


VOL.10
2001.5.3. |
前号までは ここ をくりっくしてください |

子供って、うるさいし、汚いし、、、。
なんて思っていた私も、母になり、我が子と関わっていくうち、すっかり気持ちが変わっていった。
子供の心の美しさ、純粋さに日々感動し、忘れていた透明な気持ちを、少しずつ取り戻していった。
散歩の途中、子供はすぐ立ち止まる。
何かを見つけると、しゃがみ込む。
「早くおいでよー。」と、イライラしていた私も、最近では、
「なにが、あるの?」と、ならんでしゃがんでみる。
実に様々な発見があるもの。
小さな花や、虫たち。かわいい木の実や、葉。私の知らなかった、世界がそこにある。
こうして私は、子供ワールドに引き込まれていった。
しかし、、、。
何事も夢中になるタイプの私。行き過ぎる事も、しばしば、、、。
先日、5歳のEの幼稚園バスのお迎えの時、バスを待っているあいだに、2歳のLが、真っ赤なクモを見つけた。
「うわー、きれいー」と、見とれていると、クモがアリと、ゴッツンコ。
ケンカしているのか、話でもしているのか、2匹は動かず、見つめ合っている。
「どうしたのかな? こんにちわって、いってるのかなー?」
なんて話していたら、ようやく動き出した。
「おうちに帰るのかなー?」と、追いかけて観察する。時間も忘れて、、、。
「何が、いるんですかー?」と言う声に振り向くと、バスの先生がのぞき込んでいる。
Eは、すでにバスから降りてクールな視線で、私を見つめているし、
バスの中からは、園児達の不思議そうな顔がいっぱい。
「アリがいて、、、クモと、、、すいません、、。」と赤面する私。

また、別の日にはLが、
「ママー秘密の公園いきたーい。Lちゃん知ってるから、教えてあげる。」と、言い出した。
2歳児に道案内が、出来るのか、、と思いながらも、
”もしかしたら、すごい所に連れて行ってくれるかも、、、。”と、変な期待を胸に、自転車で出掛けた。
「この道は、どっちに行けばいいの?」
「うーんとね、こっち。」
「ここは、まっすぐでいいの?」
「うん。」と、こんな感じで、走ること30分。あった、あった、公園が、、。
「ここが、ひみつの場所ねー。」なんて、遊び始めた。、、、、の、だが、、、。暫くして、気が付いた。
”ここ、何処だろう、、、?”
もともと、方向音痴の私、だんだん不安になってきた。
「もうそろそろ、帰ろう。」と、走り出してみたは良いが、右も左も、分からない。
”まあ、なんとかなるさー。”と、適当に走り回って、ますます泥沼に、、。
私の不安が、Lにも伝染し「ママー、早くお家帰りたい。」と、始まる。
追い打ちをかけるように、雲行きも怪しくなり、今にも降り出しそう。
「すいませーん。00町5丁目は、どちらの方でしょうか?」
なんて、道行く人に、自分の家を聞いて回り、1時間かけてようやく帰り着いた。
クタクタで雨にうたれ、半ベソの私達を見て、主人は、
「また、迷子のなったの?」と、慣れたもの。
はたまた、何年ぶりかの大雪の日は、「雪だるま、作ろー。」と、張り切って外へ出た。
恐がりのLは、玄関から外へ出ない、仕方なく、玄関先でEと2人で雪を転がす。
最初大喜びだったEも、「手が冷たいから、やめるー。」と、家の中へ。
結局、私1人でゴム手袋はめて、「大きいの、作るからねー。」と、雪転がし。
「ほーら、出来たよー。大きいでしょう。」と、2人に見せる。
「これ、おとうさん? おかあさんは、いないの?」という声に、
「ハイハイ、おかあさんね。今、出来るよー。」と、また雪転がし。

とうとう、パパ、ママ、Eちゃん、Lちゃんにうさぎまで付けて、完成。「大成功ー。」と、大喜びなのは、私だけ。
「なんか、バッチイよ。ドロンコ付いてるー。」と、不満気なL.。
「寒いから、お部屋入るー。」と、気を遣ってつき合っていたEも、行ってしまう。
「もうー。子供は風の子でしょう。」と、ブツブツ言いながら家に入り、気が付いたらずぶ濡れ。
その夜、少々熱が出た私だった。
1ヶ月ほど雪だるまは、溶けずに残っていたけれど、
「自転車出す時、コレ邪魔だなー。」なんて、主人まで言い出すしまつ。
「もう、絶対雪だるまは、作らないからね。」と、ふてくされる私。
”でも、きっとまた雪が降ったら、作っちゃうんだろうなー。”と、心の中で、つぶやいた。
からぶりだったけれど、楽しかった思い出。
文とイラスト yun
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