う〜ん、でもね、Eが行けるほど近くではないのよ。」と、私。
「じゃあ、宅急便にたのもうよ。」とE。
「宅急便も届かない位、遠い国なんだよ。」と、主人が言うと、「えー、そうだっけ?」と、トイレへ駆け込むE。
暫くして、戻ってきたE、こんどは「ママ、日本ってどこ?」と、きた。
自分の国よりも、アフガニスタンを先に覚えてしまったE。彼女にとっても大きな問題だったようだ。
そして、またまたトイレへ駆け込み、「ここが、日本でしょう。」と始まった。
すると今度は、日本のあまりの小ささにビックリ。
「えー、この中にばーばちゃんちも、北海道も森も富士山もみーんな入っているのー?」と、きた。
「そうよ、この中に、いっぱいの人が住んでいるんだよ。だから、
きれいに住まないと、すぐゴミだらけになっちゃうね。」と、今度は、環境問題を30分ほど、、、。
その後、ニュースを見ている私の横で「これ、アフガニスタン?」
「まだ、戦争しているの?」と、気になる様子のE。
「Eは毎日ご飯が食べられるのだから、残さず、感謝して食べようね。」
と言う私の言葉に、その日からきれいに食べるようになったE。
それを見守る私も、身が引き締まる思いだ。

「このおかず、持って行ってあげようよ。」
と無心で話すEの言葉は一生忘れられないだろう。
6歳の子供がこんな思いでいるのに、
なぜ世界では争いが絶えないのか、、、
やるせない気持ちがこみ上げてくる。
また、Eのやさしい心がいつまでも、そのままで
あることを、そして、その心が大きくなって、
いっぱい集まって、世界を変える力になってくれるこ
とを、願わずにはいられない。
その後も、テレビで国旗を目にすればトイレへ、、、絵本に国名が出てくればトイレへ、、、の毎日が続いている。
「もー地図、部屋に貼ったら?」と、あきれ顔の主人。
「いいの、いいの。」と、そそくさと地図を見に行く私達は、このトイレ講習会が案外、気に入っている。
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